ハイスクールD×D Re:Joker of despair   作:カルパン

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章ボスが1体とは限らないってマジ?

 

帝side

 

どこから間違えたのだろうか……こんなはずじゃなかったんだ……何故……どうして……そんな考えばかりが頭の中を永遠に巡っていた。今までの俺が悪かったのか……今更ながら身の振り方を考え直すべき……いや、そもそも俺が生まれさえしなけりゃ……

 

「あっ、お兄ちゃんおかわりいる?私入れてくるよ?」

 

「ん……ありがと」

 

「ねぇ帝、お味噌汁の味どうかしら?」

 

「ん……美味い。将来毎日これを飲めるやつは幸せ者だな」

 

「ふふっ、本当にそうね。でもここからもっと帝好みの味にして美味しくしてあげるから待っててちょうだい♡」

 

ダメだこの人話通じねぇわ……なんで俺と喋ってるとき毎回ハート飛ばしてくんの……語尾にも付いてるし……いてっ、ヘッショかますな

 

ライザーの件が落ち着いたその翌日より、リアスが皇家に住むようになった

 

家主の了承を得ないうちからリアスが勝手に決めていたものだったのだが……なんと父さんと母さんは歓迎ムードだった

 

父さんはこのことでイジってくるし母さんは俺とリアスの関わりをニヤニヤして見るようになった。なんならリアスに花嫁修行までつけ始めた始末だ

 

おかしい……実はグルだったのでは……?俺は訝しんだ

 

さらにライザーを倒してからと言うものの、リアスの俺に対する態度が結構変わった。なんというか俺に対する好き好きアピールが激しい……

 

嫌じゃないんだよ?こんな美人に好かれて悪い気がする男なんていないはずだ

 

でもだからって人の鍛錬後を狙って風呂に乱入してくるのは違うよね?

 

あと部屋を別に分けてるのにわざわざ俺の部屋で寝る必要無いと思います

 

朝起きる度に全裸の美女が隣で寝てるんだから何か事を起こしてしまったんじゃ無いかとヒヤヒヤさせられている。あと毎回キスを狙って来るな

 

本人曰く全裸じゃないと落ち着いて寝られないとのことだが……嘘つけ!良家のお嬢様がそんなはしたない真似して育つ訳ないだろいい加減にしろ!

 

「はいお兄ちゃん、ご飯入れてきたよ」

 

「ありがとう美優」

 

可愛い妹の頭を撫でると照れながらも嬉しそうにはにかんだ

 

くそっ!なにが「えへへ」だ!可愛すぎて爆発するだろうが!

 

見てわかる通り美優もライザーの一件以降、距離が縮まった。砕けた感じで接してくれるようになって甘えて来るようにすらなった

 

俺の前での表情が豊かになったし甘えてくれるようになってもう俺の兄ゲージは日々上限を更新している

 

「兄貴ってマジで姉ちゃんに甘いよな」

 

「本当はイッセーのことも愛でてやりたいとこなんだけどな……お前がしょうもないことばっかするから叱らざるを得ないんだよバカ」

 

部長にも同じぐらいしてやりゃいいのに……

 

聞こえてるんだよなぁ……くらえ鮭の小骨攻撃

 

吹き出された鮭の小骨はイッセーの額にクリーンヒット。イッセーはもんどり打った

 

「部長さんのアピールはすごいですね……私なんて恥ずかしくてとても……」

 

アーシアはリアスに尊敬の眼差しを向けてイッセーにチラチラと視線を送っていた

 

安心しろアーシア……もう君は未来の妹だ。イッセーとくっつけるためなら俺は協力を惜しまんさ

 

「当然だもの。いつか私は帝の彼女になって結婚もするのだから。ね?」

 

「ね?じゃねぇんだよ……やめろ、そんなあざとく上目遣いしたって無駄だぞ」

 

「もう帝、いい加減折れてあげなさいな。リアスさんみたいな美人さんがあんたのためにこんなに献身的になってくれてるのよ?告白もされたんでしょ?」

 

「いや、断ったはずなんだけど?恋人作る気ないって言ったんだが?」

 

「お前らしくないな帝……父さんをビビらせるぐらいの男気をもった息子はいったいどこに行ったんだか……」

 

「もういいわかったから父さんと母さんは黙っててくれ……ご馳走様」

 

使い終わった食器を炊事場へ持って行き、水に漬け置きしてそそくさと自室に退散した

 

哀しいかな、この土日で俺の外堀は埋められてしまったのだ……この調子だとその内早く孫の顔を見せろとせっつかれることだろう……いや高校生に子供なんて早すぎると思うなぁ!?

