召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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鬼畜クソ軍師!(挨拶


今回は二話連続でレーギャルンちゃんがメインです。


炎姫レーギャルン!女子力UP大作戦!!

 「女子力とやらを高めてみようと思うのだけど」

俺の部屋にやってきた女子力死滅姉妹の上の方であるレーギャルンの言葉である。

 「どうした? 頭は大丈夫か?」

 「貴方は私を何だと思っているのかしら」

いや、心配もするだろう。何せ今までは「女子力? それより鍛錬だ!!」って言って修羅三人衆まではいかないけども、それなりに女性であることを捨てていたじゃないか。

 「先日の父上に迷惑をかけたことで私も思ったのです。少しは女子力とやらを高めた方が良いのではないかと」(スルトとレーギャルンを参照)

 「ちなみにレーギャルン。女子力ってどうやったら高められるか知っているか?」

俺の言葉にものすごく難しい表情をするレーギャルン。そして頭から湯気が出るくらいに悩み始めた。

 「……力とつくのだから鍛錬とか?」

 「こいつは駄目かもわからんね」

そして帰ってきた答えはどこまでも残念だった。

 「話は聞かせてもらったよ」

 「貴様は帰れ、パント」

そしてどこからともなくテレポートしてきて俺の部屋に侵入してきたパント。当然のようにパントは俺の言葉など無視である。

 「女子力……それは乙女の嗜み。それを高めるというのだったらこのパントさんも手を貸そう」

 「お前の立場はなんなの?」

 「パント殿……ありがとうございます!!」

側から見たらイケメン100%の笑顔だが、烈火が見たらまず疑ってかかるパントの笑顔を見て素直に信用するレーギャルン。これは純粋枠ですわ。

 「それで? この残念お姉ちゃんをどうする気だ?」

俺の言葉に凹んでいるレーギャルンを無視して会話は続く。

 「女子力といえば料理……そんなわけで『チキチキ!! 彼のハートも鷲掴み!! ラブラブお料理対決!!』を実施するよ!!」

もうこの時点で嫌な予感しかしなかった。

 

 

 

