召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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鬼畜クソ軍師!(挨拶

しばらく書く予定なかったですけど、ペトラちゃんが来たので彼女の出番です。


後半に微量のシリアスがあります。


召喚士とペトラ

今日も今日とて召喚日和である。

 「しかし、お前さんも懲りないなぁ」

 「そうだよね。スミアちゃんと残念暗黒皇帝とニケ様にブロックされているんだから諦めたらいいのに」

 「黙れ、脳筋に腹黒。せっかくクソ梟が召喚チケット配布してくれているんだから召喚しないと駄目だろう」

 「「その結果がすり抜け三連発だが?」」

 「知らんな」

スミアは初だし、ニケ様は見切りをリンにスキル継承したからセーフ。残念暗黒皇帝? 凸らせるのが一番かなとも考えている。

 「さてさて、目当ての青は出るかなと」

馬鹿二人が今回も爆死することを疑っていない愉悦の笑みを浮かべているのを無視しつつ俺は召喚石版を起動する。

 「どうでもいいけどチケットで起動する石版てシュールだよね」

 「突っ込んでやるな、エリウッド」

召喚チケットじゃなくて専用オーブとかの方が世界観にあってませんかね。

 「お、青が二つあるな」

 「ドニだな」

 「いや、ソワレだね」

 「黙れ馬鹿二人」

馬鹿二人を叩き込ませつつ、俺はオーブを石版に叩き込む。

浮かぶ砂煙。浮かび上がるシルエット。

 「わたし、ペトラ=マクネアリー、いいま……」

 「バカな!?」

 「ありえない!? チケットツモだって!?」

出てきたペトラを見て本当の驚愕顔を浮かべるヘクトルとエリウッド。俺はそんな二人を尻目にAAコロンビアのポーズを決めている。

 「どうだ馬鹿共!! 俺のドロー力を見たか!!」

 「「エーデルガルト」」

 「ちょっと何を言っているかわかりませんね」

ははは、そんなオーブ170個近く突っ込んで出た星5はユルグ一人だけなんてありえるわけないじゃないですか。

 「し……」

 「シジミ汁か」

 「いや、シャトレーゼに行きたいんだよ」

 「会話の文脈繋がっているか?」

そして俺のことを驚愕顔で見つめていたペトラがようやく再起動する。そして溢れた一言に速攻で馬鹿二人がボケを突っ込んできた。

しかし、ペトラはそんな二人を無視して俺を見つめ続けてくる。

 「「「!?」」」

そして涙目になった。

 「おい、召喚士!! お前風花雪月世界で何をやったんだ!!」

 「会って早々に泣くとか割と最悪なことしかしてないんじゃないかい!?」

 「ばっかお前ら!! いくら俺が超天才軍師でも並行世界の自分がやらかしたことまでは責任持てないぞ!!」

というか自分のことながら何をやったんだ。どんな生徒がいるかわかれば大体の想像はつくんだが。

 「師匠!!」

 「「「!?」」」

そして俺達はさらなる混乱に叩き込まれる。なんとペトラが先生呼びで俺に泣きながら抱きついてきた。

ペトラを泣き止ませることも必要だが俺はその前にしなければならないことがある。

 「そこを動くな脳筋に腹黒!!」

 「チィ!! 覚醒が早いか!!」

 「おのれ……魔法を使うだなんて汚い真似を!!」

俺は速攻で召喚室から飛び出してないことないことを広めようとした脳筋を腹黒を魔法で捕縛する。

 「その魔法、その声、師匠、本人です!!」

そしてそれを見てさらに嬉しそうに泣くペトラ。かなり召喚室はかなり混乱している。

 「ふふふ、困っているようだね」

 「「「その声は……パント!!」」」

そして場が混乱すれば当然のように現れるパント。いつの間にか召喚石版の上でポージングを決めていた。

 「おい、パント!! とりあえず魔法を解いてくれ!!」

 「そうさ!! そうしてくれたらこの外道を地獄に落とすから!!」

 「お安い御用だとも」

