今回は闇落ちカム子のお話。いつもより文章短いです
「私、闇落ちしちゃいました!!」
「「「……は?」」」
俺の部屋に入ってきて早々に、どう考えても闇落ちしていないような純粋に元気よく言ってくるカム子。あまりの発言に俺とバカ二人からも呆気にとられた声が出る。
「あ〜、すまんカム子。どういう意味だ?」
「はい!! 私、闇落ちしちゃいました!!」
俺の言葉に元気よく答えるカム子。その反応はどう考えても闇落ちしている雰囲気ではない。
我がヴァイス・ブレイブにも闇落ちしている英雄はいるが、そいつらは普通の英雄と違って別人として召喚されている。確かに今は闇落ちガチャが来ていて、無色のオーブで何故かノーマルカムイが出てきてクエスチョンマークが出てきたが……
「あ〜、詳しく説明してもらっていいか?」
「はい!!」
俺の言葉に元気よく返事をしてくるカム子。
「私がいつも通りにジョーカーさんとフェリシアさんとフローラさんと一緒に修練の塔に行ったら、何故か私の体の中から『I need more power!(もっと力を!)』って声が聞こえてきて」
「あれ? いつの間にかカム子ちゃんが悪魔狩りの人になってるよ?」
「悪魔狩りですか?」
「「「気にしないでいい」」」
思わず突っ込んだエリウッドの言葉に不思議そうに首を傾げてきたカム子に、俺たち三人は気にしないように言うと、カム子は不思議そうに首を傾げていたが、言葉を続ける。
「最初はその言葉を無視して戦っていたんですけど、あまりに五月蠅くて、ついその声に流されて竜に変身したら、いつもと違うブレスになりました。具体的に言うとなんか禍々しい感じのブレスです!!」
「フローラ」
「映像はこちらに」
俺の言葉にいつの間にか控えていた最強メイドはパント印の映像録画魔道具を差し出してくる。
俺はそれに魔力を繋げてカム子の戦闘映像を映し出す。
「うん、どう見ても暴乱のブレスだな」
「まさかの闇落ちカム子ちゃんだったんだね……」
「普通と闇落ちが分けられていないってどう言うことだよ……」
一緒になって映像を覗き込んでいたエリウッドとヘクトルも呆れるように続ける。
「なるほどな。道理でレベル1に戻っているはずだ。見た目がノーマルと変わらなかったから分からなかったが、新装備だったからまたレベル1に戻ったわけだ」
「でも、他の闇落ち英雄は別存在として召喚されるじゃないか。セリカちゃんとか」
「これは仮設になるが、おそらくはカム子の『純粋パワー』が強すぎて闇落ちするべきなのに闇落ちしきれず、結果的にノーマルカム子に新装備が付与される形で召喚されたのではないかと思う」
「……悪い、俺の頭じゃ理解が追いつかねぇ」
ヘクトルが項垂れているが、言っている俺も理解できていない
「とりあえずレベルが33まで戻っているけど……攻撃50に速さ32て……」
夢カム子の時も思ったけど、随分とカム子のステータスが良い気がする。ノーマルはなんだったのか。
「しかし……闇落ちって言っても、闇落ちらしさが一切ねぇな」
ヘクトルがマジマジとカム子を見ながら呟く。確かに見た目はいつも通りの純粋枠のカム子だ。
しかし、ヘクトルの言葉にカム子はどこかムッとした表情になる。
「私だって闇落ちしたんですから、悪いことくらいできます!!」
自信満々に言い放つカム子。
だが、俺は知っている。きっとカム子から出てくる悪事はドーマと同レベルだ。
「それじゃあカム子。お前が考える悪事ってなんだ?」
俺の言葉に胸を張るカム子。
「夜10時まで起きてます!!」
「おい、やばいぞ。中身小学生がいる」
「これは凄まじいくらいの純粋さだね」
ヘクトルとエリウッドが軽く戦慄している。その気持ちは俺もわかる。俺も聞いていて驚いた。
「あ、でもカンナはキチンと8時に寝かせますよ!! カンナは良い子に育って欲しいですから」
「闇落ちとはなんだったのか」
カム子の言葉に思わず俺は突っ込んでしまうのだった。
カム子
闇落ちしたけど純粋さが全く消えなかったために別キャラとして召喚されなかった闇落ちカム子。意味がわからない? 大丈夫、作者もちょっと理解が追いついていない。
中身もノーマルの時とほとんど変わらないが、時折「I need more power」と呟くくらい。
I need more power
作者はDMCをやったことがないので深く突っ込まないでください。
そんな感じで闇落ちカム子編でした。え? 闇落ちしてない? 純粋良い子ちゃんのカム子ちゃんが闇落ちするわけないじゃないですか。
次の超英雄ガチャは花嫁ですかねぇ。いい加減花嫁ウルスラさんが来てもいいのよ、運営さん。