召喚士と英雄の日常   作:(TADA)

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鬼畜クソ軍師!(挨拶)



今回はなんてことはない日常回です。


ヴァイス・ブレイブの日常〜エクラ(クリス)編〜

エクラ(クリス)ちゃんはヴァイス・ブレイブ内を歩く。普段は召喚したくないから自室に閉じこもっていたり、元いた世界で剣士をやっていたことを修羅三人組に知られてから、修羅道場で生死の境を彷徨うことが日常のエクラ(クリス)ちゃんだが、今日は完全にOFFの日であった。

それというのも先日、例によってガチレズメンヘラ女の召喚に恐怖して部屋に籠城していたところ、部屋が爆破されたことによって強制的に召喚室に連行されたのだ。

仕方なしに起動する召喚石版。浮かび上がったオーブが赤一色だったことにダイスロールをファンブルして発狂したが、即座に鎮静剤を打たれて正気に戻された。

そして赤のオーブを叩き込むと石版から煙が立ち上がり、マルス様の新装備(伝承装備)を召喚することに成功したのだ。これにエクラ(クリス)ちゃんは歓喜した。10回死んだら20回生き返ってマルスに忠誠を尽くすことを決めているエクラ(クリス)ちゃんだ。マルスが強くなるなら悪魔(召喚士)にも魂を売ることはやぶさかではない。

だから召喚士に乗せられた結果、もう一つオーブを叩き込み、今度はシーダ様が召喚された。

この時点でエクラ(クリス)ちゃん……あぁ、もう面倒だから今後はクリスね。

クリスはマルスとシーダの二人の尊さに昇天した。

そのために召喚士が呟いた「なるほど。クリスは縁召喚しかできないか。そうなると暗黒竜とかの専門担当だな。カタリナが来る時が楽しみだ」という呟きを聞き逃してしまった。

召喚された英雄は召喚した相手に好意を抱くということだが、クリスが召喚したのはマルス、シーダ、ロディのために最初から好感度がカンストしている相手のために実験結果が出なかったことを悔しがったのは研究者・カナスだけであった。

クリスはふと訓練場に目をやると、中央にイドゥンが腕を組みながら立っており、ユンヌが不敵な笑みを浮かべながらJust bring it!(かかってこい!)をしている。

訓練されたヴァイス・ブレイブの英雄や兵士達は巻き込まれないようにダッシュで逃げている。

そして始まる怪獣大決戦。イドゥンの右拳がうねりをあげて衝撃波をユンヌに飛ばすと、ユンヌは不敵な笑みを崩さずに素晴らしき指パッチンでその衝撃波を真っ二つにする。イドゥンは通じるとは思っていなかったのか、光速で距離を詰めると怒涛の拳のラッシュ!! しかし、ユンヌはそれすらも左腕だけで華麗に捌ききる。そしてイドゥンが距離を離すと幼女が出してはいけない声を出して拳を打ち出す。凄まじい轟音と衝撃波がイドゥンを襲うが、イドゥンはこれを鉄壁のガードで防ぐ。

ちなみに流れ弾でイドゥンの背後にあるヴァイス・ブレイブの堅牢な壁(バフマシマシブレード×1000でも崩れない一品)が消し飛んだが些細なことだ。きっと修繕費はルフ男の政治的圧力とルフ子の交渉術によってアスク王国の国庫から引きずり出されるのだろう。

