召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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「天井なんてそうそういかないだろ」と高をくくっていたら無事に天井を迎えました


召喚士と二人のユリア

俺の部屋に二人の英雄がいる。その二人は鏡で向かい合っているかのように全く同じ姿をしている。

片方は伝承ユリア。竜を殺すことに全てをかける魔法少女。

もう片方は闇落ちユリア。ガチャの闇である天井でやってきた魔法少女である。

伝承ユリア(以降光ユリア)が口を開く。

 「闇落ちしても私は私。わかってくれると思ったんですが……」

対して闇落ちユリア(以降闇ユリア)も口を開く。

 「コチラノセリフデス……マサカ光ノ私ガココマデ分カラズ屋ダッタトワ……」

お互いに表情は悲しげだ。自分の言い分こそが正しいと信じている。

二人のどちらに正義があるか。それは人によって違うだろう。

光ユリアは力強く机を叩く。

 「竜は殺すべき存在! 邪悪なる存在です!」

それに対して闇ユリアも力強く机を叩く。

 「竜モ心ヲ持ッテイマス! 共存デキルハズ!!」

片や『竜は滅ぼすべき存在』と言い張る光ユリア。それに対し『竜と共存は可能』と訴える闇ユリア。

とりあえず俺が言うべきことは

 「お前ら光と闇間違ってない?」

 「「?」」

 「本気で不思議そうな顔だと……!?」

どう考えても共存を訴えるのが光であるべきだろう。それが何故逆転するんだ。

 「もう! 召喚士さんもちゃんと考えてください!!」

 「ソウデス! セリス兄様ハ頭痛ガスルと言ッテ聞イテクダサラナイノデス!!」

そしてすでにセリスはこの頭のおかしい論争に巻き込まれ済みであったらしい。このヴァイス・ブレイブで数少ない真面目な性格の持ち主だから真剣に悩んであげたのだろう。哀れなことである。

 「いいですか、召喚士さん」

そして滔々と光ユリアが語り始める

 「竜という存在は人より何十倍……いえ、何百倍。強い個体になれば何千倍も強くなります。その強さは人類の脅威となります。人類が生きるためには竜を滅ぼすしかないのです。そして竜を殺すことこそが私の使命!!」

 『フハハハハ! 楽しい! 楽しいですよオルティナ!! 人の身でありながらこの強さ!! やはり人類の可能性を信じた私は間違っていなかった!!』

外でテンション爆上がりしているイドゥンの声を聞くと光ユリアの言うことも正しい気がする。

そして反論するように闇ユリアが口を開く。

 「イイエ! ソレハ違イマス!! 光ノ私!! 竜ニハ心ガアリマス!! 人ト同ジク心ガアルノデス!! 心ガアッテ、言葉ガ通ジル!! ソレナラバ人ト竜ハワカリアウコトガデキルノデス!!」

 『この邪竜がぁぁぁぁ!! ユンヌと同じく貴様も私とブレンの仲を邪魔するのかぁぁぁぁぁぁ!!!!』

そしてイドゥンと同等に戦う(自称)人類筆頭兼俺の妻オルティナ。

人(オルティナ)に言葉が通じる……?

 「いや、人も話は通じない奴が多いだろう」

 「やれやれ、召喚士さん。私達が言っているのは一般的なことです」

 「ソノ通リデス。ココノ特殊ナ状況デハナク、モット世間一般的ナコトデス」

 「お前らも十分にキワモノだからな」

 「「?」」

本当に不思議そうに首を傾げるユリにゃん’s。こいつらもそうだがうちには頭がおかしいのにそれを自覚していない英雄が多すぎる。烈火なんて『自分以外はみんな頭おかしい』っていうのが共通認識だからな。自分だけマトモとかありえないから。

 「では視点を変えましょう」

そう言いながら光ユリにゃんは何やら取り出す。

 「このヴァイス・ブレイブの問題竜達です」

心当たりが多すぎる……!!

