連戦とクリアしてなかったストーリーをクリアしてオーブをかき集めた結果、神使親衛隊隊長が来たので彼女の出番です。
俺は新しく召喚したシグルーンと一緒に彼女の主君であるサナキの部屋へと向かっている。
「サナキも『シグルーンが来たらわたしの成長を見せるのじゃ』と言って張り切って勉強していたぞ」
「あらあら、それは大変楽しみですね」
サナキの言葉を告げるととても嬉しそうに微笑むシグルーン。しかし、サナキの教育機関がロリマムクート達によるガチスキル構成講座だったと知ったら彼女はどんな表情を見せるのだろうか。
まぁ、怒られるのは俺じゃないからいいか。
「それじゃあ、サナキの部屋はこの部屋だ。もうニニアン保育園の時間も終わっているから多分部屋にいるだろう」
扉の前で俺がシグルーンに声をかけると、シグルーンは身嗜みを整えてから頷いてくる。
「サナキ、いるか?」
『うむ? その声は召喚士かの? わたしならばおるぞ。入室しても構わぬ』
サナキの言葉に俺は扉を開ける。中では美味しそうにお菓子を頬張るのじゃロリ皇帝。不思議そうに俺の方を見ていたサナキであったが、シグルーンの存在を見つけると、顔がパーっと嬉しそうになる。
そしてお菓子を机に置くとシグルーンに抱きついた。
「シグルーン!!」
「はい、お久しぶりです。サナキ様」
慈愛の微笑みでサナキを抱きとめるシグルーン。
「シグルーンもここに召喚されたのじゃな!!」
「はい。召喚士殿をおかげで」
「わはは!! 召喚士、よくやったのじゃ!!」
「はいはい。お褒めに預かり恐悦至極ですよ」
ロリ皇帝の言葉に適当に返す俺。だが、のじゃロリ皇帝はシグルーンの召喚がよほど嬉しかったのか、俺の反応を気にすることはない。
「シグルーン!! わたしもシグルーンが来るまでにいっぱい勉強したのじゃ!!」
「まぁ、それはご立派ですね」
「そうであろう、そうであろう!! おかげで『スキル同士の兼ね合いについて』というのは理解できるようになったのじゃ!!」
サナキの言葉にシグルーンが信じられないような目を俺に向けてくるが、それはニニアン保育園の教育方針なので俺には関係ない。
「そ、そうですか。サナキ様がご立派になられて私も誇りに思います」
「なっはは!! 皇帝として当然なのじゃ!!」
シグルーンに褒められてさらにご満悦なのじゃロリ皇帝。
そこでのじゃロリ皇帝はシグルーンの服装に気がつく。
「おぉ!! シグルーンのその服装は花嫁衣装じゃな!!」
「はい、左様でございます」
「うむうむ、優しいシグルーンにピッタリの衣装なのじゃ」
「ありがとうございます」
突然だが、子供とは純粋な生き物である。時に残酷な言葉をストレートにぶつけてします。
「ついにシグルーンにもそんな相手ができたのじゃな!!」
「コフッ」
のじゃロリ皇帝の無邪気な言葉の暴力でダメージを受ける紳使親衛隊隊長。
「うむうむ!! わたしも前々からおかしいと思っていたのじゃ!! 優しくて気立ての良いシグルーンがいつまでも独身である事に!!」
「カッフッ」
さらに無邪気な追撃を加えるのじゃロリ皇帝。シグルーンがダメージを受けている事に気づいている様子はない。
「それで? シグルーンの相手は誰じゃ? わたしもベグニオン皇帝としてその者に会わねばならぬからな!!」
サナキの言葉に追い詰められるシグルーン。だってそうだろう。結婚相手なんていないのだから。
サナキから見えない位置で冷や汗を流すシグルーン。すると追い詰められたシグルーンはとんでもないことを言い始めた。
「わ、私の相手は召喚士殿です」
「「なんじゃと!?/なんだと!?」」
「って……うん? 何故、召喚士も一緒になって驚いておるのじゃ?」
サナキの言葉に俺の耳に口を寄せるシグルーン。
「話を合わせてください。私にはサナキ様のこの嬉しそうな表情を崩すことはできません」
いい匂いに腕にくっつく巨乳で幸せな気分になってしまった俺は無自覚のうちに頷いていた。
おのれおっぱい!!
