アスク王国グラネイア大聖堂降臨の間。ここには現在、六人の人物がいる。
枢機卿の服装をした俺、ルフ男、ルフ子。司祭の格好をしたインバース、マークちゃん、マークくんの六人である。六芒星を描くようにそれぞれ配置につき、中央には神殿のような豪奢な作りになっている召喚陣がある。
ここは俺達が現人女神・パオラ様の新装備が実装された時のためだけに特別に作られた召喚の部屋である。
女神を降臨させるのだから無機質な召喚の部屋ではなく、荘厳な壁画と天井画を描かれており、それでいて派手すぎず、質素すぎない素晴らしい部屋の作りになっている。
「それでは女神降臨の儀式を執り行う」
俺の重々しい言葉に他の五人は黙って頭を垂れる。俺は持っていたオーブを中心の召喚陣に置き、自分の位置に戻る。
俺、ルフ男、ルフ子は枢機卿の証である杖を掲げ、インバース、マークちゃん、マークくんは『パオラ神教』の聖典を掲げる。
「我らが女神よ、今ここに降臨なされ我ら愚かなる民を導いてくだされ」
俺の言葉に召喚陣が起動し、女神降臨の儀式が始まる。
舞う砂埃、浮かび上がるウサ耳をつけたシルエット。
「あ、あら……? ここは……?」
困惑している女神を無視して俺達は歓声をあげる。
「おぉ……女神だ。女神がご降臨されたぞ!!」
「我らが女神・パオラ様。どうか僕達愚かな民を導いてください」
「夜のお姉さんのような格好をしていても隠しきれない神々しさ……まさしく私達の信仰する女神・パオラ様に他ならない……!!」
「召喚士さんにルフ男さんにルフ子さん……? っ!?」
自分の格好に気づいたのか恥じらうように自分の体を隠すパオラ様。
「おぉ!! 恥じらう姿もまた神々しい!!」
「まさしく女神……!!」
「我らが女神・パオラ様万歳!!」
『女神・パオラ様万歳!!』
「あの……本当に辞めてください……!!」
ルフ子の言葉に全員で万歳をしていると女神・パオラ様が本気で困惑している。だが、そのお姿もまた美しい。
「あ、あの……ここはいつもの召喚の部屋ではありませんよね……?」
「は、そのことについては私から説明させていただきます」
女神・パオラ様の言葉に俺は一歩恭しく進んで膝をつく。
「この部屋はグラネイア大聖堂に作られた女神・パオラ様専用の降臨の部屋でございます。我らが女神を他の木っ端英雄と一緒の部屋で降臨していただくなど無礼の極み。そのために我々三枢機卿でパオラ様専用の降臨の部屋をご用意させていただきました」
「……あの。普通は狙った英雄の召喚はできないのでは……?」
「ご安心ください。この部屋に施された魔術は私とルフ男、ルフ子、そしてインバースの知識を結集して作られております。そのために女神・パオラ様以外の者が召喚されそうになった場合、一部を除いて自動的に羽になるように設計しております」
俺の言葉に本気で絶句する女神・パオラ様。そして次にルフ子が静かに進んでくる。
「女神・パオラ様。既に一般民衆も女神のお姿を拝見しようと神殿の大広間に集まっております。どうか彼らの前にお姿を見せていただければ幸いでございます」
「この格好で人々の前に出るのですか!?」
「ご安心ください。溢れ出る女神・パオラ様の神威に一般民衆は御尊顔を拝謁できる者などいませぬ。そして女神・パオラ様のお姿はどのような格好であろうとその品位を下げることなぞございません」
「いえ!? 私の羞恥心の問題ですよ、ルフ男さん!?」
顔を真っ赤にする女神・パオラ様。そのお姿もまたお美しい(重度なパオラ神教信者)
ちなみに最終的に集まってくれた人々を無碍にはできないと、信徒達の前に出てくださった女神・パオラ様はやはり女神だと思う。
女神・パオラ様
FEH界の女神。それ以外の説明? いらないでしょ。オーブ4個で出てきてくれるとかマジ女神。
グラネイア大聖堂降臨の間
三軍師達の知識を結集して作り上げたパオラ様専用降臨の部屋。それ以外の英雄が召喚される場合は一部の例外を除いて自動的に羽になる。尚、パオラ様は『召喚』ではなく『降臨』である。間違えないように。
そんな感じで無事にバニーパオラ様が我がヴァイス・ブレイブにご降臨されました。今回はガチで課金できないので、最悪次のピックアップまで待つつもりでしたが、まさかの4個でご降臨。やっぱりパオラ様は女神だな!!
アンケートにて『パオラ様がアベルに惚れている設定あったやん? それってアベルの命ピンチじゃね?(超意訳)』の意見をいただきました。作者も忘れていましたけど、そんな設定確かにありましたね。どうすっかなぁ(超適当)