召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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リンの話を書こうと思ったら、感想で『カムイが来てもいいのよ?(意訳)』と書かれたので書きました。だが、すまない……! 今の俺にはこれが限界だ……!


召喚士とカムイ

俺は戸惑っていた。何せ部屋でノンビリしていたらカムイ(女)のほうが突然やってきて、俺の顔を撫で始めたのだ。部屋に一緒にいたエリウッドとヘクトルはいい笑顔で『ごゆっくり』とか言って出て行った。奴らは確実に俺を不幸にするだろう。その前にやつらを黙らせる(殺す)方法を考えねばならない。

 「どうですか? 召喚士さん」

 「突然部屋にやってきて顔を撫で始められたことには驚いたな」

う〜ん、おかしいですねぇ。とか言ってるこの竜はなんなのだろうか。

とりあえず顔を撫でさせるのをやめさせて席に座らせる。お茶の準備をしている間に見つけたヘクトルの忘れ物(エロ本)を片足でベッドの下に蹴り入れる。これは後でフロリーナ案件ですわ。フロリーナとの親友のリンにも報告しておこう。

お茶を入れて机に置き、俺も席に着く。

 「それで? なんで急に俺の顔を撫で始めたんだ?」

 「いえ、こうすれば召喚士さんとの絆が上がると思いまして」

 「ここはFEifじゃなくてFEHだし、しかも俺はもう絆はリンと結んでいるとかツッコミたいけど、とりあえずその知識は誰に植え付けられた?」

 「FEif? FEH? すいません、よくわかりませんけど絆はいくらでも変えられるとジョーカーさんが。その情報を教えてくれた時に何故か血涙を流していましたけど、なんだったのでしょうか?」

おう、あの執事。俺がカムイと絆結んだら確実に殺しに来るんやないかい。

 「それにジョーカーさんやフェリシアさん、マークスさん、カミラさん、ヒノカさん、サクラさんは喜んでくれましたよ? タクミさんは恥ずかしがっていましたけど」

 「それみんな君のことが大好きな人たちだから」

その人選は間違っている。確かめるならぜひともロンクーにやるべき。

 「ギュンターは何か言ってなかったか?」

 「ギュンターさんは……そう言えばこの世界ではあまりやらないほうがいいと言っていました」

唯一の良心が働いていたようだが、それでも止めることはできなかったらしい。すまないギュンター。そのうち星5にしてやるからな。

 「あまりそれをやると騒ぎになるからやめとけよ」

 「はい、その辺はカミラさんとヒノカさんに注意されました。やるなら兄弟か召喚士だけにしろと」

 「……その他に何か言っていなかったか?」

 「何かですか……?」

カムイはそう言いながら人差し指を立て、それを頬に当てながら考える。顔立ちが美形だから『私、考えています』のポーズだが、俺やヘクトルがやると『虫歯が痛いんです』になるポーズだった。

だが、すぐに思い立ったのか笑顔で口を開いた。

 「上手くいけば召喚士さんが私達の世界に来てくれると言っていました!」

 「おや? 誘拐かな?」

リン、ヘクトル、エリウッド達も俺のことを拉致していく気満々なので、この世界で戦いが終わっても、別次元同士の戦いが勃発しそうである。FE無双?  悪いがうちにはスイッチがないんだ。

 「う〜ん、でも本当に効果がないのでしょうか……もうちょっと試してみていいですか?」

 「ダメに決まってるだろう」

こんな呑気に会話している間にも、部屋の外では大騒ぎになっているようである。どうやらヘクトルとエリウッドがデマを流し、それに怒り狂った夜叉の群れがいるらしい。この後のことは考えたくない。

