「あのなぁ、ベルクト。俺は何回も言ってるよな?」
治安維持部隊詰所。俺はここでベルクトの取り調べを行なっている。
「ふむ、召喚士。俺もなんども言うようだが、俺は何一つとしてやましいことはしていない。こうやって治安維持部隊の詰所に連れて来られるのも不本意の極みだ」
「ほう」
全く持ってこの次期皇帝殿はどしかがたい。
「初対面の相手に『おっぱい揉んでいいですか?』と聞くのは構わないと思ってるのか?」
「問題あるのか?」
「問題しかない!!」
なんていうかこう……なんでうちの英雄はこうも英雄らしくないのだろうか。
「まぁ待て、召喚士。俺がおっぱいを揉もうとするのは大きな理由がある」
「一応聞いておいてやる。その理由とは?」
「うむ、信仰のためだ」
なんかもうこいつは本当に駄目だ。
「あ〜、おっぱい信仰ということか」
「違う!!」
俺の言葉に語気を荒げながら机を叩くベルクト。
「巨乳信仰だ!!」
「ブルーニャ」
「はい」
ベルクトの言葉に俺がブルーニャに指示をだす。するとブルーニャはベルクトの肩を叩いた。
「うわっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ものすごい喜んだ声を出しながら治安維持部隊の壁を突き破って自分から吹き飛び、80メートルほど転がりながらものすごい嬉しそうにベルクトは起き上がった。
「ご褒美ありがとうございます!!」
「駄目ですね、父上。完全に末期症状です」
「本当になんとかならんかなぁ」
癖が強いのは諦めるから、もうちょっとマシな英雄が出てきてくれないだろうか。
犬のように駆け戻ってきてブルーニャの前でお座りするベルクト(次期皇帝)。そして一緒にいたインバースが口を開いた。
「おて」
「ワン!!」
「お前にプライドはないのか……」
「召喚士お前バッカじゃねぇの!? こんな巨乳のお姉さんの命令とかご褒美通り越していくら払えば延長してもらえるか検討するレベルだぞ!?」
「いや、お前がおっぱい信者なのは」
「待て、召喚士」
「なんだ?」
俺の言葉をクソ真面目な表情で止めてくるベルクト。
「俺はおっぱい信者なのではない、巨乳信者なんだ」
「何が違う」
「全然違う!!」
お座りの状態なので床を力強く叩くベルクト。
「いいか? おっぱい信者は巨乳から貧乳まで分け隔てなく愛する、俺からしてみたら節操のない連中だ!! その点、巨乳信者は巨乳だけを信仰する純粋な気持ちの持ち主達……言わばエリートだ!! 理解できるな!?」
「できねぇよ」
割と頭がいっちゃってる英雄が多いが、ベルクトも多分にもれずに突き抜けている。
「俺は召喚士が羨ましいんだ……養子として巨乳のお姉さんを側に侍らせ、弟子として多数の巨乳に尊敬される存在……俺が目指すべきなのはこいつなんだ、と。確かにそう確信したんだ……!!」
そしてベルクトは慟哭するように両手で地面を叩く。
「なのにお前はあの巨乳一歩手前の小娘を相手にしているだと!? 信じられん!!」
「お父様、巨乳一歩手前の小娘って誰ですか?」
「リンだろ」
リンも十分にでかいと思うのだがこいつには足りないらしい。
「さらに最近ではあの黒髪美乳の持ち主と乳繰り合ってできた貧乳の娘までできる始末……!! お前は一体どこへ向かっているんだ!!」
「思いっきりこっちのセリフだな」
多分アイラとラクチェのことを言っているんだと思うんだが。
「呼びました?」
「呼んでないぞ、ラクチェ……!!」
そして天井を歩きながら(物理法則を突っ込むのは無駄である)入室してきたラクチェ。その姿をみて俺は唖然とする。
「お前は何をやっている?」
「何って、ソシャゲのガチャですよ!! 具体的に言うとリセマラです!! きっと読者の中にもいますよ、数時間かけてリセマラしたけど結局ログイン勢になってる人!! これを意味するのはソシャゲで一番面白いのはガチャ!! これが真理ってことですね!!」
「頼むから黙ってくれ」
俺の言葉を無視するように天井から飛び降りてスーパーヒーロー着地を決めるラクチェ。
