自分がBLEACHの二次創作を書くとしたら   作:夜想曲

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始解しかしてない隊長格多過ぎ問題


作中で出てない能力は捏造します。

「いやー、あっけないねー」

 

誰だ、これは。

 

「まっさか自分が最強だと思ってる奴が本当に最強だと思い込んでたなんてねー、氷チビにあんな台詞言った奴の言動じゃねーよ」

 

今、私は無間の最奥に収監された筈なのだが。

真央地下大監獄最下層。収監されるべき人物以外に何者かが入り込めるとは考えられないのだが。

 

「えーと、『あまり強い言葉を使うなよ。弱く見えるぞ』だっけ? 弱い言葉使う奴が強かった試しがないじゃん、アホかって」

 

そして恐らくは涅マユリあたりが開発・製作したであろう『霊圧を留める機構』とやらで私の体表面に圧縮・濃縮された霊圧を物ともせずに小馬鹿にするように私の頭を何度も叩いているのだが。

 

こいつ、「誰だ?」……!? 1人ではないのか!?

 

「思考を読んで、相手の台詞と被って発語。相手がビビる。やったぜ。」

「おー、やったじゃん。焼肉食べて鳴く(うおォン)くらいには言いたい台詞が言えて」

 

……幻覚を見るような疲労、だと思えれば良かったのだが。頭上でべしべしと叩かれる不快さが現実なのだろうと思わせてくる。なんだこれ。本当になんだこれ。

 

「そーちゃん困惑気味ですし、そろそろ疑問解消してやったらどうなんです? ミカちゃん」

「えー、ヤダ。もっと愉しもうぜ? 尸魂界(れいかい)ぶっ壊そうとした大罪人だし、完全にギッチギチに縛られてるから文字通り何もできねーっての」

………。「そういえば何で自分は眼も耳も霊圧知覚も封じられてるのに目の前の女2人を認識できてるのだろう、とか考え出しましたよ? 普通に考えれば私らの仕業だってわかるだろうに」…話が早くて助かる。

「無間のいっちゃん奥に正式に入るには殺されても文句言わない上で心臓と鍵を一体化するーんだっけ? 2人いるのはおかしいと思ってんだろーけど、そんなの裏口造って不法侵入(はい)ってきたに決まってんじゃん?」

 

だからその方法を簡単に実現できる奴が尸魂界(ソウルソサエティ)に存在する筈がないだろうと言っている!!……と声を大にして言いたい。

というか浦原喜助でもそんな大掛かりな改造はできないだろう? それを簡単に裏口を造ったなどと簡単に言ってくれる……

 

「んーと、すこし違いますね。はい」

…違う?

 

「正確には、裏口を造ったというより、私達が利用してるところから裏口を造ったら、監獄の一番下に繋がっちゃったというか。ソラちゃんの能力は私達の中でも特にインチキ臭いですから、まぁ仕方ないとは言いますか」

 

…何が言いたいのかはさっぱり分からない。だが、(ホロウ)と死神の境界を取り払ったり崩玉との融合を果たしたりと強さを求めていた自分が馬鹿になるくらいに常識が壊されていくのがわかる。

なんだこの謎の虚しさは。こんなちゃらんぽらんな奴等が存在していたというのか、尸魂界に?

 

「んーと、鬼枷…こっちのの能力でアンタと繋がってるから会話できてるんだけどさ。私ら別に尸魂界の死神じゃないよ?」

「噂に聞いたことはありませんか? 護廷十三隊に配属前の時点で普通じゃない人達ができてしまって、殺すのも封じるのも無理そうだからどうにか隔離してみたって都市伝説」

「私らそれな。アンタは強さを隠してたし……そもそも拘束できちゃったからそっちには分配されなかったのかな」

 

…そんな噂話聞いたことは無いぞ? なんだその出鱈目は。いや目の前のこいつらがまず出鱈目なのだが。

 

「んー、とりあえずおちょくるのはこれくらいにして仕事すっか。ほい鏡花水月」

……は?

 

「いやだから鏡花水月。アンタの斬魄刀。収監の際に没収されたやつ。ウチの隊長(タイチョ)が一応持たせとくべきだって言うから」

「感覚なさそうですけど手に握らせますね。っしょっと」

…何がしたいんだ、こいつらは。私に斬魄刀を?何故…

 

「タイチョから伝言。卍解の能力って始解で見せてる催眠を現実に上書きしたり出来ます? とりあえず卍解できなくしておいたのでもう一度しっかりと刃禅したげてくださいねー。キョーカちゃんが可哀想だよ? だってさ。そいつ女なの?」

 

…その伝言を境に、全ての感覚が再び喪われた。

ーーー否、鏡花水月を取り戻したことで斬魄刀の世界に没入することは出来そうだ。

とりあえず、次に誰かがやって来るまでは 鏡花水月と対話しながら時間を潰すとしよう。夢想するよりも、対話する方が有意義だろうし、あの二人が何者かを聞き出さねばならない。

 

卍解できないように、という言葉が『鏡花水月がどうしても屈伏しないようになっていた』と知るのは少し先の話である。

 




この後どうにか対話からの同調まで持っていけた愛染さんは無事ユーハバッハが訪れた際に八つ当たりとして完全催眠にて彼の感覚をずらすことに成功したようです。


鬼瀬(おにがせ)語(かたり)
・斬魄刀名「埋火(うずめび)」
愛読書は現世のラノベ。埋火の能力で自他問わずにあらゆる表層思考を同調させることができる。つまりは範囲内全員サトリ兼サトラレになる。
ホロウの思考なんざ読みたくねぇだとか副隊長の悪口がバレるだのといった数々の抗議及び四十六室の面々が心を不特定多数に読まれることを嫌ったため能力発現から3日で15番隊に収監。
なおその後めきめきと成長し能力範囲の拡大・縮小及び範囲内の人物の思考の方向性を一方行にしたりシャットアウトしたりできるように。それものびのびと暮らせる十五番隊の環境のおかげです。

九十九尾(つづらを)巳影(みかげ)
・斬魄刀名「檻蔓(おりづる)」
拘束だとか監禁だとか、『他者の身体の自由を奪う行為』の度合いを任意に一方的に操作できる。無論自身が拘束された場合もその範疇である。
故に何かの手違いで牢獄だの監獄だのに収監してしまった場合、容易に入ってる皆さんを連れて脱獄パーリィが始まってしまう。なら最初からクッソ自由な十五番隊に打ち込むしか無いと諦念混じりの判断。当然十五番隊の自由で大らかな環境下にいるためインフレがとどまらない。
今回宙嗣が能力範囲の拡張を続けたところやべーところにぶつかったが、隊長が「そういやそろそろゆーちゃんの封印解けるな」と山本総隊長に連絡した後、独断で鏡花水月を失った愛染に斬魄刀の返却を決定。
その際に「『誰でもいいから八つ当たりに感覚狂わせてやる』レベルでおちょくってこい」と二人に言い放った結果、愛染はまんまとユーハバッハに催眠をかけることに。

…あれ、もしや書籍の方で崩玉と一体化して失った鏡花水月が手元にあった理由書かれてたりするの?

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