最近マクロスのリアクティブアーマーなどに興味をそそられ、こっちのフリーダムにも装備させようかなと思っています。
今回はちょっと急展開になってるかもしれません。
それでは本編どうぞ。
「はじめまして、私は『エレミア』と言います」
突如現れたエレミアと呼ばれる女性に、キラ達は少し警戒しだした。
「エレミア・・・・・・ということは、貴方が今噂の『人間兵器エレミア』なのですね?」
「・・・そうです」
ガイアに言われてエレミアは少し睨みながら答える。その後キラに顔を向けて、とある事を尋ねる。
「貴方、お名前は?」
「えっと・・・キラ・ヤマトです」
「・・・もしや貴方は、デバイスの継承者ですか?」
「・・・はい」
警戒しながらもキラは、エレミアの質問に答えていく。
「・・・・・・実は、折り入ってお願いがあります」
「お願い?」
キラの後にいる3人は、なにか嫌な予感がすると思い警戒する。
「私達と一緒に、とある幻獣を討伐して欲しいのです」
「その幻獣は、シャンティエンのことですか?」
「!?・・・ご存知なのですね?」
「一応・・・」
ゲームで知ったと言うわけにもいかず、キラは目を逸らしながら誤魔化す。
するとアーチャーたちがキラの前に立つ。
「すまないが、こちらは古龍と戦えるほどの力は無い。他を当たってくれないか?」
「えっと、実はそうなんです。すみませんが・・・」
「強大な力を持った神姫と英霊が居るのにですか?」
「私を瞬時に英霊と理解してくれたのは嬉しいが、あいにく下っ端な英霊でね?」
「私達も、今はまだ本来の力が出せませんわ」
「右に同じだ」
そう言いながらもアーチャーとガイア、シヴァはエレミアを睨みながらも話す。
「そうですか・・・でしたら」
エレミアが脇に携えた剣を取ろうとしたその瞬間、
ドクン
『!?』
「え?」
エレミアとアーチャー、ガイアとシヴァは極寒に居るような寒気に襲われ、キラもなにか強大な力が迫ってくることに感付いた。
「な・・・・・・なんですかこの魔力は?」
「まさか・・・!?」
「気をつけろ、なにか空から来るぞ!?」
アーチャーの掛け声に、その場にいた全員が空を見上げた。
「ギャオオォォォォォォォォォォーーーーーーーーー!!」
そこには、空を翔ける巨大な龍がいた。
「間違いない、シャンティエンだ!?」
「あれがかね・・・?」
「はい・・・・・・ただ・・・」
「そうですね・・・」
「あぁ・・・」
「そうだな、見れば解る」
『いくらなんでもでか過ぎ(だ)(です)!?』
余りのでかさにキラ達は驚愕した。
それはそうだ。キラがゲームで見たシャンティエンより、何倍ものでかさなのだ。
「凄い!ラオシャンロン並の大きさだ!?」
「キラ・ヤマト、感激してる場合ですか!?」
「見てるだけで勝てるイメージがなくなったな。下手をすれば、ヘラクレスよりも恐ろしいぞ?」
「これでは古龍というよりも『神龍』ではないか?」
「とにかく、今は逃げないと行けませんわ!!」
ガイアの言葉に、その場にいた者達全員逃げる態勢を取る。
「ギャオォォォォォーーーーーー!!」
「まずい!?」
全員が逃げようとした瞬間、シャンティエンはキラに目掛けて向かってきた。
「ええぇ!?」
「キラ!?」
「キラ・ヤマト!?」
「キラ様!?」
「キラ!?」
自分に目掛けて向かってくるシャンティエンに驚くキラ。
「うわアアアアァァァァァァァーーーーー!!」
「キラ様ァァァァァァァァーーーーーーーー!!」
キラは食べられると思い、目を閉じて痛みを覚悟する。
「・・・・・・あれ?」
『!?』
しかし何時まで経っても衝撃は来なかった。疑問に思いながらキラは目を開けると、寸でのところでシャンティエンが止まっていた。
「とまっ・・・た?」
「どういうことですか?」
「私に言われても困る」
「一体どうして?」
その光景を見た者達もまた疑問に思っていた。
ガイア達のことを無視し、キラは目の前で自分を見つめている古龍の瞳を見つめ返した。
その瞬間、
「・・・え?」
キラは目の前の龍が、何かに悲しんでいるように見えたのである。
ふとキラは、シャンティエンの顔を優しく撫で始めた。
「キラ様?」
「・・・皆。このシャンティエン、悲しんでる」
「なに?」
「シャンティエンの瞳を見た瞬間、何故かは解らないけど、伝わって来たんです。目の前にいる龍が、悲しんでるって」
今にも泣きそうなキラを見て、ガイア達は目の前の少年の言っていることが本当だと理解した。それは勿論、初めて会ったエレミアでさえも解るほどに。
「・・・・・・もしそれが本当だとして、貴方はその古龍をどうする気ですか?」
だからこそ彼女はキラに問いただした。
それこそ当然だった。なにせエレミアは、目の前の古龍を討伐するためにこの世界に来たのだから。
そんな彼女の問いに、
「・・・助けたいです」
キラはそう答えた。
「どうしてシャンティエンが、僕に向かって来たのか解りません。・・・でも、なにかきっと理由があると思うんです」
「キラ様・・・」
「僕にしか出来ないことなら、僕はやります。でなきゃ、きっと後悔すると思うから」
キラはガイア達に微笑みながら、思ったことを言い放つ。
その姿にエレミアは、唖然としていた。見た目まだ10歳もいかない少年が、子供とは思えない言葉を言い放っていれば、唖然としてしまうだろう。それだけではない。
(この少年、ただ平和な世界に居た者では到底出来ない目をしている?)
