この力、この世界で役立つのか?   作:zaurusu

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後半です


第8話 後半

目の前に、現れたの人物を見て思わず手にしていたトーストを落としそうになった。

 

まさか、こんなところで原作キャラに会うとは思わなかった。

 

よく見ると、簪の手には大きな箱が入った袋をぶら下げていた。

 

あれは確か……

 

「それにしてもよかったね〜かんちゃん。欲しいものが売ってて〜」

 

「うん、本当によかった!」

 

まるで、我が子を大切に思うかのように優しく抱き抱えていた。

 

簪が抱えているのは、変身ベルトだ。それも、子供用じゃなくて大人の高級バージョン。

 

次狼も束に頼まれて、変身ベルトを購入したことがあるのだが、その時は限定品だとか未開封、生産終了品など色々なプレミアムが付いて、10万円ぐらいした気がする。

 

「まさか、フリマで手に入るなんて思わなかったけど……」

 

「まあまあ、取り敢えず手に入ったんだからいいじゃん〜?」

 

「それも、そうね。ふふ。」

 

プレミアムがつかなくとも普通に5〜6万円するから、中学生がとても手がつけられる値段じゃないから、気になっていたが、どうやらフリマで手に入れたようだ。

 

そういえば、近くのドームでフリーマーケットのイベントが行われるって一夏君が言っていたのを思い出した。

 

まぁ、フリマなら掘り出し物とか安く買えるからね。

 

それにしても、簪が持っている変身ベルトは未開封で物凄く保存状態がよくて、新品同様に見える。

 

限定品ではないが、オークションに出せば最低でも数万円はするだろうな。

 

いい掘り出し物に出会えて何よりだ。

 

俺もこの後は暇だし、フリマで掘り出し物でも探そうかな?丁度、玄関しく手頃な大きさの絨毯が欲しいんだよな〜。

 

そんな事を考えていると……

 

「更識簪だな?」

 

突然、店の目の前に黒いボックスカーが数台止まると中からサングラスをかけ、黒いスーツを着たSPのような集団がぞろぞろと降りてくる。そして、店の扉を壊さんとの勢いで激しく開け、簪と本音のもとに行き、逃げないよう囲み始めた。

 

「え、えっと……あなた達は……」

 

男が本人か確認するが、簪は混乱し答えることが出来ない。

 

どうやら、SPでも護衛でもないようだ。

 

男達が簪に向ける目は、恨みと復讐。みるからに、殺気がダダ漏れだ。

 

(少なくとも15人ぐらいはいる……懐には拳銃かナイフを隠してるな……それに、扉付近にいるやつらは背中に自動小銃があるな。それに、外から感じる視線……スナイパーもいるな。どうやら、俺に照準を合わしてるようだ……随分と用意周到な奴らだ。)

 

次狼は男達をみて、プロの殺し屋かテロリストかと思ったが、簪に対する殺気が激しいために、只者ではないと位置付けた。

 

過去に更識とやりあった組織か……それとも何処かの国の暗部か。分かるのは更識に対する復讐という事だ。

 

さて、どうしたものか

 

次狼はこの事態をどう、打開すべきか考え始めた。

 

ノッキングガンは家に置いて着たし、グランドノッキングで一気に止めてもいいのだが、そうなると店が崩れ簪達が下敷きになる恐れがある。そうなると、インパクトが一番なのだが、この人数相手だと少し時間がかかる。その間に、逆上して簪達が攻撃されかねない。

 

「いや、離して!!」

 

と、ひとりの巨漢が簪の腕を強引に引っ張り、勢いで簪は転んでしまった。

 

抵抗するも、男はビクともしなかった。思いの外、男の握力が強いのか簪の表情は辛そうだ。

 

その時

 

「かんちゃんを離せ!!!」

 

本音が男の手首に噛み付いた。

 

「ーッ!? このガキ!!」

 

男は噛み付かれた腕から本音を引き剥がすと、思いっきり投げ飛ばした。

 

