デジモンクロスウォーズ 叛逆のラグナロク   作:ちんみぃ

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また失敗だ。

この組み合わせもダメなのか

一体どれがただしい回答なのだろう?


とある男の日記より


第4話 英雄

大輝達が駆けつけた頃には、既に現場は混乱の最中だった。

攻撃を仕掛けているのは、メラモンなど火を扱うもの達が多い

草木は燃え、焦げ臭い嫌な臭いが辺りに漂っている。

多くのデジモン達がけがを負っていた。

だが、この里の者達はヤワではない。

たとえ対抗することが困難でも、仲間を見捨てることだけはしない。

力を合わせて動けない者達を支え彼らは必死に生きようとしていた。

 

 

「 かなり被害が出ているな... よし、先ずは俺たちも里のみんなの避難を優先させよう」

 

状況を冷静に判断し、タイキが的確な指示を下す。すぐさまシャウトモンとユウが怪我をして動けないでいる者や、親と離れてしまい1人でうずくまっている小さな子を安全な場所まで避難させるために動き出した。

このような事態を幾度も経験してきたぶん、随分と手際がよくことが進んでいく。

それに続こうとタギルと大輝も動こうとするが、それをタイキが制した。

 

「 タギル、タイラ、2人は敵を食い止めて来てくれ!これ以上被害を拡大させるわけにはいかない。避難が済んだら俺たちもすぐに向かう!敵についてはタイラが詳しいようだから、タギルとガムドラモンの手助けをして欲しい」

 

タイキの指示にコクリと大輝は頷いた。

タギルの方も一息だけ鼻息を吹き出すと、気合十分に答える。

 

「 わっかりました!任せてください!頼むぜ、タイラ!!」

 

「 了解した。アリスモンもタイキ達の手伝いを頼む」

 

 

「 わかったよ!でもあんまり無茶しないでね!タギルくん!ガムドラモン!大輝をよろしく!」

 

「 おうっ!俺っち達に任せとけ!」

 

 

迫りつつある敵を止めるべく、タギルと大輝達は真っ直ぐに森の中を突き抜けた。

 

 

 

第4話 英雄

 

 

 

 

敵の親元へ向かう道中でも、手下と思しきデジモン達が次々と攻撃を仕掛けてくる。

ガムドラモンと大輝がどうにか打ちはらいながら進んではいるが、これではなかなか追いつけそうもなかった。

 

「 くそっ!キリがないぜ!!タギル!俺っち以外の奴らもリロードしないとまずいぜ!」

 

 

「 ...だな!このままじゃ里が壊滅しちまう!よっしゃ!じゃあ早速、リロードを」

 

 

その時、ピタリと大輝とガムドラモンの動きが止まった。

突然様子の変わった2人に感化されてか、タギルも思わず停止してしまう。

2人は同じ方向を睨みつけていた。

 

「 ...どうやら向こうから出向いてきたらしいな。探す手間が省けた」

 

 

森の奥のさらに奥。

そこから徐々に何かが近づいて来る気配をその場にいる全員が感じ取った。

それはあまりに禍々しいもので、ガムドラモンは毛が逆立ち、タギルも背筋がぞわぞわとしてくる。

まだ姿を見せてもいないのにこれほど邪悪な雰囲気を感じるとれるとは、ただものではないことは明らかだ。

 

やがて現れたのはおぞましいデジモンだった。

大きな翼と鋭い角、無骨な腕は左だけ少し長い。

まるで悪魔といっても差し支えない姿をしたそのデジモンは、どこか恨みがましい目でギロリと大輝たちを凝視してきた。

 

「 こいつは、デーモン!?なんだってこんなやつが出てくるんだ!?」

 

予想の範疇を超えた存在の登場に、ガムドラモンは大きな目をさらに見開いた。

デーモンはいわゆる七大魔王の一種だ。

まずそこいらでお目にかかることなど滅多にない。

 

「 こいつ、そんなつぇーのか!?」

 

「 前の最終決戦の時に来てたベルゼブモンと同格のデジモンだ。厄介な相手であることは確かだぜ」

 

 

「 ....なるほど、何かと思えば間抜けな英雄様方と見える」

 

 

デーモンはタギルとガムドラモンを視界に入れるとそう小さく呟いた。

内容はともかく、その声色は小馬鹿にしたようなものではなかった。

むしろ、心の底から憎らしくて仕方がないとでもいうようである。

あまりの冷たさにタギルの頬から汗が一筋流れた。

 

 

