「やめろ! それは俺たちの命を縮めることになるぞ!!」
「だがヘクトル! これをやらなくちゃ仲良し烈火主人公達の中でエリウッドだけが星4のままなんだ!!」
「それでいいじゃねぇか!! なんで自分から死にに行くんだ!!」
「俺が死にそうになった時はヘクトルを生贄にするから大丈夫だ!!」
「ふざけんなぁぁあっぁ!!!!」
ヘクトルの言葉を無視して俺は覚醒室に備え付けられている羽入れに、尊い犠牲(ジョーカー)で集めた羽20000を入れる。すると、光が覚醒室から溢れて爆発する。
そして部屋の中から一人の男が出てくる。恐れおののく俺とヘクトルを無視するように男は七歩歩いて右手で天井を指し、左手で地面を指しながら叫ぶ。
「天上天下唯我独尊!!」
「「仏教に喧嘩を売るのはやめようぜ、エリウッド!!」」
親バカ暗黒侯爵エリウッド覚醒である。
エリウッドを覚醒させてから数日間、名教師・アテナ先生(剣限定)と再行動要因のアクア、エリウッドが事故死した時の保険(だいたいはアテナが片付けるけど)弓騎馬リンの修練の塔周回によってエリウッドがレベル40になったことで、いつもの二人が俺の部屋で炬燵に入ってお茶を飲む。そして俺とヘクトルは同時に言い放つ
「「お前にはガッカリだよ、エリウッド」」
「おっと、心当たりが多すぎるから何の話か説明してくれるかい?」
俺たちにガッカリさせる心当たりが多すぎるとか、逆にすごいぞ暗黒卿。
とりあえずそのことはスルーして話を続ける。
「とりあえずこれがお前の星5レベル40のステータスだ」
そう言って炬燵の上にエリウッドの資料を投げる。
HP42/攻撃47/速さ26/守備23/魔防32
これがうちのエリウッドのステータスである。
不思議そうにエリウッドは首を傾げた。
「どこが問題なんだい?」
「違うだろエリウッド! お前はこんなに普通に使えるステータスじゃダメだろ!!」
「ヘクトルの言う通りだ!! 俺たちは『クソステ赤剣騎(笑)』と嘲笑う準備が出来ていたのに、本当にお前は最悪だな!!」
「とりあえず最悪なのは君たちの性格だよね」
そこから乱闘が始まったが、あらかじめスタンバイしていたであろう速度でリンが駆けつけて俺たちにフルコース(ソール・カティ、キャンドルサービス+、ミュルグレ)を叩き込んで行った。そして手慣れた様子でプリシラがリバース+で俺たちを回復させて出て行った。
とりあえずズタボロになった部屋を片付けてから、改めて話を続ける。
「攻撃47だったらロイ(ノーマル)より1高いしな」
「父親の威厳を見せようと思った」
「総選挙ロイ」
ドヤ顔かましたエリウッドにヘクトルが突っ込むと、エリウッドは素早く自分の耳を塞いでいた。
「魔防も32だしな。魔道士達並の高さあるな」
「そこで召喚士。僕に氷蒼を継承させるとかどうだろう」
「聖兜でもつけとけ」
むしろ氷蒼はガチャで出てきたミカヤ優先ですね。サナキの奥義をマジで何をつけよう。
「エリウッドはスキルA欄も空いてるな」
「召喚士、相性激化継承させたら殺すからね」
ヘクトルの言葉にエリウッドがぶっとい釘を刺してくるが、俺はそこで一度首を振る。
「やれやれ。お前のロイに対する愛はその程度なのか?」
「お、喧嘩売ってきたのかな? いいだろう。君には本気でロイの魅力を語りきっていなかったからね。語ってあげようじゃないか」
25時間36分43秒も語っておいて本気じゃなかったことに割と戦慄するが、あえて流す。
「いいか、腹黒親バカ。よく考えろ。ロイをお前にスキル継承させるとする。するとロイの一部がお前の中で生きることになるわけだ」
「…つまり、僕はロイと支援Sを超えた存在になれる…?」
「Exactly」
「いや、その発想はおかしい」
ヘクトルの当然のツッコミは俺とエリウッドの熱い握手によって無視された。
「まぁ、エリウッドにスキル継承させる気はさらさらないけどな」
握手から流れるように床に倒されてアームロックをかけられる。レフリー(ヘクトル)にロープを掴むジャスチャーをするが、レフリーはそれを無視した。
エリウッドとヘクトルによってツープラトンを決められたことでひと段落して、再度炬燵へと入る。
「そういえば召喚士。今、ロイがピックアップされているけど」
