「私としたことが肝心のこれを扱うためのデバイスを忘れるとは…不覚だー!」
そう、アーシア専用ガシャットである『ときめきクライシス』は完成こそしたが使うための道具の存在を失念しており頭を抱えていた
そんな悩める彼に救いの手が舞い降りた
「苦戦してるようだな黎斗」
「誰だ!って風魔か。君が変身した姿で来るとは珍しいな。いつものフードはクリーニングにでも出しているのか?」
そうコカビエルにトドメを刺し、パラドクスからイッセーを守った風魔であった。風魔は手に持ってるブツを黎斗に渡した
「アーシア君用のガシャット運用に困っているようだね。よければコレを直してくれるならこいつのデータを使って貰って構わない」
「ほう、言うじゃないかでは早速調べさせて……こ、これだ!これがあれば彼女も私達と同じように変身ができる!」
「そうか、それは良かった。では修理は…」
「直ぐに終わらせる!」
その後、風魔は修理を終えたブツを受け取るとすぐに姿を消し、黎斗は1人笑っていた
「できたぞ…ときめきクライシスガシャットとそれを扱うための…バグルドライバー
Baalの拳!
修学旅行
それは学校生活で一回しかない大イベントであると同時に多くの生徒にとって特別な時間を過ごせる学校行事
小学生は最高学年である6年生に行われ、中学・高校では殆どの学校で2年生を対象としており、私立高校の駒王学園も例に漏れず2年生が修学旅行を心待ちにしていた。無論永斗も修学旅行をより良いものにする為に飛彩達と準備をしていた。ここにはいないアーシアとゼノヴィアも黒歌の手伝いを借り準備をしていた
「それにしてもまさか採用されたばかりのロスヴァイセさんや
「俺もそうだ。にしても、俺たちをまとめて学校外へ出そうなんて理事長の陰謀めいた何かを感じるな」
「それには自分も同感だな」
「たとえ何か事件があってもまた私達で対処すればいいだけだ。それにしてもさっきゼノヴィアから聞いたが大我、君は彼女とは仲がいいそうじゃないか?学校でも噂されているぞ」
「噂?ってか彼女って誰だ?」
黎斗の話に大我は眉間にしわを寄せる。すると『やれやれだ』といいたげな貴利矢が疑問に答えた
「『誰って?』ロスヴァイセちゃんだよ。彼女結構お前に対してアプローチかけてるだろ。それでお前さんは彼女のことをどう思ってんの?」
「『どう思ってる?』って…!ば、バカいきなり何聞いてくるんだよお前!恋バナ好きな女子生徒か⁉︎」
「そう言うお前はウブな小学生か?」
貴利矢の問いかけに赤面する大我をからかう飛彩。そしてそれを見て笑う黎斗と永斗。彼らのその様子は平和そのものだった
ちなみにロスヴァイセのアプローチの内容は大我にコーヒーを入れたり、弁当を作ったりと様々であり大我自身は
「まぁ…その…悪い気はしない」
と脈はありと後日、貴利矢から聞いたロスヴァイセは1人で声を出しながらガッツポーズをしてた。
そしてその様子を見ていたイッセーのクラスメイトである桐生 藍華が大我にチクって一騒動になった
一方その頃リアス眷属並びにイリナとロスヴァイセは冥界にあるグレモリー本邸に呼ばれてお茶会をしていた。ちなみにアーシアとゼノヴィアも呼ばれていたが2人は『修学旅行の準備が忙しい』と断り、永斗達ライダーに至っては誰一人として招待されなかった。
今日は北欧からの親善大使であるロスヴァイセを魔王を輩出した家として歓迎したいとのことなのだが、当の彼女は、
(普通、そういうには政府本邸とかで行うのが当たり前ですよね?これじゃまるで『たかだが北欧から来た田舎娘ごときが魔王様の元へ謁見できるなどと甘く見るな』って言ってるような気がします。それにアーシアさんとゼノヴィアさんは招待してたのに同じ人間である永斗君達は全く招待していないのも気になります。これはオーディン様に報告しておきましょう)
っと内心首を傾げていたが公の場であるため胸の内にその疑問を留めていた
