召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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召喚士塾出身者のリシテアちゃん

早死にする? うちのリシテアちゃんは長生きだよ。主に召喚士のせいで


召喚士とリシテア

 「この書類のこの数字はおかしいです。すぐに再確認してください。こちらの法令はヴァイス・ブレイブ法第89条に抵触する恐れがあります、すぐに書き換えてください。次、こちらのやり方では民の反発を買います。すぐに新しいやり方を検討してください。まだその書類は確認していません!! 勝手に持っていかない!!」

俺の執務室。そして執務用の机に乗っている殺人級の書類の山を手慣れた様子で捌いていく少女。彼女の指示に雇っている文官達が慌てて走り回っている。

少女の名前はリシテア・フォン・コーデリア。風花雪月世界の俺の教え子らしい。同じく俺の教え子らしいメーチェからリシテアは内政特化に教え込まれたと聞いた俺は殺人級の書類の山を任せてみたら凄まじい勢いで捌いていっている。

 「金はある。物もある。なんだったら土地もある。足りないのは圧倒的に人手がないっていうのは何の冗談ですか、先生」

 「残念ながら事実だ、リシテア。インバースやブルーニャ、ベレスにベレトがヴァイス・ブレイブ学園に持っていかれている今、事実上俺とルフレ達で国を回しているようなもんだ」

 「ヴァイス・ブレイブ自治領は当然としてアスク、ニフル、ムスペルを事実上支配しているのに働けるのが事実上三人しかいないとかクソすぎるでしょう」

 「だからこそのヴァイス・ブレイブ学園だ」

 「戦力が育つ前に国家経営が破綻しますよ。ここ、この数字とこちらの数字が矛盾しています。おそらく中抜きされていますのですぐに治安維持部隊を動かしてください」

リシテアの言葉に慌てた様子で文官が書類を持って出て行く。

 「先生が作っただけあって国の土台と運用法がよくできています。ところがそれを運営する人が足りない。どうにかならないんですか?」

 「どうにかできたらとっくにやってる」

 「ファック」

汚い言葉を吐きながらもリシテアの手は止まらない。

 「というか先生も手伝ってください」

 「今、ちょっと国内の反ヴァイス・ブレイブの動きをしている連中の報告書を読んでいるから無理だ。あ、こいつは消えてもらった方がいいな」

 「異世界の先生でもやっていることが一緒って……」

何やらリシテアが遠い目をしているが、消した方がいいリストを作っている俺は気づかないフリをした。

 「お邪魔するわよぉ」

そこにやってきたのはお菓子とお茶を持ったメーチェだった。

 「どうした、メーチェ」

 「お菓子とお茶を持ってきたから休憩にしないかしらぁ」

 「先生」

 「許す」

 「ヒャッホイ!!」

俺の言葉に即座に執務用の机から立ち上がってソファーに座るリシテア。メーチェもその隣に座り、俺は二人の向かい側に座る。ちなみに文官達はリシテアの指示で各方面に走っているので誰一人残っていない。