やっぱりくるよね。ロイ大好き親バカなら当然の反応だ。だから、俺はあらかじめ用意していた理由を突きつける。
「いいか、エリウッド。ピックアップは言わば定められた運命だ。最初から出会いが約束されているようなものだぞ? そんな神(運営)が定めた運命で出会うより、すり抜けでやってきた時に出会った時の方が運命的だと思わないか?」
「うん、どうでもいいから赤オーブで召喚しようか」
「この親バカは一切話を聞かないなぁ!!」
本当にロイのことになると性格が変わるな。
だが、そこでヘクトルがあることに気づいたように口を開いた。
「でもよ、今回のピックアップは有用なスキルを持つキャラのピックアップということはスキル継承に使われるこなんでもない」
ヘクトルは最後まで言い切ることなく土下座した。殺す笑顔でデュランダルを構えたエリウッドに恐怖したのだろう。個人的にもわざマシンのためにガチャは回したくない。鬼神の一撃は欲しいが。
「さぁ、召喚室に行こうか」
「あ、ちょ、マジかお前! ばっか!! 俺はリリース1周年記念リンのためにオーブは取っとかないといけないんだよ!!」
「大丈夫。きっと1周年記念は別の英雄になるから」
俺が本気の抵抗をしているのを、ヘクトルは嘲笑しながら見ている。
だが、天は俺を見放していなかった。
「エリウッド殿、ここにいたのか」
「「「ゲェ!! アイラ!!!」」」
どこからともなく銅羅の音が流れて修羅・アイラが自室にアンブッシュしてきた。
「アテナ殿からエリウッド殿がなかなかの使い手と聞いて、是非とも手合わせをお願いしたいと思ってな」
アイラとの手合わせ=死刑というのはヴァイス・ブレイブの共通認識である。相性とか関係なくぶった斬るからな、このイザーク王女。マジでこいつをどうやって殺したのか本気で知りたい。アルヴィスに今度聞いてみよう。
アイラはエリウッドの持っていたデュランダルを見て嬉しそうに笑った。
「おお、エリウッド殿は用意がいいな。それじゃあ早速練兵場に行こう。アテナ殿とカレル殿も待っているからな」
アテナは純粋に手合わせを、カレルは日頃の恨みをぶつけるつもりなのだろう。カレルの場合は烈火面なので、相性有利騎馬特攻のウルスラも引き連れているかもしれない。もちろん、ウルスラもカレルに協力するだろう。
エリウッドもそれがわかっているのか、顔色が真っ青になっている。
「召喚士、ヘクトル……僕らは親友だよね?」
「誰だ、お前?」
「俺はエリウッドなんて親友いないな」
「SINYU!?」
ヘクトルと俺は速攻で見捨てた。
アイラに連行されて行くエリウッドを俺とヘクトルはドナドナを歌いながら見送った。
「どうなると思う?」
「剣姫の流星食らって即死に3000聖貨」
「同じじゃ賭けにならねぇな」
練兵場から聞こえるエリウッドの悲鳴をヘクトルと二人でお茶を飲みながら聞くのであった。
エリウッド
このシリーズではお馴染み親バカ。作中ではデュランダルを最初から使ってますが、彼は星4でした。なので星5覚醒。星4時点で微妙なステだったから召喚士とヘクトルで煽るネタを考えていたのに、星5のステで裏切られた。ここのエリウッドは本当に作者の思い通りに働いてくれない。だから作中で召喚士が言っているスキル継承させないのはガチです。貴様はボーナスの時にだけ働くがいい。
アイラ
前回の登場させてから1番評価が怖かったお人。とりあえずマイナスの感想は来なかったので、ここのアイラさんは修羅の道を歩んでい行ってもらいます。マジでアルヴィスはどうやってこいつを殺したんだ…
天上天下唯我独尊
産まれた瞬間から歩いて言葉を発するお釈迦様、マジパネェっす
この作品で初めてエリウッドが不幸になった。最初のネタでは不幸になる予定はなかったけど、アイラの登場によって殺される運命を辿った。たまには不幸になってもいいと思うのは俺だけだろうか。
感想ありがとうございます。個体値談議というアイディアもいただきましたが、メタネタを使うのは烈火メンバーだけというあってないような縛りを設けているので、三馬鹿が炬燵に入りながらエリウッドとヘクトルの欠点を言い合うだけというザマになりそうです。え? フェリシアとジョーカーがいる? 残念ながらフェリシアはカム男とカム子の前では普通。ジョーカーと同じ空間にいる時のみ烈火面になるので……ちなみにジョーカーは再召喚されてません。