「しかし、う〜む。召喚士か……まぁ、悪い奴ではあるが、悪人ではないからきっと大丈夫じゃろう!!」
サナキの言葉に俺とサナキから見えない位置でガッツポーズを決めたシグルーンに俺とサナキは気づくことはできなかった。
「抜け駆けは許しませんよ」
「「!?」」
そこにぬるりと現れたのは銀色の髪の乙女であるミカヤであった。驚く俺とサナキとは対照的にシグルーンは冷静であった。冷静にミカヤと睨み合っている。
「シグルーンさん、抜け駆けはダメですよ?」
「はて? 抜け駆けとは何のことでしょうか?」
「当然、召喚士さんの結婚相手のことです」
静かに睨み合うシグルーンとミカヤ。俺、この雰囲気知ってる。リンが俺に言い寄ってくる肉食獣達を相手にした時の雰囲気だ。突然の親衛隊長と姉の豹変にサナキは涙目になって俺のローブに隠れている。
「そんな脂肪の塊を使って色仕掛けとか恥ずかしくないんですか?」
「はて? 自分の武器を使うことに恥じることなどありませんが……ミカヤは、あぁ、そうですね。使うほど大きくありませんか」
シグルーンの言葉に青筋を浮かべるミカヤ。
「し、召喚士、召喚士!! シグルーンとミカヤはどうしたのじゃ!! 突然怖くなったのじゃ!!」
「お互いに譲れない物があるんだろう」
それが俺ということが男として喜べばいいのか、それとも相手がいるにも関わらず言い寄られている事に悲しめばいいのか。
「話は聞かせてもらった!!」
「お前は来るんじゃない……パント!!」
このタイミングでどう考えても最悪の人選であるパントが現れた。この場はさらに(俺にとって)ひどくなる。
「召喚士をかけた女性達の引けない戦い……!! その戦い、この天才魔道軍将パントが預かる!!」
「頼むから帰ってくれ」
俺の言葉を無視するように窓から部屋に侵入してくるパント。おかしい、ここは5階のはずなのに。
「具体的にはどうするんですか、パントさん」
ミカヤの言葉に不敵な笑みを浮かべるパント。
「ここはサカの民形式に則って力づくさ!! 名付けて『愛しいあの人は力づくで奪え!! チキチキ!! 召喚士争奪戦!!』を開催するよ!!」
そんな最悪すぎる宣言がパントによってされるのであった。
ちなみに後日行われた俺の争奪戦は大侵攻してきた死の王国軍によって有耶無耶になった。よくやったヘル。貴様に殺す時にかける拷問を1日から23時間に減らしてやろう。
シグルーン
花嫁衣装でやってきた神使親衛隊隊長。花嫁姿だが、相手はいない。仕事ができすぎる、美人すぎる、優しすぎると完璧すぎて男から敬遠されて婚期を逃しつつあり焦っている。今回の召喚で召喚士に召喚されたのをいい事に召喚士と結婚しようと画策する。
タッチした時に出る『あなた』発言に作者はやられました。こんな美人で巨乳なお嫁さんが欲しかった……
サナキ
のじゃロリ皇帝。最近になってようやくロリマムクート達の会話の1割を理解できるようになってきた。
ミカヤ
銀色の髪の乙女。話の都合上召喚士LOVE製になってしまった……そして登場の仕方がヤンデレチック。ファンの方には申し訳ない。
パント
笑顔で火に油をそそぐ最悪すぎる存在。
そんな感じでシグルーン隊長話でした。花嫁姿でギリギリ20代設定とか婚期を焦るキャラにしろってことですよね!! 作者はそんなシグルーン隊長も大好きです!!
ツイッターの方でいただいた『ミカヤとサナキの会話』も回収するつもりが失敗。ミカヤが召喚士LOVE製になった事によってミカヤの取り合いをするユンヌとサザのイベントも消滅しました。申し訳ありません。
さて、アンケートの方で『このシーダ様ってどんなキャラなん?(超意訳)』をいただきました。そういえばシーダを出してなかったなぁ、と思いますので、突発的なネタが浮かばなければ次回はシーダ回の予定です。