この力、この世界で役立つのか?   作:zaurusu

15 / 21
今回は、2回にわけて投稿します。


第8話 前半

今日は至って何もない普通の日だ。ここんとこ、雨が降り続いてたから、ジメジメした空気が爽やかになってとても心地いい。

 

でも、そんな時に限ってイベントが発生したりする。

 

まぁ、今回はそんな大きな事ではないが思う事がたくさんある。

 

「たく、束の奴……ハガキぐらい自分で出せないのかな?」

 

束からハガキ出してきてとお願いされたので、次狼は郵便局へと向かっていた。

 

ハガキといっても残暑見舞いではなく、応募ハガキだ。

 

何でも、とあるプラモ製造会社が超リアルな白騎士15分の1フィギュアが世界200個限定で発売され、応募に当たった人しか買えないからとか

 

それなら、自分で出せ!と言いたいが、束曰く、クロエちゃんの専用ISの開発で忙しいから無理とのこと。

 

確か、ワールド・パージとか言ってたっけ?

 

幻覚系のチートISだったと思うけど、詳しくは覚えていない。

 

まぁ、クロエちゃんの事なら仕方ないか。

 

“本人は自覚ないが、クロエちゃんの事になるととことん甘くなる。”

 

それはいいとして、切手くらい貼ってほしいものだ。お陰で買う羽目になり、一万円を犠牲にした。10円ならあるのになんで、こういうのは50円切手なんだろうか。

 

たかが、50円ていうけど結構痛いぞ。

 

てか、普通ハガキには切手をつけるものだというのを知らないのだろうか?

 

あれか、ジェネレーションギャップってやつか?今の時代は何でもインターネットだから、今の子達とか知ってるのだろうか。

 

今度、注意することにした。親しき仲にも礼儀ありと言うことを千冬と一緒になって教えよう。

 

それを考えた瞬間、とある天災が嫌な予感が震え出したのは余談だ。

 

 

郵便局までは歩いて15分ぐらいの距離にある。

 

途中で商店街を通るから、ハガキを出したついでに昼飯でも取ることにしよう。

 

 

 

 

ハガキを出し終えると、商店街の喫茶店でコーヒーとトーストを頼んで、適当にくつろいでいると、テレビ画面にあるニュースが流れた。

 

「フランスの大手IS製造企業、デュノア社が第2世代IS、ラファール・リブァイブの試験運転に成功しました。デュノア社は会見で既に量産の目は立っていると……」

 

第2世代型ISか……開発されて結構時間が経っているが、原作でラファール・リヴァイブはかなり後期で作られたとシャルロットが言っていたが、どうやら本当のようだ。

 

でも、量産するにはまだ少し時間がかかるのか。

 

携帯でデュノア社の株を見ていると、物凄い勢いで上がる上がる。そして、ほかの企業は下がる下がる。

 

市場市場が荒れるなこれは。

 

ちなみに、次狼はかなり前からデュノア社の株を買っているので、量産の目処が経った瞬間にすぐに売り払った。

 

今は、まだ順調だけど、そのうち、第3世代の開発がメインになってくるからだ。

 

極秘だが、欧州ではその点についての開発プランが出来つつあるみたいだし。

 

そして、デュノア社と同じように物凄い勢いで景気が上がっているところがある。

 

それは、ドイツだ。

 

つい先月、第2回モンド・グロッソの会場に選ばれ、景気は右肩上がり。国全体が熱狂に包まれ、たった一週間でビールの消費量が去年の年間消費量を軽く超えたとかニュースになって、どんだけ飲んでんだと思ってしまった。

 

チケットの一般販売はまだだが、倍率がすごいだろうな。

 

まぁ、俺には関係ない話だ。

 

ただ、一般チケット販売はされてないだけで、特別チケットは配られている。いわゆる、招待券だ。

 

実はと言うと、次狼当てにその特別招待券が送られてきたのだ。

 

普通は、その国の首相や大臣や大統領、国家代表出場者の身内、大手IS開発企業の代表者など世界でも限れた人物にしか配られない。

 

そんな中、なぜ次狼が招待されたかと言うと、ヨーロッパにおける再生屋として活動が評価されたからだ。

 

ヨーロッパウナギの養殖、ヨーロッパパイソンの繁殖増加、ギリシャリクガメの発見、スペインオオヤマネコやヨーロッパミンクの保護活動、その他もろもろ。

 

知らず知らずの間に欧州では多大な貢献をしていたのだ。

 

これからの活躍に期待し、ドイツ政府も次狼との太いパイプがほしいのが理由だと思う。

 

断る理由もないし、なにせ移動費や飛行機代も負担してくれる。席も超VIP待遇な人が座る場所だ。流石、ドイツ! 太っ腹!

 

だが、少し困ったことがある。

 

それは、招待券がもう一枚届いているのだ。

 

実は何を隠そう、千冬からもらったものだ。

 

普段、一夏がお世話になってるから、そのお礼なんだとか。

 

ダメ元で応募しようかと思ってた矢先、まさかのチケットが無料で手に入ったので終始喜んだのもつかの間、その一週間後にドイツから同じチケットが届いたのだ。

 

ただ、少し違うのがドイツから送られてきたのは1人専用だけが、千冬から貰ったのは、本人を含めて4人まで連れてきても大丈夫なやつだった。その分、1人専用にくらべ待遇は少し劣るが、十分すぎるサービスを受けられる。

 

贅沢な悩みとはまさにこの事だ。

 

家族なんていないし、ましてや恋人もいないから本当に困っている。

 

なので、知り合いに渡そうと思ったのだが……

 

一夏君が既にチケットを千冬さんから貰い、鈴ちゃん、弾君、数馬君を招待することになっているから実質、知り合いは全員行くことになった。

 

クロエちゃんを誘おうかと思ったけど……誘うと束も付いてきそうで、そうなるとややこしくなりそうだからやめた。

 

一応、こっそりメールで誘ったりもしたのだが……開催国がドイツなため断っていた。

 

それもそうだ。一度、殺されかけたのだから。

 

「はぁー、本当にどうしようかな……」

 

と考えていると……

 

「かんちゃ〜ん、ここだよ〜」

 

「待って、本音……」

 

「はやくはやく〜」

 

どこからかのんびりとした声と少し可愛らしい声が聞こえてきた。

 

「えへへ、ここのスイーツパフェはすごく美味しんだよ〜?」

 

「そ、そうなんだ……」

 

カランカランとドアが開く音がなり、声のした方向へ向くとそこには、眼鏡をかけた水色の女の子とのほほんとしたお菓子が好きそうな雰囲気の女の子がいた。

 

間違いない。

 

更識簪と布仏本音だ。

 

 

 

 

 

 

 

 




というわけで、簪と本音を登場させました。

楯無でもよかったんんじゃないかと思いますが、敢えて本音を登場させた理由は……わかりません。

一応、この頃に楯無と喧嘩している設定です。

あ、理由はこれかも……


次回もお楽しみに

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。