召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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いつも以上にキャラ崩壊が酷いです。特にアイラファンは要注意。


召喚士とアイラ

 「召喚士、私を抱いて欲しい」

俺とヘクトルとエリウッドの三人で自室でだらけている時にアイラが突然やってきて言い放った。

こういう悪さをするのは大抵バカ二人のために、言われた瞬間に二人を見るが、二人も驚いたように口をあんぐりと開けており、二人の仕業ではないらしい。とりあえず三人でアイコンタクトし、誰の差し金でもないことを確認する。

 「召喚士、とりあえず入ってもいいか?」

 「あ、ああ。別にいいぞ。悪いな。待たせて」

 「構わない」

二人に問い詰めている間に、アイラが気にした風もなく部屋に入ってくる。

とりあえず再度アイコンタクトを行う。そして三人で意思疎通を行うと、空いていた炬燵に入ってきた流星の剣姫さんに問いかける。

 「聞き間違えたかもしれないから、もう一度言ってもらっていいか?」

 「うん? 別に構わないぞ」

俺の問いにアイラは明日の天気を答えるような気安さで答える。

 「私と子作りをして欲しい」

 「そこを動くな無能ジェネラルに腹黒親バカ!!」

アイラの答えを聞いた瞬間に駆け出そうとしたバカ二人を仕掛けておいた自室トラップ(場合によっては死ぬ可能性もあり)で捕まえる。

 「おい、どっちの差し金だ?」

 「待て待て! 今回は本当に俺たちじゃない!!」

 「親友を信じられないというのかい!?」

 「親友? 誰が?」

俺の前にいるのは俺を殺そうとする連中筆頭の二人である。友人だった時期もあるかもしれないが、自分の命と引き換えなら喜んでこの二人を生贄に捧げる。もちろん、このバカ二人もそうだろう。

 「召喚士、その二人の言っていることは本当だぞ」

 「「「え?」」」

とりあえず二人専用の拷問器具を用意しようと考えていたら、アイラから意外な答えを聞いた。俺だけじゃなく、二人も意外な声を出したのは、いつものようにデマをばら撒いていた記憶があるからだろう。俺もやってるしな。

とりあえずバカ二人の疑いは晴れたので、トラップを解除して再び炬燵に入る。ヘクトルとエリウッドもアイラの発言に興味を持ったのか、いつものように部屋から出て行かずに、炬燵に入ってきた。

お茶を飲んで一息ついてから、会話を再開する。

 「とりあえず、なんで俺と……その……」

 「童貞くさい反応だな」

 「無能ジェネラルは黙ってろ。遠距離反撃外すぞ」

とりあえずいつも通りの反応になったヘクトルを黙らせる。

 「子作りのことか」

 「……すごい、真顔で言い放ったよ」

アイラのあまりな発言にエリウッドはいつもの軽口が出ないようだ。

 「シャロン王女主催の女子会に呼ばれた時なのだがな」

 「あれ? アイラが女子会に出るなんて珍しいな」

いつもなら女子会に出ずに、アテナと二人で剣の鍛錬をやっているはずなんだが。

 「いや、ラケシス王女に誘われてしまってな。先の戦いのこともあったからな。断れんよ」

聖戦の系譜のことだろうか。

 「そこで子供の話になってな。子供はやはり親に似るらしいが、生憎、私は子供がいなくてな」

 「ちょっと待って」

 「? どうした?」

 「うん。ちょっと待ってもらえるか。バカ二人、集合」

俺の合図にいつもなら反論してくるバカ二人も部屋の隅に集まる。そしてアイラに聞こえないように会話を始める。

 「おい、召喚士。確かアイラには子供がいたって情報だったよな?」

 「ああ、双子の子供がいたはずだ」

ヘクトルの言葉に俺が答えると、エリウッドが確認をとるようにアイラを見た。

 「ちょっといいかい? アイラさんは元いた世界で結婚はしたかい?」

 「うん? おかしなことを聞くな。私がいた世界では戦時中だったからな。子供を産むヒマなどなかったぞ。一人でも多くの敵を斬らねばならなかったからな」

 「そ、そうかい」

アイラのあまりな返答にエリウッドの顔もひきつる。そして再び始まる密談。

 「そういえば戦禍の連戦で敵にシグルドが出てきた時に、流石に戦わせるのは忍びないと思って下げようと思ったら、シグルドを惨殺していたな。ご丁寧に剣姫の流星を出して」

 「……召喚士、流石にそれはどうかと思うよ?」

 「こればっかりはエリウッドに同意だ」

 「いやいや、俺だってお前らとか烈火組以外には気を使うさ。だから戦わせないようにしたんだよ。だけど、アイラ自身がぶっ殺したんだよ。流石の俺も気を使わせたかな、と思って謝ったら逆に不思議そうにされたよ」

俺の言葉に黙って二人は先を促す。

 「曰く『敵なんだから斬って当然ではないか』ってな」

俺の言葉に絶句する二人。

 「それでも戦友であるシグルドを殺させてしまったんだからって謝ったら『シグルド殿でも敵なのだろう? 何の問題もない』って言い切られたよ」

俺が言い終わると、三人で視線を合わせてアイラを見る。俺たち三人の視線を受けて黒髪ロングヘアー美女は不思議そうに首を傾げていた。

 「……そういやラケシスも雰囲気が違うって言っていたな」

ヘクトルの呟きに俺とエリウッドは視線を合わせる。

 「ちなみにラケシスの知っているアイラには双子の子供がいたそうだ」

ヘクトルのある意味とどめとも取れる発言だが、俺は一応確認する。

 「ちなみにアイラ。スカサハとラクチェという名前に覚えは?」

 「? 誰だ?」

 (((まさかのアイラ未婚ルート!?)))

