召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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召喚士が生み出した悪魔の兵器。

それは決して人が扱ってはいけない超兵器。

しかし、召喚士は使う。全ては世界平和のために。


ヴァイス・ブレイブの新兵器

 「本当にやるのかい?」

カナスの言葉に俺は黙って頷く。カナスは再度確認するように俺に問いかけてくる。

 「確かにこの兵器運用が上手くいけば、僕達は大きな軍事力を持つことになる。だけど、後世の人々は君のことをなんと言うだろうね」

 「まだ産まれてもいない後世の人間の評価を気にするより、今、どのようにしてこの戦争に勝つか。俺が考えられるのはそれだけだ」

 「だが、批判も大きいだろう。きっと敵……死の女王ヘルだけじゃなく、アスク王国も君のことを罵るだろう。『この外道!』とね」

カナスの言葉に俺は鼻で笑う。

 「知ったことか。前線で戦うのは俺たちヴァイス・ブレイブだ。アスク王国の自称平和主義達の言葉なぞ頭の隅にも残らん。その被害を最小限に押しとどめるためには俺はどんなことでもやるさ」

ちょうどよく、ペガサスに我がヴァイス・ブレイブの新兵器を搭載したインバースが敵陣へと飛んでいく。

 「いいのかい? あの兵器を使えば君は歴史に悪名を残すことになる」

 「言っただろう、カナス。知ったことか、と」

俺の決意が固いことを知ったカナスは悲しそうに首を振る。

 「正直に言うと僕は今でもあの兵器に対する案は反対だ。危険すぎるし、とてもじゃないが僕達に扱えるとも思えない。神に対する冒涜とも言えるだろう」

 「ならば何故ここにいる、カナス。エリウッドやヘクトル達も拒否したこの実験場に」

俺の言葉にカナスは片眼鏡を軽くあげる。

 「僕個人としてはあの兵器には反対だ。だけど研究者として知りたいのさ。あの兵器がどれだけの破壊力を秘めているのかを……」

カナスの言葉に俺は軽く笑う。

 「狂っているよ、お前は」

 「なに。この案を出した君ほどじゃないさ」

 『お父様。投下ポイントにつきましたわ』

その時、ちょうどよく超兵器を運んでいたインバースから通信が入る。

 「悪いなインバース。お前には危険な任務を与えた」

 『あら、私は嬉しかったですわ。この重要な任務をお父様自らが私を選んでくださって』

インバースの言葉に俺は黙って眼を瞑る。

 「地獄に落ちるときは一緒だ。それで許せよ、インバース」

 『お父様と一緒だったら地獄でも楽しそうですわ』

インバースの言葉に俺は軽く笑う。

 「よし、インバース。射出準備は?」

 『完了していますわ』

 「よし、それじゃあ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  人型決戦兵器イドゥン、投下!!」

 『了解、イドゥン、投下します』

 「ふははは!! 私の名前を呼びましたね!!」

俺の言葉と共にインバースのペガサスからイドゥンがノリノリで飛び降りる。

そして拳の一振りで地面に超巨大なクレーターが出来上がった。

 「おぉ、やっぱりすごい威力だな」

 「うん、見てごらんよ召喚士。二回目の拳で山が消し飛んだよ」

 「う〜む、だが案の定こちらの指示はガン無視だな。あ、インバース。さっさと離脱しろよ」

 『もちのろんですわぁぁ!!』

通信先からはインバースの焦った声が響く。そして阿鼻叫喚の死の国軍。我らがイドゥンはノリノリで拳を振り抜いて敵を滅殺していっている。

 「だけどある程度の制御はできるいるんじゃないかい? 竜に変身の命令には従っているようだし」

 「やっぱり『今後竜に変身したら、二度と人類をお前に挑ませない』と言ったのが効いたようだな」

 「正気か貴様ァァァァァ!!!!!!!」

そして爆心地からズダボロになった状態のリーヴがやってきた。

 「お、久しぶりだなリーヴ。どうだ? 我がヴァイス・ブレイブの新兵器は?」

 「本当に正気か貴様!? よくぞあの惨劇を生み出す兵器を使えたな!? 貴様に人の心はないのか!?」

ふぅ、リーヴの奴はちょっと会わないうちに常識人ぶろうとする知恵を持ったらしい。

 「おいおい、リーヴ。俺だぞ? この俺だぞ? いつから正気だと思っていたんだ?」

 「クッソがァァァァ!!!!」

俺の首をガクガク揺さぶるリーヴ。

 「まぁまぁ、リーヴさん。そこまで怒らなくてもいいじゃないですか?」

 「黙れ片眼鏡!? お前はあの兵器の威力を知らんからそんなことを言えるんだ!?」

 「そうですね。僕達は離れたところから見ているだけですから。ええ、ですので近くであの超兵器の威力を見せる機会をくれたリーヴさんに敬意を表しますとも」

カナスの言葉と同時にリーヴの肩に手が置かれる。

壊れたブリキの玩具のように振り向くリーヴ。そこには満面の笑みを浮かべたイドゥンがいた。

 「貴方は私が求める勇者ですか?」

リーヴの悲鳴になっていない悲鳴を聞きながら俺とカナスは全力で離脱するのであった。

 




召喚士
イドゥンを爆弾として扱うことにした超外道。

カナス
イドゥンの破壊力の検証のためだけに危険な実験場にやってきた研究者の鏡。後日、イドゥン爆弾の破壊力に負けない魔法の開発に乗り出す。

イドゥン
人型決戦兵器爆弾。尚、本人は勇者と戦えるならどのような扱いも甘んじて受け入れる模様。

リーヴ
イドゥン爆弾の破壊力実験に選ばれた生贄。



そんな感じで我がヴァイス・ブレイブに修羅三人衆以上の超兵器が実装されました。天空はスキル継承させたから遠距離反撃が欲しいところ。雷のブレスにする手段もありますけど、なんだかんだで重装特攻は便利なんですよねぇ。

ちなみに修羅三人衆が戦術核とするなら、イドゥン爆弾は戦略核。イドゥン爆弾が投下されたら敵は死ぬ。
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