召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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闇落ちガチャで搾り取られたオーブ、しかし、そのオーブも戦禍の連戦でいくらか補充されていた。

しかし、ある日オーブがなくなっていることにリンは気づく。

果たしてリンは犯人を見つけることができるのか……!


消えたオーブの行方

正座する俺の正面に額に怒りマークをつけたリンが仁王立ち。そのあまりの怒りのオーラに俺とリンの娘であるKiliaは即座にトーゴーターンをして逃亡した。

実の娘すら恐れるリン。まぁ、ある意味でFE屈指の修羅民族サカの民を怒らせた時点で命はピンチであるのだが。

 「で?」

怒りのこもった声で単語一つ。それは怒られている内容がわかっているよね? と意味していた。

だが、残念ながら俺には怒られる心当たりはクソほどあるし、どの内容もリンがここまで怒ることがないというのはわかりきっている。

だから俺ははっきりと告げる。

 「さっぱりわから」

最後まで言い切ることもできず俺はお腹にリンの前蹴りをくらってふっとび、壁をぶち抜いて隣の空室へと飛び込んだ。

リンは空室でドッキングの真っ最中だったアレスとリーンに軽く挨拶してから地面でのたうち回っている俺を回収して元の部屋に戻る。

 「軍師、私は本気で怒ってるの。理解してる?」

 「り、理解はしているが何をそんなに怒っているのかわからない」

俺の首筋に忍の刀がかかった。

 「そろそろリンに新しい武器欲しいな」

 「なかなかいい武器でないのよね……じゃなくて、本当に理解してないの?」

 「命にかけて」

 「軍師の命は羽より軽いからそれを賭けられてもね」

酷い話だ。

本気で理解していないことがわかったのか、リンはため息をつきつつ口を開く。

 「オーブ」

 「把握」

つまり無断でオーブを使い込んで英雄を召喚したのがバレた模様である。

呆れながらリンは手を腰にあててとうとうと説教をする。

 「いい? あなたは先月の闇落ちガチャでどうなった?」

 「闇落ちニニアンがまさかのエリウッドと結婚している世界線でノーマルニニアンが闇落ちしたな」

 「せっかく忘れていたことを思い出させるな……!!」

まさかの闇落ちニニアンのほうが幸せになっている現実にニニアンが荒れ、それをニルスが無自覚にとどめを刺した結果、烈火女性陣は大変な思いをしたようである。

 「あの後ニニアンが部屋の変更を申請してエリウッドの隣室になったんだけど、何か起こるのか?」

 「あなたとヘクトルが喜びそうなことになるわね」

 「ひゃっほぅ、腹黒が苦労するとかメシウマ案件だぜ!!」

いつも美味しいところだけ持ってくあの腹黒もたまには苦労したほうがいい。

それはそれとしてリンは言葉を続ける。

 「レア召喚に使ったオーブの数は?」

 「ギリ天井を叩かなかった、と言っていこう」

闇落ちニニアンが五回くらいででたと思ったら闇落ちレアで死ぬほど沼った。そして召喚されたレアは闇落ちのはずなのにセイロスの装備違い扱いであった。

つまりレアは最初から闇落ち。

 「そう、オーブの残り少なかったけれど花嫁の戦禍の連戦があるから補充できるはずだったわね」

 「そうだな」

 「だったらなんでオーブが15個しかないの! 花嫁もヘクトルとエリウッドを沈めて回避だったはずでしょ!!」

怒り狂った表情で怒鳴るリン。その怒りもわかる。何せ課金するお金の出どころは俺一家(俺、リン、フィオーラ)の財布からだ。自称妻として見逃せないのだろう。

だが、俺には絶対にひかないといけない使命感があった。

それを説明するより先に部屋がノックされ一人の女性が入ってきた。

 「兄上、とりあえずレベル40になりました」

 「ああ、お疲れ様」

 「セライナだったかぁ……」

部屋に入ってきたのはフツメンの俺と違って超美人(重要)のマイスウィートシスターセライナであった。

そしてその服装は水着ではなくノーマル装備!!

 「つまりそういうことだ、リン」

 「一発で納得できる理由がきたわね」

 「?」

俺の言葉にがっくりと肩を落とすリン、それを不思議そうにしているセライナ(ノーマル)。

そう、ノーマルセライナピックアップである。それを知った俺はヘクトルとエリウッドを囮にしてリンやフィオーラの意識を向けさせ、その隙にオーブを全て盗み出して召喚石板に突っ込んだのだ。

一回つばさがすり抜けて俺の怒りが有頂天になったがその直後にでてくれて兄妹の絆の強さを見せつけた。

がっくりと肩を落としているリンを横目に俺はセライナに向き直る。

 「怪我はないか」

 「あ、兄上。私はこれでも蛍石の異名をもつ将でもあります。怪我くらいは」

 「セライナが怪我をしたなら俺は世界を滅ぼすこともいとわないぞ」

 「あ、兄上…!」(感動)

 「ほんとこの兄妹は……」

リンが死ぬほど呆れている気がしたが強く抱きしめ合っている俺とセライナには届いていない。というか無視する。

 「すいません、召喚士さん。ギネヴィアさんの秘伝書がなくなっている……あ(察し」

そして今度はフィオーラがなくなった秘伝書の行方を尋ねるためにやってきたがノーマルセライナをみて全てを察した表情になる。

判目になりながらリンが一応確認してくる。

 「私もフィオーラもわかっているけど一応確認するわね。ギネヴィアの秘伝書は?」

 「セライナに使ったが何か問題でも?」

まったく悪びれない俺の姿にリンとフィオーラは大きくため息をつくとセライナのほうに向き直った。

 「セライナ、SP稼ぎは終わった?」

 「いえ、まだです」

 「でしたら私達が付き合いますよ

 「待て! レベル上げには付き合えなかったがSP稼ぎなんで一緒にいられる時間が長いものは俺も一緒にいくぞ!!」

セライナを連れてでていくリンとフィオーラを俺は慌てて追いかけていくのであった。




セライナ
ついにノーマル装備を手に入れた鬼畜クソ外道の実妹。ヴァイス・ブレイブでは似てない兄妹と大評判

召喚士
妹のためなら友人を犠牲にすることもいとわない

リン&フィオーラ
義妹との仲を深めようと行動中

闇落ちニニアン
まさかのエリウッドと結婚している世界線でノーマルニニアンが闇落ちした

アレス&リーン
アレスくんが性的に襲われていた模様




そんな感じでセライナ将軍召喚編です。

本文にある通り闇落ちガチャにオーブを搾り取られたのでしばらくガチャ禁するつもりがまさかのセライナ将軍ピックアップで花嫁ガチャ無視して突っ込んでいました。そして無事に召喚完了。これには召喚士も大満足

そして引いた後に気づいたんですが、この小説のためにオーブは使わないって決めて更新頻度落としたのに小説のためにセライナ将軍をひいたことに気づく。

でもセライナ将軍美人だから仕方ないね(なお、聖魔はやっていない

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