召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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最初はリンちゃんの予定だったけど、新ガチャでこの人が出てきたんでこの人です


召喚士とアクア

俺はとある英雄を自室に呼び出していた。俺が自分から英雄を呼び出すことは少ない。そのために食堂で呼び出した時は女性陣が殺気だった。特にリンが般若の顔になっていたのはできれば忘れたい事実だ。そしてヘクトルが「お、ついに脱童貞か?」とかほざいたことは許さない。後で修練の塔10階層赤魔オンリーに突っ込んでやろう。

俺が緊張しながらお茶を入れながら待っていると、扉がノックされる。

 「失礼するわ。何かあったかしら召喚士」

青い長髪を靡かせて入ってきたのは歌姫アクアだ。ほのかに香るシャンプーの匂いは何故だろうか。顔も少し緊張している。

 「よく来てくれたアクア。お茶を入れるから座っていてくれ」

 「ええ」

俺の言葉に頷き、テーブルに座るアクア。俺はお茶の準備をすると俺も席に着く。

 「実はアクアに言いたいことがあるんだ」

俺の言葉に緊張の他にどこか期待を見せる表情になるアクア。

 「実は……」

 「ええ、最後まで言わなくてもいいわ」

流石はアクア。よくわかっている。

 「優雅なる舞踏祭アクアに関してなんだけど」

 「いくら絆をあの遊牧娘としたからと言って、英雄値が一番高い私のことが一番……なんですって?」

 「いや、だから優雅なる舞踏祭アクアについてだって」

あれ? 何か変なこと言ったかな。アクアが俯いてプルプルしてる。

 「紛らわしいことしないで!」

 「え!? ちょっと待って!! なんで蒼海の槍とウルズを持ち出してんの!?」

 

 

突然暴れ出したアクアをなんとか宥めて本題に入る。

 「それで? 優雅なる舞踏祭がどうかしたの?」

 「いや、今日ガチャったら即アクアが出てきてテンション上がったんだけどさ」

 「よかったわね。これはきっと運命よ。だから私と絆を結びましょう?」

 「後半は聞き流しますね。それより優雅なる舞踏祭のアクアだよ」

 「何か問題でもあったかしら?」

心底不思議そうに首を傾げるアクア。俺は癌患者に病気を告知するつもりで告げる。

 「強すぎないか?」

 「……はぁ?」

心底意味がわからないって顔をするアクア。いやいや

 「いいか、アクア。おまえが持っているウルズの性能を見ろ」

 「威力16に『歌う』『踊る』使用時に対象の攻撃、速さ、守備、魔防+3ね」

 「おかしいだろ!!」

アクアが心底わかっていないという言い方につい怒鳴ってしまった。アクアも驚いた表情をしている。反省しないと。怒鳴っていいのはヘクトルとエリウッドだけだ。

 「いいか、たとえばサーリャに歌うをかけて再行動させただけでも攻撃力が15も上がるんだぞ!! ヘクトルなんて即死だ!!」

 「そこであえてニノを出さずにヘクトルを殺せるサーリャを出すところに疑問を感じるわ。あなた達は本当に親友なの?」

 「エリウッドにも聞いてみろ。『ヘクトル? あぁ、だったらいいよ』って言うから」

親友って何なの、って呟いているアクア。俺たちの関係が疑問視されるのはヴァイス・ブレイブ内では当然のことだ。俺が軍師時代からの付き合いのやつらは大人しくなったと思っているが。

 「しかも相性激化持ちだぞ? どんだけ優遇されているんだ」

 「それを私に言われても困るのだけど……」

とりあえず落ち着くためにお茶を飲むと、アクアも一息つくためにお茶を飲んだ。

 「この状況だとノーマルアクアの出番がなくなって舞踏祭アクアばかりになるぞ」

 「ちょっと待って」

俺の発言に制止してくるアクア。はて、なんだろうか。

 「なんで普通の私の出番がなくなって、舞踏祭のほうの私だけになるの?」

 「いや、普通に出撃の時に『歌う』『踊る』要員は一人でいいから、必然的に誰かの出撃制限がかかるんだが」

 「そ、それだったら私じゃなくてニニアンとか……」

 「ただでさえアクアに出番取られているニニアンの出撃を制限するとか鬼ですか」

魔防が低い相手だったら竜のニニアンのほうがいいまである。

 「闘技場のメンバーも変えなきゃいけないかなぁ……」

 「!? ま、まさか私を外すの!?」

 「いや、青とか赤だったら問答無用で交代なんだけど、緑斧なんだよなぁ、舞踏祭アクア。緑斧はヘクトルがいるからなぁ」

あのバカは遠距離反撃を持っているから壁役として便利。赤魔のみなさん、ぜひとも焼いてやってください。

俺の言葉にどこか安心したような様子なアクア。

 「まぁ、どっちにしてもアクアにはかわりないんだけどさ」

 「私達の気持ちの問題よ。召喚士に頼りにされるのが自分とは言え、それまでの自分を蔑ろにされるのはいい気分ではないわ」

 「そんなもんかねぇ。カミラ姉さんはバニーの時はノリノリだったし、リンも花嫁姿とか楽しんでいたけど」

 「いえ、リンは恥ずかしがっていたでしょう?」

それを俺とヘクトルがからかってキャンドルサービスで攻撃された気がするけど忘れよう。きっと全部ヘクトルが悪い。

 「それと召喚士、間違っていることがあるわよ」

 「え? 何が?」

アクアが表情を引き締めて俺に間違いがあると指摘してくる。はて、何のことだろうか。

 「ガチャではないわ。英雄召喚よ」

 「任⚪︎堂の言い方はどうでもいいよ。むしろ言い方を変えてもオーブを金で買ってランダム召喚って時点でガチャだよ」

 「ダメよ。情報が解禁された時にガチャじゃなくて英雄召喚って会社側が言っていたでしょう」

 「俺はリア友とその情報を見て『ガチャだよな』って言っているよ。むしろ攻略サイトにもガチャって書かれているから」

 「公式がガチャと言ってなかったらガチャではないのよ」

 「……うん、まぁその辺りの追求はやめとこうか」

 

 

 

 

 「あの、召喚士さん。ちょっといいですか?」

 「うん? オリヴィエか。どうかしたか?」

 「いえ、あの……優雅なる舞踏会で私は召喚していただけないのかな、と思って」

 「……実はオーブに余裕がなくてな」

 「備蓄が100個以上あるってアンナさんが言ってましたけど」

 「……」

 「……」

 「サラバダァ!!」

 「あ! 待ってください! 召喚室! 召喚室に行きましょう!!」

 




アクア
 戦う歌姫。FEHで出てきた時に武器が丸太じゃなくて疑問に思った人は俺だけじゃないと思ってる。最初からこの人が出るまでガチャろうかと思っていて、何回アズールバリアが働くかと思っていたら初回無料で出てきてくれた。思わずこれって運命(トゥンク)ってなった。そして性能を見て愕然とした。




最近は壊れ性能の英雄が多くありませんかねぇ。悪いわけではないんですけど、それやられると初期キャラが可哀相なことになるんで。
でもオーブの配布とレアリティ出現率の変更はとても助かっています。戦禍の連戦もクリアしやすくなりましたし。さぁ、アクアさん! 漆黒の騎士さんと一緒に修練の塔の時間だ!!

ちなみに本文に出てきたリア友はオーブを600個ためているそうです。


追記:感想にてサーリャの上がる攻撃力が12ではなく15と指摘されましたので、修正しました。ご指摘感謝です。

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