召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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遅くなりました。

ガチャ初日にガチャは引いていたのですが、公募用の小説を書いていて一日ずれました。

とりあえずどうぞ


烈火ガチャ

ガチャタイムである。何せ今回のガチャは烈火ガチャ。召喚する相手は全員知り合いの上にどんな人物かもわかっている。

 「いいですね、召喚士さん。絶対に私を召喚してくださいね。主に『装備がたくさんあって尚且つ召喚士さんがそれを全部召喚している』ということでマウントを取ってくるどっかの修羅民族対策として」

 「いや、努力はするけどさ。フィオーラはニルスと同色ピックだからそう簡単に行くかどうか」

俺の言葉にニッコリ笑顔で俺の肩を掴むフィオーラ。

 「引いてくださいね」

 「勝利の栄光を君に!」

 「おぉ、あの外道が素直に負けを認めたぞ」

 「やっぱりあの外道リンとフィオーラには甘いよね」

違うんだ腹黒に脳筋。甘いんじゃない、勝てないんだ。あと一緒に来ているリンが思いっきり舌打ちしてる。超怖い。

 「召喚士さん、ニルスもお願いしますね」

 「それは別にいいけどな。呼んで大丈夫か?」

俺の言葉に物凄く複雑な表情を浮かべるニニアン。

 「だ、大丈夫です。私が心を強く持っていれば……」

 「レイラも頼むぜ、召喚士」

 「わかってるわかってる。約束だからな」

マシューの言葉に答えると満足そうに頷く。

 「ちなみに叩き込むオーブの色は?」

 「赤以外全部」

 「お、ラスも呼ぶのか」

 「まぁな。それで後はピックアップを引いた色から回避していく感じだな」

というわけで召喚石版を起動して召喚していく。

そしてオーブを20個使ったくらいで緑をオーブを叩き込む。

捲き上る砂煙。浮かび上がるシルエット。

 「俺はクトラ族のラス。『灰色の狼』ダヤンの息子だ。同ほあ、すまんちょっと用事思い出したから帰るぞ」

 「「「おっと、逃がさないぞ」」」

 「離せぇ! 離せぇ!」

召喚されて速攻で逃げようとしたラスを俺とヘクトルとエリウッドで捕縛する。

 「安心しろってラス! お前が旅の最中にリンに告白してこっぴどく振られたことは黙っておいてやるから!」

 「そうだぜ! サカの民とは思えないくらいあっまあまなラブレターを出したことは黙っておいてやるぜ!」

 「そうだよ! 振られた後にサカの民らしくリンを奪い取ろうとしたら返り討ちにあって瀕死になったことは黙っておいてあげるから!」

 「貴様らぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ブチギレたラスであったが即座にリンによってブーケのステッキ+を叩き込まれて瀕死になった。そんなラスを俺達は廊下に放り出しておく。きっと心優しい誰かが助けてくれるはずだ。

そして今度は青と無色のオーブを叩き込む作業に戻る。そして今度は40個を超えたくらいで来た。

巻き起こる砂煙。浮かび上がる少年くらいのシルエット。

 「はじめまし……あ、どう見てもはじめましての面々じゃないね! みんな久しぶり!」

 「「「ニルス来ちゃったかぁ」」」

やってきたのはニニアンの弟であるニルス。いや、別にニルスは悪い奴ではないのだ。

 「ニルス。よかった。これたのね」

 「あ、ニニアン!」

そして姉のところに速攻で行くシスコンニルス。そして笑顔で口を開いた。

 「どう? 結婚相手は見つかった?」

 「グボワァ」

そして速攻でニニアンの傷を抉った。

そうニルスは天然で悪口を吐く存在である。俺達のように心の底や冗談のように悪口を言うのではなく天然で言うのである。本人に一切悪気はないために怒るに怒れない。今もニニアンは必死に回復しようとしている。

