召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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水着リンダ狙いのすり抜けで2連続で出てくると言う暴挙。許さんぞ死神。


召喚士とジャファル

 「召喚士はいるか?」

俺が自室で知識探求者カナスに異世界の魔道を教えている時にやってきたのは、黒い牙が誇る『四牙』の1人であるジャファルだった。

 「おう、どうしたジャッファ」

 「どうかしましたかジャッファさん」

 「ジャファルだ」

俺とカナスの呼び方を無表情で訂正するジャファル。全く、烈火時代に「ジャファルがなかなかみんなと仲良くなってくれない」と悲しんでいた大天使・ニノエルのために考えた愛称に不満を漏らすとか極刑ものだぞ。

とりあえずジャファルが入室してきて席に着く。そして真剣な表情で俺に告げる。

 「出撃メンバーを変えて欲しい」

ジャファルの言葉に俺とカナスは不思議になって首を傾げる。

 「ロイドとライナスとウルスラだろ? 同じ『四牙』だろう。仲良くしろよ」

 「バカか貴様!! 戦闘中に『すまん、手が滑った』と言ってリガルブレイド(武器末錬成)が飛んできたり『悪りぃ、手が滑った』と言ってバシリコス(武器末錬成)が飛んできたり『ニノを誑かした悪い虫は死ね』と言ってブラーウルフ鍛+(武器錬成済)が背後から飛んでくるんだぞ!! しかもメンバー入っていないはずの粛清の暗器+(武器末錬成)まで飛んでくる!! 呑気にSP稼ぎなんかできん!!」

俺の言葉に『感情を持っていない』という公式設定を華麗に捨て去って叫ぶ死神さん。どうやら黒い牙(正式名称・ニノちゃんファンクラブ)の皆さんは事故を装って殺そうとしているらしい。

 「ふ〜む、カナスはどう思う?」

 「僕の可愛い姪を誑かした悪党は死ねばいいと思うよ」

穏やかに微笑み、片眼鏡を輝かせながらニノと結婚した旦那に死ねばいい発言をするカナス。烈火の愛され大天使の心を射止めた死神に対する烈火世界出身者の憎悪は深い。特に黒い牙の皆さんはチャンスがあれば殺そうとしている。チャンスがなくても殺そうとしているロイコンで重度のニノヲタもいるが気にしない。

興奮したジャファルを俺が特別調合した鎮静薬を混ぜたお茶を飲ませて落ち着かせる。

 「そういえばジャファルはよくニノと結婚できたな。ブレンダンとか絶対に許可しないと思ったけどな」

俺が思い出すのは筋骨隆々で悪党ヅラをしたニノの養父。黒い牙の首領なのでニノを当然のように溺愛し、ネルガルの罠によって殺されて、俺とパントによって復活した時は他の復活した黒い牙のメンバーと一緒にネルガルのモルフ達を大量虐殺していた。その狂戦士っぷりは頭のネジを飛ばしていた自覚のある俺とエリウッドとヘクトルもドン引きしたものである。

俺の疑問にジャファルは表情を歪めた。

 「無条件に許可されるわけがない。黒い牙名物の根性試しをクリアできたからだ」

 「黒い牙名物の根性試し? そんなのあったのか?」

 「ああ。黒い牙には頭がおかしい試練や儀式がいくつもある。俺がやったのは黒い牙名物『油風呂』だ」

 「カナス」

俺の言葉に片眼鏡を光らせながら本を片手に説明を始める。

 「黒い牙名物『油風呂』。古くはサカ部族達の伝統的な拷問方法だった『地獄船』を黒い牙首領・ブレンダンが取り入れた代物だったようです。金だらいに油をいっぱいに注ぎ、火のついた蝋燭を浮かべた笹舟を浮かべ下から火をたく。油温は上昇していくけど、身動き1つすれば船はひっくり返って自分が火達磨になることになる。その恐怖と苦痛は蝋燭の火がなくなるまで続く精神力の勝負になる……って書かれているね」

 「いつから黒い牙は男塾になったんだ?」

いや、烈火世界にいた時にラガルトから昔の黒い牙の話を聞いたときから怪しいと思っていたが。

 「俺は油風呂をクリアしたことでブレンダンからニノとの結婚が許可された。ロイドやライナス、ウハイは当然としてアイオス、ケネス、ジュルメ、テオドル、ヤン達からエリウッドが企画してくれた結婚式の時は殺す視線を向けられたが」

