召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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前回の更新からおよそ1ヶ月。ジョーカーを羽にするので許してください。


たのしいかむいいっかのゆかいなかしんたち

ジョーカーは激怒した。必ずやあの邪智暴虐なる召喚士の息の音を止めねばならぬと決意した。ジョーカーはヴァイス・ブレイブの平和などわからぬ。ジョーカーは執事である。カムイ(♂)に仕え、カムイ(♀)に忠実に従って生きてきた。けれどもカムイファミリー(カム男、カム子、カン男、カン子)の動向に対しては人一番に敏感であった。

 「どういうことだ!? キチガイ召喚士!?」

走れメロスのような流れをジョーカーに当てはめて考えていると、予想通りに本人が怒鳴り込んできた。

当然のように俺の部屋に居座っている腹黒と脳筋と視線だけで会話して口を開く。

 「ふ〜む、俺は無礼執事に怒られるようなことをしたか?」

 「リンになら怒られることはたくさんしているんじゃないかい?」

 「バレなければいいんだよ……!!」

 「ヘクトル」

 「おう、どの情報をリンに流す?」

 「おいバカやめろ」

流れるように俺を死刑台送りにしようとしたバカ2人を止める。ちなみにリンに殺されそうになった場合2人は当然としてギムレーとエイリークストーカー’sも巻き込む所存である。

 「これのことだ!!!」

3人で牽制しあっているとイライラとしたジョーカーが一枚の紙を突き出してくる。それは広間にある掲示板に張り出される通知の紙だ。ここには出撃メンバーの発表や呼び出し、懸賞金リスト(大半がヴァイス・ブレイブに所属する英雄。懸賞金トップはエイリークストーカー2人の現行犯逮捕である)が張り出される。

 「そう言われてもな。俺は最近そこ使うのは出撃メンバー発表くらいだぞ」

 「戦禍の連戦の時に脱走するゼルギウスを捕まえるのに使っているよね?」

 「しかも頻繁にミカヤを嗾けるよな。ゼルギウスが印付きで境遇が似てるから気にしていることを知っていてやるとか鬼かよ」

 「いや、それやらないとゼルギウスが捕まえられないのが悪い」

あのクソみたいな能力はなんなの? 闘技場で出会ったゼルギウスに『祈るが良い』黒の月光連射でパーティメンバーが一瞬で溶けた思い出。やっぱり闘技場上級は地獄だぜ!!

 「それよりこれを見ろ!!」

ジョーカーが突き出し続ける紙を受け取って目を通す。当然のように面白がってバカ2人も覗き込んできた。

 『辞令

  本日より以下2名をカムイファミリーの世話役から除名する。

  対象者:ジョーカー フェリシア

  アスク王国ヴァイス・ブレイブ自治領軍総司令官 リン』

俺とエリウッドとヘクトルは顔を見合わせてキメ顔で言い放つ。

 「「「ようこそ無職の世界へ……!!」」」

 「ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

俺たちの冗談にガチ切れする無礼執事。

 「いいか!? クビにされるのがあのピンク淫乱クソ無能メイドだったら理解できるしむしろ物理的に首を飛ばして欲しいくらいだが、この俺をクビにする理由がわからんぞ!?」

おそらくはそのカムイファミリー以外に対する対応の雑さだからだと思うぞ。

 「とりあえずジョーカー、隣の部屋を見たら理由がわかると思うぞ?」

 「なに?」

訝しげなジョーカーをヴァイス・ブレイブの英雄達に(胡散臭いと)大評判の笑顔で俺は隣の部屋へ促す。俺の笑顔を見て嫌な予感がしたのか逃亡を図ろうとしたジョーカーはエリウッドとヘクトルによって即座に捕縛された。

