アクセルワールド BLACK   作:リューイ

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第二話 後悔を糧に誕生!! 仮面ライダーBLACKRX

 俺が転生してから数年たち、俺は6歳になり日々何事もなく元気に転生後の生活を楽しんでいた。

 

 この世界は俺が生きていた世界より少しだけ未来の世界の様で俺の知らないものがたくさんあった。 その一つが量子通信端末ニューロリンカーだ。

 

 突然だか転生した俺には家族が3人いる。両親と2歳下の弟だ。

 

 両親は共働きで俺や弟を愛してはいるのだろうが中々育児に時間を割けない。そんなとき役立ったのがニューロリンカーだった。

 

 ニューロリンカーは端的に言えばウェアラブルコンピューターだ、俺の感覚からすると高性能のスマホに仮想現実VRや拡張現実ARの機能を足したようなもので、子供の状態の管理、通知以外にもVRやARなどで子供をあやしたりと、育児の負担を劇的に軽くした。

 

 それ故、俺や弟はあまり両親と多くの時間を過ごすことなく育っていった。 そのことは両親の育児の負担を減らしただけでなく、副次的に転生した俺の精神的負担もだいぶ減らしてくれた。

 

 俺はそんなニューロリンカーにすっかり夢中になり、次第に他の事がなおざりになっていった。

 

 

 

〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 

 

 

『30m先、横断歩道を渡り右折してください。』

 

 合成された機械音が俺の耳に届きと同時に俺の視界には半透明の道順を示す矢印が合成されていた。

 

 この世界の人にとってはARでの道案内など一般的なのだろうが俺にはそれが新鮮でいろんなところに出かけて行き、出かけた先にあるARマーカーを読み取りいろんなものを視たり聞いたりすることを楽しんでいた。

 

 今日は少し遠くにある自然公園に向かって一人で歩いていた。弟も来たがったがさすがに5歳児には遠かったので弟はうちと同じマンションに住む弟と同い年の幼なじみの男の子と女の子と一緒に家に家で遊んでいるように言い含めてきた。

 

 俺はナビの示すとおりに横断歩道を渡り右折して暫く進んでいくと目的地が近いとナビのアナウンスが聞こえた。

 

 自然公園に着くとそこでは親子連れや連れだって遊びに来たのであろう小学生などが思い思いに楽しい時間を過ごしていた。それを見て弟たちも連れてきてもよかったかもしれないなとしばし公園の入口でそんなことを考えていたがこんな所でじっとしていても周りの迷惑になるだけだなと思い至り自然公園に入っていった。

 

 自然公園の中は人に閉塞感を与えるような雑多な人工物だらけのコンクリートジャングルな街中とは打って変わって綺麗な花や植物などにあふれて人を癒している。だがそんな自然も人が意図的に保護し残し育てているのだから、どこまで本当の自然か分からないな、なんて自分でも少しひねくれた考えだなと思い居ながら、視界に映されたARの草花の説明分を読みつつ周りを眺めていた。

 

 そんな時一人の少女が視界に入った。彼女は今の俺と同じ年頃で友達を追いかけている様だった。

 

 彼女の亜麻色の長い髪が天使の羽の様に汚れ一つない真っ白なワンピースにかかる様は、まるで塩の大地に流れる川が太陽の輝きを写し取っているみたいに美しく、年甲斐もなく俺の瞳は彼女を追い続けた。

 

 彼女が友人であろう子供と楽しそうに遊ぶさまを見て、俺は先ほどまで考えていた『ここが本当の自然か人工の偽りの自然か』なんて些細なことで大切なのこと、それはここに来た人が幸福な時間を過すこともできる場所だと言う事なのだろうと思い至った。

 

 俺はそんな風に考えるきっかけをくれた少女に心の中で礼を言い、その場を後にし、また暫く自然公園を見て回る。

 

 歩き回り少し疲れた俺は公園の中ほどにいくつか設置されているベンチに腰掛けて体を休めていると公園の奥の方が何やら騒がしくなってきた。やがて公園の奥から何かに追い立てられるように逃げ出す人々が俺の目の前を次々と過ぎ去っていく。そんな人の一人を捕まえ、何が起きているのか問うと「怪人が出た!!」と言ってすぐに逃げて行った。

 

 俺はすぐにそれが俺に転生するように言った奴が言っていた悪意の結晶であることに気づき逃げようと公園の入口に向かおうとするが無駄に良い強化された聴力の所為で大勢の悲鳴が聞こえる。

 

 その悲鳴に何もしないのは罪悪感を覚えたが怪人に立ち向かうほどの勇気は俺にはない、そしてほっても置いて自分は関係ないと無関心を決め込めるほど図太い神経はしていなかった。そんな気持ちのせめぎ合いの結果、近くに行き様子を窺うことにした。

 

 物陰に隠れ怪人のもとに向かい様子を窺うとそこには片腕が鞭になっているガラガラヘビの怪人、仮面ライダー一号を苦しめた地獄大使の正体としても有名なガラガランダがいた。

 

 地獄大使だと!! いくらなんでも最初から大物すぎるだろう!!