 「あ、その顔は『やっぱり』『まだ』見つかってないんだね!」

 「グッフゥ!」

 「だから素直にエリウッドさんに告っておけば良かったのに妙に自分が竜であることを気にするから!」

 「ニルスちょっと向こうでお話ししましょうね!」

そしてニルスから割と爆弾発言が飛び出したと思ったらニニアンは顔を真っ赤にしてニルスを拉致って行った。

無言になる召喚室内。なんて言うか触れてはいけないものに触れてしまった感じである。

とりあえず爆心地であるエリウッドに全員の視線が集中する。その視線にエリウッドは頷いた。

 「聞かなかったことにしよう」

 「だな」

 「自分達から墓穴を掘る必要ないよな」

俺とヘクトルとエリウッドの考えが一致した瞬間である。

そして俺は召喚石版を再起動して青と無色のオーブを叩き込む作業に入る。

浮かび上がる砂煙。浮かび上がるシルエット。

 「!? まずい!!」

 「「「リン!?」」」

そしてシルエットに斬りかかるリン。そしてシルエットはその斬撃を見事に防いだ。

出てきたのは渾身のドヤ顔を浮かべたフィオーラだった。

 「ふふふ、同色ピックでも被りなしすり抜けなしでやってくる私の方が正妻に相応しいですね」

 「は? 恒常星5になれたからって偉そうな顔しないでくれる?」

 「あら、ガチャ整理にあって恒常からも消えた方が何か言ってますね」

二人のやり取りを俺とヘクトルとエリウッドはガタガタ震えながら見ている。

 「おい召喚士! 止めろよ!」

 「そうだよ! 君の嫁達だろ!」

 「バッカ! 俺が止めれる立場にあると思うか!? むしろ悪化するわ!!」

俺達のやり取りも聞こえていないのか。二人は薄い笑みを浮かべたまま召喚室から出て行った。

その直後に表からどう考えてもドンパチしている音と巻き込まれたラスの悲鳴が聞こえた気がするが気のせいだと思うことにした。

 「召喚士、後はレイラだけだぜ」

 「わかってるわかってる。でもレイラが一番の目玉のガチャだなんて誰が予想できただろうな」

 「まぁ、レイラを使いたいって烈火プレイヤーは多いだろうしねぇ」

 「すまない! 部下が人気者で本当にすまない!!」

 「「セーなんとかさん」」

 「ちょっと何を言ってるかわかりませんね」

無色のオーブを召喚石版に叩き込みながら会話を続ける。まぁ、こっちには恋人というかなり強力な触媒であるマシューがいるからそのうち来るとは思うが。

そして合計120個ほどのオーブを使った時であった。

舞う土煙。浮かび上がるシルエット。

 「……あなたは? って見覚えのありすぎる顔が揃ってるんだけど」

 「レイラぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 「きゃあ! マ、マシュー!?」

召喚されて速攻で恋人に抱きつかれたことで困惑しているレイラ。

ちなみにレイラであるが、なんか異世界の烈火だとジャッファに殺されたようだが、残念ながらうちの世界ではジャッファを返り討ちにしてヘクトルのところに戻ってきた猛者である。そして当然のように俺達の旅にも同行していた。

とりあえず興奮冷めやらぬマシューを首に手刀を落として滑らかに気絶させるレイラ。その姿は密偵というより暗殺者である。

 「軍師、とりあえず確認しておきたいことがあるんだけど」

 「俺は今は召喚士な。それでなんだ?」

密偵としても暗殺者としての素質もやばいくらい高いレイラ。そんな彼女は黒い牙に潜入任務をしていた。

するとどうなるか?

 「この世界にニノちゃんはいるの?」

 「服も三種類。しかもそのうちの一つはサンタコスだ」

 「ヒャッフゥ!!!!!」

当然のようにニノヲタである。

 




ラス
サカの民の巨魁・ダンセキカイ(ダヤン)を父に持つ。リンに惚れていてサカの民の信条通りに奪おうとするが返り討ちにあったことがある。

ニルス
天然で他人の傷を抉るショタ。被害者は主にニニアン。

フィオーラ
ついに恒常実装でライバルを煽る。

レイラ
密偵と暗殺者としての適正が高いニノヲタ。




そんな感じで烈火ガチャ編です。今回のために180個のオーブを用意しておきましたが、使い切ることなく全員コンプリートする奇跡。しかもニルスとフィオーラの被りもなし。ちなみにラスくんも星5で来たので全員星5です。素晴らしい。
召喚されて速攻で黒歴史を暴露されるラスくん。そして弟の実装で秘めたる想いを暴露されたニニアン。二人は頑張れ、超頑張れ。
黒い牙に潜入したのでニノの素晴らしさに気づいたレイラ。そんな彼女は『ニノちゃんの笑顔を見るまで死ぬわけにいかない……!』という強い気持ちでジャッファを返り討ちにした模様。強い(確信
え? フィオーラとリン? 仲はいいですよ、きっと。

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