召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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感想にて『イシュタル達が崩しずらいならユリウスを崩せばいいじゃない。全部ロプトウスって奴のせいにできるから』(超意訳)を頂きました。



その時、作者に衝撃が走る……!!


召喚士とユリウス

 「まぁ、ヴァイス・ブレイブの案内はこんなところか」

 「バーハラ城には劣るけど、なかなかいい城じゃないか」

俺は大英雄戦で意気揚々とフィヨルムに魔法を撃ち込んで見事に返り討ちにあった闇の皇子・ユリウスをヴァイス・ブレイブの案内している。ちなみに何故俺が案内しているかと言うとリンに「召喚士、ヒマね? ヒマよね? それじゃあ新入りの案内よろしくね」と言われて放り出されたのだ。

まぁ、暗躍も終わってあとはムスペルに止めを刺すだけなのでヒマなのは間違いなかったので案内役を黙って勤めている。

そしてたまには空気を読む俺はユリウスに対して好意を抱いているイシュタルを捕まえて一緒に連れている。イシュタルはチラチラとユリウスを見ているが、ユリウスは見事なまでにスルーしている。イシュタルみたいな美人を無視するとかユリウスはホモなのではないだろうか。

 「ところで召喚士、1ついいか?」

 「うん? なんだ?」

ケツの穴を隠しながら少しユリウスから距離をとりながら聞き返す。ユリウスは真剣な顔をしながら問いかけてくる。

 「中庭で君達の仲間が処刑されているけど?」

 「ああ、ヘクトルのことか。大丈夫だ、いつものことだから。うん? どうしたフロリーナ!! なに! 貫きの槍を武器錬成して欲しいだと! わかった!! スキルポイントが貯まったらな!!」

 「……なぁ、イシュタル。こいつら仲間のはずだな?」

 「はい……そのはずなんですが……」

ヘクトルの俺に対する恨み言と断末魔を聞いていたせいで2人の会話を聞き逃した。

 「召喚士!! みてみて!! ギムレー先生の最新作!!」

そんなことを言いながら『ウ=ス異本』を持って走ってくる同人作家ギムレー先生。しかし、その『ウ=ス異本』はグレイプニルされた。

 「ほわぁぁぁぁ!!! 我の渾身のエフラム×エイリーク本がぁぁぁぁ!!」

 「お前はなんで地雷を踏むかなぁ」

ort態勢になっているギムレーに俺は呆れる。ストーカー被害を受けている人間にストーカーをしている人間の相手をさせちゃいけないだろ。

 「いや、これは一見近親相姦にみせかけたレイープ本なんだけど……」

 「お前はどこまで業が深いの? まぁ、それはいいや。ところでギムレー。ここには俺以外の英雄がいるわけだが」

そこからのギムレーの動きは速かった。素早く立ち上がり黒のローブを整えて鏡で顔色をチェック。そして邪悪なオーラを起こしながら精一杯に強がる。

 「おや、新しい生贄ですか? 自己紹介しておきましょうか。我はギムレー。破滅と絶望の竜」

 「お前の小物臭半端ないな」

 「ふふふ、いけませんよ召喚士。ラスボスである我を小物と言ってわ。我はラ・ス・ボ・スですから!!」

強がりながら胸を張るギムレー。何故水着のルフ子は胸があるのに服を着ると胸がなくなるのだろうか。そこまで考えたところでグルンウルフが俺の頬を掠めたので考えることを辞める。

だが、そこでギムレーがやってきてから必死に顔を背けているユリウスに気づく。

 「どうかしたか? ユリウス」

 「い! いや、なんでもない、召喚士!! さぁ、次の場所に案内したまえ!!」

 「……あれ?」

ユリウスに気づいたギムレーが小物ラスボスオーラを消し去って訝しげにユリウスを見る。ユリウスは必死になって顔を背けている。

そして何かに気づいたギムレーは真剣な表情で口を開いた。

 「エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル」

 「合法ロリとか最高かよ!! は!?」

ギムレーの言葉に反応するユリウス。俺とイシュタルは超展開についていけない。だが、ラスボス組はこちらの反応を気にせずに言葉を続ける。

 「やっぱり貴様は『ロリショタ好きのロプトウス』!!」

 「「は?」」

ギムレーが某裁判ゲームのように指をユリウスに突きつけながら言い放つ。俺とイシュタルからは思わずといった感じで言葉が漏れた。

 「ク!! なぜ貴様がここにいる『S級変態エキスパートのギムレー』!!」

 「そんなの我がここに召喚されたからに決まっているだろう!! はは、新入りロプトウスだったのか!! おい、新入り!! 焼きそばパン買ってこいよ!! 3分以内な!!」

 「はぁぁぁぁぁ!? なに言ってるんですか!? シリーズ的にワシの方が圧倒的に先輩だから!!」

 「あははははは!!! でもFEHの参戦英雄を見る限り覚醒の方が人気高いのは決定的に明らかですから!! 何せ我もすでにルフ男とルフ子versionの両方いるから!! ノーマルのルフ男とルフ子も含めれば我だけでパーティ組めるから!!」