 

だがあの2人なら言いかねない……孫の顔とかはイッセーとアーシアに期待してもろて

 

「あら、もう準備出来たのね。ネクタイすこし歪んでないかしら?」

 

学園に向かう準備を終え自室から出るとリアスと鉢合わせた。彼女も準備を終えたみたいだ

 

「ちゃんと鏡見てやったしいけるよ。まさかとは思うがネクタイを直すとかこつけて俺の唇狙ってねーだろうな……」

 

「あら残念。バレちゃったら仕方ないわね♡」

 

やっぱかよ……油断ならねーな……実はお前サキュバスだろ……

 

リアスを警戒しつつ階段を降りると玄関には美優、イッセー、アーシアの3人が揃っていた

 

「待たせたな。父さーん、母さーん!行ってきます!」

 

「「行ってきまーす!」」

 

「「お父さま、お母さま行って参ります」」

 

「気をつけるんだぞー」

 

「みんな行ってらっしゃい!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「おい帝なんださっきのは!?」

 

教室に着いて早々クラスメイトの佐藤に絡まれた。まぁあんだけ堂々とあんなことしてバレない訳ないんだよな……

 

「色々あったんだよ……隕石がぶつかったり氷河期になったり……」

 

「誰も恐竜の絶滅理由について聞いてねーんだよ!」

 

「まさか帝がこの学園のアイドルであるリアスさんと()()()()()()()()()()()()登校してくるとは思わなかったからな。みんな興味津々なんだよ」

 

そう言って俺に詰め寄ってきた田中。この出歯亀坊主め……!

 

「俺は何もやってない!脅されたんだ!こんなのノーカンだ!ノーカン!ノーカン!」

 

仕方ないだろ!そうしないと警察呼ぶって脅されたんだよ!

 

「そんなことはどうでもいい。だがお前とリアスさんがどういう関係なのか、付き合っているのか体の関係は持ったのかキリキリ吐いてもらうぞ!」

 

鈴木がとんでもない発言と共に俺ににじり寄ってきた

 

あっおい女子は何キャーキャー言ってんだ!リアスのヤツ変なこと言ってたらシバ……平手……3日間口聞いてやんねーからな!

 

「くっ!こっち来んな!鈴木テメェそのメガネ叩き割るぞ!」

 

『いいから洗いざらい吐きやがれ!』

 

「テメェら上等だぁ!気ィ済むまでタコ殴りにしてやらぁ!」

 

こうしてクラスの男子共対俺の熾烈な争いが幕を開けた

 

「あうぅ……ほ、ホームルームがぁ……」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ぜぇ……はぁ……アイツら無駄に湧いて出やがって……」

 

「大変そうだったわね。お疲れ様」

 

だーれのせいだと思ってんですかね……

 

今日は午前授業のみだった。なんでも今後の学校行事の日程についての職員会議が午後からあるとのことらしい

 

でも普通に各部活は活動してもいいとのことだ。変なの

 

とりあえず教室に居座っていては教室の男子共の格好の的だ。授業間の休憩に至ってはなんか他のクラスのヤツらまで来たもんだからたまったものじゃない

 

暫くの間昼休みと放課後は部室に逃げ込むしかなくなってしまった

 

「そういやリアス、朝他の女子と何話してたんだよ。なんかキャーキャー言ってた気するんだけど」

 

「そうね……あなたと一緒に暮らすようになってからの事しか喋ってないわよ?ない事を言ってもあなたが嫌がるだけだもの」

 

「あ、そうなのか……」

 

いやもっとその気遣いを他のとこに回してくれよぉ!

