召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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大英雄戦でやってきたエレミヤ様

原作でも個人的に好きだったので優遇しますよぉ!!(なお、キャラ崩壊がマシとは限らない


召喚士とエレミヤ

 「いい? ここでは人類を滅ぼすような真似をしないでよね?」

クリスの言葉を聞き、聖母スマイルを浮かべながらエレミヤは答える。

 「ふふふ、可笑しなことを言いますね。私は人類を滅ぼすことはしていませんわ」

 「……だったら元の世界でやろうとしていたのはなんだったのよ」

クリスの言葉にエレミヤは聖母スマイルを浮かべて両手を広げたからかに宣言する。

 「人類の救済です!!」

 「どこの世界に人類を滅ぼして人類を救うやつがいるのよ!!」

思わずクリスは突っ込んだ。元の世界ではエレミヤは虐殺者として知られている。老若男女関係なく殺し、大量の亡骸を積み上げた虐殺者。戦争の最中も戦後も彼女が何故そのような真似をしたかは謎に包まれていた。

そして今回の大英雄戦で彼女が仲間になったとき、同じ世界の出身者が感じたのは危機感だ。彼女はこの世界でも同じことをするのではないか。現にエレミヤの最後を看取ったクライネは最後まで彼女は変わらなかったと言っていた。

そしてクリスはヤンデレガチレズストーカーからエレミヤのことを聞いていた。

ヤンデレガチレズストーカー曰く『神の声を聞いた狂人』

クリスはヤンデレガチレズストーカーにドン引きなのにそいつをドン引きさせる奴がいることに戦慄したからよく覚えている。

クリスの叫びにエレミヤは聖母スマイルを崩さない。

 「人類の救済という大義の前に人類の滅亡など小さいことなのに」

エレミヤの言葉にクリスは頭痛を抑える。エレミヤを仲間にすると言ったとき、エレミヤに育てられたクライネは「え? 正気? あの人狂っているわよ?」と言い、同じくエレミヤに育てられたローローは普段の言葉も消えてマジトーンで「やめておいた方がいい」と言っていた。

そしてクリスの反応を無視してエレミヤは沈痛そうな表情を浮かべる。

 「ええ、元の世界ではアイネだけでなくクライネやローローにも裏切られてしまいましたが、それは私の不徳のいたすところ。あの子達を責めることはできません」

そしてエレミヤは再び両手を広げ、たからかに叫ぶ。

 「全ては私が彼女達に我が神のお言葉を信じさせることができなかったが故に起こった悲劇!! そう!! 私がすべきなのは全人類に我が神のお言葉を伝え同志を増やすことなのです!!」

