(俺、なずなのことが大好きだ)
(この声は、典道君?)
(なずな、世界で一番お前のこと愛してる)
(典道君だよね…。私もだよ。典道君)
(俺と付き合ってくれない?)
(もちろん…)
(絶対なずなのこと幸せにするからさ)
(ということは、結婚!?)
(まだ早いよ笑でも、結婚できるといいな)
(絶対するからね〜)
夢…。
覚めなければいいのに。
この夢の続きはきっと結婚できた。
神様、なんで起こしたの?
私と典道君はそんなに結ばれちゃいけないの?
いや、分からない。
結ばれるか結ばれないかは今日にかかってる。
ん…。もう5時15分…。
後、15分で夕ご飯だよ。
寝ちゃったからね。
祐介君を起こさないと。
「祐介君…、起きて。もう夕ご飯だよ」
「おー、悪い悪い」
「大丈夫だよ、着替えて行こう」
「そうしようか」
私達は、少し早めに出て旅館の売店を見に行った。
あー、このお菓子美味しそう。
名前は、信州丸ごとりんごパイ。
800円くらいだから帰る時買っておこうかな。
もう直ぐ、夕ご飯だ。
祐介君を呼んでこないと。
「祐介君、行こう」
「えっ、もうそんな時間!?」
「そうだよ」
1時間くらいで私達は食べ終わった。
料理はすごく美味しかった。
でも、裏の私は笑ってない。
心の底から笑えない。
だって、表の自分は彼氏の祐介君じゃなくて典道君と駆け落ちするって納得して喜んでる。
本当はこんなのいけない。
絶対、祐介君を裏切る事になるんだから。
裏の自分は罪悪感、表の自分は高揚感しかない。
後、由郁を差し置いて告白しに行く優越感かな。
最低だよね、こんな自分が嫌い。
でも、想いに逆らえない。
裏の自分がいくら足掻こうとも表の自分の方が想いが強くて逆らえない。
もう、私は想いのままに行くって決めたんだから。
40分くらいして大浴場に行った。
由郁がいるかもしれないし気をつけないと。
なんか、会ったら色々めんどくさそう。
大浴場から影に隠れたラドン泉で待ってみる。
由郁が来て、髪とか洗い出したらこっそり出て行く事にしよう。
だって、そうじゃないとバレちゃうよ。
髪とかを洗ったりとかで20分が経過した。
私が、ラドン泉に使って気持ちよくなっていた時、由郁が来た。
どうしよう、バレたら疑われる。
典道君に告白することが今度こそ出来なくなる。
慎重に行かないと。
でも、ふふっ。
私、典道君のおかげで変われたな。
一年前とは違って典道君に入れ込んでて重い女になってるのかも。
10分後くらい由郁が髪を洗い始めた。
私は、そっと後ろを通り過ぎ、脱衣所に向かって行く。
私が脱ぎ終わり、部屋に戻ろうとすると典道君も丁度出て来ていたみたい。
前に典道君がいる…。
少し、待って典道君の部屋に行こう。
241号室に。
祐介君には遅くなっても戻ってて大丈夫と伝えてある。
だから、祐介君は来ない。
来ないことを祈らないと。
5分くらい売店の前で待っていることにした。
5分経ったのかもしれない。
私と典道君の運命の歯車が動き出すまで後5分もかからない。
絶対告白成功させてやるんだから。
私は241号室の前に立つとベルを鳴らした。
典道君は誰か困惑しているんだと思う。
ガチャと開いた。
その瞬間、典道君は呆然とする。
そりゃそうだよね。
私と同じ旅館に泊まっているなんて典道君は思いもよらないよ。
お互い見つめ合う。
もし、典道君とずっと見つめ合える生活が続いたら。