 

「それに私があなたを狙ってるって周りに知らせておかないと。変な虫につかれたら困るし」

 

「そっちが目的かよ!」

 

「という訳で帝、はい」

 

リアスが昼食に持ち込んだお弁当のおかずを摘んで俺に向けて差し出してきた

 

前から思ってたけど箸の使い方上手いなお前……あと何がという訳なの?

 

「え何……」

 

「何って……見たらわかるでしょ?ほら、あーん」

 

「いやいらないんだけど……自分で食べるし……」

 

俺も持ち込んだ弁当の風呂敷を開けて手を合わせた

 

そう言えば朝母さんに絶対に完食するように念押しされたけどもしかして……

 

「……これってリアスが作ったやつ?」

 

「正解よ。あなたのために愛情たっぷり込めて作ったから是非食べて」

 

あの、愛情たっぷりってとこ強調しなくていいんで……

 

ゴムカップに入ったきんぴらごぼうをひとつまみ、口に運んで噛んだ

 

「う、美味い……七味まで振って甘辛くなってる……」

 

「よかった♪これから毎日作るから楽しみにしてて♪」

 

「いや、流石に毎日は……そうだ、交代しながら作ろう」

 

これなら俺の舌がリアスに侵食されることはない。あと料理の腕落としたくない

 

「いい考えね!それじゃあ明日から早速そうしましょう!」

 

「おん。今日はリアスが作ってくれたから明日は俺な」

 

「ええ!楽しみにしてるわ!」

 

……まずったかな……なんか余計好感度上がった気がする……

 

「お疲れ……お邪魔しました……」

 

「あ"っ!!おい待てや士郎!」

 

一瞬姿を現した士郎に俺は速攻で食いついた。こんな2人っきりのピンク空間に耐えられるか!俺は一抜けさせてもらうぞ!

 

「うぉ離せ帝!オレはこれから桜に用があるんだ!」

 

「取って付けた嘘言うんじゃねぇ!テメェ腕の件忘れたとは言わせねぇぞ!正義の味方なら助けろブラウニー!」

 

「桜のな!?それにオレだって馬に蹴られたくない!」

 

「「ぬおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」」

 

男と男の戦いが始まった。この戦いだけは負けられない……俺は勝ってここを出るんだ!

 

「あら士郎、桜に用があるなら凛も呼んでくれるかしら?今日は部員みんなに出て欲しいの」

 

「そう……か!それなら早速……呼んでくるっ!」

 

言うや否や士郎はドアノブから手を離した。オカ研の部室の扉は外開きタイプ。というか旧校舎全体のドアがそうだ

 

故に━━━

 

「あっおまっどばぁっ!?」

 

押し合っていた勢いのまま外へ飛び出して思いっきりすっ転んだ。当然と言えばそうなのだが……

 

「ゆっくりでいいわよー!」

 

「いっでぇ……顎打った……アイツまじ許さん」

 

チョークスリーパーの刑だ。首洗って待ってろ

 

そんなこんな、ドタバタとしながらも昼食を済ませると睡魔に襲われはじめた

 

理由は明白。隣に座ってる紅髪の何某によってもたらされている寝不足だ。寝てる時に全裸で抱きつかれているとわかってから昨夜はあまり眠れていないのだ

 

思春期男子の権利を守れー!柔らかな誘惑に負けない!とデモ行進が俺の脳内で行われてすらいた

 

「あら、眠くなったの?」

 

目をしぱしぱと瞬かせた俺の様子を見てか声がかけられた

 

「別に……眠くないし……」

 

「嘘言わないの。ほら寝てしまって大丈夫よ。私の膝を枕にしても大丈夫だから」

 

「俺は……負けん……!」

 

「強がり言わないの。それとも膝枕より胸枕がいい?膝よりもふかふかよ」

 

「ぐっ……誘惑には負けん……!」

 

「あら、胸枕がご所望?なら「膝借りる……」」

 

このまま寝たらどうせ勝手に膝枕か胸枕される。それなら寝る前から自分で選んだ方がマシだ……あと流石に胸枕はまずい

 

