自分がBLEACHの二次創作を書くとしたら   作:夜想曲

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勿論オリジナル展開として、コナンにおける現場の警察くらいには無能です。


まだ愛染さんが皆殺しにする前の四十六室です。

「鐘を鳴らせ、尸刃牙(しぶき)

 

一人の死神が斬魄刀を振りかざすと、その刃は瞬く間に大鎌へと変貌する。鎌の付け根には大振り以外でも闘えるよう槍のような短い刀身が付いており、柄の反対側には拳大の鐘が付いている。

その鐘を鳴らすこと二回。死神の目の前にいる(ホロウ)は先程まで暴れていたにも関わらず、今では自らの運命を悟ったかのように微動だにしなくなる。

 

「あとは首を刈るだけ……っと、今日もつまらん仕事だ」

死神はそう独り言を呟くと横から(・・・)虚の首を斬り落とす。本来なら虚が調伏・消滅した後には何も残らず、魂魄だけが尸魂界(ソウル・ソサエティ)に送られる筈であるがーーー

 

彼が拾いあげたのは倒した筈の虚の仮面(・・・・)

「こうして趣味(あそび)を混ぜつつやらんとやってられないわー」

 

また彼の蒐集物は増えていく。それがどういうことかを知らない時点で、彼は死神として失格であったと言えよう。

 

ー*ー*ー*ー

 

現状、中央四十六室。

 

「彼の者が調伏した虚が浄化され流魂街へと送られた際、精神を自失していることが判明した」

「自失した魂魄は周囲の霊魂を襲い喰らうといった通常の虚と同質の悪影響を及ぼし、現世だけでなく流魂街にまで死神を派遣する必要に迫られた」

「彼の死神の自室を調べた結果、斃した虚の仮面が完全な姿で保管されていることが判明した」

「虚の仮面は(プラス)の持つ正常な心が身体から喪われ孔となった際に変質した物であるとされている」

「直ちに仮面を斬魄刀で破壊することにより、自失した魂魄の内処分されていない者については快復が認められた」

「以上のことから、この者『錐舟 黒獣(きりふね くろしし)』を死神として不適格と判断する」

「この者は直ちに斬魄刀を取り上げ蛆虫の巣へと連行すべし」

 

あーあ、残念だ。まだ遊べると思っていたのに。

錐舟黒獣は自らが独房に追放されると知ってからも自らの行動に微塵の後悔を抱くことはなかった。あるのはただ、もっと遊びたいという欲求のみ。

 

だから、連行の途中で隣にいた執行官の様子がおかしくなった時。急に襲いかかってきたから蹴飛ばして気絶させてしまった時に。逃げ出したりせずそのまま何らかの異変が起こったであろう四十六室に戻ってしまったんだ。

大人しく逃げていれば、あんな化け物に出くわさずに済んだのに。その後危険人物として指名手配を受け死神(どうぞく)から殺される羽目になっても、そっちの方がまだマシだったってのに。

 

裁判所に戻ってしまった俺が見たのは、一人の死神が四十六室の賢者達から刃を向けられているシーン。賢しさの欠片もなくただ殺すべき敵を見つけた獣のようにその一人の死神を見つめる元賢者達と、狂ったように嗤いを隠さないそいつ自身。

そして、「溶け混ざれ、『黒霧

 

「はいおしまい。それ以上やったら二度と遊んであげないよ」

突然その死神の背後から現れた人物。霊圧も威圧感もまるで一般人並だというのに、その狂人は陶器か硝子の食器を割ってしまった子供のように慌てふためく。

 

「え、あ、これは、その」

「言い訳は聞きません。もっと自分の能力を制御できるように努力しなさい」

「やだ!!!」

「あのさぁ……」

「たいちょ、それよかあっち」

 

その一般人並な死神の反対側に、気付かなかったがもう一人。気怠げな奴が此方を見て指を指す。

「えーと、四十六室の皆さん。あれは?」

 

茫然自失で「私は何を…?」「何故私は鬼道を使おうと…」などと呟く面々のうち、いち早く気を取り戻した男が説明をする。

「あ、彼奴は此度の『流魂街狂人発生事案』の首謀者であった元死神で蛆虫の……待て貴様!何故ここに居る!?」

「多分あんたらと同じでこいつ(黒霧)に当てられたんでしょ、連行してった奴の方が。闘いとは程遠い連中にこそこいつの能力は響く」

 

そして、俺を無視して説明は続く。

「だからこそ、こいつを無間に閉じ込めるわけにはいかない。正常な判断ができなくなったのはさっきので実感できただろうし、その上好戦的にする能力は閉じ込められてるほかの罪人に多大なる影響を及ぼす。一斉に脱獄なんてされたら困るだろうし、こいつにはそれが可能だ」