 

 誰に聞かせるわけでもなく心の中で悪態をつきガラガランダがやってきた方を見るとたくさんの人が倒れている様だったが息のある人もいた。

 

 ガラガランダが何かを探すようにあたりを見回す、何かを見つけたのかベンチのある方へ歩いて行き、到着するとベンチをその鞭の様になっている腕でベンチを弾き飛ばす。するとそこには先ほど見かけた亜麻色の長い髪の少女が逃げ遅れたのだろう小さくうずくまっていた。

 

 ガラガランダは少女周りに鞭を振り下ろし少女が怖がるのをただ楽しんでいる様でまるで地獄大使の様な知性を感じず、悪意に促されるままに行動している様だった。

 

 少女は怯えながらもなんとか逃げようと立ち上がり走り出す。

 

 ガラガランダはそれを待っていたと言わんばかりに鞭を振り上げる。

 

 俺はもう見ていられず、思わずガラガランダへと駆け出した。

 

 少女が襲われている様はテレビやネットでみる犯罪や事故のニュースと違いとてつもなくリアルで、家族でも友人でもない、名前すら知らない少女、だけどその身に起きようとしていることがどうしても許せなかった。

 

 だけど俺は勇気を出すのが遅すぎた。

 

 「止めろぉーーー」俺は声の限り下げぶ。

 

 しかしガラガランダの鞭は俺の行動を待つわけはなく少女の足に振り下ろされる。

 

 鞭が命中した少女の両足の膝から下ははじけ飛び、少女自身も鞭の攻撃の余波でやすやすと吹き飛ばされた。

 

 甲高い悲鳴が辺りに響やがて何も聞こえなくなった

 

 少女が余の痛みに気絶したのだ。

 

 俺の所為だ。俺がもっと早く戦う決意を決めていれば!!

 

 だけど今ここで足を止めるわけにはいかなった。少女を助けるためにもこれ以上犠牲を出さない為にも。

 

 俺は走りながら己の力を解き放った。

 

 俺は光に包まれ次の瞬間には変身できていた。

 

 その姿はダークグリーンと黒い生態装甲、腰の二つの宝玉のついたベルト、サンライザー、そして何より目立つバッタの様な顔、まごうことなき仮面ライダーBLACK RXだ。

 

 目線がいきなり1m近く高くなり手足も伸びて転びそうになるが何とか踏みとどまり走り続ける。

 

 俺はガラガランダに走り寄りながら腰のベルトサンライザーに手をやる。

 

 するとベルトに光が集まりRXの必殺武器リボルケインが現れる。

 

 俺はリボルケインを一気に引き抜くと少女に気をとられているガラガランダの背中にかけよった勢いのままにリボルケインを突き立てる。

 

 ようやくこちらに気づいたのかガラガランダは反撃しようとこちらに手を伸ばす。

 

 しかしすでに俺がリボルケインから高エネルギーを注ぎ込み内部から体を破壊していたガラガランダの手は届くことはなかった。

 

 ガラガランダの体からリボルケインを引き抜き、ガラガランダの爆発に撒きこまぬように人がいない方思い切りガラガランダを投げ飛ばす。

 

 投げ飛ばしたガラガランダは地面に着く地同時に爆発して消えた。

 

 ガラガランダの消滅を確認した俺は急ぎ変身をとき少女のもとに向かう。

 

 少女のもとに行くと俺が目にしたのは先ほどとは程遠いいたいたしい姿だった。真っ白だったワンピースは血と土埃で赤黒く汚れ綺麗なストレートヘアーが今はぼさぼさになっていた。だが最も変わったのは足だ。ガラガランダの攻撃を受けたせいで両足共になくなってしまっている。

 

 絶え間なく流れ出る血に気づくとすぐに持っていたニューロリンカーやパソコンをつなぐ1m半ぐらいの長さがあるXSBゲーブルをポケットから取り出し半分に引きちぎると少女の足をきつく縛り止血した。

 

 その後は救急車を呼び到着を待った。

 

 救急車の到着前に少女は苦しそうにだが少し意識を取り戻した。

 

 まだ朦朧とする少女の手おにぎり俺は必死に呼びかけた。もう俺の所為でこれ以上死んでほしくはなかったから。

 

 「もうすぐ救急車が来るから頑張ってくれ、頼む、死なないでくれ」

 

 少女や他の人たちへの申し訳なさや自分のふがいなさに押しつぶされそうで、これ以上背負いきれないと感じた俺はひたすら願った。

 

