召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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クリスマスネタなんて書く気なかったけども、髪を切っている時にニニアン保育園のネタが浮かんでしまったので投げます。


召喚士とクリスマス

 「サンタ役をやって欲しい?」

 「はい。ぜひ、召喚士さん達にやって欲しいと思って……」

クリスマスということで、エリウッドとヘクトルと一緒に『天使にラ○ソングを…』を見ていたら、ロリマムクート達の保母さんことニニアンが俺の部屋にやってきて頼みごとをしてきた。

 「実は私が軍師さん…じゃなかった、召喚士さんに教えられていたサンタのことをあの娘達に教えたら、『良い子の私達にはきっとプレゼントを持ってきてくれる』と言い始めてしまって」

ニニアンのその姿は新任の保母さんそのものだった。俺の隣では腹黒と脳筋が懐かしそうな表情をしていた。

 「懐かしいね。僕もクリスマスの夜にサンタの格好をして枕元にプレゼントを置いてあげていたよ」

 「俺もだよ。リリーナにクリスマスに何が欲しいって聞いたら『いつまでも平和な世界が欲しいです』って言われた時には思わず天使かと思っちまったぜ」

 「FEの世界にクリスマスってあるのか?」

 「前話でクリスマスガチャの話をしていた本人の話とは思えないね」

 「お前のせいで烈火の世界には輸入されたことにしようぜ」

どこまでも失礼な連中である。

 「でもプレゼントが用意できてないぞ?」

 「あ、そこはアンナさんが用意してくれました」

そう言ってニニアンが取り出したのは大きな白い袋。どう見てもサンタクロースが持っているような袋です本当にありがとうございました。

 「それとアンナさんからお手紙を預かっています」

さらにニニアンはアンナからの手紙を差し出してきた。この世界では斧振り回して戦っているけど、あいつの立ち位置はオーブとかの課金アイテムを売りつけてくる立場のはずだろう。FEシリーズ的には。

俺は嫌な予感がしながらも手紙を開く。

『召喚士へ

この手紙を読んでいるということはサンタクロース役を引き受けてくれたということね。本来ならクリスマスガチャのサンタキャラに頼みたかったんだけど、召喚士のリアルラックの無さのせいでサンタが一人もいないから、この作品の色物枠三人に頼むことにしたわ。プレゼントのことなら安心していいわ。この袋は貴方が欲しいと思った品物が出てくるわ。さぁ! これでロリマムクート達に夢をプレゼントするのよ!』

試しにオーブが2000個欲しいと思って袋に手を突っ込んだら課金しろと書かれた紙が出てきた。おのれ! アンナ(運営の手先)め!

 「やれやれ、そうなったら仕方ないね」

 「いっちょ一肌脱いでやるとするか」

 「お前らいつのまに着替えたの?」

振り返った先にはサンタ服に白いヒゲをつけたエリウッドと、トナカイ色のピッチリスーツを着てトナカイの角と赤鼻をつけたヘクトルがいたのだった。

 

 

 

 