隣で「遊んでくれるよな?な?もう遊んでくれないとかないよな?」と困り顔で懇願する少年がどれだけ危険な存在なのか、抹殺どころか無間に収容することすら火に油を注ぐに等しいと涼しい顔で説明するこの男は一体ーーー

 

だから。

「こいつをうちで預かる代わりに、無間または蛆虫の巣から何人か引き抜いても構いませんか? 逆らえないよう教育は施しますし、そっちでも扱いに困る連中は他にもいるでしょう?たとえばそこな青年とか」

「………は?」

 

俺まで危険人物(そっち)側に分類されたことは、今でも疑問に思うんだ。




黒霧(くろきり)
今回出て来たやべーやつの斬魄刀。勿論そのやべーやつは前話で抜け出した戦闘狂かまってちゃん(だが男だ)。
能力は「相手の思考形態を自分と同じ戦闘狂に変貌させる」こと。つまり知的策略で力不足を補うタイプの策士は全て黒霧の餌食である。
さらにやばい点は、この能力が常に剥き出しである点。始解する前からその片鱗は見えており、現実に四十六室が裁判開始から判決を言い渡すまでの僅かな合間にその全員を「犯罪者だ!殺せ!いや俺が殺す!!」にまで思考低下させることに成功している。なお危険人物であればあるほどにその影響は少ない(黒霧で歪む前に最初からどこかしら壊れているので全力でやらないとそんなに効果がない)
卍解したらどうなるか考えることすら恐ろしい。
なおやべーやつの名前はまだ未定。

十五番隊たいちょーどの(笑)
モブにすら一般人並と評される残念系男子。今回はバトルをさせない能力者を引き連れて来た。あと引き抜き

白月かるた(しらつき・かるた)
いつも気怠げな女死神。例によって例のごとくやべーやつなので十五番隊に配属される。
斬魄刀は始解が「兎咬(とかみ)」、卍解が「玉兎神(ぎょくとのかみ)」。敵性や悪意などを敵味方問わずに喪わせる能力を持つ。
当初普通に浅打を持って虚退治に出かけていたものの、報告にあった倒すべき兎型虚があまりにもドストライクだったために斬魄刀と対話・同調が完了し兎咬を始解。その際に味方である死神を数人使い物にならなくした上に調伏対象である虚もかるたに懐いてしまったために四十六室から危険人物と判断される。なお隠密の皆さんも兎咬にやれれて腑抜けになってた模様。その際に先代砕蜂婆さんからは麩菓子を貰った。
ペットの虚はシェナフォンといい、人間や死神の魂魄、同族である虚などではなくかるたが精製した霊力の塊を餌としてすくすく育ち、今ではギリアン級の戦闘能力を所有するに至っている。アジューカスになればヴァストローデまでもう少し。ヒトガタになればかるたとペットとしてでなくトモダチとして遊べると思って日々訓練を欠かさない。
なお何年か前にジャンプで連載してた漫画にかるたの斬魄刀と同じ名前の刀が出て来た際には、落ち込んだ彼女を必死で慰めようとする人型のシェナフォンの姿が確認されている。その日から彼女は兎咬を卍解する為の修行を行うことにした(つまり始解だけで虜にした虚がヴァストローデ級になる頃には能力抜きの素で彼女に懐いている)。

錐舟黒獣(きりふね・くろしし)
虚の仮面に興味津々の青年。仮面を剥ぎ取って殺すことから倒した虚が罪を濯いで尸魂界へと向かった際、喪った心が魂魄に戻らず現世での虚と同様に心を求めて他者の魂魄を襲うという事件が発生する。
捕縛の後も自分が悪いことをしたとは考えておらず、連行するはずの男が暴走した際にはこれを機に逃げ出そうとか考えたりすることすらなく、何があったのだろうと四十六室に戻る始末。
これが全ての間違いだった。

血飛沫(ちしぶき)
尸刃牙の卍解。尸刃牙が鐘の音で敵を催眠状態にかけ鎌で首を刈るという鬼道系かつ直接攻撃系という十一番隊激おこな性能であるため、卍解した血飛沫にはさらに鐘の音で敵を弱らせたり鎌を振るだけで斬撃を飛ばしたりと鬼道系能力と直接攻撃系能力がさらに尖った方向に成長した。
なお本編にはこの卍解はもう出てこないのでカースメーカー兼斬月の下位互換な性能はもう見ることはできない。

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