教会騎士でも、それなりの地位にいる彼女だからこそ、キラの眼差しを見て内心驚いていた。
(・・・知りたい。デバイスに選ばれたことと言い、古龍に会っても助けたいと思える精神と言い、キラ・ヤマト、私は貴方を知りたい)
エレミアはキラを見ながらそう決意した。
(この女、まさか・・・)
その隣でシヴァは、エレミアを見ながら彼女がなにを考えているのか理解した。
「あの、シャンティエンさん。なにか困っているなら、僕は貴方を助けたいです!」
キラは大声でシャンティエンにむかって助けたいと言った。そんなキラの思いが届いたのか、シャンティエンは少し縦に頷くと、自分の頭に向かって手を刺す。
「えっと・・・乗れってことですか?」
「グルゥ」
キラの問いにシャンティエンはまた首を縦に振る。
「まさかキラ様、行くのですか?」
「はい」
「・・・なら私も行きます」
「エレミアさん?」
キラに付いていくと言ったのは、意外なことにエレミアだった。
「どういうつもりだ?」
「どうもこうも、私はあの古龍を討伐するためにここに派遣されました。それでしたら、何故この古龍が今になって現れたのかを調査するためにも、彼に同行するのです」
「・・・本音は?」
「キラ・ヤマトを知りたいからです・・・・・・ハッ!?」///
「ふぇ!?」///
「なっ!?」///
「はぁ・・・」
一体どこのショートコントだろうか?
建前(半分本当だが)を言ったエレミアだが、シヴァが呟いた言葉に反応してついつい本音が出てしまった。
彼女の本音を聞いたキラとガイアは顔を赤くしながら驚き、アーチャーは呆れ果てていた。端から見ればショタコンにしか思えないからである。
「・・・まあ何にせよ、今のうちに教会の方に恩を売っておくのも手だからな?キラ、この騎士を連れて行くか?」
「ふぇ!?えっと・・・・・・一緒に行きますか?」///
「・・・・・・はい」///
本音を聞かれて恥ずかしがったエレミアは、顔を赤くしながら首を縦に振る。
因みにそのエレミアの姿を見たアーチャーは、どこか安心したかのような顔だった。
「勿論私も行きますわ!」
「右に同じだ」
「無論、私も同行しよう」
「皆さん、ありがとうございます」
自分で勝手に決めたことなのに、同行してくれると言ってくれたガイア達に、キラはお礼を述べる。
「あの、シャンティエンさん!ガイアさん達も連れて行ってくれませんか?」
キラの問いにシャンティエンは頷き、キラ達に向かって頭を下げた。キラ達はシャンティエンの頭に乗り、落ちないようにしがみ付く。
するとエレミアは、近くにいた(というよりも忘れられていた)部下達に顔を向ける。
「あなた達、私は今から少し出かけます!後のことは頼みましたよ?」
「は・・・は!了解しました!」
呆けていた騎士達は、エレミアの言葉を聞いて我に返り、彼女の指示に従う。
「ギャオオオオォォォォォォォーーーーーーーー!!」
全員乗ったのを確認したシャンティエンは、自らに宿る霊気を発動し空に浮く。
そして一気に大空へ飛び立った。
「すごーい!風が気持ち良い!こんなこと初めてだ!♪」
「き、キラ・ヤマト?なんで楽しそうにしているのですか!?」
「へ?だってシャンティエンに乗って風を感じることなんて、滅多に無いじゃないですか?」
「そもそも幻想種に乗れること自体異常なのだがな?」
「「「確かに・・・」」」
アーチャーの一言にキラ以外の者達が同意する。心なしか、自分の頭の上ではしゃいでいるキラの声を聞いたシャンティエンも、少し嬉しそうである。
「よし!このままスピードアップだ!」
「ちょっ、キラ様!?」
「馬鹿か!!今の私達は高い高度を飛んでいる、ジャンボジェット機の外でしがみ付いて居るような状態なんだぞ?!」
「常人では絶対耐えられないというのに、どうして貴方は普通にはしゃげるのですか!?」
「え?こんなの殺す気で撃ってくる弾幕を避けるよりも百倍マシですよ?」
「君は一体どんな世界で戦いをしてきたんだ!?」
目の前の少年は改めて異常すぎることに全員が驚愕する(内二人は知っているが)。今日会ったばっかしの二人は、目の前の少年が一体どんな世界で生まれたのか疑問に思いっぱなしだった。
本来ならこの程度、ガイアやシヴァならばどうってことないのだが、力を大幅に封印されているため、しがみ付くのがやっとの状態なのである。
「む~・・・それじゃあ曲でも聴いて落ち着きますか?」ピッピッ
「この状況でよくデバイスを操作できますわね?」
キラは片手でデバイスを操作し、とある曲を流した。
『坊や~良い子だ寝んねしな♪』
「確かに龍に乗っているが、この状況で流す曲ではない!!」
某昔話のOPだと理解し、シヴァがツッコミを入れる。
「それじゃあスピードアップ!」
「ギャオオオォォォォォーーーーーー!!」
『ギャアアアアアアァァァァァァァーーーーーーー!?』
キラの指示にシャンティエンは応えるようにスピードを上げ、キラ以外の者達は絶叫したのだった。
「あれが新しい継承者、『キラ・ヤマト』ですわね・・・」
その光景を遠くから、機械の羽を広げた眼鏡の女性が見ていることに誰も気付いてはいなかった。
次回、ドMな神様登場です。