召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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伝承英雄ガチャで彼女が来たので出番です。下手したらアイラ以上にキャラ崩壊が酷いので注意。


三軍師とギムレー

 「僕達を地下の秘密会議室じゃなくて、自室に呼ぶなんて珍しいね」

 「いつも烈火組を中心に居座っている人が多いですからね」

 「まぁ、新しい英雄が他のメンバーに会う前にお前さん達に会っておきたいらしくてな」

俺の言葉にルフ男とルフ子は不思議そうに首を傾げる。ここで引っ張っても無駄に作業時間と文字数が増えるだけなのでさっさと登場してもらうとしよう。

 「いいよ、入ってこい」

俺の言葉に黒いフードを被った銀髪の女性(少女?)が入ってくる。そして精一杯の暗黒笑みを浮かべながら口を開く

 「我は「「なんだ、ギムレーか」」えぇ!? その反応薄くない!? 一応、原作では我はラスボスよ!? 各タイトルの中でもラスボスがFEHに参戦したの初よ!?」

必死に悪役ぶろうとしたのが速攻でルフ男とルフ子の発言であっさりと崩された。だが、ルフ男とルフ子の追撃は続く。

 「いやいや、最近僕で出てきたばっかりじゃないか。しかも戦禍の連戦のボスユニットとして参戦して、厄介な敵としてヘイトを集めたばかりじゃないか」

 「いや!! 確かにそうだけど、きちんとファルシオンで殺されるために緑竜にしたでしょ、我!!」

 「主人公勢に殺される働きとしてはラスボスの鏡ですけど、こんな短いスパンで出てきて恥ずかしくないんですか? しかも今度は私として出てきて別枠扱いとか厚顔無恥にもほどがあるんじゃないんですか?」

 「それは我のせいじゃない!! 運営さんのせいだ!!」

 「ギムレー、ギムレー。キャラ作り、キャラ作り」

ルフ男とルフ子の口撃に涙目になっていたギムレーが、俺の言葉に気が付いたかのようにこぼれ落ちそうになっていた涙をフードで拭うと、慣れない暗黒微笑を浮かべる。

 「ふふふ、そう言っていられるのも今のうちですよ」

 「自分と同じ声の人はいますけど、同じ顔の人が目の前にいるって変な気分ですね」

 「ドッペルゲンガーってやつじゃないかい?」

 「マジですか。ギムレーを殺しておかないと……」

 「2人とも、ギムレーが泣きそうだからもうちょっと話を聞いてあげようぜ」

 「我、泣いてないもん!!」

必死に強がるギムレーに視線が生暖かくなる俺たち三人。

 「ふふふ、前回のルフ男の時には重装のために重装特攻だけでなく、緑竜のためにファルシオンが死ぬほど突き刺さってしまいましたが、今回はそういきませんよ!! 何せルフ子versionは飛行無色竜。武器には遠距離反撃を内蔵し、パッシブAには邪竜の鱗という専用スキルで飛行特攻を無効化し、さらには戦闘中に守備・魔防+4されます!! さらには相性相殺によって激化レイヴンも無効化されます!! ふふふ、怖いですか? しかし、私を召喚した召喚士が悪いのです。私によってこの世界の人々は殺されるのです!!」

 「あ、ゼルギウス」

 「ピィ!?」

必死に悪ぶろうとしていたギムレーだったが、ルフ男の言葉にトラウマ(戦禍の連戦で何回も殺された)が刺激されたのか、部屋の隅っこで小さくなってガタガタ震え始めた。その姿を生暖かく見守る俺たち三人。そして現状に気づいたのか、少し顔を赤くしながら戻ってきて暗黒微笑(笑)を浮かべる。

 「ふふふ、今の私は緑ではなく無色なのです。ですからあの過労死重騎士が来ても返り討ちですとも!! ええ、私が怖いのは竜特攻だけです!! 特に魔法竜特攻とか天敵なので絶対に戦ってはいけません!!」