「アイルビーバック」
「「デデンデデデン!!」」
「インバースとブルーニャも乗らない!!」
ラクチェのくだらないボケに乗っかるインバースとブルーニャ。俺の子供はまともなのがいないのか。
「ところでベルクトさん。私のことなんて言いましたか?」
「貧乳」
「どうしようかパパ!? 処す? 処す?」
「黙れ貧乳」
「パパが冷たいよお姉ちゃぁん!!」
泣き真似をしながらインバースとブルーニャの胸に飛び込むラクチェ。
「なにぃ!?」
そしてラクチェはこれ見よがしにインバースとブルーニャの胸を揉んだ。そして煽るようにベルクトを見る。
「うん? どうしましたベルクトさん? まさか巨乳を信仰している人が巨乳に触れたいなんて思うわけないですよね? だってそれは信仰に対する冒涜ですよ?」
「わ、わかっている……あくまで私は巨乳信者、イエス巨乳・ノータッチの精神が大切……!!」
「ですよねぇ!! まさか自分の信仰対象に対して不純な気持ちを抱くわけですよね!!」
「当たり前だ!! その揉まれるたびに素敵に形が変わる巨乳様を脳内撮影を3000枚して今夜のパーリーナイツを楽しむだけだ!!」
「う〜ん!! このクズっぷり。ブルーニャお姉ちゃん!! 『このクズ』って言いながら肩を叩いてあげてください」
「このクズ」
「ありがとうございまぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
そして先ほどのように自ら壁を吹き飛ばしながら飛んでいくベルクト。そして90メートルほど転げ回ってから急いで戻ってきた。
「ご褒美ありがとうございます!!」
「父上、正直に言ってこの方はヴァイス・ブレイブに必要でしょうか?」
「いらない気がするよなぁ」
「巨乳からの冷たい視線……最高にご褒美です!!」
完全に末期症状のベルクト。
「まぁ、もうそろそろ引き取り手がくるはずだ」
「失礼いたします」
俺の言葉と同時に治安維持部隊の扉が開かれる。入ってきたのはパーティドレスを着たリネアであった。
それを見た瞬間に顔色が青を通り越して土気色になるベルクト。
リネアは俺を確認すると優雅に一礼した。
「ごきげんよう、召喚士様」
「おう、毎回ご苦労さん。さっさと引き取ってくれ」
「わかっております。その前にベルクト様は本日は何をして検挙されたか伺ってもよろしいですか?」
「ヴァイス・ブレイブ学園での破廉恥行為だ」
「破廉恥行為なんかしていないんだリネア!! 信じてくれ!!」
「わたくしはベルクト様を信じておりますわ。さ、ベルクト様。何をなさったんですか?」
リネアの言葉に必死な表情になるベルクト。
「巨乳がいたから『胸を揉ませてくれ』と頼んだだけだ!!」
「ギルティですわね」
そしてリネアに引きずられていくベルクト。しばらくするとどこか喜びを含んだ断末魔が聞こえ始めた。
「リネアさんが罰下すことできませんわよね?」
「ああ、それだったら簡単ですよ、インバースお姉ちゃん」
インバースの問いに答えたのは相変わらずインバースとブルーニャの巨乳に埋もれているラクチェだった。
「ベレスさんを筆頭にした巨乳武闘派組の出番です」
「「さよならベルクト」」
インバースとブルーニャの言葉に俺は頷くのであった。
ベルクト
巨乳信者ヴァイス・ブレイブ筆頭。巨乳からの攻撃とかはご褒美と考える末期症状。M気質。
リネア
ベルクトの婚約者。胸は慎ましい。S気質。
ベルクトに対する罰
なんだかんだでリネアはベルクトに甘いので巨乳を用意してくれる。
苦労してリセマラしたけどログイン勢になってるソシャゲ
あなたのスマホにどれくらいありますか?
そんな感じでベルクトファンには真っ向から喧嘩を売っていくスタイル。原作のキャラなど一切残っていません。残ったのはただの巨乳信者。
今月末の神階英雄は誰ですかねぇ。レア様だったら全力で引きにいくんですけど、ヘルだったらなぁ。キャラ的にいらないけど小説的には欲しいんだよなぁ。