「素直でよろしい。はい、いらっしゃいませ♪」

 

拒否しようと結末はわかっていたので渋々リアスの太ももに頭を乗せた

 

しかし……この体勢だとリアスの絶対領域と俺の頬がどうしてもマッチングしてしまう

 

適度に付いた太ももの肉と女性特有の柔らかさがダイレクトに頬へ伝わるのだ。思わず心地の良い弾力という感想が浮かんでしまった

 

とは言え上を向けば今度は視覚的にまずい。リアスのエベレストが邪魔で天井が見えないのだ……

 

おっと文句は受け付けないぞ?というか俺にどうしろと?眠くなってしまった以上俺に与えられた選択肢なんてあって無いようなもんだろ

 

「こうしてるとなんだか落ち着くわね……」

 

「何かされそうで俺は落ち着かないんだが……」

 

「この状態じゃ変なことはできないわよ。頭を撫でるか胸を乗せるぐらいよ?」

 

「胸乗せるって十分変なことだと思うんだけど……お前のそれは最早凶器なんだよ」

 

「99もあったらそうよね」

 

「唐突なサイズ申告いらへんて……」

 

「どうせならメートル超えしたいわよね」

 

「勝手に自分で超えてくれ……待て近づけんなって……デカい分圧あるんだからやめろよ」

 

「大きいのは嫌い?」

 

「………………ノーコメント……」

 

嘘を吐いてもよかったが自分の性癖には嘘を吐けない

 

仕方ないだろ!?男の子はなんだって大きいのが好きだろうが!

 

「そう言えば帝って胸派?おし「おやすみ」あら……これから少し頑張って胸大きくしようかしら……」

 

そんなとこで頑張らないでいいです……

 

無理矢理閉じた瞳を閉じたまま睡魔が無理矢理俺の意識を蹴飛ばした

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「……て……かど……お……て……」

 

うーん……誰だよ……せっかく焼きたてバナナタルトをペリカンの嘴に詰め放題してたのに……もうちょっとで200個入れれるんだじゃまするなー……

 

「もう……たら……えい」

 

うごご……顔から退いてくれ……300は流石にやりすぎたから……うっ……息が……

 

「ほら、早く起きないと私の胸で溺れちゃうわよぉ……ひゃんっ♡」

 

「もがもが!!むごご!!ぶっへぇあぁっ!?ゲホッゲホッ!!はぁ……はぁ……ごめんってもう嘴の中にバナナタルトは……あれ……夢か……ふぅ……死ぬかと思った……」

 

息が詰まる思いをしながら急いで飛び起きた。危うく窒息するところ……ちょっと待て?

 

「うふふ、部長も大胆になりましたわね」

 

「美優先輩、家でもあんな感じですか?」

 

「えっと……ノーコメントで……」

 

「はぁ……リアス……あんた変わっちゃったのね……それともここまでにさせた皇くんが悪いんだか……」

 

女性陣の反応は様々だった。あと俺いつも通りにしてるだけです。変わっちゃったのはリアスなんですよ遠坂さんや……

 

アーシアと桜━━士郎の友人である間恫慎二の妹である。肝心の兄の方は最近見かけないが……今朝入部届を出して受理されたらしい━━は俺とリアスを見てはチラチラと自身の想い人に視線を向けていた。青春してるよねー

 

「まったく、見せつけてくれるな……見てるこっちが恥ずかしくなるよ」

 

「ぐっ"ぞぉ"〜〜!!!!羨ましくなんて……羨ましくなんて……!!!!」

 

「ま、まぁまぁ……ほら、これで涙でも拭い……涙……?」

 

相変わらずの紳士な祐斗はイッセーにティッシュを渡そうとしていたが、イッセーの涙が急に血涙に変わって困惑していた

 

「あっそうだ士郎テメェこの野郎!」

 

「えっちょ何するんだっ!?」

 

「テメェ押し合いの時に急に手ェ離しやがって!お仕置きだぁ!」

 

「なんでさぁぁぁぁ!!??」

 

問答無用だ。あれはお前が悪いんだから黙ってチョークスリーパーを受けろ

 

あれ、今更だけど俺横向いて寝てたよな……なんでさっき仰向けで起きたんだ……?