 「つまり、赤は怖くないということですね?」

 「当然です」

ルフ子の言葉に精一杯の暗黒微笑(爆笑)を浮かべて答えるギムレー。その言葉に俺たち軍師の心は一つになる。

 「「「それじゃあアイラを呼んでくるな」」」

 「あ、すいません。ちょっと修羅道に落ちている人は勘弁してください」

俺たち三人の言葉にギムレーは素早く土下座するのであった。

 

 

 

とりあえずギムレーも机に座らせて本題である。

 「それで? この茶番はどういうことだい?」

ルフ男の言葉にギムレーはちょっといいずらそうに口を開く。

 「ほら……我ってラスボスでしょ?」

 「私達の世界ではそうでしたね」

ギムレーの言葉にルフ子が頷く。

 「でも我ってちょっと気弱な部分があるじゃん?」

 「気弱というかヘタレだよね」

 「さらに豆腐メンタルの合わせ技ですからね」

 「ルフレ’s、事実確認という名前を借りた追撃は辞めて差しあげろ」

俺の言葉にすごく意外そうな顔をするルフ男とルフ子。

 「意外だね。召喚士だったら平然と攻め立てすると思ったのに」

 「ばっかルフ男。俺は烈火世界以外の英雄には優しいんだよ」

 「本音は?」

 「女性に優しくすることは紳士として当然……!!」

 「それじゃあ僕の方の姿で召喚されたらどうしてた?」

 「速やかにトドメを刺すに決まってるだろ」

 「……ルフ子の姿の方がいいと思った我、ナイス」

俺の言葉にギムレーは遠い目をしながら呟いた。

ルフレ達に促されてギムレーは言葉を続ける。

 「タイトルからラスボス登場は初だからさ、我もウキウキしながら実装されたらさ、同時にラスボスじゃないのにラスボス臭い奴が実装されたじゃん? 具体的に言うとアカネイア神聖帝国初代皇帝さんなんだけど……」

 「あれ? でもハーディンさんは結構ハッチャケてるよね?」

 「そこだよルフ男!!」

ルフ男の言葉に力強く頷くギムレー。

 「あいつムスペルに居た時は我にニーナとかいう女を布教させていたりしてさ、我も邪神として信仰されていたりしたから色々教えてあげていた結果、『ハーくん』『ギーくん』って呼べるくらいに仲良くなったのに! こっちに来たら何さあのラスボスモード!! 卑怯じゃない!?」

力強く机を叩くギムレー。

 「そういえばハーディンさんの素が出るのは召喚士と烈火組、あとは私達とマークとマークちゃんだけでしたね」

 「キャラ作るとか超卑怯だよ!! これで我が普通に出て行ったら他の世界から『あれ? 覚醒世界ってチョロい?』なんて思われたら最悪だよ!! 他のラスボス仲間から失笑されたり見下されたりするよ!! 特にアシュナード!! 人間のくせに我の性格をバカにしてくるんだ!! イドゥンとアスタルテの女性陣は優しいけど、他はクズばっかりだ!! だから今後出てくるラスボス達のためにラスボスの威厳が必要だと思ってキャラ作りしようと思ったんだけど、考えてみたら我の基準じゃラスボス(笑)になっちゃうし召喚士は最終決戦で黒ひげやるキチガイだし覚醒世界出身者には頼めないしでルフレ達に判断してもらうしかなかったんだ……そ、それでどうだった? 我、ラスボスできてた?」

