戦闘描写が難しすぎる!
昆虫は戦闘描写で既に虫の息です。
ギルディアがワイバーン達との戦闘を始める十数分前、人理修復の為にフランスの地にレイシフトしてきたカルデアのマスター"藤丸立香"とそのサーヴァント達。
彼らは、ロマニが偶然レイシフトした場所から近い地点でギルディアの僅かな魔力痕の検知したため、それを追ってみてくれと指示され、現在森の中を
「しかし、こんな鬱蒼とした森の中、よく躓かずに歩いていけますね、魔力痕を残した人物は」
「そうだね。俺らと違って足腰を鍛えてるかも」
愚痴にも似た言葉を呟くのは、薄紫色の髪をした少々露出度の高い戦闘服を着た少女"マシュ・キリエライト"。まだデミサーヴァントに成り立ての彼女は凸凹とした道を、時折躓きそうになりながらもなんとか歩いている。彼女の言葉に反応した立香は苦笑しながらも
「全く、この程度で音を上げているようではこれから先が思いやられるぞマスターよ」
「全くだぜ、もうちっと気張れや坊主、嬢ちゃんも」
そう言う二人のサーヴァント。軍服と軍帽子をした美少女、クラスアーチャー"織田信長"と全身青タイツにも見える戦闘服を着ている男、クラスランサー"クー・フーリン"。
彼等はまるで普通の道を歩くかのようにスイスイと先に進んでしまっている。そしてジャンヌは立香達の身を案じ、同じ歩幅で歩いてる。
「大丈夫ですか、立香さん?ある程度は進みましたし、そろそろ休憩にしましょう」
「心配してくれてありがとうジャンヌ。でも俺が一々休んでるせいで接触対象との距離が中々縮まらないって思うとおちおち休めなくて」
「だからといって無理して倒れられてもこちらが困るだけじゃがの」
「確かに、ノブナガの言う通りだぜ」
「うっ...。あ、あと少ししたら休みます」
休憩しようと申し出たジャンヌに立香は断りを入れるが、信長とクーフーリンの鋭い指摘を食らい、立香は顔の表情筋が引き攣る。その時、カルデア"現"所長"ロマニ・アーキマン"から現状確認の通信が入る。
『あーもしもし?皆今のところ順調かい?』
「あ、ドクター。はい、今のところは順調に進んでます」
『それは良かった。しかし映像を見る限り随分凸凹した道だね...。僕なら直ぐにバテちゃいそうだよ』
「...それはドクターが運動をしたがらないからですよね」
『うぐッ。た、確かにそうだけれども。僕みたいな奴は運動する位なら色々学んだ方が得だし』
『それって完全に引きこもりたい人の言いそうな台詞じゃないかロマン』
『うわっ、びっくりしたぁ!後ろから突然話掛けないでよダヴィンチ!ビックリしたじゃないか』
『ふふん甘いよロマン、この天才たる私に不可能はないのだよ。故に君の背後に気づかれずに忍び寄る事なんて造作も無いことさ♪』
『それは天才に関係なく誰にでも出来る事じゃないかな!?後然り気無く僕のお菓子食べるの止めてくれない!』
『えーいいじゃん別にー。減るもんじゃないし』
『大いに減ってるよ!僕がマシュに黙って、後で食べる為にわざわざ隠してたお菓子を...あ』
「...ドクター今の話は本当ですか?」
『い、いや違うから!誤解しないでマシュ!それはそのぉ...』
『そだよーマシュ。ロマンの奴、山積みの資料の中に巧妙にお菓子隠してる』
『ちょっ!』
「...ドクターこの特異点が終わったら少しお話したいことがあります」
『ま、待ってくれマシュ!!これには深い事情が』
「い・い・で・す・ね!」
『うぅ...はい』
ダヴィンチが原因でお菓子を隠していた事がバレたロマニは、後でお説教されるんだろうなぁと思うとと大きな溜息を吐きながら大きく項垂れる。
なお、お菓子を隠している事をバラしたダヴィンチは、項垂れるロマニの後で静かに爆笑していた。
『と、とりあえずジャンヌと一緒に引き続きその魔力痕の人物を追いかけてみてくれ』
「了解」
『立香君。くれぐれも無茶だけはしないようにね』
「安心せい、ヒョロ男。マスターは儂とクーフーリンの二人で守ってやるわい」
「おうよ!坊主には指一本も触れさせはしねぇぜ」
「わ、私も先輩の為に頑張ります!」
『ヒョロ男って...。うん、そうだね。じゃあ皆頑張って--』
ロマニが挨拶して通信を切ろうとした瞬間、突然木々が風もなく揺れだし、鳥の群れが一斉に飛び立って行く。
立香は突然の事態に驚き、サーヴァント達は一斉に臨戦態勢をとる。サーヴァント達は感じとったのだ。
『な、なんだこの異常な魔力反応は!?場所は......距離およそ30メートル!魔力痕の後もちょうど接触対象のいるとおぼしき場所で途切れてる。まさかこれって...!』
「間違いなかろう。その接触対象が発したものじゃろうな。これほどまでに禍々しく、全身に突き刺さるような魔力は初めてじゃぞ」
