召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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伝承英雄召喚2が来て、新英雄のスリーズさんが好みだったからガチャった結果


召喚士と英雄召喚(ガチャの儀式編)

リンは英雄召喚室へと向かっていた。基本的に召喚士の英雄召喚への立会いは自由である。ヘクトルやエリウッドは必ずついていき、召喚士が爆死するのを見て大爆笑するのだ。ちなみにカムイ(男女及び星の数に関係なく)が召喚されると、フェリシアとジョーカーがどこからともなく現れて部屋へと案内していく。

リンは召喚室の扉を開こうとすると、扉に張り紙が貼ってある。

 『烈火関係者以外立ち入り禁止』

この時点で嫌な予感しかしない。以前にこの張り紙が貼られていた時は召喚士、ヘクトル、エリウッドの三馬鹿が全裸で踊りながら召喚の儀式をしていた。とりあえずミュルグレを叩き込んだのは間違っていないと今でも思っている。

覚悟を決めて扉を開けると、そこは異様な空間だった。

まず中央に祭壇があり、その脇で石仮面を被った半裸の男(おそらくエリウッド)が太鼓を狂ったように叩き、反対側では骨の兜を被った半裸の男(おそらくヘクトル)が何度も何度も土下座を繰り返していた。

これだけならいつものキチガイメンバーが奇行をしているだけで済むのだが、今回は壇上で烈火関係者でも数少ない常識人であるニニアンが舞踏祭オリヴィエの格好で踊っていた。

とりあえず常識人なニニアンを巻き込んだ時点で重罪なので、三馬鹿にソール・カティが決定された。

 「あ、リンも来たんだ」

 「フロリーナ」

声をかけられた方を見ると、壁際にリンの親友であるフロリーナがいた。FEHのシステム的に仕方ないが、この姿で一児の母親なのだ。別世界の英雄に娘のリリーナと一緒にいて姉妹に間違われるのを気にしているのを知っているのはリンだけだ。

 「これは何の騒ぎ?」

 「えっと、今日から伝承英雄召喚2が開始されたでしょ?」

 「ええ、聞いてるわ」

 「それで召喚士さんが追加された緑魔が欲しいって言い出して、どこかで調べた出やすくなる方法を試しているんだって」

強欲商売人(アンナ)から新しい緑魔は女性だと聞いていたので、召喚士にはキャンドルサービス+も追加決定である。

 「どう考えても怪しい儀式にしか思えないんだけど。どこからか音楽が流れてるし」

 「あ、音楽はルセアさんとプリシラさんだよ」

よく見たら部屋の端で女顔と愛の思いブラコンが楽器を鳴らしていた。何をやっているんだ。杖強化が来たのだからスキルポイント2倍ボーナスの間に修練の塔を周回してこい。

口から出そうになったのは、その隣で疲れ切った表情をしたレイヴァンを見て抑えた。下手に口を出したら巻き込まれると経験が囁いたのだ。

ニニアンは踊り終えたのか壇上から降りる。それに変わって壇上に上がったのはいつもの白いローブではなく、漆黒のローブを着込んでオーブを抱えた召喚士だった。

 「これよりガチャの儀を開始する」

 「「おぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」

召喚士がオーブを掲げながら宣言すると、半裸の二人が雄叫びを挙げて、音楽担当二人が楽器をかき鳴らす。

召喚士が怪しげな石版にオーブを投げ込むと、色のついたオーブが浮かび上がってくる。

 「ば、ばかな! 狙いの緑が4つだと!?」

 「信じられない! 召喚士の言っていた通りだと言うのか!!」

 「よっしゃ! 勝ったな、風呂入ってくる。まずは1つメェぇぇ!!!」

ヘクトルとエリウッド(声を聞いて確信)の驚愕を余所に、召喚士は一つ目の緑を石版に叩きこむ。

吸い込まれていくオーブ。土煙をあげる石版。そして召喚される英雄。

 「春祭り、楽しんでいるか? 俺はクロム。イーリス王国の王子だ。いつもこんな格好をしているわけではないぞ」

 「星5だけどお前かぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

召喚されたのはウサ耳をつけたクロムだった。それを見て崩れ落ちる召喚士。爆笑する半裸二人。

 「あら? そういえば無色で花嫁の私もピックアップされてるわよね?」

 「あ、私も召喚しないのか聞いて見たら『花嫁リンは凸らせる必要ないからパスかな』って言ってたよ」

召喚士にはソール・カティとキャンドルサービス+にミュルグレのフルセットを叩き込まないといけないらしい。大丈夫、HPが1でも残ればリバース+で復活させられる。むしろ、ダメージが大きいほうがいいまである。

