召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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相変わらず独自設定の嵐です

そしてでていないのに株があがるギャンレル


インバースとムスタファー

 「まぁ、ヴァイス・ブレイブの説明はこんなところだな」

 「うむ、強者も多く、兵も統率が取れている。見事なものだ」

どこか遠い目をしながら呟くムスタファー。召喚されて早々に「私は戦うことはできん」と言って家出をかましたハゲはクロムやエメリナとの和解で無事に戻ってきた。

そして主に軍関係の設備を見たいと言ったので案内していたところである。

 「先ほど確認した限りでは攻城兵器の設計図などもあったようだが?」

 「用意はしてある。使うことは圧倒的に少ないけどな」

最後に使ったのはムスペル攻めの時だろうか。戦争の時は攻城兵器ではなく内部から裏切らせて落とすことも多いのであまり使うことはない。

なのに何故用意しているか? 念の為だよ。

 「場合によってはムスタファーには軍を率いてもらうこともあるからな」

 「うむ、微力を尽くそう」

俺の言葉に力強く頷くムスタファー。我がヴァイス・ブレイブには一騎当千の英雄や部隊指揮の上手な英雄が多いが、一軍を指揮できる人材は貴重である。他にはゼルギウスくらいか? If王族組は微妙だし

ちなみに学園組は学業優先ということで戦場に出る優先度は低い。軍を率いた経験のある連中が学生ということもありうちは人手不足に陥っていた。

 「む」

歩きながら話をしていると、突然、ムスタファーが難しい表情をして立ち止まる。反対側からは書類を持って話をしながらやってくるインバースとブルーニャがいた。

インバース達も俺とムスタファーに気づいたらしい。インバースは俺を見て嬉しそうな表情になり、ムスタファーを見てイイ笑顔を浮かべた。

 「あら! ムスタファー将軍! 奇遇ですわね!!」

 「……女狐が」

ムスタファーの言葉に心底ショックを受けたような表情を浮かべるインバース。

 「まぁ! 心外ですわね! 私は常に仕えた人の益になることしかしていませんわ!!」

 「確かに貴様の言はペレジアに多くの益を呼び込んだ」

そこまで言うとムスタファーは怒ったように一歩前に出る。

 「貴様の言葉でどれほどの若者が戦場に散っていったと思っている!?」

 「あら、それは必要な犠牲でしたわ」

 「必要だった!? あの若者達の死が必要だったと言うのか!!」

完全に激昂しているムスタファー。それはゆっくりと離れながら、同じくインバースから距離をとっているブルーニャに尋ねる。

 「ムスタファーが激おこなんだけど、インバースのやつ何やらかしたの?」

 「さあ? 私も『ペレジアでは国にとって必要なことしかしていませんわ』としか聞いていませんが」

すると俺とブルーニャの前にウィンドウが出てくる。よくみてみるとムスタファーに詰め寄られながら見えない位置でインバースが操作している。

俺とブルーニャがその画面をみるとインバースがペレジアでやったことが表示されていた。

 「……ああ、確かにこれは最初から詰んでるな。インバースの工作とギャンレルと言う爆弾で一回綺麗にならないとダメだな」

 「父上の言う通りかもしれませんが、これを素直にやると同じ時代に生きた人……特にペレジア人から蛇蝎の如く嫌われますよ」

俺でもインバースと同じことをやると思うのだが、ブルーニャはもうちょっとアプローチを変える必要があると言う。

 「貴様のせいで……貴様のせいでどれだけのペレジア人が死んだと思っている!?」

 「知りたいですの?」

ムスタファーの言葉にインバースは微笑む。その微笑みにムスタファーは恐怖を感じたようだ。

 「私が立てた策で死んでいったペレジア人は1534人。これは私の策で直接死んでいった数なので関節的に殺した数はさらに増えますわ。死んでいった者達の名前はキュリー、レイガン、サーガス、ローレント、ホランズ「もういい!! もうやめろ!!」

