ブリガンダインGE/小説   作:ドラ麦茶

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第五十八話 ミラ 聖王暦二一五年十月上 エストレガレス帝国/王都ログレス

 窓から見える空は、昼間であるにもかかわらず、夜の闇のように真っ黒だった。見渡す限り一面、厚い雲で覆われている。まだ雨は降り始めていない。しかし、それも時間の問題だろう。

 

 エストレガレスの新米騎士ミラは、ログレス王宮の会議室へ向かう廊下を、重い足取りで歩いていた。急遽戦略会議を行うとのことで呼び出されたのだ。騎士になってまだ半年にも満たないミラが王都での会議に呼ばれるなど普通ではない。だが、心当たりは大いにあった。先日のソールズベリー防衛戦の件だろう。どんなことを言われるのか……考えただけで、ミラの気持ちは窓の外の空のように真っ暗だった。

 

 四月下旬、ミラは帝国南部の都市ソールズベリー防衛の任に就いた。ソールズベリーは、カーレオンとイスカリオの二国と隣接する重要拠点である。新米騎士には少々荷が重い任務とも言えるが、指揮をするのは旧アルメキア時代より騎士として仕えてきたベテランの魔術師であったし、さらに、カーレオンもイスカリオもしばらくは攻めてこないだろうとの上層部の判断もあった。カーレオンはさほど好戦的な国ではなく騎士の人数も十分でないから他国を攻める余裕はなく、イスカリオはレオニアに兵を向けているようだった。

 

 だが、この予想は大きく外れた。六月の下旬、ソールズベリーはカーレオンの侵攻を受けた。それも、カーレオン軍の総大将は大陸一の魔術師と言われる賢王カイ、さらに、こちらも大陸一の剣士と噂されるナイトマスター・ディナダンを引き連れていたのである。初陣の相手としては手に余るどころの話ではないが、それでも、誇り高き帝国の騎士として、そして、武術の名門ナストール家の養女として、一歩も退くことなく戦う覚悟だった。

 

 しかし、上司である指揮官の魔術師がとんだ臆病者だった。相手が賢王とナイトマスターであると知ると、即座に撤退を決意したのである。ミラは説得したが聞き入れてもらえず、一人で戦うわけにもいかないので、仕方なく北西の城オルトルートまで後退し、ソールズベリーは無血で明け渡す結果となった。

 

 その後、カーレオン領となったソールズベリーには賢王やナイトマスターよりはるかに格下の騎士が守りに就いた。これは奪還のチャンスだとミラは思ったが、臆病者でうすのろの魔術師は動かなかった。奪還は別の部隊がやるだろう、我らの任務はあくまで防衛だ、と言って譲らない。その防衛の任務すら放棄したのはお前だと言ってやりたかったが、経歴だけは立派な魔術師に新米騎士が逆らうなど許されない。それに、奪還部隊が編成されているのも事実らしい。ソールズベリー北東の帝国領カーナボンには、デスナイト・カドールら四鬼将が集結しているそうだ。もっとも、この部隊はその後イスカリオとレオニアを攻めたのだが。

 

 オルトルートではその後大きな動きの無いまま時が流れ、今日、突然の王都呼び出しとなったのである。呼び出されたのはミラだけで、あの臆病者でうすのろだけど経歴だけは立派な魔術師は呼ばれていない。イヤな考えが頭をよぎる。まさかアイツ、ソールズベリーが奪われたのをあたしのせいにして上に報告したのではなかろうか。あり得る話だ。なんせアイツは、旧アルメキアの腐敗しきった王宮内を生きてきた男なのである。政策や武功よりも世辞と賄賂がものを言うのが旧アルメキア王宮だ。よほど世渡り上手でないと生き残れない。敗戦の責任を新米騎士一人に押し付けるなどたやすいことだろう。もしそうだったら、帰ってぶん殴ってやる。

 

 などと考えながら会議室の前に来ると。

 

