ハイスクールD×D Re:Joker of despair 作:カルパン
「ふふ、良かったのですか?反則行為をしてしまって」
「あの坊やのことかしら?しぶとく生き残っているようだけど別に取るに足らない存在よ。私の足元にも及ばない人間如きがライザー様に敵うわけがないもの」
ユーベルーナは勝利を確信していた。唯一の懸念であった皇 帝を己の手で討ち取ったと信じ切っていたこと、目の前のグレモリー眷属最強の駒である朱乃が満身創痍であること
「あらあら、爆弾女王さんはご存知ないのでしょうか?何故彼が制限付でこのゲームへの参加を許可されたのか」
「何を言ってーー」
ユーベルーナが言葉を発し切る前に細い何かが足を捉え、その身を引き摺り回した
彼女は慢心していた。それ故に気付けなかったのだ
「何故って……彼がこの場において最強だから……ですわ♪」
「ぐっ!!がぁ……!?」
楽し気にその光景を眺める朱乃とは裏腹にユーベルーナは遠心力による負荷を全身に浴びながら木々を薙ぎ倒していった
何度も体を打ちつけられて意識が朦朧とし、意識を失うその寸前に銀色の何かが視界の端に見え……
「はい1人目……いや、ここはテメェらに合わせてこう言ってやるよ」
その言葉の軽さとは真逆の、吐き気を催す程に殺気の籠った一撃を腹部に浴び、彼女は胴体を2つに裂かれた己の姿を幻視した
「
〔ライザー・フェニックス様の女王、リタイア〕
「帝くん、相変わらずのご活躍お疲れ様でした。思わず惚れ惚れしましたわ」
「……朱乃か、そっちもお疲れ……随分と服がズタボロになってるけど大丈夫か?」
納刀状態の剣を持った腕を所在無さげにぶらりと垂らし、鋭い視線を和らげた帝は労いの言葉をかけに来た朱乃に視線を移すと一瞬にして彼女の顔……正確にはその後ろの光景に焦点を固定した
一瞬の冷たい視線に朱乃はゾクリとえも言われぬ快感が背筋を駆けたのは誰も知らない
「うふふ、お気遣いありがとうございます。爆破の衝撃で衣服が弾けただけで問題はございませんわ。ただ……そんなに近くに寄られると……少し、気分が昂ってしまいます……♡」
「おい待てこんなとこで発情するなアホ!てか近寄ろうとかしとらへんわ!」
この男、嘘を吐いている。心配のためとは言え思いっきり近付こうとしていた
「ふふ、じゃあ私から近付いちゃおうかしら」
そう来たかと帝は頭を抱えた
「……とりあえずこれ貸したるからさっさとどっかの角行って着替えてこい」
素が混じりながらブレザーを差し出し、朱乃が立ち去ったのを見届けた帝は戦況を把握しようと魔力感知に意識を割いた
校庭側には一誠、裕斗、子猫が残りのフェニックス眷属全員に取り囲まれていた。残るリアスとアーシア、美優の3人はというと新校舎に向けて移動していた
なるほどね、という呟きと共に校庭へと足を運んだ……後に後悔した
「……ナニコレ……」
右を見れば裸
左を見れば全て素肌
中央を見て衣服を纏わず
「むほほ〜!やっぱこれだよなぁ!慎ましやかかつプリティーなおっぱい!バランスを保ちつつそれでいて完璧なおっぱい!そして呼吸の度に弾む豊かなおっぱい!」
あやしいひかりを喰らったように混乱して頭を抱える帝にフォローする裕斗、呆れと軽蔑を込めた視線を元凶に送る子猫とその視線を一身に受けながらも女性の裸体に籠る神秘を眼前に喜びのあまりに舞う一誠。仕舞いには脳内フィルターに保存とまでのたまう始末
「イッセー!とりあえずどういうことか説明しなさい!じゃないとお兄ちゃんの説明責任強制パンチが飛ぶぞ!」
「「「説明責任強制パンチ!?」」」