聖戦においてチートユニット母体として有名なアイラが使われていないルートらしい。縛りプレイでもしていたのか。

とりあえずラケシスとアイラが同じ世界出身でありながら別世界出身というわけわかめな出来事を流すとして、最初の会話に戻る。

 「それで? なんで急に子供の話に?」

 「うむ。ラケシス王女やフロリーナ殿に子供を産むことは女の喜びということを聞いてな。正直なところ、女の喜びなどシャナンを鍛えているときに捨ててしまっていたが、幸せそうに語るフロリーナ殿を見て…うん? ヘクトル殿はどうした?」

 「あ、気にしないで。奥さんの純粋さに浄化されてるだけだから」

悶え苦しんでいるヘクトルを流し、アイラの言葉を待つ。

 「そして母は強くなるものだとも聞いてな。女の喜びというものに興味を持ったのと、強くなれるという言葉を聞いたら産んでみようという気持ちになってな」

 「ちなみに女の喜びを知りたいという気持ちと強くなりたいという気持ちはどっちの方が上だ?」

 「強くなりたいだな」

俺の質問にノータイム返答をしてくるアイラ。安定の戦闘脳である。

 「ラケシス王女に好きな相手に抱かれた方がもっと強くなれると聞いてな。この世界で私が一番好意を抱いているのは召喚士だからな。だから召喚士と子作りをすればいいと思った」

 「どうしようエリウッド。同じ言葉を喋ってるのに、会話できている気がしない」

 「あ、僕は関係ないから巻き込まないでくれる?」

ニコヤカに俺の部屋から離脱しようとしたエリウッドは吹き飛ばされた扉に巻き込まれる。俺は瞬間的にヘクトルを盾にし、アイラは瞬閃アイラの剣で破片を切り払っていた。

そして部屋に入室してきたのは般若の表情をしたリン。

 「……軍師?」

あ、死んだ。完全にリンの眼が殺す目つきになってる。呼び方も昔に戻ってるし。

 「とりあえず遺言は読んだ? 来世への祈りも済んでる?」

 「待て。話を聞いてくれ」

 「浮気したら殺すって言ったわよね?」

アカン。完全に勘違いしてる。

だが、元凶のアイラは不思議そうに首を傾げていると思ったら、どこか納得した顔で一度頷く。

 「なるほど。リン殿も召喚士と子作りがしたいのだな」

 「……はぁ!?」

アイラのさらなる爆弾にリンの顔が真っ赤に染まる。だが、アイラは気にせずに言葉を続けた。

 「英雄色を好むとも言う。別に一人でなくてもいいだろう。どうだ、召喚士。私とリン殿の二人くらい大丈夫だろう?」

 「ば、ばかじゃないの!? 駄目に決まってるでしょう!!!」

 「む、ならばどうすればいいのか……」

そこでアイラは本当に困ったような表情を一瞬だけしたが、すぐに晴れやかな表情になった。

 「だったら、勝った方が召喚士と子作りをできることにするか」

 「待って。本人の意思がガン無視されてる」

 「いいわ! 私が軍師を守るもの!!」

 「リンも落ち着け。目がグルグルしてるから。って、待って!! ガチで戦闘始めないで!! ちょ!? エフラム! エルフィ! リンダ! ラインハルト! 早く来て!! 部屋が壊され…あぁぁあぁあっぁ!!!!!!」

 

後日、本格的にアイラからも貞操を狙われ始めた俺は、炎の王国ムスペルへの亡命を企てたが、俺の視界内でゼクシィを読むニフルの第一王女スリーズによって捕縛されたのだった。

 




アイラ
ご存知FEH界の超絶チート剣士。彼女の登場によって大半の剣士キャラが産廃となった。作者も好きなキャラではあったが、ここまでチートにされると微妙な気分になる。使うんですけどね。聖戦の系譜出身でありながら、他の聖戦キャラとは別世界出身という意味不明な設定。とりあえず敵は斬る。知り合いだろうが親族だろうが敵なら斬るという修羅道に突っ込んでしまったという設定。こいつは本当にバーハラの悲劇で死んだのだろうか。

親友? 誰が?
元ネタは銀河英雄伝説のポプランとコーネフのやりとり。この作品のエリウッドを書いている時に親友には悪態、それ以外には優しいってコーネフじゃね? って気づいた。そのうちヘクトル・ポプランとエリウッド・コーネフでやり取りを書きたい。

顔真っ赤リンちゃん
羞恥で真っ赤になってるリンちゃんはきっと可愛いと思うんだ。そのつもりで書こうと思って失敗したのが作者です。




今回は特に悪ノリしました。えぇ、反省してます。最初は戦禍の連戦でシグルドをアイラで倒してしまい、その時のアイラは何を考えたのかと考えた結果が修羅・アイラの爆誕となりました。今後、アイラの子供達が実装されたらどうしようかと思っていますが、それはその時に考えましょう。というかシグルドを倒した時のアイラの心情を考えた結果が子作りの話に繋がるとか、自分でも割と驚いています。

アサマと腹黒親バカ爆誕話も考えているので、近いうちに投稿できたらいいなぁと思っています。ところでうちのパオラさんは旭日の剣+に相性激化つけて緑絶対殺すウーマンにしてるんですけど、二つのスキルって重複するんですかね。スキル継承システムが導入された時に速攻で継承させたから、情報調べてなかったんですよね。
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