「――姉さん?」

 

 聞きなれた声がした。顔を上げる……までもない。ミラのことを姉さんと呼ぶのは、この世界に一人しかいない。

 

「ミレ! あんた、なんでここに!?」

 

「緊急会議をするからって呼び出されたんだけど……まさか、姉さんも……?」

 

 ゴロゴロ、と、窓の外で低い音が響いた。今にも降り出しそうな雰囲気だが、まだなんとか持ちこたえている。

 

 これはマズイことになったと、ミラは思った。

 

 ミレは、ミラの双子の妹である。カールセン家という家で育った魔術師で、姉のミラ同様、騎士になって半年の新米だ。今回の会議に呼ばれた理由は、恐らくミラと同じであろう。妹のミレは、騎士となって間もなく北西のオークニーという城の防衛に就いたが、北のノルガルドに進軍され奪われている。それだけでもマズイというのに、二人同時に呼び出されたのは致命的にマズイ。フォルセナ大陸には、古くから『双子は呪われた存在である』との言い伝えがある。バカげた話だが信じる人はいまだ多く、これが原因で二人は別々の家で暮らすことになったのだ。だから、二人は双子であることを隠して仕官した。いずれはバレるだろうが、それまでにたくさん手柄を立てておけば、きっとみんな認めてくれる――そう思ってのことだったが、まさか、こんなに早く、しかも手柄を立てるどころか重要拠点を奪われた直後に、二人同時に呼び出されるとは。二人で会議に出席すれば、双子であることは一目瞭然だ。髪形や服装が違っても、到底ごまかせるものではない。ヘタをすれば、今回の敗戦は双子であることが原因だ、などと言われかねない。

 

「ど……どうするの……? 姉さん」不安そうなミレ。

 

「どうするったって、行かないわけにはいかないでしょ」

 

「でも、いま双子だってことがバレたらどうなるか……あたし、病気だってことにして帰ろうか?」

 

「そんなのダメだよ。重要な会議って言ってたから、仮病だってバレたら、命令違反で重罪だよ? 運よくバレなかったとしても、ミレの印象はすごく悪くなるでしょ」

 

「それでも、双子だってバレるよりはいいかもしれないじゃない」

 

「ダメだって。どうせいつかはバレるんだから、覚悟を決めなさい」

 

「……うん」

 

「…………」

 

 ドアノブを握るミラ。だが、回すことができない。覚悟を決めろと言った自分の覚悟が決まらない。

 

「姉さん、やっぱりやめる?」

 

 ぶんぶんと首を振るミラ。ええい、ままよ! ミラは扉を開けた。

 

 その瞬間。

 

「――遅いぞ!!」

 

 王宮全体が震えるかと思うほどの大声が響いた。最初、ミラは外で雷が落ちたのかと思った。それほど大きな音だったのだ。そして、それはある意味でハズレてはいなかった。もっとも、雷が落ちたのは外ではなくこの会議室内だったが。

 

 会議室の中には円卓があり、数名の騎士が囲んでいる。その一番奥に座っているのが、いまの雷を落とした人物だ。見た目も、ミラが子供の頃恐れた雷様のイメージそっくりだ。もちろん、虎の毛皮のパンツをはいて太鼓を叩いているわけではないが、そう思わせるほどの迫力がある。

 

「ゼ……ゼメキス陛下……」

 

 恐怖のあまり上ずった声が出るミラ。雷の主は、この国の皇帝・ゼメキスに他ならない。重要な会議だとは聞いていたが、まさか陛下が出席しているとは思わなかった。だが、王宮で行われる会議ならば、当然それはありうることだった。

 

 ゼメキスは、全身に漆黒の鎧をまとい、腰に長剣を携え、手の届く場所に巨大なクロスボウを置いていた。今日は会議だけのはずだが、今すぐでも出撃できる格好だ。

 

 いきなりの事で頭が混乱し、その場に立ち尽くすミラ達。

 

