冥界に滞在中の飛彩と黎斗はこの数日間とても濃い毎日を過ごしていた
一方その頃、小猫の姉である黒歌は禍の団のヴァーリの元に身を寄せており、彼女も冥界に来ていたのであった
小猫と黒歌、2人の再会の時は近づいていた
リアスとソーナのゲームを明日に控えた今日、冥界ではパーティーを行うことになり飛彩と黎斗は再びアザゼルの付き添いという形でアザゼルが用意していたタキシードを着て出席する事なった。女性陣(+ギャスパー)もドレスを着ているが、何故か祐斗とイッセーは駒王学園の制服姿であった。
これについて疑問に思う飛彩と黎斗だが、アザゼルが「今の世の中、野郎の正装より女の正装の方が需要があるって事だ」と言うと何故か納得してしまった
そんな中、小猫だけは妙にソワソワしておりイッセーは飛彩達に何故か疑いの眼差しを向けていた
「お前ら、小猫ちゃんに何かしたんじゃないのか?」
「何か問題があるたびに俺達を元凶にするな。大方、これから始まるパーティーに緊張しているんだろう」
「へ!どうだか、魔王様に招集されたのに拒否する奴の言う事なんか信用できるかよ。それにな、サーゼクス様から聞いたけど小猫ちゃんは非道な姉に裏切られて心に大きなトラウマを抱えてるんだ。お前らがそれをほじくり返さないか心配だぜ」
どうやらイッセーは飛彩達に対し、異常な敵意を持っているようだが2人はそれを無視し、迎えに来てくれたドラゴン達の背に乗りパーティー会場に向かった
パーティー会場では様々な貴族悪魔が話していたが飛彩と黎斗に話しかける者はおらず、むしろ汚物を見るような視線を感じた。しかしそんな中、2人に話しかける男がいた
「すまないが、君達がリアスの協力者の人間か?」
男の体はまるでプロの格闘家のよう鍛えられており、体から滲み出る覇気もこれまで出会った悪魔の中でも最も強く感じた
「君は確か若手悪魔の1人で『魔王になる』と言っていた……」
「サイラオーグ・バアルだ。リアスから君達の話を聞いている。今後とも従姉妹のリアス共々よろしく頼む」
サイラオーグはそのまま握手を求め、2人は交互に握手をした。どうやら彼は他の悪魔とは違い、人間を見下していないようであった
サイラオーグと簡単な自己紹介をして別れると小猫が会場を出て何処かに行こうとするのが見えた。そのまま彼女を尾行すると黒い着物を着た女性と小猫を見つけ、そのまま隠れようとするが
「そこのお兄さん達、隠れなくてもいいわよ。私は貴方達に危害を加えるつもりはないわ」
女に隠れているのがバレて素直に姿を見せる2人。すると女の顔は驚いていた
「貴方達はヴァーリを倒した人間じゃない!なんで
「ヴァーリ…つまり君は禍の団の一員だな?」
黎斗が質問し返すと女は少し笑って答えた
「質問に質問を返すのは良くないんだけど……良いわ答えてあげる
私の名は黒歌、御察しの通りヴァーリの仲間であり、そして貴方達が小猫って呼んでいる女の子の実姉よ」
「お久しぶりです姉様、お元気そうで何よりです」
「そっちも元気そうで嬉しいわ『白音』」
黒歌は自己紹介を終えると小猫と会話を始めた。白音はおそらく小猫の本名なのだろうと飛彩達は思っていると、いつの間にか美猴が横におり呑気に茶を飲んでいた。彼から「2人の邪魔をするなよ」と言われたので大人しくしていた
「意外だわ。てっきり貴方を置いていったことを根に持っていると思っていたから…そんな……そんなに優しくされたら泣いちゃうじゃない」
黒歌は妹と再会したからか涙を流していた。それに連れられて小猫も黒歌に抱きつき涙を流していた。ついで美猴も貰い泣きしてた
気持ちが落ち着いたのか、小猫は抱きつくのをやめ話を始めた
「姉様、教えてください。姉様がはぐれ悪魔になった原因を…あの事件の真実を」
すると黒歌の表情が暗くなるが話し始めた
「私を下僕にした悪魔に私はある契約していたの。『私の妹は下僕にはしない』って、ちゃんと契約書も書いて私が保管していたのよ。ちなみに今も持っているわ。それなのに、アイツは契約を破ろうとした。それだけに留まらず、貴方を洗脳して自分の都合のいいように動く兵器にしようとした、だからそれを止める為に……」
「姉様は、その悪魔を殺した」
小猫が静かにそう言うと、黒歌は頷き再び泣いた。おそらく自分の行動が結果的妹を悪魔にしてしまった事を悔やんでいるのだろう。そんな姉に対しある提案をする
「姉様、1つ聞いてください。信じられないかもしれませんが姉様の悪魔の駒を摘出することができます。そうすれば姉様は、はぐれ悪魔ではなくなり追われる事はなくなります」
小猫の言葉が理解できないのか、黒歌は口を開けて小猫の顔を凝視した
「な、何言ってるの白音!悪魔の駒は作った魔王でさえ死ぬまで一生取り出す事は出来ないのよ!そんな奇跡みたいなことが簡単に起こるわけないじゃない!」
「いえ、それができるんです。そこにいる人間の飛彩さんと黎斗さんなら」
小猫は飛彩と黎斗を見ると、2人は頷いてた。すると美猴が頭を掻きながらわざと大声を出した
「あーヤダヤダ!パーティーの様子見してたら見付かるわ、『悪魔』の黒歌は殺されちまったりで大変だぜ!」
そう言いながら笑っている美猴を見て黒歌は飛彩と黎斗を見て質問する
「それじゃ…お願いできる?」
「問題ないが…少し痛いかもしれんぞ」
「彼が言う通り、私達の治療法は少し荒療治だがそれでいいか、黒歌君?