 

「ちょっ帝マジでっ……!ギブ……ギブっ……!

 

それに起きる直前の息苦しさ……飛び起きる直前に感じた手とは違う布越しの柔らかさ……まさか……!

 

「……リ〜ア〜スゥ〜……?」

 

ガクリと力を失った士郎は捨て置いてリアスに詰め寄る。お前さん変なことしないって言ったよね?

 

「へ、変なことはしてないわよ!?私目線では……い、いひゃいわ」

 

「甘んじて受け入れろ。俺が強く出ないからって好き勝手した罰だ」

 

おぉ、リアスの頬って意外と柔らかい。伸びもいいな。餅みたいにびよんびよん伸びる。あうあう言ってんのちょっと可愛いな

 

「そう言えば今日は部員集まってるけど何か用事でもあんのか?」

 

「うぅ……今日はこの学園にいる他の悪魔との顔合わせでみんなを集めたのよ。それが終わったら次はお楽しみよ♪」

 

他の悪魔ってことはアイツらか……

 

悪魔の正体にアタリをつけたところで見知った気配がドアをノックした。噂をすればとやらだ

 

「失礼します」

 

凛とした声と共に入ってきたのは黒髪の少女。聡明さを漂わせるその雰囲気に眼鏡がよく似合う

 

彼女の言葉と共に次々と人が流れ込んできた。その数8人

 

「生徒会!?じゃあ部長が言ってた悪魔って……」

 

「そう。駒王学園にいる悪魔は私達だけではない。彼女達生徒会も同じく悪魔なの」

 

そう、彼女達は生徒会だ

 

生徒会に入れるのは生徒会長様のお眼鏡に適った者のみという密やかな噂はこうして明らかになったのだ

 

「あっ!帝先輩!こんちわっす!」

 

「ごきげんよう皇くん。先日はどうもありがとうございました」

 

「こんにちは、元士郎に支取。また用事が溜まったらいつでも言ってくれよ。雑務ぐらいなら引き受けさせてもらうよ」

 

元士郎が俺を見つけるや否や真っ先に声を掛けに来た

 

彼とは半年ぐらいの付き合いだが、人生相談や彼の弟妹と遊んでたらなんか懐かれた。以来俺を見つけると犬みたいに駆け寄ってくるのだ。

 

ただ俺が学園にて今日に至るまでに築いた立ち位置がこういう形でも効いてくるとは少し予想外だった

 

少し感慨に耽っているといつの間にかイッセーと元士郎が小競り合いを始めていた。まぁ同じ兵士同士仲良くやるといいさ

 

「そう言えば帝くん、稀に生徒会の方に顔を出していましたわね」

 

「ええ。偶に生徒会室に顔を出しては学園関連の書類整理を手伝ってくれています。本当なら生徒会に迎え入れたいところでしたが……」

 

「ソロモン72柱の1柱たるシトリーの者にそう言ってもらえて光栄だ。でもリアスには下2人が世話になってるからさ」

 

「そういうことなの。いくら幼馴染だからって私の帝は渡さないわよ?」

 

「誰がいつお前のになったって?」

 

「そこまで野暮なことはしません。何よりリアスはやっと自分の意思で恋愛できるようになったのですから。もうしばらくは色ボケしていてもいいでしょう」

 

支取お前……割と容赦無いな……

 

「さて、顔合わせもここまでにしてそろそろお楽しみに移りましょうか」

 

「部長、お楽しみって?」

 

「イッセー、美優……2人とも悪魔としてのキャリアはそれなりに積めてきたわ。アーシアも新人とは思えないぐらい頑張ってくれているしご褒美が必要だと思うの。そこで今日は使い魔を契約しに行きます」

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ゲットだぜぃ!」

 

「格好といい言動といい大丈夫かおい。使い魔マスターになるとか言い出すなよ?」

 

「なんで初対面でオレのことがわかるんだよ白髪の兄ちゃん……まさかオレのマダラタウンのことも……!」

 