よく見れば帝の目はぐるぐると回っていた
そして一誠本人、そして裕斗と子猫の証言も合わせて説明を受けること数分
「……とりあえず状況の原因はわかった……デモナンデソウナルノ……」
もう一度帝は頭を抱えた。彼の思考は弟の狂気に届かなかった
「どうしてだよ!俺の兄貴だってんならこの素晴らしさが分かるはずだ!」
「確かに価値はある……それは認めるよ……」
裕斗と子猫は静かに死んだ目で天を仰いだ
「でもそりゃあくまで戦略的価値だ!人として致命的なもんが欠けすぎだバカタレ!」
一誠の頭に拳骨を落とすその姿に裕斗と子猫はやはり頼りになる先輩だと安堵した
「とりあえずどうしましょう……」
「全員落とすしかねぇよな」
「せ、せめてもう少しこの光景を目に「えい」ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
帝と子猫は静かにサムズアップし、一誠は目を押さえて地面に転げ回っていた。裕斗は乾いた笑いが溢れた
「隙ありぃぃぃ!!!!」
その声とともに子猫と裕斗は振り返った。危ない!と駆け寄ろうとしたが……
「え、何……」
街中でポケットティッシュを配られたみたいなノリで女騎士を組み伏せていた。その上器用に腕の関節を全て外していた
「くっ……認めるよ……君は確かに強い……私の完敗だ……その上で頼みがある」
「……名前は?」
「カーラマインだ」
「オッケーカーラマイン、俺になにをして欲しいんだ」
「腕治して……」
「ムリ」
両者の間に暫しの沈黙が流れた
「ふむ、なるほど……つまり治してほしくば私の身体を好きにさせろと」
「「「「「ん?」」」」」
まずいと帝は踵を返すと同時に一歩踏み出した
しかし 足首を掴まれて こけてしまった
「いいだろう、よく見れば顔も体も私好……いい体をしているようだが私の心まで好きに出来ると思うなよ!!」
「何すんだオメー!うぉおまっやめっ……た、たっタズゲデェー!!」
まーた
やっぱ頼りにならねぇわこの先輩……裕斗と子猫はジト目でこの惨状を見つめていた
「いい加減にしろ馬鹿者」
「ぎゃぅっ!?」
「モウオヨメニイケナイ……ズビッ……誰だか知らんが助かったよ……ありがとう……ありがとう……!!」
「あっ、いやその……私はレイヴェル様の指示に従っただけだ。礼なら彼女に言うといい」
べそをかきながら件の女性を探していると、ただ1人一誠の魔の手から逃れられたらしい少女が帝に歩み寄ってきた
「私がレイヴェルですわ。戦闘中に敵にお礼だなんて、下等な人間の割に随分と殊勝なお心掛けですのね。余裕でもあるおつもりかしら」
「カーラマインを止めてくれてどうも。そこの仮面の人も。危うく俺の貞操が散らされ……ん?」
会話の途中にふと違和感を感じた帝はレイヴェルをじっと見つめだし、次第に彼女の顔から火が噴き出した
「そ、そんなに見つめないでくださいませんこと!?恥ずかしいですわ……」
「いや、顔立ちといい魔力の性質といい見覚えあると思えば……どうしようもないやつだな、お前の兄貴……」
「はぁ……そういうことでしたのね……何だか損した気分ですわね……ライザーお兄様に関しては今更ですわ。妹萌えがどうのと、本当に節操のない兄ですわ。それと一応申し上げておきますが、私は戦闘には参加いたしませんわ」
「ふーん、お飾り眷属ってわけね」
検証は無理かと心のうちに止めることにした帝はふと魔力探知に引っかかった方向へ向くと、リアスとライザーが対峙していたのが見えた
