多分口調が間違っているけど許してください
俺がリンとバカ二人と一緒に部屋でウダウダしていると、世紀末遊牧民サカの民出身のスーが部屋にやってきた。リン曰く他人の気がしないと言っていたのは小説版封印のことだろうか。
「それでどうかしたか?」
「アンナ隊長から英雄の召喚は召喚士殿が管理されていると聞いた」
そんなヴァイス・ブレイブでは当然のことを今更確認してくる意味がわからないが。
「確かに俺とエクラが英雄を召喚しているという点では管理しているかもしれないが、それがどうかしたか?」
「それだったら召喚士に聞きたい。なぜじじが英雄として召喚されてない?」
「それは任○堂に言ってくれ」
パントとオズインの実装はよ。
「スーちゃんのじじか……誰だっけ?」
「確かダヤンとか言ったか。実装されるか怪しいところだよな」
エリウッドとヘクトルがのんびりと会話をする。それに口を挟んだのがリンであった。
「あら。普通の封印だったら実装されるか怪しいけど、私達の世界のダヤンだったらチャンスあるわよ」
リンの言葉に俺たち三人は首を傾げる。
「あぁ、召喚士殿達にはじじのことはダンセキカイと言った方が伝わるだろうか」
「「「ダンセキカイだと!?」」」
リンに噂は聞いていた世紀末遊牧民族サカの民を象徴する人物じゃないか。
「召喚士、ダンセキカイはやばい。すごいやばい」
「エリウッドの言う通りだ。ダンセキカイだけはやばい。絶対に召喚しちゃいけないやつだ」
「そうか。人の嫌がることはやっちゃいけないよな。だが、俺はお前達が嫌がることだったら喜んでやる」
「「きさまぁぁぁ!!!!」」
俺の煽りにぶちギレるバカ二人。だが、いつも通りの殴り合いはリンによって熱々のお茶をかけられて床を悶絶することによって阻止された。
「リ、リン殿。これは大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。いつものことだから」
「「「あつぅぅぅい!!!」」」
とりあえず一通りの流れも済んだので大人しく席につく。
「それで? 何が問題なんだ?」
「うん、召喚士もリンからダンセキカイがエレブ大陸で大反乱を起こしたのは聞いているよね」
「聞いている。どこぞの腹黒と脳筋が連合組んで無様に敗北したことも知ってる」
「はは、言われているよヘクトル」
「お前のことだろエリウッド」
お互いに自分の非を認めようとしない醜い二人。
「まぁいいや、問題はそこじゃないんだ。僕達もエレブ大陸大連合軍を組んでサカの民に決戦を挑んだ」
「数は俺たちが圧倒的有利。そしてこっちにはパントもいた」
エリウッドとヘクトルの言葉に強い違和感を感じる。
「ちょっと待て。俺はリンからその戦いはエレブ大陸大連合軍が負けたと聞いたぞ」
俺の言葉にバカ二人は力強く頷く。
「「大敗した」」
「嘘だろ!? あの天才クソイケメンのパントがいて負けたのか!!」
あのパントが負けるとかイドゥンが平和主義に目覚めるくらいありえないことだぞ。
「じじは最強だからな」
むっふ〜、と言う擬音がつきそうなスーの発言は無視して話を進める。
「いや、割と僕らもドン引きなんだけど普通じゃないんだよね、サカの民」
「そこにダンセキカイとかいう頭のおかしいレベルの戦争の天才が合わさって無敵状態だったな」
「軽くどころか思いっきりドン引きなんだが」
「おっと、私がいるところでサカの民の悪口は控えなさい」
とりあえずリンにトリプル土下座をしてから話を進める。
「普通に戦略レベルの勝利が戦術的敗北でひっくり返されるんだよ」
「どんだけ勝利条件整えておいても戦場の勝利で全てをひっくり返すのがダンセキカイだ」
「なんと言う軍師泣かせ」
それってよくある『もうあいつ一人でいいじゃないかな』状態ではなかろうか。
「そこで僕達は暗殺と言う手段でダンセキカイに死んでいただいて、サカの民を平原に押し込んで、僕とヘクトルで長城を建設して封印と言う手段しかなかったんだよ」
「ダヤンは良くも悪くもサカの民のトップだったからね。その後継者争いでサカの民もエレブ大陸に出ていけなかったのよ」
大陸を大混乱に陥れた後の後継者争い。サカの民は血が大好きですね。
「最後は暗殺されたが、じじは紛れもなく英雄と呼ばれるべき人。だからここに召喚されていると思ったけど……」
「やめてくれ。戦闘狂の爆弾は修羅組とイドゥンだけでいいんだ」
これ以上俺に負担をかけるのはやめてくれ。え? 負担がかかっているのはアルフォンスくんの胃だって? ちょっと何を言っているかわかりませんね。
「しかし、そんなことがあってよくスーはロイに協力する気になったな」
「む、召喚士殿は失礼ですね。サカの民は助けられた恩は返す。当然のことです」
「むしろサカの民を監禁すると言う暴挙に出たワグナーの勇気を僕は称賛するね」
「だよな。下手したらまたサカの民と全面戦争になるところだったぞ」
常にギリギリの歴史を歩むのがエレブ大陸の歴史と言うことか。
「そう言うことだから召喚士殿にはぜひじじを召喚してほしい」
「今の会話の流れで召喚できると思うか?」
召喚したら今度はヴァイス・ブレイブで内乱が起きかねない。俺の言葉に信じられないと言った表情を浮かべるスー。
「信じられないぞ!! なぜじじを召喚しない!?」
「実装されてないから無理だし。召喚するとしてもこっちの言うことを聞かせる用意ができてからだな」
「それだったら大丈夫だ。じじは昔から私には甘いからな。私のお願いは聞いてくれる」
「「それダンセキカイの大反乱の時に聞きたかったわ」」
バカ二人の超珍しい死んだ目が印象的なある日の出来事だった。
スー
ダヤンに憧れる世紀末遊牧民族サカの民。じじ大好き。じじ憧れ。将来の夢はじじのようにエレブ大陸を征服すること。
ダヤン
ちょいちょい名前だけ出てきていたエレブ大陸を大混乱に陥れたダンセキカイ。割とネタだけは決まっていましたが、スーが召喚されていなかったので出す機会がなかった。
そんな感じで今回の伝承英雄で遠距離反撃欲しさに緑をぶん回した結果、スーが我がヴァイス・ブレイブにやってきたのでスー回(の名前を借りたダヤン回)でした。ちなみに遠距離反撃の技マシンは5人くらい来たのでイドゥンとスルトにスキル継承に使って残りはストックしてあります。我らが女神・パオラ様に継承させようかと思ったけど、全知全能の神たるパオラ様には遠距離反撃なんてチンケなスキルなぞ不要という結論に至りました。
深い意味はないですけど、スーがきたことによって我がヴァイス・ブレイブのロイの嫁候補の星5レベル40がリリーナとセシリアとソフィーヤとスーの四人になったんですよね。いえ、深い意味はありませんよ? ロイくんがみんなから言い寄られてホクホク顔のエリウッドとウルスラさん。困るロイを見て愉悦する召喚士。娘をやらないとばかりにロイに襲いかかるヘクトルを書きたくなりましたけど、それだけですから。