召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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鬼畜クソ軍師!(挨拶


今回はこの作品の大天使であるニノとその息子達のために花火大会を行うお話です(盛大なネタバレ)


ヴァイス・ブレイブ花火大会

俺の部屋には珍しくウルスラが一人でやってきていた。

 「珍しいな。お前さんが俺に相談なんて」

 「あら。私だって相談の一つくらいあるわ」

 「相談ねぇ。だったら確認しておくことがある」

ウルスラの言葉に俺は真剣な表情になる。

 「その相談内容はロイとニノのどっちに関することだ?」

 「ニノのことよ」

 「「詳しい話を聞こう」」

ウルスラの言葉にノータイムで答える俺。いつの間にかパントも瞬間移動してきていたが、大天使ニノエルの前には些細なことなのでスルーする。

ウルスラもパントのことはスルーして真剣な表情で続ける。

 「昨日のことよ。黒い牙(ジャッファは除く)のメンバーで食事をしている時にニノが呟いたのよ。『レイとルゥと一緒に花火を見たいなぁ』って。それを聞き流せる黒い牙がいると思う? いや、いるわけがないわ。それを聞き流せるとしたら黒い牙失格よ……!!」

 「とりあえずニノのその発言は烈火出身者には聞き流せない事実だからいいぞ」

 「滅多に言わないニノのわがままだからね!! 僕らが完璧にそのオーダーに答えてあげよう!!」

高らかに宣言するパントに俺とウルスラは拍手する。

 「しかし、花火の火薬の調合は俺ができるが、打ち上げはできないぞ」

 「それは僕に任せてくれ。完璧な打ち上げ装置をカナスと一緒に作り上げてみせよう」

 「だったら私はニノ達に浴衣を用意しておくわね」

 「「ウルスラ……お前は天才か……」」

 

 

 

 

 「今日は花火を用意してくれてありがとう!! 召喚士さん!!」

 「おう、気にするな。ニノのためなら苦労でもなんでもないさ」

天真爛漫なニノの笑顔に心がほっこりする。その証拠に普段から俺を挟んで顔を合わせたらギスギスした空気が流れるリンとフィオーラの顔も優しい笑顔だ。ニノの笑顔にはきっと人を争わなくさせる効果があるに違いない。

 「ちょ、ちょっと待ってくれ召喚士」

 「うん? どうしたレイ」

そして俺に話しかけてきたのは顔を赤くしたレイ。

 「どうしたじゃないだろ!? なんで女性物の浴衣なんだ!?」

 「「「?」」」

 「なんでリンさんとフィオーラさんもそんな心底不思議そうな表情になるんだ!?」

 「親娘でとてもよく似合っているじゃないか」

 「あ!! 今、親子の子供の部分を娘って呼んだな!!」

怒って俺に掴みかかってくるレイだが、その姿から怖いという印象など皆無であり、逆に可愛らしいという発想しか湧かない。その証拠にリンとフィオーラからも「やっぱり子供は娘がいいかしら」「私は息子と娘両方が欲しいですね」と言った会話が流れている。

聞かなかったことにしよう。

 「ルゥだって女性物なんて嫌だろ!?」

 「え? お母さんとお揃いで嬉しいけど?」

 「違うだろ!! 否定しろよ!! ルゥが肯定的だからウルスラおばさん達は俺達の服を女性物の用意をするんだぞ!!」

 「もう!! レイはそんなに怒らないの!! せっかくウルスラさん達が用意してくれたんだから!!」

 「お母さんも子供が女装させられているんだから止めてくれよ!!」

 「でもレイは小さい時にウルスラさんが『大きくなったらロイのお嫁さんに来てくれる?』って質問に笑顔で『いいよぉ』って答えていたよ?」

 「あれは結婚の意味もわかっていない時だから!!」

ニノとレイとルゥのイチャイチャとか烈火出身者にとってはご褒美でしかない。

 「ところでカナス。その映像あとで共有できるか」

 「任せてください」

当然のようにカメラを構えてその尊い映像を保存していたカナスに映像の共有をお願いすると笑顔で快諾した。

大天使の素晴らしい映像はみんなで共有しないとな!!

 「先生!! 花火の準備は完了したぞ!!」

そこにやってきたのは教師になって熱血に目覚めたグレート・ティーチャー・ベレトであった。俺は元気よく走りこんできたベレトに向かい合う。

 「ベレト!! 歯を食いしばれぇぇぇぇぇ!!!!」

 「押忍!!!!!!!」

手を後ろで組んで直立不動で殴られる態勢になったベレトを俺は思いっきり殴り飛ばす。

 「いいかベレト!! 教育者が子供を怖がらせるなどあってはならないことだ!! みろ!! レイとルゥが驚いてしまっているじゃないか!!」

 「押忍!! 先生!! すいませんでした!!」

口の端から血を流しながらベレトは元気よく答えてくる。

 「それで、花火の準備は完了したんだな」

 「ああ、先生と、先生の火薬の調合を教え込まれたインバースとベレスと俺で合計1万8000発の準備ができた」

 「パーフェクトだ、ベレト」

 「「多すぎない?」」

やれやれ、リンとフィオーラは何もわかっていない。

 「いいか、二人とも。普段からワガママを言わないニノのお願いだぞ? 張り切るだろ……常識的に考えて……!!」

 「「それもそうね」」

 「リンさんとフィオーラさんも納得しないでくれ!!」

レイは何を言っているんだろうか。烈火出身者にとってニノのお願いは何を犠牲にしても叶えるものだというのに。

 『時間になったようだね!! それではヴァイス・ブレイブ納涼花火大会を開催するよ!!』

そしてヴァイス・ブレイブに響き渡る天才イケメン魔導師の声が響く。

そして空に打ち上げられる花火。打ち上げられた花火は夜空に大きく花ひらく。それをみてニノは嬉しそうに声を上げる。

 「た〜まや〜!!」

その可愛らしい姿にそこにいた烈火メンバーの花から愛が溢れる。

打ち上げ場所でロイドとライナスとラガルトによって打ち上げ装置にくくりつけられているジャッファをニノ達の視界に入れないようにしながら俺達も花火大会(主にニノ一家の鑑賞)を楽しむのであった。

 




ニノとレイとルゥ
超英雄で浴衣姿はよ!! レイとルゥは女性物の浴衣な!!

召喚士
火薬の調合もできる。そしてその技術はインバースとベレスとベレトに受け継がれている。

ニノのワガママ
滅多にワガママを言わないニノのお願いには烈火メンバーに拒否をするという選択肢は存在しない。





そんな感じでお題箱で頂いた『夏なので花火大会を(意訳)』と『ニノちゃんとルゥくんのほのぼのを』というお題を消化するための花火大会編でした。
書いていて感じましたが、烈火出身者のニノに対する可愛がりが半端ない。まぁ!! 当然ですよね!!

そういえば前回の更新からペトラ狙いのガチャがハーディンとニケにブロックされました。これは憤死案件

しばらくFE風花雪月の世界に行ってくるので、こっちの更新はしないかもしれません。ご了承くださいませ。

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