「早く席に着け!!」再び雷が落ちる。

 

「はいっ!!」二人は同時に跳び上がり、素早く空いている席に座った。

 

「――会議を始める前に確認しておくことがある」

 

 そう言ったのは、ゼメキスのすぐ隣に座っている人物だった。ゼメキスの迫力に圧倒されて全然気が付かなかったが、それは帝国四鬼将の一人・魔術師ギッシュだった。旧アルメキア時代は宮廷魔術師として仕え、現在はエストレガレス軍総帥の座に就いている男だ。

 

 ギッシュはミラ達を見た。「そなたたちは、双子だな?」

 

 ビクッ! と大きく震えるミラ。さっきゼメキスに怒鳴られたときとは別種の震えだ。「ええっと……それは……その……」と、言い淀む。

 

「王宮の記録によると――」ギッシュが手元の書類をめくった。「十七年前、当時地方貴族だったベルフェレスという家に双子が生まれたとある。当時の王ヘンギストは、双子が呪われた存在であると恐れ、ベルフェレスから土地や財産を没収した。その後その双子がどうなったかは記されていないが、時期を同じくして、ベルフェレス家と親交のあったナストール家とカールセン家が養女をとったとの記録がある。それは、そなたらであろう」

 

 あちゃー。すでにそこまで調べているのか。そうなると、この会議は間違いなく双子であることの審問だ。どうやってごまかそう? そもそもごまかせるのかこれ? 同じ顔でミラミレなんていかにもな名前だったら、もう双子確定だろ。でもどうにかしてごまかさないと。でもどうやって? 返事に困っていたら。

 

「――どうなんだ!!」

 

 またまたゼメキスの雷が落ちた。身をすくめる二人。言い逃れは不可能だ。もう、認めるしかない。

 

「確かにあたしたちは双子です。でも、それは――」

 

 ゼメキスの目が、ミラ達からギッシュに向いた。「よし。作戦を説明しろ」

 

「はい」

 

 ギッシュは小さく頭を下げると、円卓に地図を広げた。エストレガレスの北西部、オークニー近辺のものだった。

 

「来月初旬、奪われたオークニー城の奪還作戦を決行する。ミラ・ミレの両名は、それぞれ兵二万を率いてカドベリーとキャメルフォードへ入り、それぞれの方向からオークニーへ侵攻、敵を東西へ引きつけよ。その後、ゼメキス陛下が南のエオルジアより兵一万を率いてオークニー城へ侵攻し、これを攻め落とす」

 

「何か質問はあるか?」ゼメキスの重い声。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「……は?」

 

「聞いていなかったのか!!」

 

「いえ! ちゃんと聞いてました! それはもう、一言一句、もれなく一〇〇パーセント聞いてました!! ですが……」ミラは、ごくりと息を飲む。「あたしたちが出撃……それも……兵二万ですか!?」

 

 ミラもミレも仕官してまだ半年も経っていない。一応ルーンの騎士として兵を率いる立場にはあるが、その数は千である。その千の兵を率いたいくさもうまく行かず、先日のソールズベリー及びオークニーでの敗北となったのだ。

 

「確かに、そなたらの騎士としての経験はまだ浅い」ギッシュが書類をめくった。「兵二万を率いるには少々早いかもしれぬ。しかし、訓練等の結果から考え、可能であると判断した」

 

「でも、先日のいくさで、あたしたちのせいでソールズベリーとオークニーを奪われ、国は危険な状態になっちゃいましたし」

 

「確かにその二城を奪われたのは痛手だ。だが、撤退したそなたらの判断は間違いではない」ギッシュはさらに書類をめくった。「特に、ソールズベリーの戦いは評価すべきであろう。報告書には、『騎士ミラは、賢王カイとナイトマスター・ディナダンを相手に堂々と戦った。敗戦の責任はすべて指揮官の私にある』とある。兵の損失も最小限にとどめたようであるし、初陣としては十分すぎる成果と言えるだろう」

