この力、この世界で役立つのか?   作:zaurusu

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番外編 一夏の誕生日 part4

広いだけあって、店の数も半端じゃない。特に、洋服やアクセサリーなどの女性向けの店が多く、男性向けの商品はあまり無い。スポーツ製品や時計などを扱う店は一番奥の方に集中していた。

 

こういった所にも女尊男卑が浸透しているとは……仕方がないというかなんというか。

 

まぁ、時間は沢山あるからゆっくり見ていけばいいだろう。

 

途中で千冬が

 

「ほう、最近はこういうのが流行ってるのか……」

 

とぼやいていたのでファッションについて興味が出てきたのかと思ったが

 

「まぁ、私には関係ないが」

 

と、いつも通りだった。でも、似合うと思うんだよな……特にあのマネキンが着てるやつとか。

 

やべ、想像したらギャップが激しすぎて思わず興奮しそうだった。

 

「どうしたんだ?」

 

そんな事を思ってる最中、千冬に声をかけられふと我に帰ることができた。

 

「いや、あの服とか千冬に似合いそうかと思いまして……」

 

指を指すと、そこには今年の流行色をあしらったワンピースがあった。

 

「ワンピースか……着たことないな。それに、この色は私にはあまり似合わないな」

 

実質、千冬さんは黒の服装で統一する事が多いみたいだけど……意外と白とか紺色も似合うとおもうんだけどな……

 

「というか、目的忘れてないか?」

 

あ、そうだった、本当は一夏の誕生日プレゼントを探すのが目的だったんだ。

 

名残惜しいが、今はそっちを優先させることにした。

 

目的地に向かう途中……

 

………ワンピースか……次狼はああいうのが好きなのか?

 

…………やっぱ、似合うとおもうんだけどな……

 

2人ともやはり、どこか思うことがあるようだ。

 

 

 

 

まず、最初に訪れたのは外国の大手スポーツメーカの店。

 

次狼は一夏がもうすぐ、中学生になるから、鞄がいいんじゃないかと提案した。その年になると、色々と必要な物が増えるからとの事。

 

いい案ではあったが、実は前にスポンサーから貰ったスポーツカバンを一夏にプレゼントしたとの事で残念ながら不採用になった。

 

それなら、靴なんていいんじゃないかと思い、色々と探して見たものの、千冬の目にあった物が見つからずこれも不採用。

 

それからというもの、いくつもの店舗を駆け巡り、その結果、たどり着いたのが何故かカメラを取り扱う店だった。

 

何故、カメラ?と聞いたら、千冬曰く、一夏は写真を撮る事が趣味だそうだ。なんでも、その瞬間をなるべく記憶しておきたいんだとか。

 

そんでもって、カメラを見て回ってる訳だが、最新の物から古風な物まであり、カメラの形や種類の多さにびっくりした。まるで、博物館にいるようだった。

 

「ほう、これは随分とデカイな」

 

千冬が手に持ったのはこれまた、歴史あるカメラだった。てか、まだこのカメラ売ってたんだ。

 

「それは、インスタントカメラですね」

 

「インスタントカメラ?」

 

「はい、撮るとすぐに写真が印刷されるカメラですよ。実際にやってみた方がいいですね。」

 

店員に許可を貰い、試しにその場で千冬を撮ると物の数秒で写真が印刷された。

 

「ほう、意外にも綺麗に撮れるもんだな」

 

意外にも、写真はぼやけることもなく、鮮明に撮れていた。

 

「だが、重すぎるな」

 

確かに、これを長時間首にかけるのは骨が折れるだろう。それ以前に、値段が35万円とかなりの高額だった。まぉ、今の時代考えたら貴重な事には間違いないだろうし、何より綺麗だから納得がいく。

 

「こ、これは……」

 

沢山あるカメラの中、あるカメラを見た瞬間にとまった。

 

「まさか、本当にあるとはな……」

 

マゼンタ色の二眼レフカメラを見ながら、思わず頬が緩んでしまった。

 