 「まず筆頭はイドゥンですね。彼女はもう語る必要もないくらい邪悪です。あれを生かしておいたら人類の脅威です。私の聖書ナーガが通じたら殺してやるのに……!!」

悔しそうに唇を噛み締める光ユリにゃん。どうやら素手で聖書ナーガを破られたことが死ぬほど悔しいらしい。

 「次にナギ」

 「? お姉ちゃん? お姉ちゃんは問題ないだろう」

 「そこがすでに問題なのです!!」

こいつは何を言っているのだろうか。

 「いいですか!! 奴はあろうことか召喚士さんを洗脳しているんです!! そしてあのふざけた戦闘力!! 気分次第で暴れる姿はもはや災害と言っても過言ではありません!!」

 「洗脳……お姉ちゃんが洗脳なんてするわけないだろう。何を言っているんだ光ユリにゃん」

 「ク!? ここまで洗脳が進んでいるとは……!! ですがいつか私があの邪竜の呪縛から解き放ってあげます!!」

全く光ユリにゃんは何を言っているんだ。お姉ちゃんが俺のお姉ちゃんなのは自明の理だというのに。

 「そして最後はギムレー!! こいつに関してはもう語る必要もないですね!!」

 「そうだな。奴は殺さないといけない存在だ」

 「召喚士さんから許可が出たので後でギムレーには聖書ナーガを叩き込んできます!!」

さらっとギムレーに死刑宣言がされた気がするが……まぁ、いいか。ギムレーだし。

光ユリにゃんの言葉を聞きながら闇ユリにゃんは一回頷く。

 「人ト竜ハワカリアエル。ソノ証明ガココニハ存在シテイマス」

 「は、お笑い種ですね」

 「マズロリマムクート達」

 「な!?」

しまったという表情になる光ユリにゃん。闇ユリにゃんは勝ち誇ったような表情になる。

 「彼女達ハ純粋無垢ナ存在。破壊ヲ知ラズ、人ヲ信ジル存在デス」

 「それは彼女達がまだ幼いから……!! 成長すれば竜は変わってしまう!!」

 「それは人も同じだよな」

俺の発言は綺麗にスルーされた。

 「ソレナラバカムイ一家」

 「ク!?」

闇ユリにゃんの追撃は進む。

 「カムイサン達ハ闇落チシテモ、ソノ純粋サユエに闇ニ飲ミ込マレルコトハナカッタ」

闇ユリにゃんの言葉に光ユリにゃんはたじろぐ。

 「ソシテ大人チキサンとニニアンサン。彼女達モ成長シナガラモ人ト共存シテイマス。ドウデスカ、光ノ私。彼女達ヲ見レバ竜ガ人ヲ害スルナドアリエマセン。ムシロ共存デキル!!」

 「それはない!! 竜は人にとって危険な存在です!!」

 「ナラバ誰ヲ持ッテソレヲ証明シテミセマスカ!!」

闇ユリにゃんの言葉に光ユリにゃんは一度目を瞑り、大きく息を吸う。

そしてカッと目を見開いた。

 「ミルラ!!」

 「グッハァァァァ!!!!」

光ユリにゃんの言葉に椅子から吹っ飛ぶ闇ユリにゃん。

まぁ、確かに奴はエイリークを中心に色々迷惑をかけているし、扱い的にはギムレーと似たようなものだが。

 「ク、デ、デスガ……ソレデモ人ト竜ハ通ジ合エルノデス!!」

 「いいでしょう!! ならば召喚士さんに決めてもらいましょう!! 竜を滅ぼすべきか!! それとも共存すべきか!!」

光ユリにゃんの言葉に二人が俺を見てくる。

 「いや、別にどっちでもいいだろう。人と同じで竜だっていい奴も悪い奴もいるってことで」

 「かぁぁぁぁぁ!! どっちつかずとか一番最低ですよ、このフニャチン野郎!!」

 「ソンナノダカラ貴方ハ未ダニ童貞ナンデスヨ!!」

 「よぉし! お前らそこに並べ!! 絶無の書で殺してやるから!!」

 




光ユリにゃん
竜絶滅派筆頭

闇ユリにゃん
闇落ちユリア。竜と人が共存可能だと信じる夢見る少女。

セリスくん
まさかの妹増殖からの胃痛の種増大

イドゥンとオルティナの戦い
竜代表VS人類代表。一般人からしたらどっちも化け物



闇落ちガチャで闇ユリにゃんが欲しくて回したら天井に届いた作者は今日も元気です。ちなみに闇落ちユリにゃんを迎えるまでに闇落ちキャラは全員お迎えし、すり抜けでユアンくんとリシテアちゃんもやってきました。リシテアちゃんもネタはあるのでそのうち書くかもしれません。

ネタ的に使いづらい闇落ちアイクを容赦なくスキル継承に使った結果、リンちゃんがついに回避を獲得しました。速さも50あるのでダメージ少なく、奥義は天空なので回復可能。闘技場と飛空城で試運転しましたが強くていい感じ。

初期キャラもここまで弄ると使えますね。
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