「やめろバカ!あと俺は銀髪じゃい!」

 

という訳でやってきました使い魔の森。景気付けに一発ボケようかと思ったら変なおっさんが現れた

 

おっさんの名はザトゥージ。今回の使い魔の森のガイドをやってもらっている。彼はこういうガイドで生計を立てているのだとか

 

「さて、ここで注意だ。森を抜けた先にある毒沼。ここには絶対立ち入らないことだぜぃ」

 

「ふむ……以前来た時はこうはなっていなかったはずです。一体何が……」

 

「実はここ数年、毒沼に住むヒュドラがやたら強くてなぁ……まさに原典のヒュドラそのものと言っていいぐらいだったぜぃ……いくら使い魔マスターを目指すオレでも相手にしたくないぜぃ……」

 

先祖返りのヒュドラ……なんか嫌な予感……

 

(ほう……先祖返りのヒュドラですか……)

 

ケイローン先生はお帰りください。辞退させていただく!

 

(しかしマスターにはまだ伸び代があります。今の実力のままで腐らせておくのは非常に勿体ない……)

 

俺をどこまで行かせたいんだよ!そら師匠を超えたいけどさぁ!?成長曲線はもうちょっと緩やかでもいいと思うんだよねぇ!!

 

(はぁ……仕方ありません……ヘラクレス)

 

「……承知しました、先生……マスター、どうかご武運を!」

 

「あっお前なに勝手に現界してぬおおおおおぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!??

 

「お、お兄ちゃーーーーん!!??」

 

突如として現れたヘラクレスに一同は驚愕。そしてプロの技術で首根っこを掴まれ誘拐された

 

人間って抵抗できない状態で高速で引き摺り回されると浮くんだな……

 

なんて考えていると浮遊感の終わりと共に後頭部に衝撃が走った。ヘラクレスは俺の折檻を恐れてか即霊体化した

 

「ありがとうございました、ヘラクレス。さて、ここら辺でしょうか?」

 

「せ、先生のドS!鬼畜!何が悲しくて神話の再現なんてしなきゃいけねぇんだよ!」

 

「おや、バレていましたか。これはうっかりですね」

 

白白しいぞ先生……!

 

「ふむ……縛りでも付けておきましょうか?地力の向上には必要でしょうし」

 

「え、嘘……まさかこのまんま戦えとか言わないよね?流石に死ぬけど?忘れがちかもだけど俺人間だよ?」

 

「まぁまぁ落ち着いてくださいな。微力ではありますが応援します!聖女の応援はきっと効果覿面ですよ?」

 

「マスターが無強化状態でヒュドラを倒せるところ見てみたいです!」

 

うるさいぞ人斬りサークルの姫と性女。そのしいたけみたいな目をこっちに向けるな

 

「せ、性女なのはマスターにだけです……」

 

あ、そう言えばこいつも何言っても効かないタイプだったな……あとナチュラルに心を読むな

 

それはそうとなんで君らはチアガール衣装なの?どっから調達してきた訳?

 

「シィ〜〜……」

 

うわ出ちゃった……やりたくねぇ……ヒュドラの毒って不死身相手にはめっちゃ効くって話だしなぁ……ここまで来たらやるしかないか……

 

「あーめんどくせぇ……もう破れ被れだ!やってやんよぉ!」

 

自身の右手首を握り抜剣。次いで2振りの剣として分離させて手錠型の鎖に巻き付けた

 

この剣は特殊な条件を満たさない限り折れることはまずない。安心してヒュドラの返り血を浴びせることができる

 

「ケイローン、縛りの内容は?」

 

「魔力放出以外の身体強化は無し。不死殺しも無しです」

 

まずは敵情視察。左眼を瞬間的に起動してヒュドラの情報を()る。強さを見れば魔力放出をした俺よりも強い

 

だがそれは知性のある場合。獣相手ならやりようはある……ちょっと面白くなってきた

 

ゆっくりと歩き出す。蛇はまだ来ない

 

少し速度を上げる。蛇が警戒態勢をとった

 

走る。巨大な顎門が迫る……!