お茶会は初めに『北欧神話として同盟をどのように生かしていきたいか』といった政治的な話であったが、グレモリー夫妻はだんだん目前に迫った駒王学園の修学旅行へと内容が変えていった。ロスヴァイセも今回の修学旅行には同行することになっているので無関係とは言い難いが、そもそも今回の本筋は親善大使である彼女の歓迎であって世間話をしに来たわけではない。いつの間にか蚊帳の外へと追い払われてることを感じると思わず溜め息をついてしまい、近くにいたリアスはそれに気づき申し訳なさそうな顔をしていた
そろそろ人間界に戻ろうとした時にサーゼクスが帰ってきたと連絡があり一同は挨拶だけでもしようと顔を出しに行くと、そこには貴族服を着て果物籠を手にしてるリアス従兄弟のサイラオーグ・バアルと同じく貴族服を着ているレイヴェル・フェニックスがいた。リアス達はサーゼクスに挨拶をするとサイラオーグとレイヴェルに訪問の理由を尋ねた
「俺はバアル領の特産品である果物などを持ってくるついでに俺とお前とのゲームのルールについて話し合おうと思ってな」
「私は家の用事でグレモリー領の近くに来たので少し顔を見せようと思っただけですわ。それにしても…今日は以前来られていた飛彩様や黎斗様達はおられないのですね」
「飛彩さん達は今日は冥界に招待されていないんです」
「そうですか。ハァー残念ですわ」
「まぁ、そう気を落とすなレイヴェル君。それにしてもアーシア君とゼノヴィア君は来てないようだが?」
「2人とも人間界の方で用事があるのでそちらを優先していまして不在ですお兄様」
「そうか、それは残念だ。彼女達とはゆっくり話をしてみたかったんだかな(チッ、リアスの評価を挙げれそうな女共がいないとは。それにしても人間界の用事などより優先すべきは我ら悪魔の方を優先すべきだろうに)」
(お兄様のあの雰囲気…和平会談の時に見たのと同じだわ。お兄様はあの2人に何をする気だったの?)
サーゼクスの雰囲気がどこか変なのに気づくリアス。しかし、それは妹であるが故に分かったことであり他の面々には理解できなかった
一方サイラオーグは終始堂々としており、対してレイヴェルは小猫から飛彩達人間がいないことを聞くとテンションが下がっていた。するとそんなレイヴェルが気になったのかイッセーが声をかけた
「元気出せよレイヴェル。別に人間の永斗達がいなくたって俺達悪魔には特に問題はないだろ?代わりに良かったら俺が相手を…「口を慎むべきではないのですか、リアス様の
先日、オーディンがイッセーに注意をしたようにレイヴェルもまた鋭い視線を向けていた
「ど、どうしたんだよレイヴェル、そんなカリカリして。あいつらがいないからってそんな怒る必要ないじゃないか?」
向けられたイッセーは何故こうなっているのかが理解できてないようで、小猫はそんなイッセーに呆れており、
(私のこの手から弾丸でも発射できればここでこの変態を蜂の巣にしてやるのに…)
と
そんな中レイヴェルは口を開いた
「いいですか赤龍帝殿。貴方は転生悪魔云々を度外視しても只の下級悪魔、それに対し私は仮にも上級悪魔の嫡女ですわ。普通に考えれば、身分が下の貴方が上である私の許可無くタメ口で話せば大目玉なことぐらい分かる筈です。
今日は私が勝手に訪問したからとやかく言う気はありませんし、不用意に特権等を振りかざす気は毛頭にありませんが以後気をつけるべきです。下手をすればその場で貴方の命が終わってしまいますわよ
ハァー、これでは本当に
言いたいことを言ってスッキリしたのか肩の力を抜くレイヴェル。対してイッセーは突然の説教に頭の処理が追いつかないのかポカーンとしていた
だがここでサーゼクスから『サイラオーグと手合わせをしないか』と提案が出されイッセーの頭はすぐにそちらへ切り替わった
グレモリー領にあるアリーナ型のトレーニング施設では貴族服を脱いでアンダーウェア姿のサイラオーグと神器を展開しているイッセーがそれぞれウォームアップをしていた