どこか期待した表情を浮かべるギムレー、優しい笑顔を浮かべるルフレ’s。

 「「100点満点中1点」」

 「あっれぇぇ!? 赤点どころか落第の危機!? そんなに我ダメダメ!?」

ルフレ達の妥当な得点に驚愕の声を挙げるギムレー。むしろあれでなぜ自信満々になれるのか。

 「なんというか……心優しい僕達はとてもいいずらいんだけど……」

 「はい……私達はどこかのキチガイ召喚士と違って心優しいので……オブラートに包んでいいますけど……」

ルフ男とルフ子はそこで言葉を切るとイイ笑顔を浮かべた

 「「隠しきれてないポンコツヘタレ臭が酷い」」

 「オブラートの意味!? すっごいストレートど真ん中にきたよ!? あ、やめて!! 細やかに我のダメなところを耳元で指摘しないで!! 我の心は硝子だから!!」

必死に耳を隠すギムレーに笑顔で死体蹴りを続けるルフレ達。

 「「FE旋風Wマーク!! お呼びでなくても即参上!!」」

そして本当に呼んでもいないのにWマークが部屋にダイナミックエントリーしてきた。

 「あ、あれ!? マーク’s!? ちょ、ちょっと待って!! 待って!! まだ我のキャラが定まってないから!!」

 「お遊びはそこまでですよ、お母さんギムレー!! これからはレベリングの時間です!!」

 「そうですよルフ子さんギムレー!! もう既にアクアさん(舞踏祭、バフ再行動要因)ニニアンさん(マムバフ、再行動要因)ラーチェルさん(レベリング)が待っています!!」

 「ちょ!? よりによって全員別世界出身者!? せめて覚醒世界から誰か出して!! 人見知りの我にその状況超辛い!!」

 「却下だ。ラーチェルのレベリングが終わったらラーチェルに変わってカゲロウ(バニー)と一緒にスキルポイント稼ぎな」

 「やっぱり別世界出身者!!」

 「安心しろ、再行動要因はアクアとニニアンに固定してやるから」

 「そういう問題じゃないから!! このままじゃFEラスボス界から怒られちゃうかもしれないから、我はキャラが定まるまでここから動かないもんねぇ!!」

台所に現れるGのように壁に張り付くギムレー。

 「あ、私と同じ顔と声でそういう行動しないでくださいね」

そして容赦なくルフ子がかかと落としで叩き落とした。

 「マークくん、マークちゃん。ちょうどいい具合にギムレーが気絶したからこのまま修練の塔に放り込んできて」

 「「了解です、師匠!!」」

元気よく俺に敬礼してドナドナを歌いながらギムレーを引きずっていくフリーダムチルドレン。俺たちはそれを生暖かく見送ったのだった。

 

 

 

後日、ギムレーは嬉しそうに「我、ラスボス感出せたぞ!! これはアカデミー賞も狙えちゃうなぁ!!」と報告してきたが、ニニアンには完全にバレておりロリマムクート達と同じ扱いを受けていることを教えてあげたら死ぬほどへこんでいた。「あ、やばい。我、古の火竜に死ぬほど怒られる」と嘆いていた。

 

 

そういえば烈火の世界のラスボスはネルガルじゃなかったですね。

 




ギムレー
FE覚醒のラスボス。戦禍の連戦での性能に怒りが有頂天になった作者によってヘタレポンコツラスボスになりました。英雄達の前では必死にキャラを取り繕っているけど、9割の英雄が本質に気づいており、必死に隠そうとする本性を生暖かく見守られている。

ギムレーのトラウマ
バフ黒の月光。これを突破して第一部隊を全滅させたと思ったらファルシオン持ちがいっぱい出てくる絶望。

古の火竜
烈火のラスボス。作者はこれを書くときにFEシリーズのラスボスを検索した時に思い出した。火竜さんの印象薄いよ…



そんな感じで我がヴァイス・ブレイブにルフ子(闇落ち)がログインしました。オーブ60個でサクラ(仮装)と一緒に出てくるなんてギムレーさんは優しいなぁ。だが戦禍の連戦で何回がぶっ殺されたので容赦なくキャラは壊していく所存。主人公の装備が突き刺さるほどに突き刺さるところはラスボスの鏡だと思いましたが。
ちなみにラーチェルのレベリングは終了したのでカゲロウ(バニー)と一緒にスキルポイント稼ぎです。素でスキルが完成してると育成が楽でいいですけど、育成する楽しみが半減しますなぁ。リン(弓)とかゼルギウスとかハーディンとか。

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