 

「んなもん当たるかよ木偶がよ!」

 

巨大な頭を避け、すれ違い様に頭を切断した

 

次に標的を定めたのはブレスを溜めている頭。銃を取り出してそれぞれに魔力を纏わせた

 

未だに宙を舞う剣に向けて弾を撃つ。重苦しい発射音と金属音が俺と巨蛇の耳を撃ち抜いた

 

「BANG☆」

 

掛け声と共に弾が着弾。剣にぶつかって跳弾した魔力の2つの弾丸は口内でぶつかり合って爆発した

 

その間に迫っていた首の薙ぎを屈んで躱し、他の3つの首から放たれる毒ブレスを跳躍して回避……できひん!?

 

「のわぁっ!?ちっ!小賢しくディレイなんてかけやがって!」

 

2発目の毒ブレスは無理矢理身を捻ってすんでのところで回避、3発目のは足元に瞬間的に魔力障壁を展開しそれを蹴って回避した

 

「お返しだオルァァ!!!!」

 

回避先に待ち構えていた頭に手を叩きつけ、反動で前宙。遠心力を乗せて踵落としをお見舞いだ

 

迫る首を鎖で巻き付け、剣で頭を切断し、頭を撃ち抜いて受け流して殴り飛ばして躱して蹴り飛ばして

 

徐々に激しくなる攻撃に対応するにつれ高揚感が加速していった

 

「……ハハ……!!」

 

ダメだ。これ以上は笑いが抑えられない……仕方無いだろう?痛みを忘れた俺が生を感じるにはこうして命の削り合いをする以外ないんだ

 

「もっとやって見せろよクソ蛇ィ!!!!お前の全部を潰して喰らい尽くして━━━」

 

(ッ!!避けろ相棒ッ!!)

 

━━━━━━━━━━━━━━━

 

(おい相棒!起きろ!目を開けろ!)

 

……あー……どこだここ……だめだおもいだせない……

 

「帝先輩!?どうしたんすかその傷!?」

 

そうだ、何かにぶっ飛ばされたんだった……失敗だ……目の前のアイツに集中し過ぎたな……

 

べちょりと何かが俺の身体に纏わり付いた

 

「……ドライグ、さっきのは何だ」

 

(俺の理解できる限りでは龍種のオーラだったな……恐らく龍王クラスのそれだ……)

 

「そう言や龍王の中に因縁があるヤツがいたとか言ってたな……じゃあソイツか……」

 

(ケイローン、縛りは?)

 

(……冥霆までですからね……?)

 

(よし来た)

 

「……皇くん……?」

 

「あぁ、何だお前らか……悪ィな、ちょっと野暮用でよ……さっきまで殺し合いしてたんだわ……さっきからウゼェなテメェらぁ!!!!」

 

轟っ!!と俺の魔力が弾けると共に周辺のスライムが飛び散った

 

「んで、女子共はなんで裸……?あぁ、スライムに溶かされたのか」

 

肌に残っていた粘液の成分を左眼で見ると布類に反応するような酸を分泌していたのがわかった

 

イッセーが喜びそうなやつだな……なんならさっきまではしゃいでたみたいだし

 

ってうわめっちゃ木倒れてる……どんだけ飛んできたんだよ

 

さてこっからは剣も飛ばしながらやるか……思考が増える分負荷もデカいが……やるしかない……いや待て、それよりあの攻撃に対応できなかった理由を考えろ……反応速度の不足……それとも思考に余裕が無かった……?なら考えろ……スタイルを組み換えろ……!