ゲームも終盤に差し掛かり、人数差的にも他メンバーの余力的にもここいらで総攻撃を仕掛けるべきと判断していたリアスには帝による指導が目に見えて現れていた
「ライザー、投了したらどうかしら?こちらは眷属全員が残っているわ。けれどあなたはどう?眷属達はほとんどが戦える状況になく、唯一戦闘が出来そうなレイヴェルは戦う意思がない。勝負はもう決まったも同然よ」
「まだ舐めてもらっては困るな……我が一族が何と言われているかわかっているだろう?」
ライザーのそれが虚勢なのかは事実としての驕りなのかは定かではない
今この瞬間に至るまでライザーへの対策を立てることは叶わなかったリアスは言葉を詰まらせるほかなかった
「使い魔を通して見させてもらったが確かに君らの実力はヤツの手によって大きく底上げされたのだろう。あの日に比べれば目に見えて違う。だが少しでも消耗している今の状態では俺を倒すことは出来んぞ!」
轟々と炎が揺らめいた。ライザーとて貴族。フェニックス家としてののプライドとライザー個人のプライドが彼を奮い立たせていた
「そして何よりもだ……貴様だ、皇 帝!貴様を殺さねば俺の気が収まることもリアスに完全勝利したと宣言することもできん!」
ライザーの激情が害を以て帝に襲いかかった。龍の鱗すら溶かすと言われたフェニックスの炎らしく凄まじい熱量であった
しかしそれを前にしても帝の表情は変わらない。面倒そうにため息すら吐いている
ユーベルーナを倒した時のように帝は鞘に入ったままの剣を軽く構え、炎の核目掛けて一閃。制御を失った炎は霧散した。
「温ィな」
「くっ!ライザー様の元には行かせん!」
「おっと!あんたの相手は俺と木場だ!行ってくれ兄貴!」
イザベラを相手取る一誠と祐斗に感謝を告げた帝はライザーとリアスが対峙する新校舎の屋上へと飛び移った
「チッ、忌々しい……!やはり使い魔を通して見た通りか……!」
「……やっぱあの魔力の痕跡はテメェの使い魔だったかよ。で?どうする?お前じゃ俺には勝てないぞ?」
「確かに認めよう。貴様は強い。下等な人間にしてはな。だが俺は不死のフェニックス……それが何を意味するか貴様も分かるだろう?」
勝ちを確信したかのように薄ら笑いを浮かべるライザーに帝は思わずバカを見るような目になっていた。彼我の実力差を測れないバカだとまでは思っていなかった帝だが、その評価すら過分だったかと考えた
「そう言や今更だけど……ライザー、どうしてそこまでリアスに執着するんだ?他にもいるだろ?リアスに身近なヤツで言えばシトリーとかよ」
「あぁ……ソーナ・シトリーか……確かにそれもアリだとは思うさ。だがまぁ……分かるだろ?俺には彼女のコレが少し物足りないのさ」
帝のこめかみがピクリと動いた
「へぇ……?コレとはなんだ?口に出して言ってみろよ?」
「やれやれ、これだからガキは……ならばわかりやすく胸と言ってやれば分かるか?」
ブチッと小さく何かが千切れた音が響いた
「そう言えば雷光の巫女もいい胸をしているなぁ?戦車も慎ましやかだが将来性はある。僧侶も元シスターだったか?なるほど捗りそうじゃないか……あぁ安心しろ。騎士と兵士は小間使いとして雇ってやるさ……そう言えばもう1人兵士が居たな?」
チラリとライザーの目は美優へと向いた
美優はその目を知っている。欲望に塗れ、女をただの処理道具としか見ていない目。美優の体は蛇に睨まれた蛙のように固まり呼吸が次第に乱れていく
「ひっ……い……や……やだ……ああ……」
「一誠」
酷く底冷えするような声音だった。まるでこの世に蔓延るありとあらゆる絶望を煮詰めて詰め込んだかのような声