まさか、とある通りすがりの男が使っていたカメラが売っているなんて思いもしないだろう。

 

「どうした、次狼?お、これまた、変わったカメラを持っているな」

 

千冬も次狼の持ってるカメラに興味が湧いたのか、ジッと見つめていた。

 

「どうやら、デジタル式でSDカードも対応してるみたいですね。値段は……そこそこしますね」

 

7万2千円となかなか際どいとこだ。

 

「ふむ、確かにそうだが……味があって捨てがたいというか……こう、惹かれる部分があるな」

 

言われるとそうだ。

 

別に、特撮が好きだったとかそういう訳じゃなくて、なんか、不思議で吸い寄せられる。

 

「千冬、これ、一夏君のプレゼントにぴったりだと思うんですけど……」

 

「奇遇だな。私もそう思ったところだ」

 

千冬は一瞬、ピンク(正確にはマゼンタ)など男な似合うのか?思ったが、なんとなくこれをつけた一夏を想像したら、意外と似合ってる感じがした。

 

「よし、これにするとしよう」

 

カメラをレジに持っていくと、優しそうな60代後半の男性店主が出て来て、次狼達とカメラを交互に見た瞬間、「これは、運命の出会いだ!」とか謎の言葉を発し、五万円にまでまけてくれた。しかも、誕生日プレゼントだと伝えた所、おまけに、二眼レフ用の望遠レンズを貰った。

 

ご丁寧にラッピングまでして貰って申し訳なかったので、ついでにカメラ専用の掃除道具も買っておきました。これも、プレゼントとして渡す予定。

 

こうして、一夏のプレゼントはカメラセットに決定した。

 

「さて、もう、プレゼントは決まってしまったわけだが……」

 

思いの他、早く決まってしまったため、時間はかなり余っている。いかんせん、目的がない。一夏君達には遅くなるから夕食は食べてこいと伝えてしまったし……かといって、早く帰るのもね………

 

「なんか、面白いことでもあればいいんですけど………お!」

 

ふっと、近くにあった掲示板を見ると、何やら、イベントの広告が貼ってあった。

 

「どうやら、あと30分後にここの近くの海岸でISショーがあるみたいですね」

 

「ISショーか……」

 

「どうやら、触ることもできるみたいですし、行ってみる価値はあると思いますけど。」

 

「ふむ、普段は見せる方だったから、たまには見学するのもいいかもしれんな。やはり、お前もこういったものに興味があるのか?」

 

「んー、そこまでじゃないですけど興味はありますよ? それにこういった機会でしか、一般人はISを身近に見ることがないと思いますし。特に男はね……」

 

「ISのシールドを素手で削ったり絶対防御を突破したり、対IS用捕縛ワイヤーをぶち破ったりした、お前が言うか?」

 

それは、千冬もやってのけただろう。というか、なんで知っているんだ?後半のやつはともかくして

 

「束から聞いた。何も、過激派相手に随分と派手にやったようじゃないか。あいつでさえも、引いてたぞ」

 

「あらら……」

 

実は少し前に、束からの依頼で、ある国の組織の違法研究所を強襲したことがある。そこで、実験台になっていた少女を救い、研究所を潰した後、つながりのある奴らを潰していったのだが……俺としては、ちょっと、調子に乗った奴らを懲らしめたつもりだったのだが……知らず知らずの内にやりすぎていたようだ。

 

「なんていうか、僕はISの汚い部分しか見てないですからね……ちょっとだけ綺麗な部分を見れたらいいなという感じです。」

 

「ISの綺麗な部分か……」

 

千冬も千冬でISの裏の話は分かっている。それゆえ、色々と思うこともある。特に、ブリュンヒルデになってからというものそれは凄みを増していった。

 

いつの間にか、ISに対する意識が変わってしまった。あいつの親友故、一番理解していたはずなのにな。

 

次狼とあってから色々と変わったような気がする。こいつには感謝しきれないな。束の事を含めて。

 

「どうしたの?」

 

