召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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封印の時の魔導軍将は仮の姿。FEHのセシリアさんが本気の姿だって信じてる。


召喚士とセシリア

 「私に戦術を教えていただきたいのです」

自分の部屋でヘクトルとお茶を飲みながら雑談をしていると、セシリアが部屋にやってきてそんなことを言ってきた。

 「え? なんで俺にそんなことを?」

 「ヘクトル様より召喚士殿がエルク様の戦術の師ということをうかがいまして、私もエルク様が召喚士殿より教わった戦術を学びました。その時に使われた書物を書かれたのが召喚士殿だったそうなので、ぜひとも直接学びたいと思いまして」

 「ちょっと待ってもらっていい?」

 「どうぞ」

とりあえずセシリアに許可をもらって部屋から逃げようとしたヘクトルを捕まえて部屋の隅にいく。

 「ちょっと待てヘクトル。俺エルクに戦術教えた覚えないんだけど」

 「いやいや、ほら思い出せよ。戦いの途中で俺とおまえとエリウッドで酒呑んで、ベロベロに酔っ払ってエルクに色々教えてやっただろ?」

 「……あぁ、色々教えすぎてパントとルイーズに魔法と弓の的にされたときか」

 「それそれ。その時におまえに教えてもらった使えることを本にしたらしくてよ。それを教育に使ったらしいぞ」

俺もリリーナからおまえの名前聞いてビビったわ、とか言っているヘクトルは無視する。

 「ええっと、セシリア。エルクからは俺のことをどんな風に聞いてる?」

 「天才的な戦術眼と戦略眼、国や民のことも考えた『神軍師』だと」

 「ごめん、またちょっともらっていい?」

 「……? はぁ、どうぞ」

とりあえずセシリアの言葉を聞いて爆笑したヘクトルに蹴りを入れて黙らせると、再び密談する。

 「なんで俺はそんな高評価受けてんの?」

 「まぁ、主にパントとルイーズのせいだな。パント曰く『あれだけ迷惑かけといて勝手に姿消した人間にも少し苦労してもらったほうがいいよね』とか言っていたらしいぞ」

 「とりあえずあの優男が実装されたら修練の塔を死ぬほど周回させてやろう」

 「あれ? それって普段からリンがやられている状況じゃねぇか?」

 「絆上げるから仕方ないな」

とりあえずあのマイペース優男に復讐を誓う。

再度、セシリアのところに戻る。

 「あ、ヘクトル。セシリアの分のお茶入れてくれ」

 「え!? しかし、オスティア侯爵にお茶汲みなど……」

 「大丈夫、大丈夫。ヘクトルなんかフロリーナの尻に敷かれてオズインに説教されるダメ君主だから」

 「おまえは後で闘技場裏な」

そんな文句を言いながらもヘクトルはセシリアのお茶を入れてくれる。それをセシリアは恐縮した風に受け取った。

 「とりあえずその本って今持ってる?」

 「はい。私は常にこれを持ち歩いているので」

そう言って渡された本を軽く目を通す。それは確かに俺が旅をしながら色々な人に言っていたことだった。その中には当然ヘクトルに語ったことも含まれていた。俺はヘクトルを睨むがやつはすでに逃げた後だった。とりあえず後でサナキに相性激化のシムベリンを叩き込んでもらおう。

 「だいたいはこれに書かれていることがすべてだよ。他に何が聞きたいんだ?」

 「そうですね。たとえば、ここの記述なんですが」

その後はセシリアの質問に俺が答える形式となった。それからしばらく授業のようなものをしている。

 「召喚士! あなたまた浮気!?」

 「待ってリン。その情報には重大な誤りがある。セシリアも照れてないで否定して。そしてミュルグレとソール・カティはしまって」

キャンドルサービスを持ってきていないのは俺を傷つけることはないということで信じたい。

 「召喚士さん! セシリアさんを部屋に連れ込んでいるって本当ですか!?」

 「落ち着けプリシラ。その情報には悪意を感じる」

とりあえずリンとプリシラを宥めて情報源を聞き出すとラズワルドらしい。あの女好きは後で殺すとしよう。

 「私は召喚士殿に戦術を教えてもらっていたのです」

 「戦術? 召喚士に?」

 「はい。召喚士殿が伝説の『神軍師』と聞き、ぜひとも直接教えを請いたいと思いまして」

リンの言葉に、ハッキリと答えるセシリア。

 「そういえばセシリアさんは召喚士さんのことを尊敬しているって話をしていましたね」

 「そ、それは、まぁ。エルク様やパント様からよく逸話を聞いていましたので……」

セシリアの返答にリンとプリシラは部屋の隅に行き、なにやら相談している。俺は話の矛先がずれたことに安心して、お茶を飲む。いやぁ、お茶が美味い。ヘクトルは貴族なんかやらずにお茶汲みをやるべき。

 「それじゃあセシリアは召喚士に特別な想いは抱いていないのね」

 「特別な想い……ですか?」

 「簡単に言うと好意です」

プリシラの言葉に真っ赤になるセシリア。召喚士知ってるよ。この話で不幸になるのは召喚士だって。だってその証明にリンがソール・カティを持ち出して、プリシラがパニックの準備をしているもの。

 「弁護士を呼ぼうか」

 「いいわよ。それじゃあ私が裁判長、プリシラが弁護士ね」

 「わかりました。裁判長、被告人は有罪がいいと思います」

 「待って。弁護士が弁護してない」

 「判決、有罪」

 「なんというスピード裁判」

俺はそれだけ言うと部屋の窓から飛び出して逃げるのであった。

 

 

 

 

 

 「やれやれ、あいつの女難は相変わらずやばいな」

 「あの、ヘクトル様」

 「うん? フロリーナか。どうした」

 「いえ、軍師さん……じゃなかった。召喚士さんからヘクトル様が浮気をしていると聞きまして」

 「ハハハ、そんなことするわけないだろ? ここにはリリーナだっているんだから」

 「そ、そうですよね。私お目付役のオズインさんがいないから不安になっちゃって……」

 「安心しろって。俺はそんな不義理な真似はしねぇよ。だからそのアーマーキラーは置いとこうぜ?」

 「そうですね。シーダさんから借りてきたので返してきます」

 「ああ、そうしとけ」

 「はい。それじゃあ、また」

 「……とりあえず召喚士は殴っておこう」

 




セシリア
 魔導軍将。大層な肩書きの割に弱かった封印時代。烈火の魔導軍将との差が激しくないですか?ここでは城内の治安を守る風紀委員。そして烈火の軍師を尊敬しているって設定。FEHで使いかってがよくてテンション上がった。

リン
 かわいい

プリシラ
 公式でブラコン、嫉妬深いと書かれる猛者。作者は星4を40まで育てたら星5が出た。もちろん40まで育てた。



この話を書くために烈火のキャラ設定調べたら、ホークアイの娘がイグレーヌでびびった

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