息抜きの短編集   作:Fade

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 やあ、諸君ごきげんよう。
 今回、先に謝っておこうと思う。
 おそらく、今回は読者から見ても無理矢理な感じに見えるかもしれない。
 もしそう見えたら、申し訳ない。


 
 この小説は考えることを放棄するのを前提として始めたはずなのに、気付けば二、三回書き直しをしてしまった。
 ぶっちゃけ、アミティエ難しい。
 今回のシチュエーションがシチュエーションだからしょうがないけど。
 


 また長々と申し訳ない。
 期待に答えていることが出来ているかは分からないが、楽しんでいただけたら幸いだ。
 では、本文をどうぞ。


追記
考えて、最後の部分を消しました。


アミティエは初心だと思う&キリエは年上のお姉さんな感じ

 

 

 キリエ・フローリアンは、最近家の中で高い頻度で話題に上がる人物について考えていた。

 彼と会った者たちの話を聞いてみても、悪い評判が一つもない。

 それどころか、高評価である。

 話を聞いている自分が妙に影響されるぐらい、高評価なのだ。

 彼のことがやけに気になってしまって仕方がない。

 さらには先日、警戒心全開でレヴィと共に出かけたディアーチェも帰ってきたら、見る人が見れば分かるぐらいの些細な変化だったが、満足げな様子だった。

 何があったのか聞いても全く答えてくれないから、余計に気になる今日この頃。

 キリエは考えた。

 四人からあれだけ評判の彼に自分も会ってみよう、と。

 そして今日この日、姉であるアミティエも巻き込んで彼の家に来たのだが…。

 

 「…いらっしゃい。アミティエさんとキリエさん、でしたよね」

 

 笑顔で出迎えてくれた彼は、顔を赤くしていた。

 会えた嬉しさとか、誰かに恋慕の情を抱いてるとかではなくて。

 …彼は風邪を引いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 まるで何事もないように、二人を歓迎してくれたユーノを二人はベッドへ半ば無理やり押し込んだ。

 そうしなければ、おそらく、そのまま二人の相手をしてしまっていただろう。

 自分よりも他人を優先する性質と言うべきか…。

 他人に移るかもしれない点を思いつかないぐらいに体調を崩しているのだから、さすがに自分を優先するべきだろうとキリエは思う。

 

 「…ケホッ……すいません。せっかく来てくださったのに…」

 

 現に、今もユーノは苦しそうに咳をしながら申し訳なさそうにしている。

 彼の反応に、むしろ悪いのは突然押しかけた私たちなんだけど…とキリエは困った表情を浮かべる。

 アミティエがユーノの額に濡れた手ぬぐいを乗せて言う。

 

 「申し訳ありません。こんな状態の時に来てしまって…」

 「本当にごめんなさいね」

 

 しょんぼりとしたアミティエに続いて、キリエも謝罪の言葉を続ける。

 さすがに、いつもの軽いノリで通せる状況ではない。

 だが、謝罪をした後のキリエは何かを思いついたのか、にやりとした笑顔を浮かべる。

 

 「だからお詫びに…」

 

 キリエは言葉を切ると、ユーノへ意味有り気な視線を向けて言う。

 

 「私とアミタで看病するわね~」

 

 その言葉に驚いたのか、ユーノはバッと上半身を起こして言う。

 

 「そ、そんな悪いですよ…ケホッ」

 「はいはい、しっかり寝ましょうね~」 

 

 キリエが方を優しく押して、再び寝かせる。

 そしてアミティエが手をパンと良い音で合わせて言う。

 

 「それは良い考えです!」

 「でしょでしょ。元々数日間泊めてもらう予定だったんだし、このぐらいさせてもらわないと私たちが申し訳ないしね~」

 「で、でも…」

 

 未だに渋るユーノ。

 どうやら二人から時間を奪ってしまう気がして、気が進まないらしい。

 そんな彼のおでこを指でちょんと突き、キリエは片目を瞑って言った。

 

 「変な遠慮しな~いの。それとも、私たちじゃ嫌?」

 「…嫌じゃ、ないです」

 

