召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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大天使ニノエルの前に立ちはだかる蒼鴉……!! 彼女の真意とは……!!


戦禍の連戦〜裏切りの蒼鴉〜

俺は戦禍の連戦のメンバーを連れて最終ステージに入る。そこには今回のラスボスが控えていた。

俺はその人物が敵になると思っていなかった。何せバカ2人と違って隙があれば俺を殺しにくる人物ではなかったからだ。だから俺はその人物に向かって叫ぶ。

 「何故だ……何故敵に回った!! ウルスラ!!」

俺の言葉に一番奥で愛馬に跨りながら腕を組み、眼を瞑っていたウルスラは眼を開いて俺を見てくる。

 「召喚士。本当に理由がわからないのかしら?」

 「星5ロイ(ノーマル)はいる!! ロイ(総選挙)もいる!! ロイ(バレンタイン)もいるんだぞ!? あとはスキル継承させるくらいだ!!」

 「その通りよ。貴方は数多くのロイを召喚してくれたわ。そこは素直に感謝するわ。けどスキル継承はおろかスキル習得も終わっていない点は絶対に許さないわ」

ちゃうねん。ロイを育てようと思ったら好きな英雄がきてつい後回しになってるだけやねん。

 「私は確かにロイの母親よ。そしてそれと同時に黒い牙の1人……つまり、私が今回裏切った理由はもうわかるでしょう?」

ウルスラの言葉に俺は苦々しく吐き捨てる。

 「飛行大天使になった大天使ニノエルのことか……!!」

 「その通りよ!!」

俺の言葉にかなり強烈な返答を返すウルスラ。

 「ロイドとライナスのリーダス兄弟は愚かにも『次もピックアップはあるはずだ……!!』と諦めたようだけど……私たちは黒い牙!! ニノのためなら悪にもなるわ!! さぁ、召喚士!! 魔法のカードの登録の時間よ!!」

 「まずは落ち着け、ウルスラ。まずは落ち着いて彼女の言葉を聞くんだ」

 「あら? 私を説得したいのだったらニノを召喚するかロイを連れてきなさい?」

そして俺は戦禍の連戦のメンバーだった1人を前に出す。我がヴァイス・ブレイブの大天使・ニノである。

 「ウルスラさん……」

ニノから声をかけられたウルスラの行動は素早かった。ブラーウルフで味方であるはずのユニット達を殲滅して、馬から降りてニノに駆け寄る。

 「怪我はないかしらニノ?」

 「うん!! 大丈夫!!」

ニノの笑顔にウルスラの鼻から愛が溢れでる。しかし、今度は俺を殺す目つきに睨みつける。

 「召喚士……貴方って人は……!! 戦禍の連戦という連続ステージにニノを連れてくるなんて正気なの!? こんな可愛い娘が怪我をしたら世界の損失よ!!」

 「安心しろ、ウルスラ。怪我をさせないために奥義に天空をつけ、万が一にも怪我をさせた時のためにスキルCに生の息吹をスキル継承させたリンがいる。そしてリンには遠距離反撃を継承させ、他の2人は遠距離反撃内蔵武器持ちのフィヨルム、そして危険が迫った時に逃がせるように舞踏祭アクアを連れてきた。ニノの安全は完璧だ」

 「ならばよし!!」

蒼天の航路に出てくる乱世の奸雄のような発言をするウルスラ。ニノの安全を図るのは烈火世界の人間にとって義務である。今回ばかりはリンは完全協力。フォヨルムの目は死んでいてアクアは呆れているがそこはスルーである。