次狼がなにかあったかのように聞いてきた。どうやら、深く考えすぎて心配させてしまったようだ。無論、心配するようなことはない。

 

「いや、若い世代がどこまでやれるのか気になってな」

 

「千冬も十分、若いと思いますけど……」

 

「私もいつかは引退するさ。未来のライバル達の実力を見ておくのも悪くないからな」

 

「何故だが、そのライバル達が千冬相手に勝てるビジョンが全く浮かばないんだけど……」

 

「ほう、それは褒めてるのか?」

 

おう、視線が鋭くなってる。

 

「まぁ、その……とりあえず、行きましょうか? 海岸までは歩いて5分くらいですし」

 

「ちょ、話はまだ……」

 

そういって、誤魔化すように千冬の手を握って歩き出した。

 

最初は抵抗があった千冬も慣れて、普通を装ってるが、やはり、どこか恥ずかしいのか、心はあたふた状態だった。

 

(何故、こいつはこうも簡単に!/////)

 

 

 

side 一夏達

 

「おい一夏、見てみろよ!ウブロの最新モデルの腕時計だぞ!」

 

「まじかよ!これって、確か、ISと一緒の素材が使われてるってやつだよな?」

 

「ああ、たしか、イギリスの国家代表がつけてたやつだぜ!!」

 

「「すげぇ!!」」

 

三人は当の目的を達成忘れ、それぞれ自分の趣味に走っていた。

 

一夏と弾は最新の超高級時計に目を輝かせてる中、鈴はというと……

 

「ん〜!冷たくて甘くて美味しいわね!」

 

今、ネットでたちまち噂になり、大人気になったアイスクリーム店にて特製のイチゴアイスを食べていた。

 

後々、三人が合流した時には既に次狼達はレゾナンスから出ていた。

 

そのせいで、揉めに揉めることになったのだが、ISショーが行われる事を聞き、三人は一致団結して見にいくことにした。

 

千冬姉の追跡はどうなったかって? まぁ、大丈夫だろ。

 

既に、三人は追跡をやめ、楽しむことにした。

 

余談だが、一夏が逸れないように鈴の手を再び繋いだのだが、流石に今度は上手くいったようで、しっかりと手を握ることが出来た。

 

後に、鈴は、この手は一生洗わないようにしようと決意したとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




移動最中の会話

「そういえば、次狼。お前と束が保護したとかいう少女はどうなったんだ?」

「あー、あの子ね……束と一緒にラボで暮らしてるみたいだよ。この前、束が掃除を全くしないのと、ここんとこ全然寝てないようなのでなんとかしたくださいって言われたばかりだよ」

「ふむ、たしか、クロエ・クロニクルとかいったな?お前のことをお父さんと言ったらしいじゃないか?」

「確かに、言われましたよ……まぁ、そこまで、老けたつもりはないから、説得して今は次狼さんて呼んでもらってるよ」

「そうか?わたしは別に悪くないと思ってはいたし、ぴったりだと思う思っていたが?」

「勘弁してくださいよ、まだ、恋人すらいないのに……」

「ほう、お前もそう言ったものに興味があるのか?」

「そりゃー、ありますよ。僕だって男性ですし」

「そうかそうか、どう言ったのが好みなんだ?」

「そうですね……やっぱり綺麗な人とかですかね。あと、可愛げもあるといいです」

「なるほど……やはり男は皆、綺麗で可愛いのが好みなのか……」

「そういう、千冬だって十分綺麗で可愛いと思いますよ?」

「!?」

(こいつはわざと言ってるのか!?/////)

今の2人を見たら、誰もが恋人同士と思うこと間違いない。




というわけで、一夏へのプレゼントはマゼンタ色の二眼レフカメラになりました。

原作では、京都旅行で一眼レフを持ってましたが、二眼レフも、似合うと思ったので、プレゼントすることにしました。

門矢士を意識したわけではありませんよ?……多分

誤字脱字、感想をありがとうございます!これからも頑張ります!

しかし、原作迄の道のりはもう少しかかるかも?
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