そして、懐から銃を取り出すと本音の方に向けた。

 

「か、かんちゃん……」

 

「やめて!本音を撃たないで!!」

 

簪が必死に叫ぶ。

 

だが、男の耳には届かず引き金を引く……

 

刹那

 

「なぁ、おい?」

 

ドスの効いた声が店内に響く。それと同時に、男達に今までに感じたことがないくらいの殺気と威圧がのしかかる。

 

「お前……何しようとした?」

 

次狼ら男に問いかけるが、完全に言葉を失ったようでなにも言い出さない。

 

いや、喋れないのだ。

 

おでこに指を乗せて、軽くつつかれた。それだけで、この男は動かなくなったのだ。

 

「……ミリオンノッキング!!」

 

シュドドドド!!

 

さらに追い討ちをかけるかのように指で身体のあちこちを差し込む。

 

 

ガキィイイイ!

 

電流が体全体に広がる衝撃とともに、男はもう二度と動くことはなかった。

 

その間、わずか数秒の出来事だった。

 

誰もがなにが起こったかを理解できなかった。

 

唯一、分かるのは先ほどまでテーブルに座っていた男が一瞬にして目の前に移動して何かをしたこと。

 

「お前ら、覚悟しろよ?女の子を泣かすわ、挙げ句の果てに、投げ飛ばして怪我させるわ……とんだクズ野郎だな」

 

ゴキゴキ

 

拳の関節を鳴らす。

 

「き、貴様!!!!」

 

男達が一斉に銃を取り出し、次狼めがけて発砲しようとするが……

 

「ノッキングタイム!」

 

ピタァア!!

 

地面に拳を振り下ろすと、一瞬だけ時が止まったかのように世界が制止する。

 

「悪いな、ここからは俺の時間だ。」

 

シュ!

 

 

そして、世界が正常に戻る頃には全て終わっていた。

 

男達は銃を取り出したはものの、そこから何も出来ない。

 

「ふう、取り敢えず警察呼ぶか」

 

男達には意識があるため、必死にこの場から逃げようとするがノッキングによって動けない。全員から冷や汗と油汗がにじみ出ていた。

 

まぁ、それだけのことをしたんだ。きちんと警察(だんな)にお世話になるといい。

 

まぁ、更識の娘に手を出したから、極刑は免れないだろうな。

 

それはさておき

 

「大丈夫ですか?」

 

「だ、大丈夫です……ありがとうございます……」

 

一部始終を見ていた簪は何が起こったかは分からないが、助けてくれた事に感謝を述べた。

 

「怪我はない?結構強く腕を掴まれたと思うけど……」

 

「いえ……それよりも本音が!!」

 

簪は本音の元へと駆け寄った。

 

「本音!!」

 

「………うう……」

 

思いっきり地面に叩きつけられたから、心配したが、あの一瞬で受け身をとってダメージを全身に拡散したらしく、目立った傷はなく気を失っただけのようだ。

 

流石は更識の護衛。抜かりはないか。

 

でも、擦り傷と打撲が見られる。

 

「ちょっと、しみるけど我慢してね」

 

次狼は絆創膏を取り出し、そこにドクターアロエから絞ったエキスを振りかけると傷口に貼った。

 

打撲箇所には、ドクターアロエをその場で再生させ、優しく巻きつける。

 

「ふう、これで大丈夫ですね。さ、次は簪さんですよ」

 

「わ、わたしは大丈夫……っ!?」

 

瞬間、腕から痛みが湧き上がり思わず膝をついてしまった。

 

「簪さん、恐らくですが骨折してると思いますよ。無理もないです、あんなに強引に引っ張られたら尚更ですよ」

 

次狼は優しく簪の上腕を持ち、袖をそっと巻き上げる。

 

そこにはくっきりと掴まれた後が残っており、青く腫れていた。

 

今なら分かる、相当痛かったのを我慢してたんだな。

 

ますます、こいつらが許せなくなってきた。

 

しかし、今は治療が優先だ。

 

痛みを感じないよう、腕の痛覚をノッキングし麻痺させた所で骨を正しい位置に戻す。ぶれないよう棒で固定し、包帯がわりのドクターアロエを優しく巻いていく。

 

「はい、もう大丈夫ですよ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

治療が終わると、どこか安心したのか簪は力が抜けていった。

 

ピーポーピーポー

 

ウーウーウーウー

 

どうやら、警察と救急車が到着したみたいだな。

 

刹那

 

「簪ちゃん!!!!」

 

「本音!!!!!」

 

バッシャンガラガーン!