 「それで? そんな危険を犯してまでニノをここまで連れてきた理由は何かしら?」

 「ふ。息子ばかりを見ていてニノの変化に気づけなくなったか……《蒼鴉》の名前も地に落ちたか」

 「なんですって?」

 「よく見るがいい、ウルスラ!! 我らが大天使の持っている魔道書を!!」

俺の言葉にバッチリ空気を呼んで持っていた魔道書を高く掲げる大天使ニノエル。ウルスラはその魔道書を見て驚愕の表情を浮かべる。

 「そ、それは『ギガスカリバー』!! し、召喚士……貴方まさか……!!」

俺はウルスラの問いに俺はサムズアップで返す。するとウルスラはGJのポーズなのか親指を立てた。

そして主人に似て空気を読んでくれていたニノのペガサスが降りてきてニノがライドオンした。

その姿にウルスラが涙を浮かべる。

 「ニノ……立派になったのね……」

 「ウルスラさん……」

 「さぁ!! 来なさいニノ!! ブラーウルフは外しておいたから怪我をする心配はないわ!!」

 「……うん!! 行くよ、ウルスラさん!!」

 「ええ!! 来なさいニノ!! 私はあと一撃で死ぬわよ!!」

育成途中のニノではどう考えても一撃で倒せるわけないのだが、どうやらウルスラは一撃で倒されるつもりらしい。そっちの方が楽でいいが。

 「飛んで!!」

まさかのニノエルは奥義発動である。残念ながら大天使も烈火の系譜。割と容赦がない。

しかし、ギガスカリバーで吹き飛んで行くウルスラはどこか満足げだ。

一番奥の壁に激突して落下するウルスラ。そこに涙を浮かべながら駆け寄るニノ。

 「ニノ……強くなったわね……」

 「ウルスラさん……」

 「ふふふ、泣かないでニノ。これが私の選んだ選択なのだから……」

ものすごく満足そうにしているウルスラ。そして今度は俺を見てくる。

 「召喚士、映像の準備はできてる?」

 「任せろ。カナスが来たことで性能も上がっている」

 「marvelous。帰ったらレイも並べての撮影会よ」

愛され大天使の息子は当然ながら黒い牙のメンバーから溺愛されている。本人は必死に自立を目指しているが、それを連中が許してくれるのだろうか。

 「ウルスラさん……」

 「ニノ……できるなら最後に昔のような呼び方をしてくれるかしら? フェレ侯爵夫人になった私じゃなくて、黒い牙時代の私の時の呼び方……」

 「うん……『ウルスラねえちゃん』」

ニノの言葉に明らかに致死量の愛が溢れ出すウルスラ。

 「我が生涯に一片の悔いなし……!!」

 「ウルスラねえちゃぁぁっぁぁ!!」

ニノの慟哭がステージに虚しく響き渡ったのだった。

 

 

 

 

 

 「はいはい、茶番は終わりよ。早く戻って次の周回に入るわよ」

 「あ、待ってリン。もうちょっとニノの温もりを感じたいから」

 「待たないわよ、ウルスラ。イベントは周回数が命なんだから。あ、それとニノが心配で隠れてついて来てるロイドとライナスは後でマジ説教だから」

 「「!?」」

 「それと召喚されていないはずなのにニノが心配で隠れて見ているジャファルとラガルトも同罪だから」

 「「!?」」

 




ニノ
ペガサスに乗ったことにより飛行が可能となったまさしく大天使。ちなみに彼女は作者のリア友(FEHプレイヤー)とSkypeで電話している深夜2時に「今なら出る気がする」と冗談で言ったら本当に出ました。天使かな?

リン
初期スキルはソール・カティしか残っていない1凸リン(ノーマル)。絆S、支援を結んだ舞踏祭アクアと一緒に戦禍の連戦のステータスアップ時に出すと最終兵器彼女状態。

ウルスラ
ロイコンにしてニノヲタな3凸。今回の戦禍の連戦の裏切りはリーダス兄弟とのニノの新装備召喚での意見の相違からだったようです。

リーダス兄弟
FEシリーズ恒例のシスコンキャラ。今回も妹が心配で隠れてついて来た模様。羽が足りなくてライナスはまだ星4です。

カナス
烈火の闇魔法使い。パントより先にこいつが実装されるとはこのリハクの目を持っても見抜けなかったわ……原作で災害を食い止めるために死んでますが、こっちの世界の烈火メンバーが災害で死ぬわけないのでバッチリ生存。そしてネットで噂のニノの親戚説を正式採用。ここはニノに優しい世界です。

ヴァイス・ブレイブでのニノの交友関係
交友関係は基本的にニノに任せているが、相手には必ず烈火メンバーによる素行調査が入るためニノの友人はまとも英雄が多い。不純な目的で近づこうとしたタクミとユリウスはミンチより酷い状態になった。




そんな感じで飛行大天使ニノエルがまさかの召喚でネタができたので投稿です。ちなみにニノの説明で書いている深夜2時にノリで回して出て来たのはガチです。その友人から「ジャッファも出そうぜ!!」と言われ回しましたが出ませんでした。ジャファルとラガルトはきっと星4落ち(作者の願望)するから……

そういえば皆さんは英雄値カンストしているキャラはどれくらいいるんですかね。作者は過労死枠第一位の舞踏祭アクアとリン(ノーマル)だけです。たまにめっちゃカンストさせている人がいますけど、どれくらいやりこんでんだろう。

さて、予定している『親父達の集い(仮題)』ですが、まだ書い始めていないのでもうしばらくお待ちください。

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