 「それで? 用事はこれだけか?」

 「いえ、違います」

マジか。もうこれで帰っていただいて、俺も早いところ逃亡したかったのだが。カムイはどこか真面目な表情になって俺を見つめてくる。

 「なんで水着の私を召喚してくれなかったんですか?」

 「えぇ〜、今更?」

季節外れにもほどがあるだろ。だが、そんな俺の反応にカムイは怒った様子を見せた。

 「今更じゃないですよ! 前から言いたかったんですけど、言う機会がなかったんです!!」

プリプリと怒るカムイ。そんなこと言われてもなぁ。

 「普通のソシャゲだったら水着イベントは一回だろ? なんで八月にもう一個来るんだよ」

 「チキさんは引いたのに、なんで私は引いてくれなかったんですか!?」

 「チキだけでオーブを使い切ったからだよ」

 「買えばいいじゃないですか!?」

平然と課金を勧めてくる。だが、俺はソシャゲの闇を知っている。一度課金し出すと際限がなくなるのだ。なのでFEHにはあまり課金しないようにしている。

 「というかなんで絆を結べるのは一人だけなんですか! 支援Sまで行かなくてもAまでは上がってもいいじゃないですか!?」

 「別に結婚するわけじゃなくて、能力が上がるだけだからいいじゃん」

 「だったら私と絆結んでください」

 「すまない」

 「即答ですか!?」

だってカムイ(女)のスキル継承がまだ済んでいないんだ。育て終わっているけど。

 「カミラさんのバニーの時はオーブが貯まったら全部注ぎ込んでたのに……」

 「あの時も課金してないからな」

むしろ最終日に出てきてビビった記憶がある。

 「だったら私の時にもそうしてくれたって良かったじゃないですかぁ」

 「その頃は星5にする気はなかったからなぁ」

 「星5?」

 「システム的な問題だから気にするな」

ヘクトルやエリウッドは平然とメタネタを使ってくるが、カムイには通じないらしい。

 「まぁ、今度特別衣装でピックアップが来たら(たぶん)引くから」

 「むぅ、小声で何かつけたされた気がします」

渋々ながら引き下がったカムイ。しかし、さらなる爆弾が投下された。

 「それでしたら私とお風呂に入ってください!」

 「おまえは何を言っているんだ」

 「大丈夫です! カミラさんとヒノカさんも一緒に入ってくれるって言ってました!」

 「安心要素皆無だよ」

どう考えても性的に捕食されそうなんだが。

その後はカムイに風呂に強制連行されそうになったところを、ギュンターが止めてくれて助かったのだった。

 

 

 

 

 「ヘクトル様……?」

 「目を覚ませフロリーナ! これは……そう、召喚士の罠だ!! 奴が俺をハメようとしているんだ!!」

 「ですが、証拠がここにあるんですよ?」

 「それは……あぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 「ヘクトルはまた失敗したのかな? やれやれ、肝心のところで脳筋なんだから」

 「父上、ちょっとよろしいですか?」

 「うん、ロイか。もちろんだとも。ロイより優先されることなんかないからね」

 「ありがとうございます。それでは……『デブ剣』とはなんですか?」

 「……うん、それはロイが知らなくてもいいことだよ。ちなみにそれは誰から聞いたんだい?」

 「召喚士さんが父上の大切な思い出と言っていまして」

 「うん、そっかぁ。そうだよなぁ。それを言うのはあそこの脳筋ジェネラルか外道軍師くらいだもんなぁ。それじゃあ、ロイ、僕はちょっと召喚士に用事ができたから。くれぐれもそのことは他の人に言ってはいけないよ」

 「はい! わかりました!!」

 




カムイ
 暗夜王国と白夜王国一の愛されキャラ。ここでは純粋培養すぎて他の言うことをすぐ信じちゃう感じ。そして兄弟やカムイに近しい人に勧められたら即実行な行動派。そしてジョーカーは血涙を流し、ギュンターは胃痛を加速させるのだろう。


カムイ(男)でも話を考えましたが、夜刀神をトウモロコシにしか見えないことをネタにする話しか浮かばなかったので却下されました。

感想にてアンケートが規約違反ということをしてくださりありがとうございます。あれでもアンケート扱いされるんですね。書いている本人には自覚がないという。第一話のあとがきから削除しました。そしてルキナの呼び方ですが、ヒマを見つけて直します。え? それは直さない奴のセリフだって? こやつめ、ハハハ。

さぁ、漆黒の騎士と舞踏アクアよ。レベル40で終わりじゃないぞ!! 今度はセシリアも加えてスキルポイント稼ぎだ!!

持っている人は舞踏オリヴィエの使い勝手を教えてくれてもいいんですよ? それを聞いて作者はガチャを回して爆死するでしょうから。

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