 「流石はニノちゃん大好きクラブのみなさん。ちなみにソーニャとウルスラとブレンダンは?」

 「そこにいるカナスも含めて血涙を流していたな」

 「ははは、僕は今でも認めていないよ? 義姉の忘れ形見をそう簡単に渡せないから」

穏やかな表情を浮かべながらラウアアウル+を構えるカナス。こいつも機会があればジャファルを殺す気だろう。

 「……おい、召喚士。俺を殺そうとする連中をどうにかしろ」

 「断る」

 「召喚士!?」

 「ははは、我らが大天使を嫁にした上に子供を産ませた輩は死ぬべきだろ」

 「貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

ジャファルが俺の首を絞めてくるが俺は笑いながらそれをスルー。

 「やはり貴様は死ぬ……は!?」

首を絞めていたジャファルの首筋にリガルブレイドとバシリコスが当てられている。

それの持ち主であるロイドとライナスはどこか薄ら笑いを浮かべている。

 「いかんなぁ、ジャファル。味方殺しは黒い牙じゃご法度だ?」

 「兄貴の言う通りだ。そしてその鉄の掟を破った奴は殺されても文句は言えねえんだぜ?」

諌めているような言葉だが、2人の表情は『ようやく可愛い妹を誑かした男を殺せる』とシスコン丸出しの表情だった。

 「それじゃあ、ジャファル。訓練場に行くか」

 「安心しろよ死神。すでに蒼鴉とラガルトが黒い牙特別粛清道具を揃えているからよ」

 「け、計画的犯行だと!?」

リーダス兄弟に連行されるジャファルに俺とカナスは親指を下に向けて見送ったのだった。

 




ジャファル
愛称はジャッファ。黒い牙最強の暗殺者。作者の『ニノの相手はジャファル以外いないよね!!』という思考回路によってこの作品の大天使を嫁に迎えた。そのために黒い牙の面々を筆頭にした烈火メンバーからのヘイトがやばい。え? 原作の性格? ちょっと何言ってるかわかりませんね。水着リンダが欲しくて無色を回したら連続で2人来た。死神の暗器を誰かに継承させようかと思ったらできなかった。死神の非常用わざマシンとして使いますかねぇ。

カナス
烈火世界の知識探求者。腹黒親バカの嫁さん紹介回に少し触れましたが、パント達と一緒にモルフから黒い牙の皆さんを復活させた1人。姪のニノを可愛がる頼れる伯父さん。この作品では説明キャラとして使っていく予定です。愛読書の出版社は民明書房が多いご様子。

リーダス兄弟
羽が貯まったので2人とも星5になってます。作者の予想通りに星4落ちしたラガルトおじさんもやってきて星5レベル40にしたので、実装されている黒い牙の皆さんが星5のレベル40になっている我がヴァイス・ブレイブ。

魁‼︎黒い牙
ブレンダン「黒い牙に死という文字はあっても敗北という文字はない!!」




久しぶりの上に超駄作で申し訳ありません。でも水着リンダを狙って回したらジャッファが2人も出てきたので腹が立ったんです。ついでに黒い牙を男塾にしたかったのもありますが。
水着カミラ姉さんは1回の課金で来てくれたというのに、ジャッファのブロックのせいで水着リンダはなかなか出てこなかったじゃないか。あ、水着リンダは追加課金なしで来てくれました。

感想でご指摘があった通り運営はリンを使いすぎですね。好きなキャラが出てくるのは嬉しいですけど、伝承枠は別のキャラにすべきだったでしょう。それに同じキャラばっかり増やしすぎるのもどうかと思います。FEシリーズには他にも魅力的なキャラいるやん?
Q、だったら限定リンが来ても課金しないんですか?
A、え? しますよ? 当然じゃないですか
作者みたいな人間がいるから人気キャラの限定が大量生産されるわけですね。

そしてストーリーでさらっと復活するヘルビンディ。この作品では明らかに死んでますけど、なんか助けたレーギャルンと助けられたヘルビンディの会話を見て思いついてしまうネタ。この際だから第二章のストーリーは全部書いてやろうかとも思っています。書く時間があればの話ですが。

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