 「「よっしゃー!!」」

 「パント貴様ぁぁぁぁ!!!!」

俺の魔法をあっさりとパントは解き、馬鹿二人は喜びの雄叫びをあげて召喚室から出て行った。

 「パント貴様ぁぁ……あん? どうした、真剣な表情して」

いつも通りにパントを怒鳴ろうとしたら、パントがやけに真剣な表情で俺を見ていた。その視線にシリアス場面だと気付いた俺も真剣な表情になる。

 「召喚士、以前、僕が君は風花雪月世界に君が残っている場合の並行世界の話をしたのは覚えているね」

 「そりゃあな」

 「そのあと、ちょっと気になったから僕は少しその世界を調べてみたんだ。そうしたら君はいいことをしているんだけど、自分の生徒達にトラウマ植え付けてからいなくなったみたいだね。そこのペトラちゃんもその一人」

すすり泣くペトラの頭を撫でながら俺はパントの説明を聞く。そしてその世界の俺が最終的にやったことを聞いて俺は頭をかく。

 「……まぁ、そうだよなぁ。俺だったら最後はそうするだろうな」

 「全くだ。これを知った僕も『あ、異世界でも軍師は軍師だ』と妙な納得をしてしまったよ」

俺の言葉にパントも薄く笑う。俺は未だに泣いているペトラの頭を優しく撫でる。

 「安心しろ、ペトラ。俺はここにいる」

 「師匠、ここいる、いなくなる、しないですか?」

 「……」

 「そこは肯定してあげなよ」

 「いや、異世界召喚体質は俺じゃどうにもならなくてな」

 「先生、ここにいる、だったら、ペトラ、先生、守る、します!!」

持っている剣を力強く握りしめながら宣言するペトラ。それをみて苦笑する俺とパント。

 「よかったね、召喚士。心強い護衛ができたじゃないか」

 「すでにカアラがいるんだがなぁ」

いい話で終わると思った? 残念でした!!

破壊される召喚室の扉。浮かび上がる砂煙。浮かび上がる二人分のシルエット。

 「「召喚士?/召喚士さん?」」

リンとフィオーラが殺意の波動を持って立っていた。助けを求めようとしたらパントはすでにいない。

 「待て、落ち着け二人とも」

 「あら。私たちは落ち着いているわ」

 「はい、落ち着いています」

そうだよな。だったら話あいを……

 「「だから、昔、召喚士が泣かせた女の子が召喚されたという情報を詳しく」」

とりあえず馬鹿二人は後で殺す。

 「わたし!! 師匠!! 守ります!!」

 「ペトラ!?」

そして完全に二人を敵認定したのか剣を抜いて俺を守るように立ちはだかるペトラ。

 「ペトラ、大丈夫です。師匠から、剣、教わる、しました!!」

自信満々に立つペトラ。だが、残酷なことを彼女に告げなければならない。

 「ペトラ!! お前の武器は暗器なんだ!!」

 「……え?」

心底キョトン顔をするペトラ。黙ってソール・カティと倭刀を構えるリンとフィオーラ。

 「いいか、ペトラ!! この世界最初の授業だ!!」

 「!! はい!!」

俺の言葉に嬉しそうにするペトラ。

 「勝てない相手には逃げるんだよぉぉぉぉ!!!」

 「はい、師匠!!」

そして二人で召喚室の窓を破って逃走するのであった。

 




ペトラ
召喚士に風花雪月世界で弟子入りしてしまった魔改造1号機。魔法の才能はなかったので徹底的に剣技を鍛え抜かれる。その結果、修羅三人衆に匹敵する腕前を手に入れた。しかし、FEHでは暗器である。現実は非情であった。召喚士を師匠と慕う大型犬系少女。

パント
ついに異世界の調査にも乗り出した天才イケメン魔道軍将。

召喚士の風花雪月でやったこと
きっと風花雪月編で明かされる(予定)



そんな感じで書かないと言っときながら今日2本目です。だってネタを考えていたペトラちゃんが出たら書かざるえないでしょう。でも風花雪月編のネタバレをするわけにもいかないのでこんな感じになりました。

え? ペトラちゃんの個体値? 聞くなよ!!

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