リンが召喚士に対しての制裁を考えている間に、男のウサ耳という誰得なクロムは控えていたマシューが外に連れ出していた。相変わらず気遣いができる男である。

 「だが、まだ3つもある! 2つ目GO! カモン、スリーズさん!!」

2つ目の緑オーブを召喚士が石版に叩き込んた。

吸い込まれていくオーブ。出ない土煙。崩れ落ちる召喚士。爆笑する半裸二人。召喚されたギュンター(星3)は現状を理解しない内に戻ってきたマシューによって部屋から連れ出されていた。

 「まだだ……まだ、負けちゃいない……!」

 「ちなみにフロリーナ、召喚士はどれだけのオーブをここに持ち込んだか知ってる?」

 「ホークアイさんに手伝わせて、今の緑オーブが全部なくなるくらいかな」

あの馬鹿はサンタで爆死してから少しずつ貯め始めたオーブを全て持ってきたらしい。そんなことをやるからオーブを売りつけてくる強欲商売人(アンナ)を喜ばせるのだ。

召喚士が3個目の緑オーブを石版に叩きつける。吸い込まれていくオーブ。巻き上がる土煙。歓声をあげる召喚士、ブーイングをする馬鹿二人。そして光と共に現れる英雄。

 「俺の名前はレイヴァ「失せろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

見覚えのある顔はセリフを最後まで言うことなく羽になった。まぁ、確かに星4もすでに5人いるものね。速さの覚醒と太陽のために5人はキープしているけど、緑を回すたんびに必ず出てくるものね。

横目で本人を確認すると、大きくダメージを受けたように蹲っている。ルセアが必死にセインツをかけているが、戦闘中じゃないのと、妹のプリシラがフォローを言う名の死体蹴りをしているので無意味だろう。

 「お、俺は10連ガチャは信じない! 単発を信じる!!」

 「他のソシャゲで10連しか回さない奴のセリフじゃないぞ!!」

 「脳筋は黙ってろ! うぉぉぉぉぉ、ドロォォォォォォォォォォ!!!」

 「その掛け声が某カードゲームがデッキから手札を引く時のセリフでしょ」

 「会社が違うけどいいのかな」

リンの呟きにフロリーナもどこかズレたツッコミを入れる。相変わらず烈火世界の住人はフリーダムである。

4個目の緑オーブが石版に吸い込まれる。そして舞い上がる土煙。AAコロンビアのポーズをする召喚士。光と共に現れる英雄。

 「あたし、ニノ! って、あれ? みんな?」

現れた緑髪のロリはニノだった。

無言になる召喚室内。混乱しているニノ。

あれだけ濃かった烈火メンバーの中で唯一純粋さを失わなかったニノには、強く言えるメンバーがいないのだ。だから、あまり羽にもされないわけだが。

いち早く正気に戻ったマシューが部屋からニノ(天使)を異界の儀式部屋から連れ出していく。天使の光を間近で浴びた三馬鹿は悶え苦しんでいる。

リンはため息をついて三人に近づいていく。召喚士はリンに気づいたのか苦しそうに顔をあげた。

 「リ、リン……」

召喚士の言葉にリンは優しく微笑んで口を開いた。

 「とりあえずソール・カティからね」

三馬鹿の顔が絶望に染まった。

 




ニノ
烈火に残された数少ない天使。この召喚士がいた烈火世界は優しい世界だったから、家族全員が復活した可能性有り。なんか烈火ではこの娘だけは純粋でいて欲しいという願望がある。


前書きの通りにスリーズさんが好みだったので、数少ないオーブをブッパした結果です。悔しくなったので仕事の帰りにコンビニでグー○ルカード(FEHはアンドロイドのため)を買って課金した結果、スリーズさんは無事にお迎えできました。その過程で2人目のウサ耳クロムと2人目のアメリアも来ました。ニンジンの斧を1つカミラ姉さんにでも継承させるかなぁ。


みなさん、感想ありがとうございます。返信できていませんが全て読ませていただいています。その多くがエリウッドによるデュランダルの決定報告です。星4で相性激化3を持ってくるから仕方ないね。ちなみにそんなデュランダル案件を回避する方法を3つ紹介
1・星5ロイ(ノーマル)を10凸させる→納得はしませんが引き下がってくれます
2・星5ロイ(総選挙)を召喚する→親バカは自分の格好をした息子を見て狂喜乱舞して許してくれます
3・サンドバック(ヘクトル)を用意する→延命処置にしかなりません
ちなみに羽にして消すという方法もありますが、それをやると英雄墓場から復活してきてロイの恨み+羽にされた恨みによってスマホからFEHがデュランダルされる可能性が高いので注意しましょう。

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