スマホを最新のエクスペリアに変えたり、FGOをやり始めたり、スパクロでヘボットの回で爆笑したエルシオンガンダムです。
最近ネタが浮かんでもまったく進まずじまいで、大変皆様にはご迷惑をおかけしました。
それでは、本編どうぞ。
「なるほど、大体理解した」
あれからキラ達は、アーチャーにこの世界のことと神姫のことをはなした。
「まさか今回のマスターがこの様な幼く、転生者とはな。それも神様を集めてハーレムを作るなど・・・」
「僕自身も抵抗はありますよ。そんなことをして、女神様たちを傷つけるんじゃないかって、怖いんですよ・・・」
「・・・・・・君は優しいな」
キラの言葉を聞いて、アーチャーは優しいと呟いた。目の前の少年が嘘を付いていないことぐらい、英霊となった彼には理解できた。
アーチャー自身は恋に関してはかなり鈍感なのだが・・・。
「・・・そんなことないです」
しかしアーチャーの言葉を、キラは否定した。
「僕は優しくなんかないですよ。ただ、目の前で沢山の理不尽を見たから、目の前で起きる理不尽だけは無くしたい、それだけなんです・・・」
キラは前世で、沢山の死を見てきた。初恋の少女に大切な親友、何の罪も無い民間人、そして戦いの中で自分が殺して来た人達。今でもキラはそれを忘れない、忘れてはならないと思っている。
「・・・マスター、一つ聞きたい」
「なんでしょうか?」
「もしもの話だが、一つだけ願いが叶えられると言われたら、君はどうする?」
「いりません」
「「「即答!?」」」
余りにも早すぎる答え。これには二人の神様も、英霊と呼ばれた彼も驚愕せざるを得ない。
「な、なにかないのですかキラ様!?例えば不老不死だとか?」
「変わった古墳の前で生き埋めにされたり、誰も居ない世界に一人ぼっちになっては生命を復活させろって言われたり、好きな人達と永遠に別れてしまったり、有機物が無機物に見えて逆に無機物が有機物に見えたり、流刑の星に飛ばされてメタモルフォーゼしたり、エジプトで殺されてギリシャで殺されてローマまで来たり、自分のクローン人間を大量生産されて殺害番組の標的にされるのがオチじゃないですか?」
「君は何故火の○を知っている!?」
「というよりも、一部不老不死ではないような気が・・・・・・」
キラが出した例えが全て有名な漫画のオチだということに、アーチャーがツッコミを入れる。
「では世界征服は?」
「悪役がやるようなことをしてなんになるんですか?」
「世界中の女とセックスしたいとかは?」
「そんな鬼畜になりたくないです」
「星ひとつ欲しいとか・・・」
「太陽系のバランスが崩れるので却下です」
「ギャルのパンティは?」
「どこの豚ですか!?」///
「そもそも女性が言うことではないのだが・・・」
ガイアの例えにキラはそう的確に答える。すると今度はシヴァが口を開いた。
「なら死者蘇生はどうだ?世界平和もあるぞ?人生をやり直すことも可能だが?」
「・・・・・・」
そのシヴァの例えには、キラもすぐには答えられなかった。というよりもシヴァは、アーチャーがキラに一番聞きたかった事を、代わりに言っただけである。アーチャーがどんな願いも一つだけ叶うという、もしもの話を出した時シヴァは今言った三つの例えを言うだろうと推測したのだ。
結果は正解。アーチャーは「流石だ」と呟いているのが解る。
「お前は目の前で、沢山の人が殺されるところを見たのだろ?沢山の人を殺したのだろ?ならば、蘇生を願えば失った人達は生き返るし、平和を願えば戦争はなくなる。そして人生をやり直せば、戦争とは無縁の世界で生きることもできる」
「シヴァさん!」
「ガイア、お前がキラのために今の3つを伏せたのは理解している。だがそれでは、アーチャーが何のためにこのようなことを言ったのか理解できないままなのだぞ?」
「ですが・・・・・・」
「大丈夫ですよガイアさん」
理解はしていても納得できないガイアに、口を閉ざしていたキラが喋った。
「僕も、アーチャーさん達が言おうとしていたことはわかります」