 

 いや、あのいくさは誰とも戦うことなく即撤退したんだけどな……。あの臆病者でうすのろだけど経歴だけは立派で世渡り上手の魔術師、よくもそんな見え透いたウソ報告をしたもんだ。でも、責任は自分にある、って実はいい人だったのか? いや、たぶんちがうだろう。恐らく、ゼメキス陛下の性格を考慮し、敗戦の責任を新米騎士になすり付けるよりは堂々と自分の責任であると認めた方が良いと判断したに違いない。あの臆病者でうすのろだけど経歴だけは立派で世渡り上手でウソツキの魔術師、本当に世間の立ち回りが上手いんだろうな。まあ、その結果あたしが評価されたんなら良しとするか。

 

 ……そうでなくて。

 

「しかし……あたしたちが陛下と共に戦うなんて……いいんでしょうか? だって――」ミラはごくりと息を飲み、恐る恐る言う。「あたしたち……双子……ですよ……? 呪われてるって……ウワサの……」

 

 ゼメキスは。

 

「そのくだらぬ迷信が戦場に何の関係がある!?」

 

 ミラの言葉を一蹴した。

 

 だが。

 

 今回は、ミラもミレも、身をすくめることはなかった。

 

「オークニーを守るのは、旧アルメキアの軍師モルホルトだ」と、ギッシュが再び口を開いた。「駐屯している兵の数は約七万。本来は倍以上の兵をもって挑みたいところだが、今の我が国にそのような余裕はない。何としても、兵五万で奪い返さねばならぬ」

 

「で……でも……」今まで黙って怯えているだけだったミレが初めて口を開いた。「なぜ、あたしたちなのでしょう? もっと適任がいると思うのですが」

 

「そなたらのような双子には、遠く離れていても意思の疎通ができるという特殊な能力があるというが、それは本当か?」

 

 ギッシュの話に、二人は顔を見合わせた。確かに、双子にはそのような不思議な力がある、と、よく言われている。実際ミラとミレにもそういったことは多い。双子が不気味がられる理由のひとつであるが、特殊能力というほどのものでもないと、二人は思っている。双子はもともとひとつだったものがふたつに分かれたものだ。同じ人間が二人いるようなものであり、考え方や行動が似るのは当然であろう。だから、いま相手が何を考えているか、などは、手に取るように判る。

 

 ミラはギッシュに向き直った。「確かに、そういうことはあります。しかし、それが今回の作戦に、どう関係するのでしょうか?」

 

 ギッシュは地図の上を指示棒で指し示す。「オークニーは北と西からの攻めには強いが、今回のように敵に奪われた場合も想定し、東と南からの侵攻には比較的弱い場所に建ってある。敵に奪われたとき、その方が奪い返しやすいからな。それでも兵力の差を考えるとまともにぶつかるのは得策ではない。そこで、まずそなたたちが東西から攻め、それぞれの方向に敵を引きつけるのだ。その後、守りが薄くなった南から陛下が突撃し、城を落とす。これが、この作戦の目的だ」

 

「この作戦では、東と西に分かれた部隊がいかに敵を引きつけるかが重要だ」と、ゼメキスが説明を引き取った。「それにはふたつの部隊の連携が欠かせぬが、広い戦場の遠く離れた場所では、一瞬の連携の乱れが命取りになるやもしれぬ。そこで、そなたら双子の特殊能力が必要なのだ。つまり――」

 

 ゼメキスはミラとミレの二人を見た。睨むと言ってもいい鋭い目だが、今までのような恐ろしさは、全く感じない。

 

「俺はそなたら双子の連携に期待している! できるか!?」

 

 この問いに、ミラは。

 

「――できます!」思わず即答した。「やります! やらせてください! 絶対やります!! やっぱりダメだって言ってもダメですからね!! 絶対絶対やりますからね!!」

 

「ちょっと姉さん、そんな簡単に引き受けちゃって、もし失敗したら……」

 