だから休憩にしたとも言う。

 「先生もリシテアも熱心ねぇ」

 「いえ、私の場合は完全に巻き込まれ事故なんですけど」

 「使える人間は使わなかやいけないって俺に教わらなかったか?」

 「実際に教わったからムカつきますね」

ぶつくさ文句を言いながらリシテアはお茶に砂糖を入れていく。

一杯、二杯、三杯、四杯……

結果的に言うとリシテアのお茶は砂糖になった。軽く戦慄している俺をよそにリシテアはお茶を少し口に含む。そして難しい表情をした。

 「まだ甘味が足りませんね」

 「正気か貴様」

お茶という飲料ではなくなった砂糖の塊を飲んで……飲んで? 食べてが正しいか? 甘味が足りないとほざくリシテア。

俺の言葉を無視してリシテアはさらに砂糖を投入していく。俺が無言でリシテアを指差しながらメーチェを見ると、メーチェは微笑みながら口を開いた。

 「リシテアのこれもいつものことよ〜」

 「こいつ絶対に早死にするぞ」

 「ところが先生の生徒で一番長生きしたのリシテアなのよねぇ」

 「マジで言っているのか!?」

 「知らないんですか、先生。糖分は人を長生きさせる……!!」

キメ顔で言っているリシテアに突っ込みたかったが、長生きした本人が言っていると説得力がある。

 「しかし、意外だったな。ペトラが戦闘しかできない脳筋ヒャッハーだったから、異世界の俺は内政関係は教えていないもんだと思っていた」

 「先生の教育方針ですね。『とにかく長所を伸ばす。短所は補う程度で』という教育を受けました。私も一応ナギ流格闘術は納めていますが、そこまで強くありません」

砂糖の塊を咀嚼しながら言うリシテアだったが、召喚直後に発生したユリウスの声かけ事案をユリウスの腕をへし折って撃退しているので説得力はない。

 「それよりメーチェも手伝ってください。少しくらいならメーチェもできるでしょう?」

 「無理よぉ、私が習ったのは宗教団体の運営方法だもの。それに今はヴァイス・ブレイブ学園の学生とパオラ神教とかいう先生の作った宗教団体の運営にかかりきりだわぁ」

メーチェの言葉に半目になって俺を見てくるリシテア。

 「パオラって確かここに所属する英雄でしたよね?」

 「それは違う、間違っているぞリシテア」

俺の言葉に不思議そうに首をかしげるリシテア。ならば教師として正しく導かねばなるまい。

 「パオラ様は英雄ではない。女神様だ」

 「メーチェ、こいつの頭は大丈夫なんですか?」

 「割と手遅れねぇ」

異世界とはいえ俺の生徒だったせいか遠慮がない二人である。

 「しかし生徒と宗教団体運営の二足の草鞋ですか。メーチェも大変ですね」

 「先生やルフレさん達を見ているとそんなに大変だと思わないわねぇ。この人達、殺人級の仕事こなしながら遊んでいるもの」

 「お前らも慣れたらできるようになるぞ」

 「「キチガイになるのはちょっと」」

 「なんて失礼なやつらだ」

本当に遠慮がない。

リシテアはゆっくりと砂糖の咀嚼をしながら口を開く。

 「しかし、それだったら私はまだ助かっているほうですね。内政の手伝いだけですし」

 「そんなリシテアさんにお手紙をお届け!!」

何の前触れもなく天井から現れたラクチェに全員が半目を向ける。そんな視線を受けても全く気にした感じはみせず、一回転しながら床に着地を決めるラクチェ。

 「確か……ラクチェでしたか?」

 「は〜い!! パパの実子第一号のラクチェちゃんです!!」

 「お前を認知した覚えはない」

 「先生は私達の世界の子どもはすぐに認知したのに、ラクチェちゃんだけは頑なに認知しないわねぇ」

メーチェの問いに俺は真剣な表情で口を開く。

 「たぶん、こいつは認知した瞬間にそこら中で俺に対するテロをする」

 「う〜ん!! さすがはパパ!! 娘のやることを見越してる!!」

 「こいつ死ねばいいのに」

俺の言葉を気にせずに笑顔で言い放つラクチェにガチめの死ねばいいのにが出てしまう。

ラクチェは俺の冷たい視線を無視しながらリシテアに一通の封筒を渡す。それを受け取りながらリシテアは不思議そうに首を傾げた。

 「なんですか、これ」

リシテアの問いにラクチェはイイ笑顔を浮かべる。

 「アティ理事長からリシテアさんにヴァイス・ブレイブ学園の入学案内です!!」

学生生活と内政の仕事をやることになったリシテアはうめき声をあげながらソファーに沈むのであった。

 




リシテア
召喚士塾出身。内政官として超絶優秀なので召喚士に仕事を手伝わされる。そしてアティ理事長からヴァイス・ブレイブ学園の入学案内をもらったことで学生になることも決定した

メルセデス
メーチェ。ヴァイス・ブレイブの英雄をやりながら学生をやったりパオラ神教の運営をしたりしている隠れた超人

アティ理事長
最強の理事長




そんな感じでリシテア編です。
いつだったかは忘れましたがすり抜けでやってきた彼女。その時からネタはできていましたが書くタイミングがなく今回まで引き伸ばされました。そして速攻で働かされているリシテアちゃん。全ては優秀なのがいけない。

今日から水着ガチャがきますね。作者はルーテが星4でもいいので一人でも引けたら撤退予定です。水着闇鍋ガチャは水着スリーズが欲しい(おっぱい的な意味で)ですが、無色は他の爆弾が強すぎるので青を引くつもりです
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