「・・・つまり、それを含めていらないと即答したのかね?」
アーチャーの問いにキラは静かに首を縦に振る。
「改めて考えましたが、やっぱりそれはできません」
「それは何故なのですかキラ様?」
「確かに人生をやり直せば、戦争とは離れた生活を送ることが出来るかもしれません・・・・・・だけど、僕が背負っている罪が消えるわけじゃないですから」
「「「!?」」」
「それに・・・そんなことをしたら、今までのことから逃げることになる。それどころか、もっと多くの人の命が奪われる。それじゃあ僕は、絶対に後悔すると思います」
「キラ様・・・・・」
「死者蘇生だってそうだ。そもそも此処は異世界なんだから生き返らせること自体出来るとは思えません。仮に生き返ることが出来たとしても、きっと・・・いや絶対に託された物が失ってしまう。それが嫌なんです」
「キラ・・・・・・」
「それに・・・」
「それに?」
「そんなことをしなくたって、きっと平和な世界に出来ると思います」
そのキラの自信に満ちた言葉に、3人は唖然とした。
「確かに人は、愚かな存在です。自らの欲望のために、多くの人の命を殺めたりするし、戦争どころか無抵抗な人を虐殺する様な、救いようの無い存在かもしれません・・・・・・でも・・・それでも僕は信じています!どんなに酷い存在でも、分かり合えるって、お互いが手を取り合うことが出来るって!」
キラのその言葉は、ガイアとシヴァの心に響いた。
そもそもキラが戦ってこれたのは、色んな人達から色んな物を託されて、手を取り合ったからこそなのだ。同じ平和の為に、終わらない明日のために戦って来たからこそ、死んでしまったが今のキラがいるのである。
そしてその言葉が心に響いたのは、彼もだった。
「・・・そうか」
ポン
「ふぇ?」
何かを察したのか、アーチャーはキラの頭を優しく撫でる。
「・・・マスター、君は強いな」
「アーチャーさん?」
キラの頭を撫でるアーチャーは、どこか羨ましそうにキラを見ていた。
「君の様な強くて優しい少年に召喚されて、私は嬉しいよ」
「・・・えへへ、ありがとうございます」///
英霊と呼ばれた存在であるアーチャーに褒められたのが嬉しかったのか、キラは久しぶりに照れ笑いをする。その光景を、二人の女神はほほえましく思うのだった。
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その後アーチャーも自分のいた世界のことと自分の使える『魔術』を話した。本来彼の世界では魔術は秘匿されているのだが、キラやガイア達神なら信頼できると思ったのだろう。
「固有結界ですか、また久しぶりに聞いた大魔術ですわね?」
「それを英霊が使うんだ、いくら神でも驚くさ」
「その気になれば星一つ破壊することが出来る神様に、そこまで言ってもらえるとは光栄だな」
「よかったですねアーチャーさん」
皮肉を込めて言ったアーチャーだが、キラにまで言われて少し苦笑いした。とはいえ、神である彼女達にまで言われて少し嬉しかったのは確かである。
「それにしても、とんでもない世界に召喚されたものだ」
「驚きましたか?」
「そうだな。ヘラクレスやメデューサには会ったことはあるが、本当の神様に会えるとは思いもしなかった」
驚いた風に言ったアーチャーの顔は、そんなに驚いてはいなかった。
「私としては、貴方の使う魔術に興味がありますわ」
「あの、見せてくれますか?」
「・・・・・・良いだろう」
キラにお願いされて、少し考えたアーチャーは右手を突き出し何かを唱えた。
「――――
アーチャーが唱えると、右手には血の様に紅い槍が握られていた。
その槍から発せられる魔力に、ガイアとシヴァには心当たりがあった。
「その槍は・・・?」
「この槍は
「なんだと!?」
「さすがは異世界ですわね。私たちの知っているゲイ・ボルグとは、見た目が違いますわね」
「と言いますと?」
「神姫にもクー・フーリンは居る。勿論師匠であるスカサハもだ」
「ゲイボルグもそのような紅い槍ではありませんでしたわね」