それとリアス君、アザゼル?」
黎斗の言葉に小猫は周囲を見ると、そこにはリアスとアザゼルがおり、2人とも頷いていた
小猫は驚くがリアスは笑っていた
「『貴方が急に飛び出して、飛彩達がそれを追っていった』ってアザゼルから聞いた時はビックリしたけど…そう言う事情なら私は許すわ」
「俺もだ。ってか早く摘出してくんねぇか?その様子を見たくてウズウズしてんだよこっちは!」
マッドサイエンティストな発言をするアザゼルに回りから白い目で見る中、飛彩達はレベル1に変身しようとする。しかし、その時ある声がした
「おいおい、痛みの傷も無いハッピーエンドなんて白けるだけだぜ。俺がゲームを盛り上げてやるよ」
その声に一同驚く中、黒歌めがけて紫色の
『混乱!』
次の瞬間、黒歌は胸を押さえ苦しそうな表情をした。そばに居た小猫は彼女に駆け寄ろうとするが黒歌が彼女を突き飛ばした
「ね、姉様⁉︎」
「し、白音……逃げて……このままじゃ私…私じゃ無くなる……!」
すると黒歌の体は膨れ上がっており、怪物に変わってしまうのも時間の問題となっていた
「おースゲーな!これは倒し甲斐がありそうなモンスターになりそうだな。これでゲームも面白くなるぜ!
あの女がお前達を殺すか、お前達があの女を助けるかの命がけのゲームがな」
再び男の声がすると、変身した黒歌の前に謎の戦士が現れた
「お前は誰だ!」
アザゼルが戦士に聞くと戦士は答えた
「何だ、永人から聞いていないのかよ?俺の名は仮面ライダーパラドクスだ。よろしくな」
パラドクスが答えると美猴以外のメンバーは瞬時に全員警戒した。美猴も飛彩達が警戒すると、パラドクスを危険な存在と判断し如意棒を取り出しながらアザゼルに質問した
「なぁアザゼルさんよ、
「そうだ、こいつはここにはいないヴァーリを倒した3人を圧倒した男だ」
「ふーん。ってマジかよ!つまりこいつヴァーリよりヤベーってことじゃん!こいつは、厄介だぜ……なぁ俺と共闘しないか?俺も黒歌を助けたいし」
美猴は冷や汗を掻きながらアザゼルに協力を持ちかけた。アザゼルは首を縦に振り承諾した
「どうして?どうして姉様を暴走させたの⁉︎」
小猫はパラドクスを睨みながら問いただしていた。それに対してパラドクスは何処かつまらなそうに答えた
「そりゃ簡単さ、つまらなかったからさ。デウス・エクス・マキナみたいな展開で何の痛みや苦労もしないで幸せを得る。そんな全く面白みのない展開なんて…その為に犠牲になった連中がバカみたいじゃないか」
急に態度が変わるパラドクスに怯える小猫だが、リアスは違和感を感じていた。先程の話をしている時のパラドクスは、小猫ではなく別の何かを見ているように感じたからだ。そんな違和感に疑問に思っていると、暴走した黒歌が雄叫びをあげ形振り構わず暴れ出した
「おっと、そろそろゲームの開始ってとこか
飛彩!黎斗!お前達は
まるでサーカスの開演を待つ子供のようなパラドクスに2人は怒りながら変身した
「これより、黒歌の救出手術を始める!」
「コンティニューしてでも救ってみせる!」
こうして姉妹の感動の再会は一転して、命をかけた戦いへと変わっていったのであった
今回、パラドクスは黒歌の中にある悪魔の駒に対して『混乱』のエナジーアイテムを使いました
(でもちょっと無理があるかな?)
次回は暴走黒歌戦です。果たして小猫達は黒歌を救うことができるのでしょうか?