「やろうミレ! むしろやらなくちゃダメだよ! やらなくてどうするの!! こんなチャンス滅多にないよ! ううん、絶対ない!!」

 

「そ……そうかもしれないけど……」

 

「安心してください陛下! ミレだってやる時はやります! なんせあたしの妹ですから! 双子だから判るんです! この作戦、絶対成功させてみせます! あたしたち双子の活躍、大いに期待してください!!」

 

 円卓の上にあがるばかりの勢いでゼメキスにアピールするミラ。

 

 その姿を見ていたゼメキスの顔が、ふっとゆるんだ。

 

「……浮かれるのは構わんが、これだけは肝に銘じておけ」

 

 今までの険しい表情がウソのような、優しさに満ち溢れた顔だった。

 

「双子が呪われた存在であるなど、バカげた話だ。そのような古い迷信に惑わされ、そなたらを虐げる者など、我が軍にはいない。この国では、双子であることは何の罪でもないからな」

 

 言葉も優しい。誰だよ、こんな優しい人を雷様だなんて言ったのは。まるで聖者のようなお方じゃないか。ああ、こんなにも素晴らしい方にお仕えできるとは、なんて素敵なのだろう――ミラの心は雲ひとつ無い青空のように晴れやかだった。

 

「だがな――」

 

 突然、優しかったゼメキスの顔と言葉が一転し。

 

「戦場で俺の期待を裏切った時の罪は何よりも重いぞ!!」

 

 鬼のような目で睨み。

 

「もし此度の作戦をしくじるようなことがあれば、この俺自ら貴様らを叩き斬ってくれる! 覚悟して挑め!!」

 

 悪魔のような言葉で一喝した。

 

「――以上だ!!」

 

 城の外で、ががーん! と雷が鳴った。いつの間にか、どしゃ降りの雨が降っていた。

 

 

 

 

 

 

 その夜。

 

 二人は、さっそくログレスを旅立つことになった。

 

 昼間のどしゃ降りがウソのように、空には満天の星空が広がっている。あの天候は、本当にゼメキス陛下が操っていたのかもしれない、なんてことを思う。

 

 あの時のゼメキス陛下の顔を思い出すと、今でも肝が縮み上がる思いだ。

 

 落ち着いて考えてみると、とんでもない安請け合いをしてしまったように思う。千の兵を率いるに過ぎなかった自分たちが、いきなり二万の将である。その上、王自ら先頭に立つ戦場だ。もしゼメキス陛下が討たれるようなことになったら、その時点でこの国は終わりかもしれないのだ。

 

 だが、それでも。

 

「……やるしかないよ、ミレ」ミラは、決意と共に言った。

 

「ええ、姉さん」ミレも、すでに覚悟を決めている。

 

 やるしかない。双子で生きていくために。

 

 双子が呪われた存在であるという考えは古くなりつつある。双子であることを気にせず接してくれる人も少なくはない。

 

 だが、双子であることに期待しているなんて言ってくれたのは、ゼメキス陛下が初めてだ。その言葉に嘘は無いだろう。そうでなければ、陛下自らが出撃する極めて危険な作戦に、新米騎士二人を同行させるはずがないのだ。その期待には応えなければならない。

 

 あたしたちが生きていくのは、この国しかない。

 

 無論、楽な道ではない。今回のいくさに勝利しても、その後も戦い続けなければならない。一度でも負ければ、「やはり双子は呪われた存在だ」などと言われかねない。

 

 戦わなければならない。この国で生きていくために。負けるわけにはいかない。ベルフェレス家復興という悲願を果たすために。勝利を奉げなければならない。あたしたちを認めてくれた、ゼメキス陛下のために。

 

「行くわよ、ミレ」

 

「任せて、姉さん」

 

 二人は、右の拳を握って左胸に当て。

 

 そして、新たな戦場へ向けて旅立った。

 

 

 

 

 

 


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