召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

26 / 219
うちのガチャは空気を読んでネタ提供してくれるわぁ…(白目)


召喚士と英雄祭ガチャ

 「さぁ、例によって召喚の時間だ」

俺はいつものバカ二人と一緒に召喚室にオーブを持って侵入する。最近は財布だけでなく、オーブの管理もリンにされているので保管庫から盗み出して来るのも大変だ。

 「英雄祭ガチャだね。今回は誰を狙うんだい?」

 「シグルドを召喚して同じ属性のエリウッドの存在価値をなくすとかどうだ?」

 「おっと、ヘクトル。ドルカスに立場を奪われたからって親友を同じ立場に引き摺り込むことは最低だと思わないかい?」

 「普段の俺の扱いを考えたら当然の言葉だと思うが?」

メンチを切り合い始めたバカ二人を無視して俺は言葉を続ける。

 「今回狙うのはネフェニーだ」

 「その心は?」

 「武器がキラーランス鍛で奥義のカウントを減らすことができ、さらに奥義も月虹だからほぼ毎ターン発動が可能。さらに怒りのスキルで奥義カウント−1、奥義ダメージを10追加。くさるほどいるヒナタを使って獅子奮迅を継承させれば怒りのスキルを発動させやすくなる。守備も高いから壁役としても使えるだろう」

俺の理路整然とした発言に納得したように頷く二人。そして同時に口を開いた。

 「「で、本音は?」」

 「無口で大人しめな印象を与えつつ、それは田舎生まれを隠すためのカモフラージュで、実は訛り口調。しかも顔を隠してるのに実は美少女で胸もある。しかも生足とか最高じゃん!!」

俺の宣言にエリウッドとヘクトルは同意するように力強く頷き、三人でがっちり握手する。エロは偉大である。烈火時代に水浴びに行った女性陣を三人で覗きに行き、バレた時にセインに罪をなすりつけ、火刑に処されたセインに対して三人で敬礼したのもいい思い出である。

 「それじゃあ早速召喚行ってみよう!!」

 「「生足!!」」

俺の言葉にバカ二人もノリノリで宣言する。

召喚石版を起動する。そして浮かび上がってくるオーブ。崩れ落ちる俺。

 「意外! それはオール無色!!」

ヘクトルの楽しげな言葉が響く。エロも欲しいけど俺の不幸も欲しいらしい。あとでフロリーナにヘクトルが浮気したというデマを教えておこう。

 「そう言えば、今回の無色ピックアップは誰だっけ?」

 「あん? あ〜、総選挙リンだな」

 「つまりここで総選挙リンを引いて『やったぜ召喚士大勝利!!』なわけだな!!」

 「……あれ? でも今回の召喚リンに秘密だったよね?」

エリウッドの言葉に俺とヘクトルの動きが止まる。今回、無断で召喚したことがバレたら間違いなく折檻を食らうだろう。そしてそれは一緒にいるエリウッドとヘクトルにも及ぶ。

 「あ、悪いけど僕はこれからウルスラとロイについて語り合わないといけないから」

 「俺もフロリーナと飯食う約束をしててな」

 「おっと、死ぬ時は一緒だぞ」

 「「鬼! 悪魔! 召喚士!!」」

逃亡しようとする二人が逃げないうちに無色のオーブを叩き込む。

出ない煙に安堵をする。だが、出てきたのは糸目のヒーラーであるアサマだった。

口上を聞く前に羽にしてしまう。

 「……間違って書き途中の小説を消したこと恨んでいると思うか?」

 「これだけ見るとそう感じるよな」

ヘクトルの同意に俺は項垂れる。すまん、アサマ。またネタ出ししたら書くからな。

とりあえず召喚石版を止める。そして再び起動する。そして浮かび上がってくるオーブ。再度崩れ落ちる俺。爆笑するバカ二人。

 「いやぁ、オール赤とかすごいね」

 「連続で全部一色とかなかなかないぞ」

二人の煽りに耐えて、俺は立ち上がる。

 「くっそう。とりあえず一個だけ召還してまた起動し直すか」

石版に叩き込むオーブ。舞い上がる土煙。そして出てくるイケメン。

 「私はシグルド。シアルフィ公国公子、聖戦士バルドの血を受け継ぐ者だ」

黙り込む俺たち。冗談で言っていたことが事実になった。

シグルドは俺たちの反応を気にせずに近寄ってくる。

 「召喚士、まだ召喚を続けるのか?」

 「あ…ああ」

俺の言葉に力強く頷くイケメン。

 「それじゃあ、私はセリスに会いに行ってくるからな」

 「……あれ? なんでセリスがいること知ってんの?」

ヘクトルの質問にシグルドの方が不思議そうに首を傾げる。

 「親として子供の臭いを嗅ぎとる技術は標準装備だろう?」

 「「いや、それはない」」

シグルドの言葉に俺とヘクトルは同時に返す。隣の腹黒は『当然だね!!』とか言っているけど、腹黒は標準的な親じゃないから除外する。

だが、俺とヘクトルの言葉を無視するようにシグルドは爽やかな笑顔を浮かべる。

 「それじゃあ召喚士達は召喚を続けていてくれ。私は勝手にセリスに会いに行くからな。待ってろよセリス……パパが会いに行くからね!!!!」

それだけ言い残してシグルドは凄まじい勢いで扉を開いて飛び出していく。

……なんか、もう。聖戦士の血は大丈夫か?

 

 

 

 

後日、とりあえずアイラにここに召喚されたシグルドがアイラの世界のシグルドかどうか聞いたら違うらしい。曰く『纏う戦意が違う』とのこと。

シグルドの親友であるエルトシャンに確認したところ、複雑な表情で頷いていた。そうか……烈火から始まったキャラ崩壊が止まらないな。

 




シグルド
流れるように現れて速攻でキャラ崩壊してしまった。許しは請わん、恨めよ。奥さんのディアドラも欲しいところ。


本当にネタを提供してくれるガチャですわぁ(白目)。ですが、これでやりたかったエリウッドとシグルドによる息子自慢対決ができます。とりあえずアテナ先生に頼んで育成途中のセリスと一緒にレベル40にしないと……!!

アテナ星4が出ればアイラに剣の経験を継承させて『アイラ師範の修羅道場』を作れるんですがねぇ。尚、入門した英雄は死ぬ可能性がある道場である。

ちなみにネフェニーは1周年で配布された50個全部使い切って出てきてくれました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。