死んでいった者達の名前をあげ始めたインバースに怒りがこみ上げた表情でムスタファーは止める。

 「死んでいった者達をそこまで覚えていて!! 何故貴様は普通にしていられる!!」

 「ムスタファー将軍と立場の違いですわ」

 「……なに?」

 「私はあくまで国王・ギャンレルに雇われていた軍師に過ぎません。だからこそ私はペレジアに益となる進言をさせていただきました」

 「イーリスの侵攻もか」

ムスタファーの言葉にインバースは呆れたように首を振る。

 「あの時点でペレジアは詰んでいました。遠くない将来に待っていたのはイーリスの支配下になることです。ですが、ギャンレル王はそれを拒否した。だったらできることはイーリスを滅ぼし、その経済圏を手に入れることです」

 「……だ、だが、それならばイーリスと手を取り合うことも可能だったはずだ」

ムスタファーの勢いは弱い。

 「それがもたらすのはイーリスによるペレジアの植民地支配ですわ。たとえイーリスの王族にそのつもりがなくとも、イーリスの官吏や民はペレジアを下にみることでしょう。そしてそれを不満に思ったペレジアは大規模な反乱を起こす……それがペレジアの現状でしたわ」

 「……ギャンレル王はそれもご存知だったのか?」

インバースはやれやれと言った雰囲気で首を振る。

 「一番最初にお伝えしましたわ。そうしたら帰ってきたのは『だったらイーリスを滅ぼす』と簡潔にお言いになりましたわ」

 「ギャンレル王は悪名を背負うことになろう」

 「『悪名だろうが歴史に名を残せるなんて光栄じゃねぇか。俺なんざ元はゴロツキだぞ?』と一笑に付しましたわ」

インバースの言葉に今度こそ無言になるムスタファー。そしてインバースは歩いてムスタファーをすれ違う。その時にインバースは肩に手を置いて小さく呟いた。

 「私を責めたいのならば責めてくださって結構ですわ。ですが、あなたの戦い自体を否定しないでください。それはあなたを信じて戦った若者達の否定につながります」

それだけ言い残してインバースは立ち去って行く。ブルーニャも一度だけ頭を下げてついていった。

しばらく瞑目していたムスタファーであったが、目を開くと俺を見つめてきた。

 「召喚士殿」

 「なんだ」

 「私は戦うだけしかできない男だ。だが、ここではそんな男でも役に立てることがあるのか?」

 「ここにいるのはインバースだけじゃない。インバースを教え込んだ俺もいるし、俺と同等のルフレ達もいる。少なくとも民を飢えさせることはしない」

 「約束するか」

 「約束する」

俺の言葉にムスタファーは斧を手に持つ。

 「その約を違えない限り、このムスタファー。ヴァイス・ブレイブのために戦い続けよう」

 (迷いが消えたか)

ムスタファーの瞳から、先ほどまであった迷いはなくなっているのであった。

 




ムスタファー
ペレジア軍良識派。ヴァイス・ブレイブでも良識派になる。

インバース
完全に詰んでいるペレジアの再建を任されるとかいうクソゲー。養父である召喚士の存在をチラつかせたファウダーの命令じゃなかったら速攻でバックれてる。

ファウダー
ギャンレル、ムスタファー、インバースの三人と出会ったら命日



そんな感じでムスタファー将軍編でした。
原作の時は「あ〜、はいはい。恒例のいい人の敵ね」って感じだったんですが、想いを集めてのシナリオで一気に作者のお気に入りに。
10凸させるわ(確定、すでに遠距離反撃と大きな扇子は継承済み

ペレジアの設定は完全に独自設定です。そのためになんかギャンレルの株も上昇。この作品恒例の敵の方がいい人になるバグです。

水着ガチャ告知きましたねぇ。聖魔はFEシリーズでやっていないシリーズなので回避できそうで安心しました。まぁ、水着は第二弾があるんですけどね。

でも水着闇鍋は許さんぞフクロウ。水着スリーズが欲しいですけど、他の面々が強烈すぎる……
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