「 大輝、お前そいつらと手を組んだくらいで我々に勝てるとでも思ったのか?」

 

 

次にデーモンは大輝へと対象を移す。

その目はタギル達に向けるものとは違い、どこか憐れむようなものであった。

 

「 手を組んだ訳じゃない。ただ彼らにとっても俺にとってもお前達にここを襲われるのは本意じゃなかった。それだけだ。」

 

 

「 ....まあお前の言い分など、どうでもいい。俺はこの里を消し去る。そのためだけに来たのだから。」

 

 

デーモンの言葉に大輝達は一層警戒を強くする。

 

 

「 お前達は何が目的だ?こんなことして何がしたいんだよ!?」

 

 

 

「 我らの目的、だと?そんなものは決まっているよ。

 

 

 

世界の終末だ」

 

 

「 せかいの、しゅうまつ!?」

 

 

「 そう、全ての世界を無に還すのだ。それこそが我らの目的であり、我らにできる神への復讐なのだ」

 

 

あまりにも突飛な内容にタギルとガムドラモンは動揺を隠せなかった。

デーモンの瞳は憎しみの炎に燃え上がり、より一層恐ろしいものとなっている。

大輝だけが冷静にその様を眺めていた。

 

 

「 お前ら、なんのためにそんなことする必要があるんだよ!世界がなくなっちまったら、俺っち達もお前らもみんな消えちまうんだぞ!」

 

 

「 そうだ、それでいい。こんな世界など、この世界に存在する全て消えてしまえ。

この世界が存在するということが我らには不快で仕方がないのだよ」

 

そう語るデーモンの声色は、それが愉快でたまらないとでもいうようである。

まるで話にならなかった。

相手はどうにも会話が通じていないように思える。

ただ憎しみに突き動かされている、それだけのために生きているとでもいうように。

 

 

ところがそれまで上機嫌に語っていたデーモンだったが、突如大輝の目の前へと飛び移った。

その顔は先ほどと同様、ただ憎しみだけを讃えている。

 

「 それなのに、大輝、お前なぜ世界を守ろうとする?わかっただろ?この世界には救う価値など一片たりともないのだと!」

 

「 ...... 」

 

 

興奮気味なのか、デーモンは声を荒げ、肩を上下に動かしていた。

大輝は何も答えない。

ただ真っ直ぐにデーモンを見返している。

 

「 ...タイラ?」

 

タギルは何かこの状況に違和感を感じていた。

正確には繰り広げられる会話に。

それは、なんだか気がついてはいけないような気がしたが、目を背けることは叶わないだろうと薄々感じてもいた。

 

暫く視線での交戦が続いた。

だがやがておもむろに大輝は口を開く。

 

「 ...確かに、この世界に絶望しなかったといえば嘘になる。だが、俺はこの世界が無くなるべきだとは思わない。そんなことをしても、後で虚しくなるだけだ。」

 

「 ...おい、タイラ、お前こいつらと知り合いなのか?」

 

 

デーモンと大輝の会話にどこか近い距離を感じたガムドラモンがそう問うた。

一瞬辺りが静寂に包まれる。

サワサワと森の木々の揺れと、パチパチと炎が燃える音が嫌に煩く感じられた。

 

 

「 なんだ、お前言っていないのか?」

 

 

「 ...話すつもりではいた。途中でお前達が来てしまったから中途半端になってしまっただけだ。」

 

 

そういうと大輝はデーモンに背を向け、タギルとガムドラモンの方を振り返る。

ぐっと手にする剣に力が入ったのをタギルは見逃さなかった。

 

 

 

 

「 さっき、英雄たちは自らの相棒デジモンと融合した、と言ったな。

その時にエラーが生じ、融合したデジモンたちの力の源は悪意となった。

そして7つの罪を背負った、魔王デジモンたちへと彼らは変化してしまった。

 

 

 

 

 

つまり、ここにいるデーモン、そしてワイルドハンター達。

彼らは、元々は別の世界を救うはずだった英雄、その成れの果てなんだ....」

 

 

 

 

 

 

 

 

ワイルドハント。

死を司る精霊を従えた伝説上の英雄(・・)などの霊を先頭とした狩猟集団。

 

 

彼らは災いを呼び起こす

 

 

 

 




戦闘なんてものはなかったんですよ、ええ。
次からは戦います


さて、本編の通りここからは七大魔王が出て来ますが、彼らはある意味では正当な魔王ではないのです。
なのでみなさまが知る彼らとは行動や口調が違う点もあるかと思います。
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