それを聞いたアーチャーは、興味深そうに質問した。
「クー・フーリンに会ったことがあるのか?」
「まあな」
「彼女は今も、師からの修行の課題を行っている途中らしいですわ」
「・・・此処でのランサーは女なのだな」
呟いたアーチャーは、なにやら苦笑いしていた。というのも、彼が会ったクー・フーリンは全身青タイツなのだから。
「とにかく、アーチャーさんの力はわかりました。改めて、キラ・ヤマトって言います。できれば名前で呼んでください」
「了解したキラ。こちらこそ私の様なハズレでよければ、宜しく頼む」
キラは嬉しそうに、アーチャーは皮肉を込めながらそう言って握手をした。その後アーチャーはシヴァとガイアとも握手をするが、二人が「私達も名前で呼んでください」と言ったため、アーチャーは名前で呼ぶことになった。
「さてと、挨拶も済んだことだ。神姫を集める旅を再開するか」
「神姫が何処に居るのかは?」
「強大な魔力が感じ取れればすぐに解るのですけど、魔力を抑えている者もいるので・・・」
「なるほど、理に適ってる」
ガイアの言葉にアーチャーは納得する。
「でも、色んなところを旅すれば、きっと会えますよ」
「要するに行き当たりバッタリか・・・」
「私は良いですわ」
「・・・・・・まあそれも良いか」
アーチャーは少し考えると、キラ達に同意した。
「とりあえず、あそこに道があるので行ってみましょう」
「そうだな」
キラ達は先ほど見つけた道を歩き、奥の方に向かうのだった。周りには見たこともない植物や木の実等があり、キラ達は辺りを見回しながら歩く。
「本当に異世界なのだな・・・」
「そうですね」
自分達の居た世界には無い物がある。それだけでも英霊となったアーチャーも、転生して来たキラも興味はある。
「みなさん、あれを見てくださいまし」
「「「?」」」
突如ガイアが指を指した方向にキラ達は顔を向けた。そこには、少し大きな教会が建っていた。よく見ると、なにやら鎧を纏った者もいた。
「あれは教会か?だがなぜ教会にあのような者が?」
「おそらくあれは、教会騎士だな」
「教会騎士ってなんですか?」
質問をするキラにガイアとシヴァが二人に説明する。
「教会騎士とは、その名の通り教会に仕えている魔導騎士達のことですわ」
「彼らは主に、遺跡などを管理しており、そこらの魔導師や騎士よりも腕は立つ」
「なるほどな。・・・まったく、私は教会に縁でもあるのか?」
そう言ってアーチャーはなにやら遠くを見る様な顔になる。
「それにしても、なにやら様子が可笑しいですわね?」
「なにかあったのか?」
「僕、ちょっと聞いてきます!」
「キラ様!?」
キラは教会騎士がいる場所に向かって走っていった。
「すみません!」
「ん?誰だ君は?」
「えっと・・・旅の者です!」
キラは近くに居た教会騎士に向かって声をかけた。
「その歳で旅の者?」
「えっと、仲間と一緒に旅をしてる途中です」
証拠と言わんばかりにキラはガイアたちの方に顔を向けて、旅の仲間ということを説明した。
「それで皆さんの様子が可笑しくて・・・・・・ここでなにかあったんですか?」
「いや実は、この辺りで巨大な『古龍』が出現したとの情報が入ってな?我々は上司の指令でこちらに派遣されて来た」
「こ・・・古龍ですか?」
『古龍』
そのワードはキラも知ってる。キラは前世でアスランとよくゲームをしていた。その中にはF○の様な有名なRPGなども含まれている為、古龍というのがどういう存在なのかも解るのである。
「その古龍はどんな特徴がありますか?」
恐る恐るキラはそう騎士に尋ねる。
「私も見たことないが、なんでも銀色の鱗に角や翼、尾先等にかけて翡翠色の結晶の様な甲殻があり、蒼色に輝く飛膜のドラゴンらしい」
「ドラゴン!?」
「・・・・・・なに?」
ドラゴンと聞いて、キラだけでなく離れていたアーチャーまでもが驚いた。
「君達も、此処は危険だ。すぐに離れた方が良い」
「・・・・・・解りました」