その日の夜、俺たち三人は気配を消して城内を歩いてロリマムクートの部屋に向かっている。

 「最初は誰にするんだい?」

 「ここから一番近いのはチキ(ロリ)の部屋だな」

ちなみに俺たちの気配遮断は折檻から逃げるために身につけたスキルである。FEH的に言えば敵に狙われなくなるスキルだろうか。実装されることはないだろうが。

 「そう言えばチキって大人のほうもいるよな」

 「いるな」

ヘクトルが思い出したように呟いた言葉を肯定する。我がヴァイス・ブレイブには子供チキと大人チキ(ノーマル)、大人チキ(水着)が存在する。

 「その大人チキ(水着)のところに三千回目の夏休みって書いてある。つまり大人チキは超高齢のババ」

ヘクトルは最後まで言い切ることなく、突如飛んできたスイカが頭に直撃して気を失った。現場だけを見たならスイカの果汁が血液のように飛び散っている。

 「相変わらず迂闊な男だな」

 「女性に対して年齢の話はタブーだというのに」

俺とエリウッドは死んだヘクトルを放置してチキの部屋までやってくる。扉を静かに開けようと思ったら鍵がかかっていた。

 「鍵がかかってるね。ニニアンの教育が行き届いているみたいで安心したけど、今回はちょっと困るね。どうするんだい、召喚士」

 「任せろ」

俺は懐からピッキングツールを取り出して解錠に取り掛かる。そして1分もかからずに開けることに成功した。

 「どうだ、エリウッド」

 「今度から盗難事件が起こったら君も容疑者になるくらいの手際の良さだね」

褒められたと思っておこう。

部屋にエリウッドと共に音もなく侵入し、ニニアンの指導によって置いてある枕元の欲しいものの紙を見る。

 『強いスキル』

それを見た瞬間に俺とエリウッドは目を逸らした。確かに使えるスキル少ないなぁ、と思っていたが、本人がそれをサンタに頼むくらいに追い込まれていたのは知らなかった。

とりあえず袋に手を突っ込むと聖印の遠距離防御が出てきたので、それを幸せそうに眠るチキの枕元に置いて部屋から出る。

扉を閉めてキチンと鍵を閉めてから、俺とエリウッドはため息を吐く。

 「もうちょっと子供らしい願いを期待したんだがなぁ…」

 「うん。ぬいぐるみとかオモチャとかね…まさかのスキルが欲しいとか予想外すぎるよ」

とりあえずの次の部屋に向かう。次の部屋はノノだ。

途中で見回り中のセシリアがいたが、上手くやり過ごす。ダンボールがなかったら見つかるところだった。

チキの部屋と同じく鍵がかかっていたが、チキの時と同じくピッキングして部屋に侵入する。そして用意されていた紙を見る。

 『お菓子』

この言葉に思わず真顔になってしまったが、袋に手を突っ込むと『う○い棒30本セット(コーンポタージュ味)』が出てきたので、それを枕元に置いて部屋から出る。

 「なぁ、エリウッド」

 「なんだい、召喚士」

 「ハロウィンノノを召喚しなかったことを恨んでるのかな?」

 「あの幼い笑顔の裏にそんなどす黒い恨みがあったと思いたくないよね」

チキ(ロリ)の時とは別の意味で戦慄しながら、最後の一人であるファの部屋に向かう。

今度は何事もなくファの部屋に辿り着き、部屋へと侵入する。そしておそるおそる用意されていた紙を見る。

 『雷のブレス+(武器錬成済み)、金剛の呼吸、切り返し3、速さの大紋章2。奥義はできれば回復系』

無言になる俺とエリウッド。とりあえず袋に手を突っ込んで見たが無理! と書かれた紙が出てきた。仕方ないので聖印の近距離防御を置いて部屋から出る。

 「……なぁ、エリウッド。子供ってもっと純粋だと思ってたよ」

 「き、きっと君の役に立ちたいと彼女達なりに考えているんだよ」

ロイ以外のことであまりフォローをしないエリウッドの顔が印象的だった。

 

 

 

 

 

 「……う、ここは……?」

 「あら、目を覚ましてしまったのね」

 「お、お前は最近召喚士をストーキングしてるシャラだったか」

 「ストーキングじゃないわ。付き纏っているのよ」

 (なんであいつはキワモノに好かれるんだ)

 「大丈夫。召喚士のことを御呪いで貴方の記憶で抜き出すだけだから」

 「ちょ、ちょっと待て! それってやばいやつだろ!? 後遺症とか出るだろ!!」

 「ふふふ。この御呪いが完成した暁には召喚士の身も心も……」

 「ヤベェ! 目が完全に逝ってやがる!! クソ、鎖が外れねぇ!!!」

 「さぁ、新しい御呪いの実験代になって」

 「や、やめ! あぁあぁぁあぁあぁああ!!!!!!」

 




ニニアン
烈火のマムクートな踊り子。FEHでは弟は未実装。FEHではニニアン保育園というロリマムクート達の保母さん的な立ち位置なんだろう。作者は闘技場でニニアン保育園を何回か見かけた。踊るで飛んできたロリチキにボーナスキャラを焼かれた思い出がある。作者もニニアンが出た時に保育園を作ろうと思ったが、チキ星5はいてもノノ、ファがクソ個体値しかいないので未だに作れていない。

シャラ
愛の思い呪い師。シャラとサーリャの別次元はFate清姫だと思ってる。最初は出る予定がなかったけど、神錬の雫欲しさにグルンウルフを錬成したのとヘクトルを不幸にするためだけに出てきた。


天使にラブソ○グを…
クリスマスと言えばこの映画だよね! クリスマス関係ない? 教会が舞台だからいいんだよ! 個人的には1のほうがが好き。ちなみにこれを書いている時に実際にブルーレイで見てました。


そんなわけでクリスマスネタです。個人的に他のロリキャラであるニノとかサナキとかも出したかったけど、それをやると目安である2500字を大幅に超えるので自重。
それぞれのプレゼント願望は適当です。チキに関してはスキル構成が悪いと思ったのでストレートに、ノノはハロウィンで引かなったので、ファは攻略サイトを見ていた時になにこいつ作りたいと思った願望の結果です。その結果ロリマムクート軍団が性能厨になった気がする。ニニアンはどういう教育をしているんだ!


今年はこれで更新最後だと思います。次回は元日に『新年だよ! 全員集合!』をやりたいけど、キャラ全員とか出せるわけないです。今考えているネタでは歌姫とFEHに現れたアメコミヒーローが活躍予定。そして安定のヘクトル不幸枠。

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