 

2人組の女の子が店の窓を突き破って突入してきた。

 

一方は水色の髪をし、もう一方の子はどこか本音に似た雰囲気を持っていた。

 

「お、お姉ちゃん!?」

 

更識刀奈だ。まだ、幼い感じが残るが間違いない。

 

「よくも簪ちゃんを!!」

 

次狼を見て、刀奈は臨戦態勢に入ると、突然、鋭い突きを放ってきた。

 

「いや、俺は違……」

 

「問答無用!」

 

左アッパー、右フック、飛び蹴り、全て急所を狙うというとんでもない精度だ。

 

だが、次狼はいとも簡単に避ける

 

「やるわね!でも、これはどうかしら!!」

 

先程よりもより洗練された構えだ。完全に俺を敵として認識したようだ。

 

さて、どうやって誤解を解くべきか。

 

と考えていると

 

「お姉ちゃん、やめて!その人は私達を助けてくれたの!」

 

簪が刀奈に抱きついて止めた。

 

「か、簪ちゃん!?」

 

突然、抱きしめられて困惑している。

 

落ち着いた所で、簪がここで何があったのかを刀奈に丁寧に説明する。

 

「ごめんなさい!まさか、簪ちゃんを助けてくれたのに私たら……」

 

「あー、大丈夫ですよ。多分、俺もこの状況なら間違いなく同じことをすると思いますし……」

 

妹を思ってのことだし、責めたりはしない。ただ、少し落ち着きを持ってほしいなと思ったけど。

 

しばらくすると、警察が来てノッキングされた男達を運び出すのだが、体全体がセメントの様に固まってるので思うように作業ができずに苦労していた。

 

最終的にトラックに積まれたのだが、一部の足が飛び出して犬神家の一族みたいになったりと、大量のマネキンを運んでるようなシュールな光景なった。

 

まぁ、あと二時間もすれば解けるから頑張ってくださいとしかいいようがなかった。

 

「あの、お話を聞きたいので、家に来てくれませんか?」

 

無事、事件を解決したことだしそろそろ家に帰ろうかと思った時、刀奈に呼び止められた。

 

どうするべきか

 

下手すると暗部に関わることになるかもしれない。平和主義の俺からしたら断りたいが、断るとあれこれ調べられそうだし……バレた時はその時でめんどくさいし……

 

それに……

 

「……………」

 

なんか、簪さんが俺の事を凄く睨んでる……というか目がヒーローを発見したかのようにキラキラしてないか?

 

なんか、お願いされてるみたい。

 

これは、断れるわけがない。

 

「わかりました」

 

次狼は更識家にお邪魔することになった。

 

 

 

更識家に着いた時、若い護衛の人たちがぞろぞろと出てきて、「おかえりなさいませ、お嬢!!」とヤクザのお出迎えするような雰囲気だった。

 

そして、現当主と一対一で話し合いになるのだが、雰囲気がとてつもなく、下手な事を言ったら切り捨てられそうだった。

 

楯無さんは「娘を助けてくれた感謝する」と深々とお辞儀をし、自分たちが代々政府お抱えの対暗部用暗部だと言う事を教えてくれた。

 

知ってはいたが、教えていいのかと尋ねた所

 

「問題ない」との一言。

 

左様ですか。

 

そして、簪から事件の一部始終を聞き、働かないかと勧誘された。

 

まぁ、断ったけど。

 

その後は、何故か宴会が行なわれた。

 

その際、ものすごく綺麗な女性が晩酌してくれたのだが、なんと、簪と刀奈のお母さんだった。どう見ても母親には見えず姉妹にしか見えなかった。

 

その後、刀奈ちゃんが浴衣で登場し、笑顔で晩酌をしてくれたのだが……それを、簪が恨めしそうに眺めていた。

 

何故だろうか

 

宴会が終わって、帰ろうとしたら現当主の奥さんから「今日は泊まって言ってください」と言われ、流石にそこまでは……と思ったが無言の圧力により泊まることにした。

 

娘をよろしくお願いしますと言ってたが、なんでだろうか?