一誠は誰から発せられた声なのかが理解できなかった。だが理解する間も無く姉の元に駆けなければと本能が警鐘を鳴らしていた
心臓を掴まれているかのような恐怖と共に駆け出した。誰の声なのかも理解した……してしまった
それが誰でも無い、己の憧憬である兄の言葉なのだと
「いいじゃないか……どのように辱めれば俺に溺れるのかが楽しみで仕「テメェは黙ってろ」」
霆のような黒い衝撃がライザーの腹を突き抜けた。痛みすら感じ得ぬ程の一撃だった筈だ。理解の及ばぬ理不尽さと空洞となった腹部から蝕むような痛みがライザーを跪かせた
「よく理解できた。
蒼い眼光がライザーを正面に捉えた。瘴気のように溢れる魔力は炎のように弾け、雷のようにスパークを起こしていた。その中には密やかに、しかしはっきりと怒気が紛れていた
「あぁムカつく……女を物としか見てねぇその目……うちの妹のトラウマ掘り返してあんな目に遭わせやがったのもなぁ……!謝ってももう遅ェからな……!」
「くっ!いくら瞬間的に実力が上がろうと所詮貴様は人間!龍種の鱗すら溶かすフェニックスの炎を前に生き残れると思うなよ!」
怒りを抑えるかのように目元を手で覆う帝は自身へ迫る無数の熱源を一瞥した
ライザーは勝利を確信してほくそ笑んだ。自身にできる可能な限りを込めた火球の8連射。ほんの少し息を整える為に瞳を瞬かせた。次に彼の目に映ったのは綺麗に切り裂かれた8つの球と自身の首に迫っていた鈍色の光だった
「そいつは悪手だろうがよ、焼き鳥」
帝の刃は寸分違わずライザーの首を跳ね飛ばし、次いで振り抜かれた鞘はライザーの胴を捉えて吹き飛ばし
上から降ってきたライザーの生首は着地の寸前に帝に掴まれ、呆然としたライザーの表情を見て嗤った
「ははっ、悪ィな。隙だらけだったもんでつい他ン所も切っちまったわ。まぁでも、そっちが弱いのが悪いんだし仕方ないよなぁ?」
「ぐぅ……ぉぉぉぉああああ!!!!」
頭部のみのライザーは再び身を燃やし体を再生させた。だがその速度は帝が見た映像のものとは程遠く、とても全盛の状態であるとは言えない
「有り得ん!ただの人間が!純潔たる悪魔に勝てるはずが無い!ましてや俺はフェニックスだぞ!?認めん!認めんぞ!!」
半狂乱状態のライザーは燃え盛る拳を余裕の表情に叩きつけようと振るうが、近接戦闘は帝の領分。幾度となく振るわれる灼熱は帝に当たることはない
それどころか回避しながら次々と手足を切り飛ばしていた
「認めるとか認めねぇとかそう言う話じゃねぇのよ。強い方が正義、弱い方が悪。弱きは喰らわれ強きは生き残る。実力主義を是とする社会で生きてるんなら分かるだろ?今この場に於いての正義が誰にあるかを」
カウンター気味に振るわれた鞘がライザーの顎を掠めて脳を揺らした。膝をつく前に振るわれた剣は包丁のように軽く目の前の食材を千切りにした
「あれ、ここまで何回殺したっけ……まいっか、関係ないし……んで、どうする?このまま続けるか?」
不死性を持たない生命体であれば確実であっただろう死を幾度となく与えられたライザーの再生能力は既に無に等しかった。ライザーの再生には少しばかりの魔力を要するがその魔力すら尽きたのだ
「んじゃ本題に入るか……ライザー、お前はリアスと結婚して何を成したい?」
「は……?いや、そんなもの分かりきっているだろう……俺は未来の悪魔社会のために純血の悪魔を残して「そういうことじゃねぇんだわ」……」
鋭く細められた帝の目はライザーを刺し、その様子にライザーは一言も言葉を発することが出来なかった