大広間。ここには100近い英雄が集まっていた。中央には大量の食材と調理器具。そしてイケメンスマイル輝くこの男。

 『レディースエーンドジェントルメン!! やってまいりました『チキチキ!! 彼のハートも鷲掴み!! ラブラブお料理対決!!』を開催します!!』

パントの言葉に盛り上がるオーディエンス。

 『ちなみに審査員にはこの二人。我らがヴァイス・ブレイブの諸悪の根源たる召喚士と、召喚士に嵌められた哀れな子羊クリスちゃんです!!』

 「ねぇ、召喚士、私は完全に巻き添えよね」

 「奴がやると決めたなら諦めるのが烈火で平穏に生き残るコツだ」

 「私は世界違うんですけど……!!」

クリスの心からの叫びはスルーする。できることなら俺も回避したかった。だが、天才魔道軍将からは逃げられない。

 『さぁ!! まずはエントリーナンバー1番!! 女子力を高めたいムスペルの姫君が初・参・戦!! レーギャルンだァァァ!!!』

パントの言葉にどこかそわそわとしながら入場してくるレーギャルン。しかし、しっかりと妹の声援には答えているあたりにシスコンの血を感じる。

 『エントリーナンバー2番!! メイドなのに料理できないのは致命的? いいえ!! 戦場で強ければ問題ないのです!! フェリシアァァァ!!!』

 「やばい。あいつ俺達を殺しにかかっている」

 「そうなんですか?」

 「フェリシアの作る料理はやばい。とてもやばい」

観客席にいるジョーカーと中指の立合をしているフェリシアを見ながら俺とクリスはそう会話する。

 『エントリーナンバー3番!! 幼い顔してやるってもんじゃないの。見た目幼女!! 中身は破壊神!! ユンヌゥゥゥゥゥ!!!』

 「おう、これはどうあがいてもメシマズ属性で固めてきやがったな」

 「ユンヌさんも?」

 「いや、俺もユンヌの腕前は知らんけど、イドゥンと普段から笑顔で殴り合っている時点で期待できないだろ」

フヨフヨと浮きながら入場してくるユンヌを見ながら会話する俺とクリス。とりあえず俺はフローラに胃薬を準備してもらう。絶対に必要だからだ。

 『エントリーナンバー4番!! 作った料理は何故か爆発物!! 見た目はスパイシー!! 中身もスパイシー!! シーダァァァァ!!!!』

 「くぉらァァァァ!!! このクソイケメン!! マルス様の絶対的伴侶たるシーダ様をメシマズ属性にカテコライズするとは命いらねぇってことだなぁァァァ!!!!」

 「落ち着けクリス!!」

当然のようにメシマズ属性にシーダがカテコライズされたことが納得いかないのかクリスが半狂乱になって審査員席から立ち上がるのを俺は必死に止める。

よすんだ……奴には力で訴えても魔法で返り討ちになるだけだ……!!

 『ちなみに!! 今回はレーギャルンさんが料理初心者ということで我がヴァイス・ブレイブが誇るチョロイン・クライネさんに補助についてもらいます!!』

 「誰がチョロインよ!!」

いや、多分お前はチョロインだと思う。

 『お題は卵料理!! それでは調理スタート!!』

パントの言葉と共にホークアイが銅鑼を思いっきり叩き、調理が開始される。

他の面々が気になるところだが、やはりここは女子力を高めたい発言をしたレーギャルンをみるべきだろう。

 『ちょっと待ちなさい。弱火でじっくりって言ったでしょ。なんでそんなバカみたいに強い火力でやるの』

 『? 強火でやったら一気にできるでしょう?』

 『できないわよ!?』

クライネが……それでもクライネならなんとかしてくれる……!!

 『ちょ!? それは何?』

 『隠し味です』

 『なら隠しなさいよ!! 全く隠れてないわよ!?』

クライネなら……なんとか……

 『だから、レシピ通りにやりなさいって……!!』

 『ですがパント殿が料理は創意工夫が必要だと』

 『それはできる人間のセリフ……!! あんたはそれ以前だから……!!』

クライネがなんとか……してくれたら……いいなぁ……

 「なぁ、クリス」

 「ちょっと静かにして。今調理しているシーダ様のお隣にマルス様に立っていただく脳内コラで忙しいから」

血走った表情でシーダを見つめるクリス。ちなみにシーダの調理台では先ほどから小規模爆発が起こっている。本当に料理をしているのか。

 「……フローラ」

 「どうぞ」

 「うん、ありがとう……」

万能メイドが差し出してきたアルフォンス印の胃薬を俺は飲むのであった。

 

 

 

 