 

その後は、簪、楯無、虚、本音が部屋に押し入ってきたので人生ゲームで遊び、雑談をしたりと盛り上がった。

 

ちなみに、本音と簪の怪我は既に跡形もなく治っていた。

 

そういえば、簪は刀奈は随分と仲が良くなっており、喧嘩していたのではないかと聞いて見たところ

 

「確かにそうだったんだけど……あの時、お姉ちゃんが私のことを叫んで必死に守ろうとしてくれたから……」

 

「私もよく考えずあんな事を言って……」

 

「でも、それはわたしを守るためなんだと気づいたの。」

 

お嬢様は少し不器用なんです。という虚の言葉が刀奈の胸にぐさっと刺さった気がするはそれは置いておいて……

 

「よかったね、仲直りできて」

 

2人をなでなでする。

 

「「………/////」」

 

すると、2人はみるみる真っ赤になっていく。

 

「むぅ〜、私もなでなでしてよ、じろろん〜」

 

「本音……」

 

そこに本音が割入った。

 

それよりも、じろろんと俺のことか?

 

「えへへ、次狼だから、じろろんだよ〜」

 

まぁ、悪くはないな。

 

「そうか、素敵なあだ名をありがとう」

 

お礼に撫で撫ですると、えへへと笑みをこぼしていた。

 

「本音……」

 

呆れるかなようにため息をつく虚にも次狼は撫で撫でした。

 

「本音ちゃんはいい姉を持ったし、虚ちゃんもいい妹を持ったね」

 

「………////」

 

こちらも、顔が赤くなった。

 

「「むぅ………」」

 

後ろから、何やら聞こえた気がするが気のせいだろう。

 

気づくと、もう良い子は寝る時間だからそれぞれの部屋に帰らせる。

 

思いの外、力を使ったため疲れていたため、次狼は布団に入ると、すぐに深い眠りについた。

 

翌日

 

次狼は更識家で朝食をご馳走になると、お礼として机の上にある物を置き、そのまま、家へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次狼が更識家に置いて言った物

それは

「お姉ちゃん、これって……」

「ふむ、どれどれ……これは!?」

「お嬢様はどうかした……!?」

「どうしたの〜?」

4人が見たものは……

「「「「第2回モンド・グロッソの招待券!?」」」」

「うそ、発売日はまだ数週間先のはずなのに……」

「偽物?」

「いえ、これは、日本政府直々のサインがあります。どうやら、本物みたいです……」

「一体、誰がこんな物を……」

「お嬢様、こんなお手紙が……」

「どれどれ……仲直り記念品だ、受け取れ by 通りすがりの一般人より……」

((((間違いない、次狼さんだ!!))))

「日本政府から直々の招待……何者なんでしょうか?」

「少なくとも、悪い人じゃないと思うよ?」

「私もそう思う〜」

「取り敢えず、奥様方に相談してみては?」

「そうね!」

相談の結果、4人はモンド・グロッソを見にいくことになった。もちろん、保護者つきで。






あれ、もしやフラグが!?

どうもこんにちは。

多少強引でしたけど、簪と楯無の溝を埋めることができました。

今回は、戦闘シーンを入れて見ましたが、やはり難しいです。

次回もお楽しみに!!

それと、感想と誤字脱字の報告ありがとうございます!

あと、番外編のアンケートも募集しています!もし、こんなの話がいいとかありましたら宜しくお願いします!
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