これ以上見ていたら自分の常識も粉微塵にされるので訓練場から響き渡る轟音と警報を無視しながらクリスはその場から歩き去る。

 「……あぁ、そういえば召喚士が闇落ちチキのガチャが来るって言ってたなぁ」

怪獣対策班が訓練場に走って行くのを横目にクリスは呟く。

闇落ちチキが来るってことはバヌトゥも一緒に来るのだろうか。というか来なきゃおかしい。

そんなことを考えながらクリスは大広間の扉を開く。

そして鼻から忠誠心が飛び出した。

焦った様子で駆け寄ってくるのは花婿衣装を着たマルス。

 「クリス!! 大丈夫かい!?」

 「だ、大丈夫です、マルス様。ちょっと私の忠誠心が溢れ出ただけですので」

 「いや、致死量の鼻血だが」

忠誠心を鼻血などという愚かな言い方をしたロディにはジャーマンスープレックスをかけて黙らせる。

 「それでマルス様。その格好はどうしたんですか?」

 「あぁ、これかい。なんでもルフ子さんが女性向けの兵士募集の絵が欲しいから僕にこの格好をして欲しいって」

なるほど。三軍師の仕業だったか。自分達の仕事にマルス様を巻き込むとか万死に値するので今度あったら「ありがとうございました!!」とガツンと言ってやらねばなるまい。

 「そうなると男性向けには花嫁姿のシーダ様ですか。マルス様とお並びになったらさぞ映えるでありましょうな」

クリスの言葉にマルスは苦笑する。

 「残念ながら違うよ。なんでも男性向けは水着姿のカミラさんやチキさんとかリンダとかターナさんの絵を使うって言ってたかな」

クリスは激怒した。クリスに広告のことはわからぬ。だが、花婿姿のマルス様の隣に花嫁姿のシーダがいないことは絶対に許せなかった。

 「おぉ、揃ってるなぁ」

呑気な声をあげて入ってきた召喚士にダッシュで近づき胸ぐらを掴むクリス。

 「おう、どうしたクリス。目が闇落ちキャラみたいになってるぞ」

 「闇落ちもするでしょう。何故マルス様の花婿姿があってシーダ様の花嫁姿がないんですか!? 場合によってはダイナマイトを腹に抱えて任○堂に突貫しますよ」

 「あぁ、それなら簡単だ」

召喚士はそこまで言って神妙な顔つきになった。

 「爆死した」

 「ファッキンガチャ!!」

召喚士の言葉に力強く項垂れて力強く床を叩くクリス。やはりガチャは悪い文明だ。外国のように規制すべきである。

 「さて、それじゃあ最近は兵士の集まりが悪いからうちの英雄のイケメンと綺麗どころを使って兵士を集めるためのポスター作りを始めるぞ」

 「あれ? 召喚士。女性陣はどこに行ったんだい?」

 「別のところで撮影してる。残念ながら我がヴァイス・ブレイブには残念なイケメンはいっぱいいても、正統派なイケメンがマルスくらいしかいないからなぁ」

 「ロイくんも十分かっこいいと思うけど?」

 「ロイが絡むと親バカ二匹がうるさくなるんでな。却下された。その点マルスは安心だな。本人も良識派で面倒な家臣もエクラぐらいしかいないからな」

召喚士の言葉にゆっくりと立ち上がるクリス。

 「待ちなさい召喚士。マルス様を客寄せパンダのように使うなんて許さないわよ」

 「マルスの写真1枚3聖貨だ」

 「25ダースもらおう。さぁ、マルス様!! マルス様のお姿をこのクリスが華麗に撮らせていただきます!!」

 「うん、よろしく頼むよ」

クリスの言葉にマルスは優しく微笑むのであった。

 




エクラ
の姿をしたクリス。マルス親衛隊隊長。マルス×シーダが絶対正義。しかし忠誠心は鼻から出る。
ツイッターのお題でもらった「召喚された英雄は召喚されたクリスちゃんに好意を持つのか」という質問は、彼女が自分の世界の英雄しか呼べないということで万事解決!! なにせ原作では一緒に出撃していたら絆なんかすぐにMAXですから!!

ユンヌ
イドゥン以上の力量を持つ神様。ぅわ、ょうじょつよい。その強さは単独で世界を滅ぼすことも可能。「私はユンヌ」とか言いながら相手にブレンバスターを食らわせたりするスーパー幼女。イドゥンと手合わせはユンヌ曰く『軽い準備運動』とのこと。

ガチレズメンヘラ女
召喚のためにアップを始めたようです。




そんな感じでなんてことはない(我がヴァイス・ブレイブにおいての)日常回。本来なら燃やされているヘクトルも入れるつもりでしたが。入れる場所がなくて断念。命拾いしたな脳筋。

ユンヌに関してはFEHで弱かったので、この作品ではイドゥンも凌駕するスーパーバグになっていただきました。この作品のインフレが加速する。

そういえば明日から闇落ちガチャですけど、皆さんは誰か狙うんですかね。作者はカムイが出たらいいなぁ、の精神で引きます。それ以上に闇落ちチキが出たってことはバヌトゥの実装も近いってことだよな。それに伴ってナギ様の実装も近いって認識しておきますね。

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