騎士からの忠告を最後に、キラはその場から離れアーチャー達の元に戻る。
「古龍ですか、懐かしいワードですわね」
「まさかまだ生きていたとはな・・・」
先ほどの話を聞いていたガイアとシヴァは、懐かしむように呟く。神様なのだから古龍の1体や2体会ったことがあるのだろう。
「私の世界では、幻想種は存在しなかったのでね。それもドラゴンとは驚いた」
「こちらでもいまだに生きているとは思いもしなかった。彼らはかなり昔に滅んだと思われているからな・・・」
「因みにどのくらいですか?」
「10世紀くらい前だ」
「・・・・・・それ本気で言ってるんですよね?」
「勿論ですわ」
ガイアに言われてキラは改めて目の前の女性たちが神なのだと理解した。
10世紀、つまりは1000年も前ということである。
「とりあえずここから離れましょうか?巻き込まれるわけにも行きませんし」
「賛成だ。いくら契約したといえど、今の状態では古龍と相手は無理だ」
「そうですわね。普通のドラゴンならまだしも、古龍のドラゴンとなると今の力では難しいですわ」
「私も同様だ。というよりも、私の場合はドラゴンを倒せるほどの宝具がない」
「龍殺しの武器はないのか?」
「あるにはあるが所詮は紛い物だ。ランクが下がっているし、使えたとしても私ではドラゴンを倒すことは出来ない」
「やっぱり何処の世界でもドラゴンは強いんですね・・・・・・あれ?」
どこの世界でもドラゴンは最強なのだと理解したキラは、ふと先ほどの騎士達の言葉に疑問に思った。
「どうかしたのですかキラ様?」
「・・・さっきの騎士さん達が言った古龍の特徴に、心当たりがあるんですよ」
「それは本当かねキラ?」
アーチャーからの問いにキラは「はい」と言って首を縦に振る。
「実は前世で戦争に巻き込まれる前、『モンスターハンター』て言うゲームをやってたんですけど・・・」
「名前は私も生前聞いたことがあるな?」
「よほど最近の英霊なのだな?」
「そのモンスターハンターの中で出てくる、『シャンティエン』と言うドラゴンに特徴が似てるんですよ」
「し・・・シャンティエン!?」
「ガイア?」
キラの説明を聞いて、ガイアが一番驚いた。
「キラ様、それは真ですか!?」
「え?はい」
「ガイア、お前は知ってるのか?」
「・・・えぇ」
静かにそう答えながら、ガイアは首を縦に振る。しかしなにやら恐怖心を抱いているようで、少し体が震えている。
「・・・・・・おそらく別の世界では、ゲームに出てくるドラゴンとして知られていると思いますが、シャンティエンは本当におられますわ。それも、最上位の幻獣ですわ」
「えぇ!?」
ゲームの中の存在だと思っていたキラは、ガイアの言葉に驚愕する。それはそうだ、ゲームのモンスターが本当に存在し、あまつさえ最上位の幻獣と呼ばれれば驚かない方が可笑しいのだ。
「私は一度出会ったことがありますが、とてつもない程の力を有しておりました」
「・・・・・・ということは拙いですね?僕の記憶どおりだったら、確かシャンティエンは霊気で空を浮遊していて、嵐を起こすことが出来て、雷と水、火の属性が備わっていたはずです」
「それは合ってますが、まだ一つあります」
「一つ?」
「・・・その古龍は、光属性の光線も放つことができますわ」
「光線!?」
まさかゲームでも備わっていない物があったことにキラは驚愕する。
「聞いてるだけで益々勝てる気がなくなって来るな」
「確かにな・・・」
「やっぱり離れた方が良いですね」
今の状態では出会うこと自体が拙いと思い、キラ達はこの場から離れることにした。
すると、
「そこの貴方達!」
『!?』
教会の方から自分達を呼ぶ声が聞こえて来た。振り向いてみると、そこには他の騎士達とは雰囲気が違う女性がこちらにやってきた。
「えっと、貴方は?」
「はじめまして、私は『エレミア』と言います」
それが後に、何度もキラ達を助ける『人間兵器エレミア』と呼ばれる女性との出会いであった。
少し文章が可笑しいところもあるかも。
次回アーチャーのストレスが溜まるの回です(嘘)。