召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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久しぶりにガチャネタじゃない小説です。それとギムレーのキャラ崩壊が止まることを知りません。それでいいのかラスボス。


召喚士とティルテュ

俺とエリウッドとヘクトルはリンに見張られながらヴァイス・ブレイブ本拠地内を歩く。

 「なぁ、リン。これだと詰所に連行されているみたいなんだが」

 「貴方たちが一緒にいるところを見たらテロの可能性を疑うのは当然だと思うけど?」

 「まったく、召喚士はともかくこの清く正しいフェレ侯爵に対して酷い言い草だね」

 「エリウッドの言う通りだな。召喚士のようなガチテロリストはともかく俺みたいな慕われ系名君オスティア侯爵に対して酷い不敬だぞ」

 「2人が今回の『聖戦の子』ガチャを引くためのオーブを盗む手伝いをした証拠はあるのだけれど?」

 「違うんだリン!! 僕らは脅されたんだ!!」

 「その通りだ!! 手伝わなければロイとリリーナを羽にすると脅されたんだ!!」

 「リン、これは俺の爆死を見て祝杯をあげる2人の写真なんだが」

 「「召喚士きさまぁぁぁぁ!!!!」」

速攻で俺を見捨てたバカ2人を道連れにする。ハハハ、死ねばもろともだ。

とりあえず『無許可での召喚室利用の罪』で俺たち3人は仲良く捕縛された。もちろんバカ2人を生贄にして逃亡を企てたが、考えた瞬間に俺の目の前にソール・カティを突きつけられて諦めることにした。

出会った時はお互いに見習いだったはずなのに……間違った方向に一人前になってしまったな、リン。

俺たち3人の護送を1人でやるという無理ゲーをリンがやるわけないので、即治安維持部隊の1人であるカチュア(バニー装備)を呼び出していた。

俺たち3人はなんとか他の2人に罪を擦りつけるべく努力をしながら護送されていると、その途中にティルテュと会話をしているギムレー(外見ルフ子)がいた。

それを見たリンの動きは早かった。素早い動きでギムレーに足払いをかけて地面に押し倒すとソール・カティを首筋に突きつけていた。

 「1432。変態確保」

 「あっれぇ!? まだ我は何もやってないよ!? いくら溢れ出すラスボスオーラがすごいからって会話しているだけで逮捕とか冤罪ですよ!! 弁護士!! 弁護士を呼んで!!」

会話内容にセクハラが多い変態ポンコツラスボスには相応しいと思うんだがな。

 「ちなみにティルテュ。どんな話をしていたんだ?」

俺の問いかけに能天気な性格なのに原作では結構暗い人生を歩むティルテュは首を傾げながら答える。

 「う〜ん。むずかしくてあたしはよくわからなかったけど。『ピーーー!!』『放送できないよ!!』『ズキューン!!』『検閲されました』『●●●●●』『削除されました』『だから放送できないって言ってるだろ、いい加減にしろ!!』って言ってた!! ねぇ、召喚士、これってどう言う意味?」

 「わからない方がいい言葉だな」

 「あ、待って!! お慈悲を!! お慈悲をください!!」

ストレートにセクハラをしていた。しかも知識がない相手にやるという悪質さだ。

 「それで、ギムレー。何を企んだんだ?」

 「企むなんて失礼なことを言わないで欲しいね!! ただ我は知識のない女の子が無邪気に卑猥な単語を連呼させたかっただけ……あ、刺さってる!! 刺さってるから!!」

割とガチ目にリンがギムレーにソール・カティを押し付け始めていた。

 「ここでは辞めとけよ、リン。血は掃除が大変だって怒られるんだからな。やるんだったら牢屋でやれよ」

 「それもそうね」

 「あ、待って!! 最後にこれだけ言わせて!!」

リンに連行されていくギムレーは最後にキメ顔で言い放った。

 「無知シチュって……いいよね」

 「反省の色なし。大制圧戦のインファナルに1人で挑戦の刑ね」

 「みんなぁ!! 我のことを忘れないでくれよなぁ!!」

最後まで最低だったギムレーはリンによって強制連行されて行った。そして残される俺とエリウッドとヘクトル。治安維持部隊のカチュア。そして未だに頭にクエスチョンマークを浮かべているティルテュだった。