「小猫さんはどちらが勝つと思い…「無論サイラオーグ様です。あの変態が勝つなんてことは、サイラオーグ様の体調が急変するか変態の悪運が強いかぐらいしか私はそう考えられませんレイヴェル様」…そ、そうですか…(ま、まさかの即答…あのポーンはどれだけ自分の身内に嫌われているのかしら?)それより同い年ですし私にはタメ口で構いませんよ」
「え、でもさっき変態に…」
「あれは礼節を知らぬ愚か者へ当然の対応であって、貴方はちゃんとその点はしっかりしてます。それになんだか良い友達になれそうな気がしまして」
レイヴェルにそう言われて頬を赤らめ少しかいて手を伸ばした
「じゃあ、これから改めてよろしくレイヴェル」
「はい、小猫さん!」
将来有望な女性悪魔同士で素晴らしい友情が芽生えた中、ついにサイラオーグとイッセーの手合わせが行われた
開幕早々禁手を発動させサイラオーグに勢いよく右ストレートをを叩き込もうとするイッセー。しかしサイラオーグは避けずにそれを右手で受け止めた
「そんな…まだ少しとはいえ倍加した拳を耐えるなんて」
「いい拳だな。勢いのある真っ直ぐ拳打だ。だが…」
サイラオーグが拳を受けた感想を語る中、彼の表情が険しい物になった
「まだ未熟な面が多いな。今はこのままでもいいかも知れんがリアスが本格的にレーティングゲームに参戦するようになったらこれでは勝てんぞ」
サイラオーグはそう言うと左手を強く握りイッセーの腹部にストレートを叩き込んだ
「グフッ!」
殴られたイッセーはそのまま吹っ飛び空気を欲しているのか鎧兜を外し大きく深呼吸をしていた
イッセー対サイラオーグ。この2人の手合わせは呆気なく終わった
「うむ、あまり言いたくはないがこの程度か。だとするとあの噂が気になるな」
「噂?サイラオーグ、なんだいそれは?」
サーゼクスが首を傾げてるとサイラオーグは少々言いづらそうな顔をし口ごもってしまう
「おや、魔王様存じていないのですか?今冥界では『赤龍帝よりその弟君である人間の方が強いのではないのか?』と噂になっていますのよ」
口ごもるサイラオーグの代わりにレイヴェルが答えると、小猫は周りに見えないように笑ってしまい、ある程度回復したイッセーは反論した
「はぁ?
「イッセー君の言う通りだ。ただの人間である彼が悪魔であり赤龍帝でもあるイッセー君に優れてる訳がない。大方イッセー君の存在を妬んだ連中のでっち上げだろ。レイヴェル君、サイラオーグ、上級悪魔たる者そんな噂に振り回されてはいかんぞ」
『冗談も程々にしてほしい』といった態度のサーゼクス。だが非公式のレーティングゲームで彼らの実力を直と見たレイヴェルはこれが噂でなく真実と確信を持っており、むしろ神滅具を持っているとは言え、よくあるバトル物の物語で精々噛ませ程度しかならないイッセーに盲信的なサーゼクスに警戒していた。それはサイラオーグも同様であった
冥界から帰ったその日の晩、イッセーは荒れていた
(レイヴェルの奴、ライザーの妹のくせに上級悪魔だからって偉そうにしやがって!そんな急に礼節がどうのこうの言われたって馬鹿な俺には分るわけないだろ!サイラオーグさんもそうだ。俺が永斗より弱いって?あいつは変身できなきゃ何もできないだろうが!部長の従兄弟だからって俺のことを何も知らないくせに好き勝手言いやがって、絶対に今度のゲームでぶっ飛ばしてやる!)
(あーあ、こいつはダメなパターンだな。いつまでも自分が世界の中心だと思い込んでて、周りが動いているのに全く気付いてないな。そろそろ自分が動いていないってことに気がつかないと、冗談抜きでこいつくたばるのも時間の問題だな)
イッセーの苛立ちにドライグは呆れていた。
レイヴェルにオーディンと同じ目で見られたイッセー。しかし相手が(イッセー視点で)女好きでチャラいライザーの妹だからと全く身に染みていません
サイラオーグとの実力差は圧倒的で正直今のリアス眷属では全く手出しできません
ちなみに、アーシアとゼノヴィアを誘っておりて永斗達を誘わなかったのは、別にサーゼクスがアーシア達をリアスの眷属にしようと洗n…説得しようとした訳ではありません…本当なんだ!信じてくれ!(by匿名の男性悪魔)