 「生きてくれ、俺の為にも生きてくれ、お願いだ。」

 

 俺はひどいことを言っている、その自覚はあった。痛みに苦しんでいる少女に死んだら己の心の重荷になるから生きてほしいなんて本当にクズもいいところだ。だけど本当にもう如何しようもなくてそう言うしかなかった。

 

 少女の手を握り助かるように願っていると少女のかすれて途切れがちな小さな声が聞こえた。

 

 「な……まえ、  お……し……えて」

 

 なぜ少女が名前を聞きたがったのか、さっぱりわからなかった。だけど俺は少女が望むのならと何度も名乗る。

 

 「俺の名前はしゅうそう、有田秋霜だ、秋に霜と書いてしゅうそう、それが俺の名前だよ。」

 

 少女は俺の名前を聞くと少し微笑んだ気がした。しかしそれは俺が見た幻だったのか少女はすぐにまた気を失ってしまう。

 

 それから間もなくして救急隊が駆け付け少女や他のけが人を搬送していった。

 

 

 

 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇

 

 

 

 ガラガランダが現れた日亜麻色の髪の少女を救急隊に預け見送った後、俺は警察が公園を封鎖する前に抜け出し家に帰った。

 

 家では弟の春雪たちが俺の事を心配してくれたがそれどころではなく、すぐに部屋に閉じこもり眠りについてしまった。

 

 翌日俺は昨日の怪人事件を心配し母に家にいる様に言われたにもかかわらず出かけた。昨日の少女が搬送されたはずの病院に行くためだ。

 

 病院に着くとまず真っ先に昨日の少女の事を調べた。

 

 個人情報なので細かいことまでは分からなかったが昨日の少女は、一命はとりとめたので早々に義肢専門の医療科のある病院に映されたそうだ。

 

 冷たい対応の様にも感じるがそれも仕方がないのかもしれない、病院のスタッフは今もあわただしく働いている。恐らく昨日のガラガランダの犠牲になった人たちの中にいまだ生死の境をさまよっている人たちが相当数おられるのだろう。病院のスタッフだけでなく待合室にいる人たちからも張り詰めた空気を感じる。

 

 俺はその空気がまるで俺を責めているように感じた。まるでお前がもたもたしていたから多くの人が傷つき命を落としただと言われている様でいたたまれなくなり病院を出た。

 

 病院を出て俺は当てもなく歩いていた。何も考えたくないのに頭の中では昨日の光景ばかりがリプレイされ続けている。

 

 人間いいことより悪い事の方が頭に残るのかもしれないな。

 

 だからこれ以上後悔しない為にも俺は戦おう。

 

 この世界の悪意と。

 

 そう俺が決意した瞬間ニューロリンカーからニュースの通知が来た。

 

 俺はARで表示されている仮想デスクトップを操作しニュースを開いた。

 

 「マジかよ。」

 

 思わずそんな言葉が出るようなニュースだった。 それは昨日に引き続き今日も怪人が出現して暴れていると言う物でる。

 

 「クソッ! せっかく戦うって決めたばかりなのに遠すぎる。」

 

 その場所は、公共交通機関しか移動の手段がない今の俺には遠すぎた。とても間に合わない。また大きな被害を出してしまう。

 

 俺は一瞬また間に合わないのかと途方に暮れたが何もしなければ昨日以上の被害が出てしまうと思い直し、とりあえず駅に向かい走り出した。

 

 そんな時、後ろから転生してからめっきり聞かなくなったエグゾーストノートの音が追いかけてきた。

 

 振り向くとそこにはアクロバッターが自立走行してきていた。

 

 俺に追いつくとアクロバッターは停車し「ノッテ、ライダー」と機械の合成音の様な声で俺に自分にのるように言った。

 

 「俺が乗っていいのか?」

 

 それはアクロバッターへの問いかけと言うよりは自分への問いかけだった。アクロバッターは仮面ライダーBLACKRXのパートナーだ、はたして俺に乗る資格があるのか分からなかった。

 

 迷う俺にアクロバッターはまた「ノッテ、ライダー」と言う。 

 

 俺は仮面ライダーBLACKRXに変身してアクロバッターに乗った。

 

 俺にアクロバッターに乗る資格があるのかは分からない、だけどここで迷って時間を無駄にすれば俺はアクロバッターに乗る資格を、仮面ライダーになる資格を失うと思った。

 

 だから俺はアクロバッターで怪人のもとへ急いだ。

 

 仮面ライダーとなるために。

 

 

 

 

 

 こうして俺は仮面ライダーBLACKRXとなった。

 




 読んでいただいてありがとうございました。

  
 頑張って書くので感想&批判、何卒よろしくお願いいたします。
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