エレミヤから見えない位置でクライネとローローが武器を構えて「どうする? 殺した方がいいよ?」という表情を浮かべている(ローローは仮面なので雰囲気から

ぶっちゃけクリス的にもエレミヤは殺した方が世界のためだと思うのだが、如何せん彼女もアスク王国を救うために呼ばれた英雄だ。

 「お、新人が来たか」

 「美人じゃねぇか」

 「君はすぐにそれだね」

そこにやってきたのは召喚士、ヘクトル、エリウッドの三馬鹿。

 「召喚士、提案よ。こいつはすぐに送還した方がいいわ」

 「おうおう、急にどうした」

 「こいつ狂っているわよ」

 「狂人なんかこのヴァイス・ブレイブでは珍しくもないが?」

 「英雄ってなんなの……!!」

召喚士の最もすぎる発言にクリスが歯噛みして悔しがる。

そこでクリスはエレミヤの変貌に気づく。召喚士を凝視しているのだ。当然のように三馬鹿も気づく。

 「え? なに? めっちゃ俺見られているんだけど」

 「お前が昔引っ掛けた女か?」

召喚士とヘクトルのガンのくれあいが発生したが概ねいつも通りである。

そして感極まったようにエレミヤが口を開く。

 「我が神!!」

 『なにぃ!?』

驚愕の声は隠れてエレミヤを見張っていた紋章組全員の声であった。

しかし、エレミヤはそんな周囲の反応を無視して召喚士の前に祈りを捧げるように跪く。

 「ああ!! そのお姿、そのお声!! 紛れもなく私に大義を与えてくださった我が神に違いありません!!」

 「待て待てクリス。首を絞めるな」

 「絞めるに決まっているでしょ……!! うちの世界の多くの悲劇の元凶があんたとか許されざることよ!!」

その瞬間にクリスは危険を察知して召喚士を離して飛び退る。クリスがいた場所には巨大な鈍器が振り下ろされていた。

 「我が神に仇なす不信心者でしたか……悲しい、私は悲しいです……ええ、ですが大丈夫。我が神は死後貴女の魂を救ってくださるでしょう!!」

当然のように下手人にはエレミヤであった。その瞳には確かに狂気が宿っている。

 「あ〜、エレミヤだったな」

 「はい!! なんでしょうか我が神!!」

そして召喚士の言葉に速攻で鈍器を投げ捨てて召喚士の前に跪いた。

召喚士は少し考えていたようだが、すぐに優しい表情を浮かべる。

 「信徒・エレミヤよ」

 「おお……おお……!! 我が神に私程度の存在を認識していただけるとは……!!」

そしてエレミヤは召喚士の前で五体投地をしてしまった。

召喚士は視線でクリスに「どうしよう」と訴えてくるが、クリスは見なかったことにした。

とりあえず召喚士は雰囲気を神様モードに変えてエレミヤに優しく問いかける。

 「我が信徒・エレミヤ。貴女は私の教えを覚えていますか?」

 「当然でございます!!」

エレミヤは五体投地の状態のまま大きく叫ぶ。

 「我が神は私が人を救うため、争いをなくすにはどうすべきか迷っているとき、私の前に現れてこうおっしゃられました!! 『エレミヤ、全ての人類を不老不死の新たな存在に書き換えることで、個人の欲望と争いの意味をなくせばいい』とおっしゃってくださいました」

 「「人類補完計画かよ」」

思わず突っ込んだヘクトルとエリウッドに召喚士は黙っていろアピール。

そしてエレミヤは言葉を続ける。

 「我が神から信託を受けた後、私はガーネフという男とともにメディウスという暗黒竜を復活させ、その強大な魂を利用して全人類を不老不死の存在に書き換えようといたしました。そのための実験も上手くいっておりました。しかし……しかし……!! 私の教えが拙かったばかりに我が子供達に反旗を翻され失敗してしまいました!!

そこでエレミヤは顔を上げる。その顔は号泣であった。

 「しかし我が神よ!! 我が子達は何も悪くありません!! 全ては私の不徳のいたすところ!!」

 「ええ、わかっています。貴女の子供達は何も悪くありません」

 「おお……おお……!! 感謝いたします我が神!! 我が神のお姿、そしてお声を聞けば我が子達も私に協力することでしょう!! 我が神、我が神よ!! どうか私にもう一度機会をお与えください!! 今度こそ私は全人類を救ってみせましょう!!」

エレミヤの目は完全に狂信者のそれだった。具体的に言うとスリーズより酷かった。

 「よくお聞きなさいエレミヤ」

召喚士の言葉にエレミヤは五体投地態勢のまま召喚士に祈りを捧げている。

 「この世界には私の力が満ちています。貴女が何かすることもなくこの世界は救われるでしょう」

 「おお……おお……!! なんと言うことでしょうか!! この世界の人類はすでに救われているのですね!!」

 「その通りです」

召喚士の言葉にエレミヤはガバッと体をあげた。

 「我が神のお言葉、このエレミヤ確かにお聞きいたしました!! ならばこの私はこの世界の人類に我が神のお言葉を伝える伝道者として参りましょう!! それでは早速我が子達に教えをしてこようと思います!! 我が神、ここで失礼させていただきます!!」

そしてエレミヤは最後に召喚士に五体投地をかますといそいそと歩きさる。遠くから「クライネ!! ローロー!! 我が神のお言葉を聞くのです!!」という言葉をクリスは聞いた。

疲れたように召喚士はため息をついてクリス達に向き直る。

 「どうしよう?」

 「「「自分でどうにかしろ」」」

 




エレミヤ
召喚士を信仰する愛溢れるハイパー狂信者

クライネ&ローロー
元いた世界ではカタリナの説得を受けてエレミヤを裏切った。エレミヤの狂いっぷりについていけなくなったとも言う

召喚士
久しぶりに神様モード




そんな感じでエレミヤ回でした。
個人的にエレミヤ様は好きなキャラなので良い?方向にキャラ崩壊。我が子達を愛し、我が神(召喚士)の教えのために人類を滅ぼそうとする狂信者になりました。個人的にエレミヤ様の狂信を書くのは楽しかったです

原作では暗躍しているのはガーネフでしたが、この作品ではエレミヤ様が暗躍していた模様。その目的はメディウスを利用しての人類の不老不死化。これにはFateの天草くんもニッコリ。

最近、作者は「あれ? リンちゃんよりベレスの方が好きなのでは…?」と自問しています。軍師×リンちゃんはジャスティスだけどそれはそれだよね!!
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