「俺が聞きたいのは悪魔の未来だとか純血がどうのとか、そういうどうでもいい話じゃない。お前個人に聞いてんだよ。答えろライザー……リアス・グレモリーと結婚してお前は……ライザー・フェニックスは何を成すんだ」
「どうでもいい……?貴様わかっているのか!?俺とリアスの結婚が悪魔にどれだけ重要な意味を持つのかを!お前のような何も知らない人間のガキにどうこうできるような話じゃないんだぞ!」
「ごちゃごちゃ五月蝿ェなぁ!!繁栄だの存続だのどうでもいいっつってんだよ!ライザー・フェニックスは俺の日常を奪ってまでしたいことは何だって聞いてんだよ!」
射抜かんばかりの碧い目にライザーは気圧された
リアスと結婚してまで己の成したいこと……その言葉にライザーは言葉を出そうとして……止めた。それはあくまでも外から自分へと向けるものであり、帝が求めているのはリアスと結婚することで己自身を貴族や純血のしがらみもなく何を成せるか
その言葉にライザーはただ言葉を詰まらせるだけだった
「……わかった。やっぱお前にリアスは渡せねぇ。何も出来ずとも愛する女の側にいて支えてやりたい、ぐらいのことは言ってくれるかと思ったが酷な話だったな」
失望を滲ませた帝は手に持った剣を鞘から引き抜きライザーの頭頂部に添えた
「
〔ライザー・フェニックス様、リタイア。王が倒されたためこのゲームはリアス・グレモリー様の勝利となります〕
「お前が本当に心の底からリアスを愛していたんなら、泣いてるリアスの側に寄り添ってその涙を拭ってやるべきだったな……悪ィみんな、なんか最後まで俺がやっちまったわ!おぶっ!?」
「帝っ!!」
納刀を終えガハハと笑いながら振り返った帝の胸にリアスは一目散に飛び込んだ
「ありがとう……本当にありがとう……!!やっぱりあなたは私の……!!」
「よしよし落ち着けー?何はともあれみんなお疲れさん。美優はもう大丈夫か?」
「まだ少しだけ怖い……です。でもありがとうございます……ううん、ありがとう、お兄ちゃん。自分で行くよりもイッセーに来てもらった方が私がまだ安心できるって考えてくれたんだよね?」
「ま、美優と家族として過ごした時間なんてまだ1年ぽっちだしな。で、今日のお兄ちゃんポイント何点だった?」
「120点!今日のお兄ちゃんはいつもよりかっこよかったけど今の質問で80点マイナスです!」
「くっ!俺の馬鹿!何でああ言う質問しちゃうかなぁ!?」
口を押さえてお淑やかに笑う美優を見て帝は安堵した。砕けた口調が、帝が戯けてその様子で笑ってくれるのが、自分を兄と認めてくれたのだと実感していた
「ねぇ、帝……?」
「はいはい帝さんです。ってかお前いつまで抱きついてんだよ……そろそろ離れてく「好き」……はい?」
抱きついた状態から衝撃の告白。ひと段落つけると緩みきっていた帝の意識はいきなりボディーブローをかまされた
「私あなたが好き……愛してるわ」
「えっあの……リアスさんっ!?ちょいお前ら!ご主人様だろ!?止めてくれよ!」
「ふふふっ、いいのではないでしょうか?ここ最近のリアスは帝くんに夢中でしたから♪」
「部長、大胆ですね」
「わぁ!おめでとうお兄ちゃん!部長!」
「モテる男は辛いですね、先輩♪」
「テメ木場ァ!俺への僻みかコノヤロー!積年の恨みここでぇ!」
「あわわ!い、イッセーさん!木場さん!せっかくのところなのにケンカはダメですー!」
ダメだコイツら!全く頼りになんねぇ!帝は絶望した
そうこうしてる間にリアスは自身の体をさらにぐいぐいと押し付けて帝に迫る
