そしてさらっと明かされる召喚士が行った世界
「ああ、いたわね」
俺とヘクトルとエリウッドがいつもの如く俺の部屋でだべっていると、リンがやってきた。
「リン、とフロリーナとウルスラか。三人揃ってなんて珍しいな」
「まぁ、理由があってね。とりあえず三人ともこれを腕につけてくれる?」
リンがそう言って取り出したのは腕輪のようなもの。俺たち三人分ある腕輪の一つを俺は手に取る。
「これは……魔道具か?」
「ええ。まぁ、宴会道具のようなものだから気軽につけてくれる」
リンの言葉に俺たちは視線で会話する。
(拒否することはできると思うか?)
(いや、無理だろ)
(僕らに拒否権があると思うかい?)
(ファミチキ食べたい)
(((アイコンタクトに入ってくるな、パント……!!)))
何故かアイコンタクトに脳内に直接語りかけてきたパントに返しながら、俺たちは腕輪を腕にはめる。
「? 特になんともないぞ?」
「これはなんだい?」
ヘクトルとエリウッドの言葉にリンは真剣な表情で答える。
「嘘発見器よ」
「クソ! なんだこれとれねぇ!!」
「外れろ!! 外れろよ!! 僕はロイの子供を見るまで死ぬことはできないのに!!」
必死になって腕輪を外そうとするヘクトルとエリウッド。
「ふぅ、やれやれ」
「なんで余裕そうなんだ外道!」
「もっと焦れよ外道!」
「いいかよく聞け脳筋と腹黒。これは『嘘発見器』だ。つまり常に清く正しく生きている俺にアババババババババッババババッババババ!!!!!」
発言の途中で身体中に死ぬほど強い電流が流れる!! というか本当に死ぬ!
「アバババババババババ!!!! なななななな何故気を失えないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「言ってなかったわね。これは致死量の電流が流れると同時にリバースをかける効果があるわ」
「「完全に拷問道具!!」」
そしてようやく電流が止まる。
「うわぁ、床でビクンビクンしてるよ……」
「マジかよ、こいつがここまでダメージくらうって相当だぞ……」
「ク!」
「「お、生きてる」」
「烈火時代の拷問がなかったら即死だった」
「「あれレベルかぁ」」
ヘクトルとエリウッドが遠い目をして現実逃避しているが、お前らも食らう可能性が高いことを忘れるなよ。
そして俺たちは罪人のように床に正座する。
「それじゃあまずは私からいくね」
そう言って一歩前に出てきたのはフロリーナ。これには俺とエリウッドガッツポーズ。どう考えても死ぬのは脳筋だからだ。
土気色をした表情をしたヘクトルを見て優しく微笑むフロリーナ。
「ヘクトル様」
「ひゃ、ひゃい!!」
フロリーナの言葉に背筋を伸ばすヘクトル。
「脳筋の不幸で空気が美味い!」
「いやぁ! 死ぬのはやっぱりヘクトルだよね!!」
「地獄に落ちろ外道に腹黒ぉぉぉ!!!」
残念ながら地獄に落ちるのは貴様だ(断定
「ヘクトル様、ソニアさんの胸を揉んだっていうのは本当ですか?」
(バッ!!)
((ガシ!!))
「クソ! 離せ!! 離せよ!!」
「逃げるのはいかんなぁ、ヘクトルくん」
「そうだよ。奥さんからの疑惑はキチンと晴らさないと」
速攻で逃亡しようとしたヘクトルの腰をガッチリ掴む俺とエリウッド。ははは、逃げて助かろうなんざ甘いんだよ。
そしてヘクトルの頭蓋をガッチリ掴むフロリーナ。
「ヘクトル様?」
「うぉ、超こえぇ」
「やっぱり普段温厚な子がブチギレるのが一番怖いよね」
「お前ら俺の頭蓋が砕けそあああ待ってフロリーナマジで待ってミシミシいってる頭蓋がミシミシいってる」
笑顔(しかし目は笑っていない)でヘクトルの頭蓋を砕こうとしているフロリーナ。やはりよそのヴァイス・ブレイブでブロリーナと呼ばれているのは伊達じゃないようだ。
そしてフロリーナは優しげに微笑む。
「正直に言ってください、ヘクトル様」
「…………………………本当に事故だったんです信じてください」
「ええ、私はヘクトル様を信じています。だからこれはよその英雄さんに不埒な真似をしたヘクトル様に対する罰なんです」
「お慈悲を! お慈悲をぉぉぉぉぉぉ!!!!」
俺の部屋から引きずられて退室していくヘクトルに俺とエリウッドは敬礼する。グッバイ脳筋。ソニアのおっぱいがどんな感じだったか聞きたかったけどそのまま死んでくれ。
「それじゃあ次は私ね」
そう言って前に出てきたのはウルスラ。ウルスラとなると出番は腹黒だ。
だが、腹黒は無様に命乞いをしない。
