召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

117 / 219
鬼畜クソ軍師!(挨拶


今回は見た目悪党なガーネフさんの出番です


召喚士とガーネフ

 「召喚士! おるかの!!」

 「なんだガーネフが。珍しいな」

俺の部屋に血相を変えて入ってきたのは大賢者ガトーの弟子で見事に闇堕ちしたガーネフであった。

 「わしの聞いた話では今戦っているヘルと言う輩は別世界のアスク王国の人々を皆殺しにしたと言うのは本当か!?」

 「まぁ、概ね間違っていないな」

 「おぉ……おぉ!! なんと言うことじゃ!!」

俺の言葉に本当に悔しそうに俺の部屋の机を何度も叩くガーネフ。これを何も知らない人から見たら民が戦乱に巻き込まれたことを悔やむいい老人に見えたかもしれない。

だが、この爺はそんな殊勝な性格をしているわけがない。

もう一度力強く机を叩き、心底悔しそうに口を開くガーネフ

 「畜生……!! 健康体の奴らはそれだけでいい奴隷になるって言うのに……!!」

この通り中身は本当の意味でのクズである。

 「お前さ、いい加減諦めろよ。何回治安維持部隊に捕まっていると思ってるんだよ」

 「馬鹿野郎!! 諦めなければ夢は必ず叶うんじゃよ!! わしはそれを知っているんじゃ!!」

 「テメェの夢は見事に潰されているじゃねぇか」

マルス達に見事に阻まれているじゃないか。

 「わしは諦めぬよ!! 諦めない限り夢は続くんじゃ!!」

 「お前の夢は潰れた方がいいだろ。試しに言って見ろよ」

俺の言葉に心底不思議そうな顔をしながら口を開くガーネフ。

 「まず金銀財宝じゃな。これは必須条件じゃろ。あとは名誉。まぁ、別にこれはあってもなくてもいいの。あとは奴隷として売り飛ばせる健康体の男と女。あとは教育次第でどうにでも洗脳できるから子供とかかの」

 「お前マジで捕まれよ」

このガーネフは我がヴァイス・ブレイブでも屈指のどクズである。

 「何を言っとるんじゃ。お主もわしと同類じゃろうが、なぁ相棒」

 「俺は確かにクズではあるがお前と違って終身名誉どクズ畜生じゃねぇよ」

本気でやめて欲しい。こいつに相棒呼ばわりされるたびにマルス達からの視線がやばいことになるんだ。

 「じゃがなぁ。お主だって敵に対しては容赦なしじゃろ? そして己の欲望には忠実じゃ。つまりわしは実質的にお主なんじゃよ。仲良くしようぜ、相棒ぅぅ!!」

 「一緒にするんじゃねぇって言ってんだろ。ぶち殺すぞクソジジイ!!」

こっちの話を一切聞かずに俺とガーネフは同類だと叫ぶ終身名誉どクズ畜生。そして俺のことを聞き分けのない孫のように見てくる。

 「わかった。それじゃあわしがどれだけお主とわしが同類なのかを証明してみせよう」

 「おう、やってみろ。絶対に違うって言い切れるからな」

そしてお茶を用意してから俺の向かいに座るガーネフ。

 「まず、敵に対して容赦がない」

 「まぁ、それは当然だな。その辺りは外道を言われるのは慣れているし、むしろ誉れな部分でもある」

 「そうじゃな。次に味方に対しても必要であれば騙すことに抵抗感はない」

 「まぁな。策に必要であれば味方でも騙すさ」

俺の言葉に満足そうに頷くガーネフ。

 「うむうむ。そして敵に対しても味方に対しても煽動が上手い」

 「まぁ、必要だからな」

 「そうじゃろそうじゃろ。そして反抗する味方は内々で処分することにも躊躇いはない」

 「いや、それは戦闘中に不和を生じさせたらまずいからで……別にやりたいわけじゃ……」

 「じゃがやるじゃろ?」

 「……いや、まぁな」

あ、あれ? 俺って思っている以上にどクズなのか……?

 「まだまだあるぞい。お主は必要であれば現地で人を徴用して働かせるじゃろ?」

 「いや、でもちゃんと賃金は払っているし……」

 「じゃが過酷な労働環境に放り込むじゃろ?」

 「……いや、確かにやるが……」

あ、あれ? おかしいな。嘘だろってくらいにガーネフと共通項がある。

 「最後にお主は奴隷制を否定しとらん。必要悪だと理解しておるからじゃ」

 「そ、それはそうだが……だが、俺はちゃんと奴隷解放はやって……」

 「それはやるべきことが終わってからじゃろ?」

 「た、確かにその通りだが……」

ば、バカな……俺とガーネフは同類項だと……?

 「はっはっはぁ!! そんなわけでわしとお主は同類なんじゃよ!! よろしくな、相棒っ!!」

 「そんな……嘘だ……俺は……そんな……」

俺の肩をバシバシと叩いてくるガーネフ。だが、俺は思考回路がうまく繋がらない。俺は確かに外道だが、終身名誉ドクズなはずが……

 「失礼しますね、召喚士さん」

 「フィオーラ……」

 「はい、貴方の妻のフィオーラですよ」

俺の言葉に優しい微笑みを見せるフィオーラ。

 「フィオーラ……俺は終身名誉どクズだったのか?」

 「おい、そこの終身名誉どクズ畜生。召喚士さんに余計なことを吹き込みましたね?」

俺の言葉に殺意200%でガーネフを睨みつけるフィオーラ。それに対してフィオーラを笑い飛ばすガーネフ。

 「おいおい、言いがかりはやめて欲しいの! ワシは召喚士の本質を言い当てただけじゃよ!! なぁ、相棒!!」

 「召喚士さんは確かに鬼畜クソ外道ですけど、貴方のような終身名誉どクズではありません!! そこに直りなさい!! 根性を叩き直してあげます!!」

 「おっと!! 鬼教官モードになりおったな!! じゃあな!! 相棒!!」

 「こら!! 待ちなさい!! あぁ、召喚士さん!! 手首を切っちゃダメです!!」

 「はは……俺はガーネフと同類なのか……そんなの生きている価値ないじゃないか……」

 

 

この後、フィオーラによってなんとか正気に戻った俺は、とりあえずガーネフがセコセコと貯めていた金銀財宝を冤罪で奪い取るのであった。

 




ガーネフ
終身名誉どクズ。金銀財宝とか大好き。健康な奴らは奴隷として価値があるからいいよね、といい笑顔で言い放つ真正のクズ。

フィオーラ
召喚士の部屋に頻繁に出入りして召喚士の外堀を埋めにかかっている

召喚士
「俺は終身名誉ドクズだったのか……?」
「はっはぁ!! その通りだぜ、相棒!!」




そんな感じでガーネフ編でした。ツイッターのお題箱で「もっとキャラ崩壊したキャラを出して欲しいです」と言われたのでガーネフにレジライをインストールしました。ですがあんまりキャラ崩壊していないように感じるのは作者の書き方が悪いんですかね。

お題箱の方で「FEHヘルを倒したらそれで終わりになるのかな?どのFEHでも龍や魔物がいたからFEHヒーローズにもおそらくいると思うのですがとなると炎の紋章もあるどう思いますか?」というご質問を受けました。回答はこちら
A、 こんなネタ小説でそんな細かい設定作るわけねぇだろ!!
以上です

そして作者の近況ですが、作者がメインで書いている小説は応募できる賞が少ないので、二次創作を書いているノリでライトノベルを書いて9月末締め切りの賞に応募することにしました。ですのでしばらく更新できないかもしれません

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。