リンという最大の壁がいなくなった。ならば今回の罪を有耶無耶にする最大のチャンスである。俺とエリウッドとヘクトルは視線だけで会話して同時に口を開いた。

 「「「ムッツリカチュア」」」

 「!? わ、わかっていませんけど!? あんな卑猥な単語わかりませんけど!?」

ティルテュが不思議そうに話していた時に顔を真っ赤にしている時点でわかっていると言っているようなものだと思う。だから俺たちは追撃を加える。

 「え〜? でもカチュアさん『ピーーー!!』の意味わかるんだろ?」

 「そうだよ。『ズキューン!!』の意味も知っているんでしょう? 卑猥な単語ってわかっているんだから」

 「そうだよなぁ。いやぁ『検閲されました』なんて単語は俺たちにもわからないからなぁ」

俺とエリウッドとヘクトルの三連撃に顔を真っ赤にしてしまうカチュア。そう、だからこれでトドメである。

 「「「ところでムッツリカチュアさん。『だから放送できないって言ってるだろ、いい加減にしろ!!』ってなんですか?」」」

俺たちの問いかけに顔を隠しながら走り去るカチュア。これで俺たちは自由の身である。俺たちは3人で顔を見合わせて爽やかな笑顔を浮かべてサムズアップ。リンとウルスラとフロリーナにバレたら即斬首というレベルのセクハラをしたが、捕まらなければいいのだ。

 「う〜んと、何かあったの?」

 「いや、特に何もないぞ」

 「あえて言うならティルテュさんのお陰で僕らが助かったってことかな」

 「そっか!! あたしが役に立てたならよかった!!」

 「「「お、おう」」」

ペカーと擬音がつきそうな明るい笑顔は属性・闇の俺たちにはよく効く。

とりあえず遠くからリンの怒声が聞こえたので、ティルテュを言いくるめてその場から逃亡する。

え? ティルテュを連れていく理由? 捕まった時の弁護人だよ。

ウルスラの騎馬とフロリーナのペガサスからもスネークしながら逃亡する。(ティルテュは何かの遊びだと思ったのか楽しそうだった)。そして安全と危険の境界線である国境付近でようやく落ち着く。

 「召喚士もエリウッドもヘクトルもすごいね!! どうやったらあんな風に人に見つからないように動けるようになるの?」

 「「「烈火時代、ヴァイス・ブレイブ……う、頭が」」」

俺たちが自分の身の安全を確保するための修行の日々を思い出して頭痛を抑えると、ティルテュがすごく心配してくれた。なにこの子、聖女なの?

 「エリウッド、ヘクトル。俺パオラ神教の第一号聖人にティルテュを任命するわ」

 「いいんじゃないかな」

 「俺たちの心配をしてくれるとか聖人しかありえないだろ」

 「?」

俺たちの会話が理解できていないのか不思議そうに首を傾げているティルテュ。

 「そういえば召喚士はティルテュさんのスキル継承は終わってたよね?」

 「まあな。スキルAに死線2を継承させてスキルBに安心と安定の攻め立てだ。その結果が攻撃力52のブレード装備となった。実験として舞踏祭アクアのバフつけてカレルにぶっ放したらカレルがヤムチャになったよ」

 「「さらばカレル」」

空に向かって敬礼するエリウッドとヘクトル。空に浮かぶカレルの幻影が俺たちに向けて中指を立てていた。

 「ねぇねぇ!! あたしも新しいスキルが欲しい!!」

聖人からのまさかのおねだりである。だが、現在いる星5レベル40青魔では最大攻撃力なのでメインに使われる可能性も高い(次点は49のリンダとミカヤ。それぞれ装備が共鳴オーラと重装騎馬特攻なので完全住み分け)から、強化することに否はない。

 「問題は何を継承させるかだな」

 「スキルCは青魔の経験3だっけ? 本格的に戦闘に出す時は速さの大紋章に付け替えるから、必要ないんじゃない?」

 「だったら奥義とかどうだ?」

 「ティルテュもパオラ様から月虹を授けてもらったからなぁ」

3人で考え込む。

 「う〜む、ティルテュは何か欲しいスキルとかあるか?」

答えがないなら本人に聞けばいいじゃないと言う訳でティルテュ本人に聞くと、本人は少し考えたがすぐに明るい笑顔で答えてくれた。

 「怒り!!」

 「うん、確かに原作だと持っていたけど、FEHで怒り3を持ってきてくれるのが今のところ星5ネフェニーだけなんだ」

そろそろ星4で誰か持ってきてくれてもいいのよ、運営さん。

 「ようやく見つけたわよ……」

そんな呑気な会話をしていたら、激おこインフェルノ状態のリンに発見された。その瞬間に俺たち3人は一斉に逃亡しようとしたがエリウッドはバフ付きセイニー、ヘクトルはバフ付きサーリャ砲(サーリャの攻撃力は48)の一撃で沈黙した。俺は2人を生贄にして自由への脱出を目指したが、崖を飛び降りた瞬間にお姫様キャッチをされた。