「何故貴様は命乞いをしない」
「僕がウルスラに対して隠し事なんてないからね!!」
自信満々に言い放つ腹黒。だがそれは
「完全に尻に敷かれてないか?」
「仲良し夫婦と言ってくれ!!」
いや、どう考えても尻に敷かれている。
そしてウルスラは真剣な表情で口を開いた。
「エリウッド、あなたロイの超絶レア写真を隠し持っているでしょう」
俺の部屋の空気がピンと張り詰める。その雰囲気を出しているのはエリウッドだ。
「……何故そのことを?」
「ラクチェが言っていたわ。『あ、最近ロイさんの超絶レア写真をある人に売ったんですよ。え? 流石に誰かは教えられませんけど、とある息子大好きパパとしか言えませんねぇ』ってね」
ラクチェのそれはもはや答えだった。
真剣な表情に睨み合うエリウッドとウルスラ。
「さらば!!」
「待ちなさい!!」
「断る!!!」
そして脱兎の如く逃げ出すエリウッドとそれを追いかけるウルスラ。
『待ちなさいこのクソ亭主!! 何の写真を買ったの!! 私によこしなさい!!』
『断る!! 『告白されて困っているテレ顔ロイ』の写真は僕のものだ!!』
『な、なんですって!! 『告白されて困っているテレ顔ロイ』の写真ですって!! それは国を傾けてでも買う価値のある写真よ!!』
その言葉の後に巨大な破壊音も響いてくる。そして一般人のロイを呼ぶ声。
「ロイは勇者だったのか……」
「あの暴走した二人を言葉で止められるからあながち間違っていないわね」
俺の言葉に頷くリン。
さすロイ。
「それで、私の番なんだけど」
「誓って俺はリンに隠していることなんてないんだ!!」
「ええ、私もそう信じているわ。召喚士に限って私とフィオーラに隠し事はないって」
「そうだろう!! だからこれを外してくれ!!」
「私の質問は一つよ」
聞いちゃいねぇ。
「ベルファストって誰?」
瞬間的に逃げ出そうとした俺の首筋に剣が当てられている。
「気をつけなさい。あなたの首を飛ばすのなんて簡単なのよ?」
間違いなくリンは人斬りの表情をしている。これぞサカの民……!!
「ベ、ベルファストはとある世界での俺の部下だ」
「それ以上の気持ちはない?」
「ない!!」
俺の断言にリンは横目で腕輪を確認する。動いていないことを確認したようだ。
「なら結婚ってどういうこと?」
「じ、字が違う!! 漢字で結婚じゃなくてカタカナでケッコンだ!! KANSENの力を発揮できると言われたから指輪を渡しただけだ!!」
俺の言葉に再びリンは薄目で腕輪をみる。だが、腕輪は動いていない。当然だ、この状況で嘘をついたら腕輪の拷問にあいながらリンに首を飛ばされて殺されるということだ。
嘘なんかつけない。
リンはため息を吐きながら剣をしまう。俺は助かったと安堵のため息をついた。
「助かった……」
「どうせ召喚士のことだから『お、ケッコンシステムなんてあるのか。試しにやってみるか』って軽い気持ちで手を出したんでしょうけど」
「なぜバレている」
驚愕の表情でリンを見るとリンは呆れたような表情を浮かべていた。
「ラクチェが言っていたわよ」
「なんて?」
「『いやぁ、流石はパパですよね!! 見事にアズレンのKANSENの皆さんとケッコンして病ませたと思ったら異世界に高飛びかましたんですよ!! 怖いですねぇ!! そのうちこの世界にKANSENの皆さんがパパを奪いに攻めてくるかもしれませんよ!!』ってね」
「あの連中だとやりそうで怖い……!!」
いや、割とマジで。もしこっちの世界に攻めてきたらこっちはお姉ちゃんやイドゥンクラスの英雄を出撃させるしかないぞ。
「まぁ、あなたは私が守るわ」
「やだイケメン」
ヘクトル
妻と娘によって燃やされた
エリウッド
一枚の写真を巡ってウルスラと騎馬チェイスを行い、最終的にきっかけとなった写真を失くしてガチ凹みした
召喚士
何故か好意を向けられることが多い(しかし多くの場合は相手は地雷である
召喚士の部下のKANSENの皆さん
アズレンのKANSEN。召喚士に対して狂った忠誠と愛情を捧げる奴多数。
そんな感じで久しぶりに更新です。
本当は課金して無事にきてくれたセライナ回をしようかと思ったのですが、自分は聖魔をやっていないのでセライナのキャラを知らなくてまだネタがありません。
でも金髪美女を引いたことに後悔はない
それと久しぶりにフェーパスに加入しました。リンダ可愛いよ、リンダ。割と好きなキャラの部類に入るリンダ。リンダ回も書きたいんですけどねぇ。