 ユーノは口ごもりながら言う。

 嫌なわけがあるまい。

 美人姉妹に看病されるとか、なんだこの羨ましいシチュエーション。

 

 「決まりですね。それじゃあキリエ、まずは冷蔵庫を確認しましょう!」

 「そうしましょうか」

 

 二人はユーノに安静にしてるように念押しすると、階段を下りてキッチンへと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後、アミティエだけがユーノの私室に戻ってきた。

 アミティエは椅子をベッドの横に移動させ、座った。

 そして、見つけてきた体温計をユーノに差し出す。

 

 「はい。まずは熱を計ってください」

 「…」

 

 ユーノは無言でそれを受け取り、先端を口に含む。

 その間に、アミティエは姿が見えない妹のことを説明する。

 

 「先ほど見たところ、冷蔵庫に最低限のものしかなかったのでキリエは買出しにいきました。帰ってきたら、どちらか一人はユーノさんの傍にいるようにしますので、何かして欲しいことがあったら遠慮なく言ってください」

 「…」

 

 ユーノは彼女の言葉に首肯で了解の意を示す。

 口に含んでいるのもあるが、喋るのも億劫のようだ。

 意識はしっかりしているようだが、どこかボーっとしている、

 ピピっと音を鳴らした体温計を手に取り、数字を見る。

 

 「三十九℃…けっこう高いですね」

 

 アミティエは体温計を仕舞い、額の手ぬぐいを濡らして絞り、再び乗せる。

 

 「とりあえず一日様子を見ましょう。普段の疲れが一気に出たのかもしれません。今日はゆっくり体を休めてください」

 

 アミティエがそう言うと、それほど間もなく、ユーノから静かな寝息が聞こえてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「…」

 

 そして宣言通り、傍で待機しているアミティエだったが、ユーノが寝ていては何も頼まれたりしないため、逆に何かしないといけない気がして体を揺らしたりしていた。

 

 「自分の性質がこんな時は憎たらしいです」

 

 誰に言うでもなく、アミティエはポツリと呟く。

 元来、彼女は「静」ではなく「動」の人物だ。

 今必要なことは彼を見守り、何か変化を見せたら対応することである。

 いつものように気合だなんだで慌しくやったら、彼の眠りの妨げになってしまう。

 

 「…ダメです。今日は静かに、姉らしく、しっかり看病するんです」

 

 小さい声で自身に気合を入れ、改めて寝ている彼を見る。

 家族である四人から評価されている彼。

 キリエと同様に、四人から話を聞かされていたアミティエも彼のことは大層気になっていた。

 さらに、今まで碌に持たなかった異性に対する興味がアミティエに拍車を掛けていた。

 

 「…」

 

 いつの間にか、アミティエはユーノの寝顔を凝視していた。

 昔にはそれほど話をしたわけではないのだが、ちゃんと覚えている。

 その時は子どもだったのだが、目の前の彼は大人である。

 …なんだか、妙に意識してしまう。

 アミティエは気付いていないが、徐々に徐々に、顔がユーノの寝顔に近づいていく。

 まるで、もっと近くにいたいというように。

 中々に間近な距離になった…次の瞬間、部屋のドアが開け放たれる。

 

 「ただいま~~。帰ってき………アミタ?」

 「……………へ?」

 

 聞こえてきた妹の声に姉は正気に戻った。

 そして現状を把握すると、顔を真っ赤にして素早く距離をとった。

 そのまま、ギギギッと壊れたロボットのように顔をドアの方に向けると、まるで楽しいおもちゃを見つけたようにニヤニヤしている妹が目に映った。

 何か言われる前に何か言わないといけない。

 そう思うアミティエだったが、もう遅かった。

 

 「あらあら~。ダメよお姉ちゃん?許可もなく彼を襲っちゃったら、シュテルが怒っちゃうわよ~」

 「襲うっっ!?ちが、違います!!今のは違うんです!!!!」

 

 これみよがしにお姉ちゃん呼びで言ってくるキリエに、アミティエはあたふたと手を振りながら懸命に言い訳をする。

 そんな彼女に、キリエは慈愛に満ちた表情で言う。

 