 「公式設定でなんで邪悪に、強大になったか設定されたかわからん奴が何を言うか」

 「それを言ったら戦争だろうがぁぁぁぁ!!!!」

ギムレーとユリウスがお互いの頬を引っ張り合う。2人ともラスボスのはずなのに見ている方は子供の喧嘩を見ている気分になってしまう。

 「というよりギムレー。ユリウスのこと知ってるのか?」

 「ユリウス? あぁ、ロプトウスの体の人のことか。それは知ってるよ。FEラスボス同盟だもの」

 「FEラスボス同盟」

 「ちなみに盟主はメディウスね」

 「盟主」

なんというかラスボスが同盟組んでるとか割と絶望だぞ。

 「あ、それより聖戦出身者から聞いたけどロリショタ狩りやったってマジ?」

 「はぁ!? 狩りじゃねぇし!! 保護だし!!」

 「ちょ、ちょっと待ってくださいユリウス様!!」

そこで会話を呆然としながら聞いていたイシュタルがカットインした。

 「あの、捕えた子供を殺しておいででしたよね?」

 「殺すなんて人聞きが悪いな。肉体と魂を切り離して人為的にエターナルロリショタを作ろうとしただけさ」

 「しっかりしろ、イシュタル!!」

爽やかな笑顔を浮かべながら最悪な発言をしたユリウスを見てイシュタルが倒れこむ。俺がそれをナイスキャッチするが、ラスボス2人は呑気に会話を続ける。

 「そのロリショタ好きどうにかならないの? イシュタルっていう美人でナイスバディの人がいるのに反応しないとか不能じゃないの?」

 「いや、ロリ時代イシュタルは好みだったんだけど、成長したら胸に脂肪が溜まってなぁ……ほら、ワシはロリ巨乳も認めないラスボスだからさ」

 「ガッフ!!」

 「イシュタルぅぅぅぅぅ!! それは致死量の吐血だ!! メディック!! メディィィィィィック!!!」

洒落にならない量の血を吐いたので、俺も慌てて衛生兵を呼ぶ。すると救援の行路で女神・パオラ様がワープしてきてくれたのでイシュタルを救急搬送していただいた。

そんな惨劇を無視してラスボス2人はお互いの性癖が歪んでいると叫び合っている。

 「ここにはチキ、ファ、ノノっていうエターナルロリータがチャイルドスモックでランドセル背負っているんだろ? 最高の場所じゃないか」

 「あ、ユリウスはニニアン保育園に半径1km以内に接近禁止な」

 「なぜ!?」

 「むしろ何故近づけると思ったのか」

俺の言葉にヒザから崩れ落ちるユリウス。それを煽っているギムレー。

 「ギムレーは女性英雄と会話したら逮捕案件になったから」

 「我が何をしたというんだ!?」

 「セクハラ行為」

 「セクハラなんかしてないよ!! ちょっと胸にタッチしたりお尻を触ったりしただけさ!! 体はルフ子なんだから女性同士のスキンシップさ!!」

ギムレーにグルンレイヴンが叩き込まれ、セシリアがギムレーを連行していった。また、ルフ子に迎えに行かせないとなぁ。

 「あら、新しい英雄の方でしょうか」

 「ひょっとしてフィヨルムさんが言っていた人かしら」

崩れ落ちているユリウスをどう処分しようか悩んでいたら新任保育士ニニアン先生と守備の城塞によって守備が47の鉄壁チキ(大人)のマダムマムクートがやってきた。

 「え? だれこのBBA」

俺が口を開く前にユリウスがチキ(大人)に対しての禁忌ワードを口にした。もちろんチキ(大人)に怒りの波動が満ちる。ニニアンが必死に宥めているが、まぁ無理だろう。

 「それに隣のマムクートも問題だね。明らかに行き遅れの気配を感じる。こいつ絶対に結婚できてないでしょ」

ユリウスが流れるようにニニアンの地雷を踏み抜いたので俺は窓から脱出する。その瞬間に光のブレス+(武器錬成済み)と雷のブレス+(武器錬成済み)の轟音とユリウスの断末魔がヴァイス・ブレイブに響き渡った。

 




ユリウス
ユリウスの皮を被ったロプトウス。原作の子供狩りを作者の超解釈によって『生粋のロリショタ好き』になりました。ちなみにユリウスの皮を被っている時の一人称は『私』でロプトウスの時は『ワシ』になります。

イシュタル
ユリウスの崩壊によって1番精神的被害を受けたお方。美人でナイスバディというバフをかけたら、想い人に対して致命的なデバフだった模様。どうでもいいですけどホーム画面でイシュタルをタッチした時に出る「襟が乱れています〜云々」を読んで「全く、私がいないとダメなんですから」という「世話焼き系奥様イシュタル」を想像した作者は末期かもしれません。

ニニアン
烈火の世界で「竜が人と結婚していいのか」という自問自答をしている間に結婚できずに未婚となってしまった模様。そのためニニアンに対して「行き遅れ」等の婚期を逃している言葉を吐くとアイラを凌駕する存在になる。



前書きの通りに感想でいただいた助言を受けた結果、闇の皇子がとても残念になりました。でもほら!! これはユリウスじゃなくてロプトウスだから!! しかしそのせいでFEシリーズでも好きなキャラな部類に入るイシュタルを不幸になってしまった。許さんぞロプトウス。しかし、不憫だからこそイシュタルの魅力も引き立つような気持ちになる作者のジレンマ。ちなみにこの話を書いている内に元々高かったイシュタルの好感度が爆上がりしました。でもきっと幸せにはなれない。許せ。あ、イシュタルがユリウスの子供を身籠っていた設定とかこの作品ではありえないんで。だってここのユリウスは『真性ロリショタ好き』ですから
ニニアンの設定は今回書いている内に思いつきました。きっと子供ができなかったからロリマムクート達の世話を焼くのでしょう。

さて、ムスペル王国新キャラ話ですがリクエストをくださった方が速攻でスルトに忠誠を誓ったので、書こうと思います。でもマジメな話だけ書くとか作者の心がブロークンマグナムするので、同時に『このヴァイス・ブレイブに所属する英雄による女子会』を書こうと思います。誰が出るから決まっていませんがリンちゃんとウルスラさんは悪しき烈火面として参加決定。ギムレー? あれは女性英雄接近禁止令出たから。

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