召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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日本VSベルギー戦でアディショナルタイムに綺麗なカウンターを決められて負けたショックを癒すためにガチャを回してみました

『俺はオスティア侯ヘクトル。アルマーズと共に貴殿の力となろう。…って、ガラじゃねえよな、こんなのは』



……え?


颯爽登場!!伝承英雄ヘクトル!!

 「「はぁ……」」

 「うん? どうした外道に腹黒。あぁ、言わなくてもわかるぞ。この慕われ系最強ジェネラルオスティア侯爵様の強さに驚愕してしまったのだろう?」

 「ねぇ、召喚士。このウザいのどうにかならない?」

 「ハハ、雑魚フェレ侯爵様は黙ってろよ」

ヘクトルの煽りにエリウッドはデュランダルを叩きつけることで返答とした。ヘクトルはその無駄な耐久力で平然と笑いながら煽り続けている。

 「こうなるのわかってる癖になんで召喚しちゃうかなぁ、召喚士は」

 「今回は完全に事故だよ。ミルラを召喚しようとしたら出てきたんだ」

 「はっはぁ!! 召喚士はツンデレか? なんだかんだで全種類の俺の装備を召喚しているのに?」

 「……あれ? そう言えばヘクトルはなんでバレンタイン装備があるんだ? 召喚した記憶がないんだが」

俺の言葉にエリウッドが本気の右ストレートをヘクトルに叩き込んだ。

 (君はバカかい、ヘクトル。あの『バレンタインの悪夢』を召喚士に思い出させてはいけないんだよ? だから僕も今回のロイ(限定)ピックアップに触れなかったのに)

 (す、すまん。つい)

 「バレンタイン……出てこないリン(限定)……ヘクトルが2人目? クハアァ!! 確率のクソめ……!! いいだろう!! 魔法のカー」

 「おっと落ち着きなよ、召喚士!!」

 「お茶が空っぽだぜ!! 仕方ないから俺が淹れてやるよ!!」

ナニカの記憶を思い出そうとした俺を正気に戻したのはバカ2人だった。珍しくバカ2人が冷や汗をかいていることが印象的だった。

俺はお茶を飲んで一息ついてからヘクトル(伝承英雄)の資料を見る。

 「お前も育成の甲斐がないなぁ」

 「最初からスキルが揃っていると育成の甲斐がないよねぇ」

 「使えるのは騎盾の紋章くらいの雑魚騎馬は黙ってろよ」

エリウッドの言葉にヘクトルが煽り返しをすると2人で胸ぐらをつかみ合い始める。

 「回り込みは覚えさせたから、オスティアの鼓動とは別のスキルCを継承させるかな」

 「いやぁ!! 優秀すぎて辛い!! HPは47で攻撃力は56、守備も44。そして遠距離反撃と迎撃体系に天雷アルマーズというスキル構成で優秀すぎて辛いわぁ!! これは闘技場に俺が溢れちゃうなぁ!!」

俺が脳筋に何のスキルを継承させようか悩んでいたら、馬鹿脳筋が能力自慢を始めた。おのれ……守備↑魔防↓個体の分際で。後でリリーナと相性激化サナキの魔法を叩き込んでやろう。

 「ふ〜ん……ヘクトルがそこまで言うんだったら壁役として最強の自負があるわけだね?」

腹黒親バカが何やら不穏なことを言っている。しかし、脳筋は気づいていない。

 「当然だぜ!! 俺以上に強い英雄は存在しないって言えるね!!」

よっぽど今回の装備に自信があるのか普段以上に大口を叩くヘクトル。エリウッドと視線だけで会話して頷く。

そして俺は机に用意していた鈴を鳴らす。その直後に俺の部屋の扉が開かれる。

 「およびか、軍師殿」

やってきたのは烈火修羅面カアラだった。カアラの登場に調子に乗っていたヘクトルの顔色がやばいことになっている。だが、俺は笑顔でそれを無視する。

 「カアラ。アイラとアテナと一緒に開発していた技は完成したか?」

 「御意に。既に実験は終了しています。あとは実戦で試させていただければ」

 「それじゃあ実戦訓練だ。幸いなことにヘクトルがその役目をやってくれるそうだ」

 「なぁ!?」

俺の言葉にヘクトルが驚愕の声を出す。だが、カアラはそれを無視して嬉しそうに声を出した。

 「それは助かります。軍師殿が教えてくださった『一刀修羅』を完成できそうです」

 「召喚士!! テメェ、なんてものを教えてやがる!!」

ヘクトルの言葉に俺とエリウッドは笑顔で中指を立てておく。

ヘクトルは悲鳴をあげながらカアラにひきづられていく。相性不利の上に『ヴァイス・ブレイブ修羅三人衆』を相手にするのだからきっと無事では済まないだろう。

遠くから聞こえるヘクトルの断末魔を聞きながら俺とエリウッドは優雅にお茶の時間を楽しむのだった。

 




伝承英雄ヘクトル
前書きにある通り、日本VSベルギー戦を見て『そうだ、こんな時はガチャを引こう』と思って引いたら出てきました。特に狙っていないのに全種類揃っている事実。まぁ、ヘクトル(ノーマル)は頻繁に使っている事実もありますがそれは遠い棚に放り投げておきましょう。ヘクトル(バレンタイン)? ちょっと何を言っているかわかりませんね。

ヴァイス・ブレイブ修羅三人衆
『敵だったら身内だろうが元味方だろうが容赦なく殺す系修羅・アイラ』『兄者とバアトルは絶対に殺す系修羅・カアラ』『私より強い奴に会いに行く系修羅・アテナ』の3人組。アテナはアイラのキャラ崩壊させた時と同時期にキャラ設定は作っていましたが出せていませんでした。そしてカアラの加入によって歩行剣士は修羅の世界になりました。「アテナだけ強さ微妙じゃね?」とか言わないように。だって二次創作だからネ。
召喚士のいらない助言で『一刀修羅』を開発してしまった模様。きっと自分のステータスを大幅に上げる補助スキル。

バレンタインの悪夢
ヴァイス・ブレイブの1番の悪夢。暴走した召喚士によって英雄達に大打撃を受けた。しかし召喚士にその記憶はない。リンの判断によってこの時の出来事は召喚士に絶対に伝えてはいけないことになっている。



そんな感じでW杯の日本敗戦のショックでガチャを引いたら伝承ヘクトルが来ました(この時午前5時頃)。深夜(むしろ明け方?)の方がガチャの出がいいような気がしますね。

感想にて作者が召喚したらこう言うキャラにしようと思っていた『ヤンデレストーカーロリマムクートミルラちゃん』を出されてしまいました。読者様の予想通りのキャラ崩壊は負けた気分になるので別のキャラ崩壊を考えなきゃ……その前に召喚できるかの問題ですが。そして同じ緑だったらディアドラが欲しいです。

活動報告に書いた通り、仕事の関係で更新が遅れます。今回のように1000字程度だったら書けそうですが、『父親達の飲み会』見たいな文字数が多い奴はしばらくお待ちください。いえ、文字数を削ればいいんですが、浮かんだネタを放り込んでたら文字数増えるんですよね。

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