 「私は分かっているわよ。お姉ちゃんが寝ている男の人を食べちゃう痴女なんかじゃないって。もしそうだったとしても、私はお姉ちゃんを嫌いになんかならないから」

 「食べっ!?ち、痴女っっっ!?え、ええええええ!!」

 

 そういった言葉に全く耐性のないアミティエは、キリエの思惑通りにみごとなぐらい慌てている。

 見ていて楽しいなあとか。彼起きちゃわないかしら?などと考えていると、終に混乱の極致至ったアミティエが真っ赤な顔で言い放つ。

 

 「ア、アクセラレイターーーーーーーーーーーっっっ!!!!!」

 

 次の瞬間、アミティエの姿が綺麗さっぱり消えていた。

 キリエはやれやれと肩をすくめる。

 

 「我が姉ながら、素晴らしい反応だこと。ま、そのうち帰って来るでしょう」

 

 そして、あの騒ぎの中でもぐっすり眠っていたユーノに視線を向けると、妖しげに笑う。

 

 「それじゃあ、次は私のターンね~」

 

 キリエは、先ほどまで姉が座っていた椅子に座った。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「~♪」

 

 つまり起こさなければ良いのだ。

 そう言わんばかりに、キリエは眠るユーノの頬や髪の毛を弄る。

 髪はサラサラ。肌はすべすべ。

 世の女性は嫉妬するだろうな~などと考えながら、次に彼の右手を手に取る。

 

 「………ふ~ん」

 

 体温のため、熱く、少し汗ばんでいる。

 手も女性と見まごうぐらいに細い。だが、男性らしさがあるのだから不思議だ。

 どう言えば良いのか正しいのか分からないが、とりあえず言い表すなら「頼もしさ」がある手だ。

 キリエは何だか、無性に握り続けたい気分になった。

 

 「…「影響受けてる」と思ってたけど、正しくは「毒されてる」かな~」

 

 毒は毒でも、甘い甘いお菓子のような毒だとキリエは考える。

 自分から近づいてしまう甘美な毒。

 そうだ。だから、自分が変な感じになっているのはその毒のせいだ。

 彼のことを意識すると体が火照るのもそれのせいだ。

 そう考える一方で、冷静な部分が自身を落ち着けるように呟く。

 

 「これが恋愛感情なのかどうかなんて、まだ分からないけどね~」

 

 とにかく、今は全て毒のせいと考えることにした。

 そう結論付けると、キリエは手を離す。

 幸い、今日明日、そしてこれからも考える時間はある。

 焦ることはない。

 …しかし、なんだかんだで超優良物件なのは間違いない。だから―――。

 

 「…ん」

 「あら、起きたのね~。どう?調子は~?」

 「…寝たら、少しは………」

 

 気だるげに彼は答える。

 キリエはそんな起きぬけでもあり、少々ぼんやりしている彼に言葉を投げる。

 

 「あのね?私が三番目予約しておいても良いかしら~?」

 「…?」

 

 ―――こんなことをお願いしても罰は当たらないだろう。

 むしろ、こんなお願いしている時点で彼への気持ちに対する答えは出ている気もするが、保留である。保留と言ったら保留だ。

 まあ、ユーノは何を言われたのかよく分かっていないが。

 頭上に?マークを浮かべている彼を見て、キリエはクスクスと楽しげに笑う。

 

 「今は気にしないで。さて、何かして欲しいことはあるかしら?」

 

 さて、そっちの話題はここまで。

 キリエはしっかりと看病の体勢に戻る。

 そして、彼にやって欲しいことを尋ねるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにアミティエはあの後、しばらくしてから戻ってきて、キリエが買ってきた食材でユーノのための病人食を作っていたのだが、なにやら「違う…違うんです…」と顔を真っ赤にしながらブツブツと呟きながら料理をしていたことを一応記載しておく。

 まあ、しばらくキリエから弄られるネタになったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 




 
 またもや最後に何かフラグ的なもの書きましたが、削除しました。
 書ききれないと思ったので。
 
 さて、今日はここまで。
 感想お待ちしております。
 あばよ!


追記。
あとがき一部削除。
なに書いてんだ…深夜テンション怖い。
さらに追記。
あとがき一部変更。
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