 「自由になれると思いましたか? 残念!! マークちゃんでした!!」

 「うん、割とマジで残念だよ」

 「あ、さては天才軍師の娘で絶世美少女マークちゃんに抱っこされて照れているんですね師匠!!」

 「いや、全然。むしろこれから俺の命が奪われると思うと照れじゃなくて恐怖が来るよ」

 「大丈夫です!! クマムシ並の生命力を持つ師匠ならどんな拷問もへっちゃらです!!」

 「あ、やっぱり拷問されるのは決定事項なのね」

そしてリンのところに連行されてバカ2人と一緒に簀巻きにされて地面に転がされる。

 「それで? セクハラに対する弁明は何かある?」

 「「「この2人がやりました」」」

当然のように自分以外に罪を擦るつける俺たち。呆れたようにため息を吐くリンの背後では困ったようにオロオロするミカヤ。協力の報酬としてルフ男の写真をサーリャに渡しているウルスラ。貫きの槍を研いでいるフロリーナがいる。奥さんの様子を見る限りでヘクトルは確実に死ぬことになるだろう。

 「ティルテュ、3人に何かされなかった?」

リンは俺たちに問い詰めても無駄と悟ったのか、矛先をティルテュに向けた。ティルテュは首を傾げたが、すぐに明るい笑顔になった。

 「3人でいろいろ教えてくれようとしたよ!!」

 「待ってティルテュ。今の話の流れでその言い方だと下ネタに受け取られかねない……あ、待ってリン。目にハイライト戻して!! スキル!! スキルのこと……あぁぁぁっぁぁぁ!!!!!」

リンによって惨殺される俺の隣ではヘクトルが貫きの槍で滅多刺しにされ、エリウッドはウルスラからエリウッドの知らないロイの隠された情報の存在をチラつかされて発狂しているのだった。

 




ティルテュ
能天気属オツム足りない系魔法少女(高火力)。こんな明るい子なのに原作のあの暗い末路はなんなん? この作品では能天気という原作設定にオツムが足りないという酷い設定をプラスされました。勘違いしないで欲しいのは作者はティルテュのこと好きですよ? 実装された時に出なくて憤死したら、その直後に星4落ちしてやってきた彼女を覚醒させるくらいに好きです。でもキャラは壊す。それが愛だから!! 本文中のスキル構成は作者のところのティルテュちゃんです。彼女に舞踏祭アクアで再行動かけると赤は死にます。『すご〜い!! あたしは赤を殺すのが得意なフレンズなんだね!!』

ギムレー
見た目はルフ子、中身は紳士なスーパー淑女。覚醒世界出身者は原作のギムレーに絶望し、このヴァイス・ブレイブでギムレーの本性を見てさらに絶望する。尚、本人は『キャラ作りする時間はいっぱいあったから』等と供述している模様。

カチュア
真面目キャラがムッツリって鉄板ですよね?

ティルテュちゃんによる放送禁止用語の連呼
さぁ、読者さんはどんなことをティルテュちゃんに言わせるつもりですか?


久しぶりにキャラネタでした。色々とネタはあっても書くヒマがないんですよねぇ。そして待ちに待ったイシュタル実装で、実装当日に持っていた140個のオーブを突っ込んで全部溶かした作者。課金はしませんよ。イシュタル様は恒常実装だから……(震え)
そしてカミラの武器追加!! 当然のように作者は貯めてたスキルポイントと雫を使って武器錬成まで済ませました。そして継承させていたニンジンの斧(武器錬成済み)に戻しました。

もうすぐ6月ですけど今回も花嫁ガチャ来るんですかねぇ。運営さん、花嫁ウルスラさんを待ってますよ! 冷酷な性格のくせしてウェンディングドレスに憧れていたとかいう超乙女ウルスラさんを見たいと思った読者さん。作者と似た思考回路になっているので正気に戻りましょう。ちなみに花嫁リリーナが実装されて間違って我がヴァイス・ブレイブに来た場合はヘクトルが発狂します。

あ、それとタグに色々追加しました。このさいタグにもネタを突っ込む方向で

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