 

「……ククク……あー……久しぶりだな……こんな楽しいの……」

 

ベッド代わりの倒木から起き上がり更に思考と集中を加速させる

 

伸びをすると至る所からバキバキと音が鳴った。俺の身体どんだけ凝ってたんすか……

 

「皇くんが苦戦するほどの強敵……リアス、私達も援護をした方が……」

 

「してあげたいのは山々だけれど私達は身の安全を考えた方がいいわね」

 

「……確かにフェニックスを打ち倒した実力は紛れもないものですが、私たちが援護に入れないほどでは━━」

 

「えっと……部長が言いたいのってそういうことじゃないと思います……だよね?イッセー君」

 

「お、おう。多分コレに関しては実際に見たほうが早いと思うっス……あとこんな楽しそうな兄貴は初めて見たんで邪魔しちゃ悪いというか……」

 

「コイツらの言った通り手出しは無用だ。見たいのなら結構。ただし身の安全を保障するつもりは無いからそのつもりで……頼むぞっと!」

 

飛来した巨大な魔力弾を黒い斬撃で両断。轟音と共に裂けたそれは後方へと大きく離れ、着弾と共に爆発した

 

()の実力をある程度知っているリアス達は少し驚いていたが生徒会の方は口を開けて唖然としていた

 

そんな口開けてたら口に虫が……あ、支取、改めシトリーの眼鏡ズレた

 

「という訳だ。()の援護をしたいならまずはここまで近付いてみろ」

 

無尽蔵に思えるほど湧き出る(くろ)い魔力を抑えて魔力放出を行う。緑と青の雷炎が弾けて体に纏わりつくように迸った

 

溢れ出るこの魔力と俺本来の魔力両方の制御も担っているのだろう。でもキツい。思わず絶望しかけちゃった

 

見据えるはドミノ倒しのように倒れて並ぶ倒木の先に居座る蒼き巨龍と九頭の巨蛇

 

足を前に出すと同時に0.01秒のみ左眼の展開、その間に読み取った情報を元に足を踏み締めるその寸前、魔力放出によりまたも黒い衝撃が走り空間を縮めたかのように巨龍の前へ辿り着いた

 

「ッ!?貴様は━━━」

 

「さっきの……お返しだァ!!!!」

 

振り抜かれた拳を流し、隙だらけとなった腹部に向けて拳を構える

 

推進力(速さ)×特殊な条件下で発生する(くろ)い衝撃による超火力×二重の極み方式による二重打撃

 

「……冥霆ッッッッ!!!!

 

それらの解は魔王級とすら称される五大龍王最強の存在の鱗を容易く砕いて吹き飛ばした

 

冥霆。成功すれば霆のような轟音と共に(くろ)い衝撃が発生する。発生判定がとんでもなくシビアなものの成功すれば桁外れの威力と無尽蔵な(くろ)い魔力を成功者へ与える、祝福の如き現象

 

()はこの左眼の能力とこれまでに何千何万と成功してきた経験と感覚、そして極限にまで研ぎ澄ました集中力によって理不尽な発生条件を踏み倒している

 

魔力放出と打撃が物体と衝突する際の誤差が0.00001秒以内であった場合。それが冥霆を発生させる条件である。要は魔力放出と攻撃がドンピシャで重なった時にのみ発生して超すごい威力になる。また発生がより0秒に近いほど威力を増す仕様みたいだ

 

解説もそこそこに戦闘へ意識を戻そう

 

未だ自由に舞う鎖を握りその先に絡まるものを手繰り寄せる

 

両手に握った剣を再び1つの剣として統合し、()が望んだようにその剣は緩やかな反りと波のような美しい刃紋を覗かせた

 

「さて、初撃は完璧。調子も上々……ってことで覚悟してもらうぞ怪物共…… ()の踏み台になる準備でもしとくんだな」

 

やはり怪物退治に刀剣類は欠かせない。いつだって怪物を討ち倒す英雄の傍には対象の命を断つ刃があるのだから

 

鯉口を切った刀からぎらりと鈍い光が対象を捉えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued.




帝君にとっての章ボス戦です。喜べよ、先祖返りのヒュドラと五大龍王最強のティアマットさんだぞ

冥霆……どっかで見た要素ですよね……はい、呪術廻戦ですありがとうございました

この設定に関しては完全に黒閃への一目惚れですね。初めて見た時からどう小説に落とし込もうか悩んでいました

それと帝君の冥霆にはもう少し他の要素が付随しています。それについては次章の章ボス戦で描写しようと思います。ヒントだけを言うなら前話のライザーの様子と今話の帝君が言った2文字ですね

それではまた次回
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