「ね、私けっこう一途なのよ?好きな人にはたくさん尽くすタイプだと思うの。料理もまだまだ勉強中だけどあなたのために頑張ってるし、その……プロポーションには自身があるから夜の方だってきっと満足させられるわ!髪型だって服装だって、何でもあなたの好みに染まりたいの!ねぇ……どう?」
「あーいや、別に今は恋愛に興味ないっていうか……ほら!俺ら3年だろ!?進路も考えないとだしさ!?未来のことは慎重に考えるべきだと思うんだよね!?」
「そう……よね……でも私、婚約寸前だった訳じゃない?あなたがライザーを倒しちゃったから未亡人……みたいなものじゃない?これだけあなたに夢中にさせられたわけなのだしその……責任……取ってほしいなぁ……」
リアスの強烈なアピールに帝はたじろいだ。なんか周りにハートが飛びまくってるのがよく見える。しかしまだ己には成すべきことがある。何よりも
「うるせぇぇぇ!!!!俺は生涯独身って決めてんだい!俺の人生に横入りしてくんじゃねぇよ!俺は生涯童貞を貫き通して神になるんだよ!」
よし決まった!これで数々の自身への好意を打ち砕いてきたのだ。きっとリアスも幻滅して諦めてくれるに違いない
「あらそう……じゃああなたが恋人が欲しくなるようにすれば良いのね?ふふっ、いつかあなたに襲ってもらえるようにいっぱいアピールして誘惑しちゃうから覚悟しなさいね?帝♡」
「えぇ……うそーん……」
ちっとも幻滅していなかった。それどころかさらに燃え盛っていた
「そうと決まったら早速行動ね!用事ができたし先に帰るわ!みんなお疲れ様!また週明けの学園で!」
いつの間にか異空間から戻っていたのか、何かに突き動かされたリアスはそそくさと帰宅した。残されたメンバーは帝以外愉快な表情をしていた
「うっそだろオイ……どうすんだよ……終わった……」
「兄貴って意外と押しに弱いんだな……ていうかいいなぁー!部長に告白されてよ!」
「うんうん!今日はお赤飯だね!」
「めでたくねぇし付き合ってすら無いんだよなぁ……」
うへぇ……とため息が深く吐かれた
「あらあら、嬉しくなさそうですわね……それなら私に乗りかえますか?私も好きな殿方には尽くすタイプですのよ?」
「お前もかよ勘弁しろ……これ以上情報量で殴ってくるな……」
「不満そうですね先輩……何故そこまで?」
「そうです。私が帝先輩なら多分オッケーを出してると思います」
「んー……片付けないといけない重大事項があるからなぁ……それが終わるまでは何とも」
「それが終わらないと部長さんとはお付き合いされないのですか?」
「まぁうん……それまで恋愛のこと考えてる余裕はないかな……」
帝はチラリと左腕を一瞥した。意識すればじくりと刺すような痛みを感じる気がしたのか顔を顰めた
「よし帰ろう。なんか今日は情報量多すぎて疲れた!このことは週明けの俺に任せる!イッセーと美優帰ろうぜ!」
じゃーなーと間延びしたような声で残ったメンバーに別れを告げ帝は部室を後にした。家に帰って何故か炊かれていた赤飯を無視してベッドに顔からダイブすると泥のように眠った。そして翌朝━━━━
「おはよう帝。私も今日からここに住むことにしたわ!」
「おい何でここにいるんだよお前」
「今まで住んでたところは引き払ったの。グレアフィアにはたくさん詰められたけどあなたと一緒に過ごせるならその程度は些事よ!ということでこれからよろしくお願いね♡」
「ミ°ッ……」
大荷物と共に玄関前に現れたリアスを前にキャパオーバーを迎えた帝は絶命した
To be continued.
因みに黒い衝撃云々のくだりは本当ならここで出す予定ありませんでした。帝くんさぁ……勝手に動きすぎだよ……