「随分濃密なこった。こりゃオレんとこの師匠と五分五分つったところか?」
「...なんとおぞましい魔力でしょう、震えが止まりません」
「おめぇの反応が正しいぜ聖女さんよぉ。こんなの人間が間近で受けたらまず生きちゃいられねぇだろうよ」
「先輩!万が一の場合に備えて私の後ろに!」
「わ、分かった!」
『あぁ!オマケにワイバーンの大群の反応も検知した!も、もしかして接触対象がワイバーンと交戦してるのかもしれない!』
「恐らく戦っているのは確実じゃろうな」
『よし!位置をマークしておいた!マップに表示しておくよ!』
マシュの左手にあるデバイスの3D液晶に映った森全体のマップに青い点が表示される。その青い点の回りに夥しい数の赤い点が表示される。その数は数えるだけでざっと60個以上ある。誰から見てもそれは絶望的な状況だった。
「た、助けないと!その人が危ない!」
「あ、おい待てマスター!ったく面倒くせぇなぁ!」
「ええい!まったくあの小童は!自分一人で行きおって!」
「ま、待ってください先輩!二人とも!」
「み、皆さん待ってください!」
マシュの盾の後ろに隠れていた立香はマップの映像を見て、いてもたってもいられず一人でその地点まで走っていく。
クーフーリンは制止の声を掛けたものの、立香は聞く耳を持たずに行ってしまい、クーフーリンは呆れながら、信長は不機嫌そうに、マシュは二人と立香を追いかけ、出遅れたジャンヌも急いで四人の後を追いかけた。
◇◇◇◇◇◇
立香はマップに表示された地点に向かって我武者羅に走っていた。凸凹の道に何度も足を挫きながらも必死で走った。
何が彼をここまで駆り立てているのかは彼の所属しているカルデアの"前"所長"オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィア"が大きな要因となっていた。
彼女は、最初の特異点冬木市の人理修復後に"レフ・ライノール"の手で殺されてしまっており、それを助けられなかった立香は心の何処かでそれを負い目に感じていたのだ。
「(まだ、行ける!ここで、止まってちゃいけないんだ!)」
その一心で足を動かしていた立香は、森の中の少し開けた場所に出た。その後直ぐに、クーフーリン達も立香に追い付いたのだが、彼等はそこで信じられないものを目撃する。
それは、接触対象がワイバーンの大群に悪戦苦闘しているのではなく、逆に接触対象がワイバーンの大群を一方的に蹂躙している光景だった。
その背後から別のワイバーンが噛みつかんと大きな口を開けて襲ってきたが、素早く大矛を一回転させ、その口の中に突き刺す。口の中を突き刺されたワイバーンは必死で藻掻くが、大矛の刃の向きを横から縦にし、そのまま上に斬り上げる。頭蓋骨ごと脳幹を切り裂かれたワイバーンは、口を開けた状態のまま地面に倒れると激しく痙攣を起こし、やがて動かなくなった。
この隙に彼の近くに降下してきたワイバーンが一際大きな声で鳴き、至近距離から翼で風を起こす。だがギルディアにダメージを受けた様子はなく、ワイバーンはもう一度風を起こそうと翼を大きく広げたが、大矛を逆手に持った状態で間合いを詰めてきたギルディアに、逆袈裟斬りの要領で斬りつけられる。斬られたワイバーンは少しの間翼を広げた状態を保ったまま、きれいにに真っ二つなる。
「な、なんですかあれはっ!」
「...坊主、さっさとオレ達の後ろに下がってろ。ありゃ相当ヤバイ相手だぜ」
「そうじゃマスター。
「う、うん...」
ジャンヌは異様な光景に驚愕し、クーフーリンに後ろに下がるよう言われた立香はマシュの元へ向かう。マシュも既に盾を構えて戦闘態勢を整えていた。しかしジャンヌは、旗を構えてマシュ達の前に出る。
「ジ、ジャンヌさん!何を...!」
「私も、微力ながらお手伝いさせていただきます。どれだけ弱くても、サーヴァントですからっ」
「おっ、威勢がいいじゃねぇか。なら盾の嬢ちゃんとマスターを守ってやってくれよ」
「まだまだ未熟な二人じゃからのぉ。後衛は任せるぞ、聖処女よ。」
「はいっ!任せてください!」
クーフーリン達の言葉にジャンヌが元気よく答えると同時に、ワイバーンの断末魔が辺り一面に響き渡る。
全員が視線を前方に向けると、此方に背を向けた
彼は、ワイバーンの胴体に足を乗せて、ゆっくりと大矛を引き抜くと、杖のように持ち直し、ゆっくりと立香達の方へと振り向いた。
如何でしたでしょうか。今回はやっとカルデアの面々とオリキャラを対面させる事に成功しました。正直とても指が痛いです(__)
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