 「やめろぉ!! やめろぉぉ!! 貴様らがその笑顔を見せる時はロクでもないときだけだぁぁ!!」

 「まぁまぁ、そういうなって無礼執事」

 「そうだよ、きっと君の気持ちがスカッとする光景がみれるはずさ」

ヘクトルとエリウッドの言葉も聞かずに抵抗するジョーカーを3人で縛り上げて隣の部屋へ連行する。そして隣室の扉を開くと一人の人影が浮かび上がる。

それは氷漬けにされたフェリシアの姿だった。

 「フェリシアが死んだだと!? よくやった!!!」

心からの歓声を挙げるジョーカー。だが、俺とエリウッドとヘクトルはジョーカーの末路がわかりきっているので黙って十字を切る。

 「ずいぶんとフェリシアと一緒に好き勝手やっていたそうね、ジョーカー」

加隈亜衣さんの声を聞いて顔色が酷くなるジョーカー。

 「召喚士さんから貴方とフェリシアにカムイ様達関係で迷惑をかけられていると相談されたのよ?」

そこにいたのは霧氷のナイフをジョーカーの頬に当てながら笑顔(しかし、眼は笑っていない)を浮かべるフローラだった。

 「し、召喚士?」

 「悪いなジョーカー。ついガチャっちまったZE!!」

 「なぜ赤を引いたぁぁぁ!! 青だったら脳筋の自称カムイ様の親友だっただろうが!!」

それはサイラスが即座に星4落ちしそうだったからだ。

 「ギュンターさんからも話は聞かせてもらったわ。ええ、ずいぶんと召喚士さんに迷惑をかけているみたいね、貴方と愚妹は」

引きつった笑顔を浮かべなから口を開くジョーカー。

 「まぁ、待て。そう無理しなくても話せばわかる。どうだフローラ。このカムイ様ファミリーのお写真は?」

ジョーカーが懐から取り出した写真をフローラはメイド服のポケットに丁寧にしまいながら俺を見てくる。だから俺も力強く頷く。

 「問答無用だ、殺れ」

 「やめろ召喚、あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

ジョーカーの断末魔がヴァイス・ブレイブに響き渡ることになった。

 




フローラ
カムイファミリーに仕える家臣筆頭(恐怖的な意味で)。原作の「私にはあなただけです」とか割と笑えなかったゾ。なんかFEHの会話で召喚士に対して依存気味な感じだったので心情的の割合は
カムイファミリー>召喚士>>ギュンター>>>>if組>>>>(超えられない壁)>>>>フェリシア>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>ジョーカー
え? 原作でのジョーカーに惚れている設定? 原作で支援会話がない時点でそんなもん無視ですよ

ジョーカー&フェリシア
ギュンター以上のストッパー登場によって命の危機。

ギュンター
フローラの召喚で少し落ち着けるご様子。

カムイファミリー
フローラがメイドになったことによって自立への第一歩を踏み出せた。次なる壁はif王族組みだ!!

スズカゼ
立場的に護衛だったのと召喚士に対して迷惑をかけていなかったために難を逃れた。流石忍者汚い。



お久しぶりです。2週間に1回は更新したいという努力目標が見事に破れた作者です。仕事が忙しいのもそうですがモチベーションがね……浴衣ミカヤ狙いですり抜けアイク(ノーマル)。レヴィン狙いですり抜けカン子。安心と安定のすり抜けで作者の怒りは有頂天。

実装を待っていたサイラスとフローラ同時実装で喜びの作者。とりあえず性能確認してサイラスは星4落ちが確実でしょうから個体値厳選するので赤一択で回したところ課金なしで来てくれたフローラ。これにはドラクエ5の結婚相手にSFC時代からフローラ一択の作者もニッコリ。そしてFEHでの召喚士に対して依存度高くない? と思った作者。原作でもそうでしたっけ。

ストーリーでとうとう我らがスルト陛下が邪智暴虐なる召喚士に敗死してしまいました。なんか作者的に死に方が微妙だったのでこの作品では綺麗な死に方をさせてあげたいと思う今日この頃。書く時間があったりリクエストがあったら書きますかねぇ。

そういえば聖戦ピックアップガチャで無事にディアドラママンを引けました
ディアドラ「私はディアドラです…ごめんなさい…私には記憶がないのです…」
なるほど、記憶喪失か(連戦ボスシグルドをディアドラでぶち殺しながら)

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