 『さぁ、お待ちかねの実食審査のお時間だ!!』

全参加者が調理を終え、パントの合図で実食タイムに入る。

 『まずは調理中に何故か小規模爆発が起こっていたシーダの料理だ!!』

そしてホークアイによって運ばれてくる料理。見た目だけならば少し焦げ付いているだけで食べられそうである。だが、調理中に発生していた小規模爆発が不穏すぎる。

 『実食!!』

パントの合図で俺とクリスは同時に口に含む。

そして口の中がスパーキングした。

いやいや、おかしい。何故食べたら口の中で爆発するんだ。比喩表現で大爆発なら聞くが、実際に小規模爆発が起きるのは論外だぞ。

 『得点は審査員がそれぞれ10点づつ!! さぁ、得点をどうぞ!!』

俺 5点

クリス 10点。

俺は半目になったクリスを見る。するとクリスは悪びれることなく言い放った。

 「贔屓ですが何か?」

 「いや、もういいや」

 『シーダ選手は15点!! これは最初から高得点です!! さぁ、続いてはフェリシア選手の料理です!!』

そして再びホークアイによって運ばれてくる料理。

見た目はヘドロであった。匂いもヘドロであった。

 「なんか逆に安心したわ」

 「見た目通りに不味そうですもんね」

 「お二人とも酷いですぅ!!」

フェシリアが文句を言ってきているが残当だと思う。当然のように俺が0点。クリスも0点であった。

 『さぁ、お次は今回のある意味大本命!! 女子力向上に目覚めたムスペルの姫君・レーギャルン選手だ!!』

そしてホークアイが運んでくる料理を見て俺とクリスは絶句した。

その料理はピンクだった。桃色なんて生易しいものじゃなくピンクだった。なんなら蛍光ピンクと言っても通用しそうなピンクだった。

目の前に置かれて気がついたが、なんか料理からうめき声みたいなのも聞こえてくる。

 「……クライネ。これ食べられるだよな……?」

 「……………………………………食材は食べられるものしか使ってないわ」

 「その間がすっごく怖いんですけど!?」

 『さぁ、実食です!!』

俺の問いにものすごく言いづらそうに答えてくれたクライネ。しかし、その返答はさらなる恐怖を与えられるものだった。そして天才クソイケメンが笑顔で退路を絶ってくる。

スプーンを持つものの、俺とクリスは料理に手をつけられない。だが、覚悟を決めたのかクリスは料理をスプーンに乗せて口元へ運ぶ。

俺の口元へ。

 「……なんの真似だ?」

 「いえ、私はここに召喚されてマルス様と再会できました。そのお礼をしてなかったなぁ、と」

 「これがお礼になると?」

 「美少女からの『はい、あ〜ん』ですよ。笑顔で受け入れなさい!!」

 「こ・と・わ・る!!」

無理矢理俺の口に料理をねじ込んでこようとするクリスに気を取られていたせいで、パントの悪事に気づかなかった。

だからこれは俺のミスなんだろう。

 「は、はい。あ〜ん」

 「レーギャルンさん!?」

まさかのレーギャルンの『はい、あ〜ん』である。殺しにきているとしか思えない。だって後ろでパントがサムズアップしている。

 「諦めさない……召喚士……!!」

 「諦めない、俺は諦めないぞ…もがぁ!?」

だが、一瞬の隙を突かれて口の中にスプーンが突っ込まれる。

そして俺の記憶はそこで途切れた。

 

 

 

 『おっとぉ!! これは審査員を一撃でKO!! レーギャルン選手、圧倒的な破壊力は料理にも健在だァァ!!』

 「いや、健在じゃ駄目でしょ」

 「し、召喚士殿は大丈夫だろうか」

 「私はユンヌ」

 「「え?」」

 「星4は配布の可能性があるからラクシュミーは諦めるんだ!! は!?」

 「ユ、ユンヌの料理を食べて……」

 「し、召喚士殿が復活した……?」

 「私はユンヌ」

 




レーギャルン
女子力死滅系乙女。今回は女子力UPのために召喚士に相談に来た。ちなみに女子力がどういうものか一切理解していない。

フェリシア&シーダ
この作品でのメシマズ担当。

クライネ
料理上手なツンデレチョロインスナイパー。なんかキャラのイメージがFGOの邪ンヌと被るんですよね

ユンヌ
料理もできる幼女型破壊神。でも会話はできない(しようとしない)




そんな感じでレーギャルンちゃんの2話連続話でした。烈火組を除いたら2話連続でメインを張るのはギムレー以来の快挙だよ!! やったね!!

そういえばFEHで大天使ニノエルとインバースの10凸を始めました。ツイッターでニノと大人チキのどっちを10凸にしようと呟いたら即座に『天使ニノでしょ』と突っ込まれました。まぁ、そうですよね。

リンちゃん(ノーマル)のリバイバルガチャまであと少し……10凸にさせる覚悟はあるか? 俺はできてる……!!

それとFEHのフレンド整理していたら空きがだいぶできたのでフレンド募集しようかと思います。
ID:9741037930
高貴な眼帯・極をつけて天空、遠距離反撃、待ち伏せ、攻撃の開放をつけたノーマルリンちゃんが出てきたら多分作者です。ちなみに作者のフレンド基準はそのキャラに愛があるか。弱くてもスキルをいっぱいつけたりして愛でていたら作者は割とフレンドになります。

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